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生活の豊かさの設計

             こりゃ、あかんわ・・・・

       ラスベガスリポート(02.03.08)

こんにちは、吉田繁治です。時差(Jet Lag)から、なかなか回復し
ません。米国に行ったときでなく、日本に帰ったとき、変な時間に
突然眠くなる。眠れば数時間で目が覚め、カレンダーの感覚がなく
なり、今日は何日だろうと思う。まぁ、無駄に抵抗せず身体の自然
に任せましょう。

ラスベガス視察ツアーでは、中心部から15分くらい南に行ったヘ
ンダーソン地区の分譲住宅(Model House)を見学コースに入れまし
た。住宅を見れば、米国人の生活の実相が分かるからです。

ラスベガスは、年間で7%の人口急増地域です。10年で2倍にな
る増加速度です。そのため、郊外の住宅と生活を支えるための、最
新のショッピングセンターの建設がある。米国チェーンの最新店を
見ることができるのもラスベガスです。

ラスベガスの分譲住宅を見た視察ツアーの参加者の感想がどんなも
のか、楽しみにしていた。

神戸にある薬品会社(摩耶堂製薬)の若社長
<こりゃ、あかんわ> 
日本の住宅との言葉を失うほどの格差から出た言葉でした。

視察ツアーに来る直前に、横浜に住宅を買ったという人材派遣会社
の専務に感想はどうですかと尋ねると、
<日本で買ったことは、失敗でしたね>
ローンを払うたびうに、ラスベガスで見た住宅を思い出し嘆息され
る様子が浮かびます。

住宅は人間の生活のベースです。経済大国と言いながら、住生活で
の貧困がある国が、日本です。

私は、住宅を持っていません。12年ほど前、貸していた小倉の(
マンションと言われる)100平米のアパートは売りました。大阪
に来て14年、豊中市(今は東豊中)には10年住んでいます。ず
っと借家です。価格と住宅の質に満足ができないからです。

米国に行くとほぼ毎回、分譲住宅を探して見ます。回数を重ねるご
とに、日本の住宅の価格の高さ、設備と内装の質の悪さ、狭さと比
較し嫌気がさし、日本では買う気がなくなった。



       <Vol 91 生活の豊かさの設計>

【目次】
 1.講演と雑誌記事のご案内
 2.住宅
 3.しかし食では日本が最高
 4.21世紀産業のキー概念とCIO
 5.ファッションも世界最高へ
 6.こりゃ、あかんわ
 7.高賃金、高貯蓄の、生活貧困の国



■1.講演と雑誌記事のご案内

講演

3月から5月にかけ、日本IBM主催で、全国各地での講演を10
回行います。午前10時30分から12時までの基調講演を、吉田
が担当します。

第1回は、2月28日で、会場は東京フォーラムでした。

講演タイトル:知識創造とe-ビジネス
       競争優位のための知識経営
内容:
本格化するe-ビジネス時代に向かって、必要なことはなにか。
コアになる3つの情報システムと知識化、及び必要な経営組織を解
く。リーダシップ型経営が鍵になります。

3月13日 広島ワシントンホテル
3月18日 アークホテル岡山
4月 4日 ホテルアソシア静岡ターミナル
4月16日 ホテル新潟
4月23日 メイフェアプラザ仙台ワッセ
4月25日 松山全日空ホテル
5月16日 博多都ホテル
5月21日 ホテルアルファ・サッポロ
5月31日 ヒルトン名古屋

講演の、全国キャラバンです。(笑)
IBM主催のため、参加料は無料です。

インターネットのサイトから申し込みができます。すぐ一杯になる
ので、↓早めの申し込みがいいでしょうね。以下のサイトです。
http://www-6.ibm.com/jp/gto/forum2002/

去年の秋もやりましたが、聴衆には本マガジンの読者の方の参加も
多く、お会いして名刺交換もできました。

▼『販売革新』への寄稿

商業界のチェーンストアの理論誌、『販売革新3月号(3月1日発
売)』に、<チェーンストアの構造改革:その戦略と方法>という
タイトルで約2万文字(12ページ)を書きました。

倒産したKマートと、破竹の勢いのウォル・マートの経営を比較し、
中国からの調達、商品部と店舗の問題、VMSからサプライチェ
ーンへ、それにワークフロー、テンプレートを総合的に論じ、日本
の流通業の、システムと戦略での課題を解いたものです。

旧来のチェーン理論とその戦略を、サプライチェーンとERPで戦
略補強することを提案した。流通業の今後の戦略に対し、包括的な
視点が得られるでしょう。

発売直後から反響があります。近所の書店に、並んでいるはずです。
『販売革新』では毎号連載で寄稿することになっています。原稿
を書く時間との戦いです(笑)

2.住宅

全米の住宅の平均価格は、$15万(1950万円)です。
面積は200平米(60坪)前後。一人あたりの住宅面積は、日本
人の30平米(10坪)の2倍の60平米(20坪)です。

2000年から、株は下がりましたが、住宅価格は下がってはない。
上りすぎていたNY、ロス、サンフランシスコの高級住宅は、下
がった。値下がりが激しいのはサンフランシスコの南のシリコンバ
レーです。ここは、狭い住宅でも1億円だった。明らかなITバブ
ル。

ラスベガスの住宅

ラスベガスの住宅価格は、全米の平均値$15万と同じです。ロス
アンジェルスは、地区でも違いますが、ラスベガスの約2倍の、$
30万でしょう。

米国は格差の国。ラスベガスやロスでもメキシコや中南米からの移
住者は、60平米(日本的に言えば2LDKの広さ)のアパートに
10人が住むこともざらです。そうしたものを含んだ、平均です。

白人だけの統計を取れば平均面積は400平米(120坪)にはな
るでしょう。そうすると、1人当り居住面積は、日本の4倍です。
日本の住宅は、まだウサギ小屋です。

【スケール感】
米国行くと、人間も何もかも大きいので、スケールの感覚が2倍く
らい狂います。400平米(120坪)の米国では普通の広さの住
宅を見ても、200平米(60坪)くらいにしか見えない。そのス
ケール感で日本に帰ると、すべてがミニチユアです。

■3.しかし食では日本が最高

【バブルが残した1作品、京都駅】
昨日ある会社の社長と打ち合わせを兼ねた会食で、京都へ行きまし
た。豪華になった京都駅の、ホテルグランビアのフロント横にある
喫茶コーナーで待ち合わせたのですが、食事は先斗町に行こうとい
うことになって、駅前からタクシーに乗った。

京都駅の、中央改札口から出ると左手に見える巨大な石の階段は、
皮肉をこめて言えば、日本のバブルが残した記念碑的な作品のひと
つです。この景色は好きですが、思えばJRの高い料金の原因でも
ある。

ミニチュアの街路:京都先斗町

先斗町の通りは両手を広げれば両方の軒に届きそうなくらい狭い道
です。ここにラスベガスのメガホテルに慣れた米国人を連れてくれ
ば、日本は小人の国と思うんじゃないでしょうかと話しながら歩い
た。

京都料理は繊細で美味しい。一月ほど前、グランビアにある『吉兆』
で指導先の会社の社長と食事をした。食の芸術。目と舌の両方で味
わう。米国人なら、出てくる皿の全部を前菜と思うのではないでしょ
うか。メインディッシュは?という顔が浮かびます。

私の趣味のひとつは食です。徹底した和食党です。米国でも寿司屋
ばかりに行きます。家計のエンゲル係数は、かなり高い。そのため
に、資産もなく貧乏をしているのかなぁ(笑)

質の面では世界最高

日本の食は、質の面で世界最高であると思っています。以前は価格
が高かった。しかし、90年代の米国のインフレ、日本は価格低下
で、$1=130円で換算すればレストランでの食の価格は同じク
ラスのものなら日本のほうが、30%以上は安くなっている感じで
す。

米国では15%以上のチップ、州によって違いますが8%前後の売
上税が必要です。付帯コストを入れれば米国の外食は安くない。

他方、食材のスーパーマーケット価格は、およそすべてが日本より
安い。特に乳製品や肉の価格は、比較にならない。スーパーマーケ
ットと言ったときは米国では食品スーパーを指します。米国の食を
示す代表的なものがクローガー(全米1位)、アルバートソン(2
位)ですね。↓クローガーについては、
http://www.toshibatec.co.jp/ryutsu/semi/ric7-3.htm#0

▼価値公式

〔食材+調理コスト+設備コスト+サ−ビスコスト+管理コスト+
利益〕のレストランメニュー価格では、日本が米国を下回ったので
はないでしょうか。

価値は、以下の関数で計ります。
価値の指数=品質÷価格

品質をどう数字化するかが問題ですが、この公式で、価値を比較す
る方法のイメージはつかめるでしょう。

ラスベガスの豪華ホテル、ベラジオの一階に<Shintaro>という和
食レストランがあります。長女と二人で行った。
http://www.bellagio.com/pages/frameset_noflash.asp

どうせNYでは貧乏生活でまともなものは食べていないだろうから、
好きなものを選べと言った。長女は、market priceと書いてある
トロのニギリを頼んでもいいかと言う。いいよと答えた。

勘定書きを見ると$35(4500円)でした。 二口で4500
円です。$1=10円なら納得できますが。

ここは特別に高いので、事例としては適当ではないかもしれない。
<Shintaro>は価格につりあう質のいい和食ではない。質を比較す
れば、日本でなら1人前で3000円クラスの内容でしょう。

出てくる和食の味から判断すると、調理人はメキシコ人のような感
じでした。米国の和食レストランは、チーフは日本人でもコックは
メキシコ人が多い。

隣のテーブルの米国人は、塗りのお椀の味噌汁(miso soup)をスプ
ーンですくって食べていました。見ていると変な感じで、食べ方が
違うと言いたくなった。食器を口にもってくる習慣がないのです。

刺身を食べるときは、小皿になみなみの醤油をいれ、わさびは親指
の先くらいの量を溶き、ジャブジャブに浸す米国人が多い。時には、
ご飯にもダバダバと醤油をかけます。和食の味は、濃い味に慣れ
た舌には薄すぎるのでしょう。

90年代は、日本人に連れられてではなく、米国人だけで和食や寿
司を食べる人が増えた。<Shintaro>でも90%は米国人でした。
安い回転寿司も、米国人には人気があります。

和食は米国人にとってはダイエット食というイメージで受けている。
日本人はスマートですから。

米国人にはおかしなところがあります。寿司や米を食べれば日本人
のように痩せると思っているふしがある。和食でも米人のようにた
くさん食べれば太りますね。中華料理でも、一皿の量は日本の2倍
から3倍でしょう。

甘いデザートを大量に食べ、カロリーゼロのダイエットコーラを飲
む。ミルクはローファットで不味い。米国人の肥満は、国民的な問
題で、医療費の増大の原因でもあります。

食材の価格を2倍に高くすれば米国人は健康になるのではないかと
思うくらいです。

低価格の食品スーパーは、一個一個の嵩(かさ)が大きい。
ブリストル・ファームや、トレーダー・ジョーズのような高級食品
スーパーでは、同じスペースの棚の品目の種類が数倍は多く、一個
一個は小さい。
http://www.bristolfarms.com/virtual_tour/quicktime/index.html
http://www.traderjoes.com/

▼90年代

米国の90年代は食のバラエティが増えた。味も80年代までより、
全般によくなった。80年代までの米国の食は、表現が悪いので
すが<餌:garbage food>という感じだった。

不味かったコーヒーも、シアトルに発するスターバックスが味の水
準を上げたことで、一様に美味しくなった。スーパーマーケットの
棚でも、日本や西欧のものを含む、品目の種類が増えた。

10年ほど前、シアトルに行った。中心部のUnion通りでしたか、清
潔でしゃれたコーヒーショップを見つけ、初めてカフェ・ラテを飲
んだのです。これは旨いと思った。アメリカにもこんなコーヒーを
出すところがあるのかと驚いた。90年代の<米国の食の質化>の
象徴がスターバックスでしょう。パンも美味しい。

その時スターバックスの株を買っておけば、よかったのですが(笑)

瞬く間に、全米に数千店がを出した。急速な出店で現場作業が荒れ
て、一時期、味が変になっていましたが、今は戻ったようです。

米国の住まいをホーム・デポが変えたように、スター・バックスは
、米国のコーヒーの水準を上げた。企業が行なえることは、大きい
のです。

コーヒーはありきたりの商品です。ありきたりの商品も(1)質化、
(2)味とインテリアとサービスの調和、(2)注文後の製造で、
大きなビジネスになることを実証したのがスターバックスです。

スターバックス以前は、米国人は出がらしのような不味いアメリカ
ンに満足しているんだと思われていた。そこに、盲点があったので
す。若干高くても、美味しいコーヒーを飲んだあとは、米国人もそ
の価値を認めたのです。

ハンバーガーでも従来の作り置きではなく、注文後調理をするとこ
ろが増えてきた。やはりこれは美味しいのです。

食のコーディネート

和食で感心するのは、高度なコーディネートです。レストランでも
家庭でも、日本人の食のコーディネート感は抜群です。フランス料
理、中華にもこのコーディネートはありますが、器を含む気品と繊
細さで、平均水準のものでも世界最高だと思います。

陶磁器、漆器、食材、調理、その内容に高度な洗練がある。

米国の外食は、量は日本の2倍くらいはありますが、味と質、及び
器やナイフ・フォークまでを見れば、一般に質感は低い。

米国の高級レストランの価格も、ステーキを除けば、同じクラスの
ものなら日本のほうが安く、味の繊細さは比較にならない。

戦後の日本は、満足な食べものがない時代から始まった。
米国は日本にバターを採取した後の脱脂粉乳を無償で送った。

学校給食で、その不味い脱脂粉乳を飲んだ世代です。

船乗りだった父が、休暇のとき外国からのお土産に持って帰った。
西欧や米国は、比較を絶するくらい豊かに思えたんです。

バンホーテンのチョコレートを食べ、世の中にこんなに美味しいも
のがあるのか、と思ったのです。デルモンテのパイナップルの缶詰
も好きでした。時は、<上等は舶来>の時代だった。
日本のものは、ほとんどすべてが、品質が悪かった。

薄い箱を開くと、宝石のように輝く銀紙に包まれたチョコレートが
あった。口に入れると、じんわり溶ける。溶けてなくなるのが惜し
くて、できかぎり舌を動かさず我慢する。甘みが広がり、飲み込め
ば、さわやかな後味が残った。それが、私の西洋の体験の味だった


こんなに美味しいチョコレートがある西洋ってどんなところだろう
と思った。憧れの国だった。洋画で見る生活は天上のものではない
かと思えた。

戦後の貧困の食は、50年経った現在、世界最高の域に達していま
す。

【阻害要因】
日本の農業は確かに、一人当たり生産高では生産性が低い。
日本の農の進歩を阻害しているのは、品質の規格をつくり、価格を
実体的に支配した農協です。日本酒の品質的な進歩を阻害してきた
のは、酒税を取ることを目的にしている財務省管理の体制です。

官の<平均主義>と<規格主義>は今はすべての領域で産業の進歩
を阻害する。住関連でも同じです。官の支配者意識が、この国の障
害です。

しかし、
(1)農協を通じた品質と価格統制が崩れ、
(2)生産者が直接に消費者と結ぶようになれば、日本の農業も、
品質の面では世界最高水準の食材を提供できるようになることは間
違いない。もうすぐでしょう。

心ある農業生産者は、その方向に向かっています。米が美味しくな
ってきたのも、販売の免許制を緩め自主流通になってきたからです。

雪印は、トップメーカーとして日本の酪農を支配していた。独占的
な支配から生じた精神の堕落が、雪印問題の本質です。この国の牛
肉やチーズの価格の高さには、問題がある。

ユニクロが、有機野菜の流通にチャレンジすることに期待します。

情報化ロジスティクス産業

ユニクロは、事業を情報化ロジスティクスと規定している感じです
ね。商品はなんでもいい。ハイコストで問題のある流通に、ビジネ
スの機会を見る。いずれ、中国からの輸入でインテリア用品、家具
、家電も、ユニクロの領域になる可能性があるのです。

全商品領域で、生産の中国化が進行する。誰も止めることはできな
い。あらゆる商品分野での<情報化ロジスティクス>が、これから
のビジネスを生むのです。

数年先には、この予測の正しさが、誰にも分かるでしょう。日本は、
価格革命を起こす中国の隣国です。これが、事業の機会なのです。

4.21世紀産業のキー概念とCIO

生産から消費まで、情報ネットワークで直結することがポイントで
す。

<中間的な媒介を抜きにし、グローバル化を含む生産と消費の直結>
これが農業のみならず、21世紀産業のキー概念です。

中間の卸がなくなるという意味ではない。
卸は、卸機能や中間在庫と、情報化ロジスティクとしていつまでも
必須です。そこで、最下流の消費情報のリアルタイムデータベース
が、ネットワークで生産と直結することが必要なのです。

▼CIOの育成が鍵

あらゆる産業と企業で、情報システムを戦略的に、言い換えれば、
会社の経営計画に結びつくものとして構築するための指揮をとり得
るCIO(chief information officer:情報システム担当役員)が、
必要になってきた。

大型汎用機のコンピュータ室長が、全社システムのCIOになれる
かどうか、ここにも日本企業の再生の鍵がある。

【SE】
SE(システム・エンジニア)は、
(1)従来のような業務の部分のプログラム設計者ではなく、
(1)全体最適のシステムの、システム・デザイナーになる必要が
ある。

【3つのコアシステム】
全体最適の、21世紀のシステムの3つのコアは、
(1)統合業務システムのERP(Enterprise Resource Planning

(2)生産と流通を結ぶSCM(Supply Chain Management)
(3)顧客購買暦データベースを中核とするCRM(Costomer Rela
tionship Management)です。

社内業務ではERP、社外とはSCM、対顧客ではCRMですね。

【プログラム開発】
プログラム開発は、安価な人件費で優秀なプログラマが多い中国に
移管されます。

月60万円(日本の1人分)で、10名の中国人プログラマが雇用
できる。Windows やLinuxは世界共通です。画面インターフェースを
日本語にするだけでいい。

いや、業務用では、実際は画面の日本語すら必要ない。英語で十分
ですね。そうすれば、ソフトウエア価格は飛躍的に安くなる。今の
10分の1です。

日本語は世界的に見ればユーザー数が少ないので、日本語の画面に
こだわれば、アプリケーションソフトの価格は、高くなるのです。
これは日本の全産業のコストになって、マイナスですね。

これからは、
(1)日本で、優秀なグランドデザイナーが全体設計の絵を描き、
(2)各機能のプログラムモジュールへの分割と、モジュールの要
求仕様の設計はSEが行い、
(3)プログラム開発は中国です。

インターネットは、プログラム開発までも、変容させるのです。ネ
ットワークで仕様指定をし、開発したプログラムモジュールを送れ
ば、地球の裏でもリアルタイムで同じです。プログラム開発では、
距離限界は消えています。

プログラム開発は、口頭ではなくドキュメンテーション(文書)で
すね。となると、仕様指定も、電子メールの添付書類で十分です。
打ち合わせは、ADSLのインターネットTV会議でやればいい。

食の後は、衣の分野に触れます。

■5.ファッションも世界最高へ

アパレル、ファッションもいい線にまできた。95年ころからのユ
ニクロ以降は、現在の$1=130円での比較なら、日本のほうが
安くて質がいい。ユニクロの価格と品質は、米国のカジュアルウエ
アのスタンダードであるGapを既に上回っています。

次は、最低価格のハイファッション、Hennes&Mauritzのレベルで
すね。↓
http://www.hm.com/corporate/language/language.jsp

ファッションでの、日本人のコーディネート感覚も、次第によくな
ってきた。80年代までは質のいいものは着ていたが、米国で見る
日本人旅行者のファッションは、野暮ったかった。日本から来たと
いうことが、すぐわかった。

カラーコーディネートには難がありますが、日本人の平均的ファッ
ションは、かなりの線にまで来た。おそらく今後日本は、ファッシ
ョンの面でも、世界最高の国になることができる。

(1)品質÷価格、つまりは価値、
(2)コーディネートのセンスで、です。

カラーコーディネートの感覚は、日本人、中国も含め東洋人は欧米
人にまだ劣りますが。

80年代までは高かった価格も、90年代中期以降、米国並みにな
った。また今後は、コンテナでも2日、飛行機で数時間の中国は、
衣料では独占的な供給国になる。

中国によって、世界最高の衣は、日本になります。
(1)工場とサプライチェーンとCPFR
(2)物流では情報化ロジスティクス、
(3)そしてデザイナーを、インターネットで結ぶ手法です。

日本には、世界最高のファションがある。
デザイナーは、異形の才能<川久保玲>です。
http://www.tsushin.tv/brand/paris/garcons.html

Comme des garconは、過激ではありますが、斬新さとセンスは最高
でしょう。価格も高くない。

以上のように、食と衣では、日本は世界最高になる可能性がある。
最大の問題は、高くて貧困な住宅ですね。

6.こりゃ、あかんわ

視察ツアー参加者の摩耶堂製薬の若社長の、ラスベガスのモデルハ
ウスを見た瞬間の、<こりゃ、あかんわ>という言葉が象徴です。

ラスベガスの分譲住宅

ラスベガスの南、ヘンダーソン地区の高台にある分譲住宅を案内し
た。バスを降りると案内所があり、そこから中庭に入ると、価格は
$15万から$30万の、米国では特に高級ではない平均的な戸建
て分譲住宅があった。

【豊かな空間とカラーコーディネート】
皆と一軒目に入った。リビングルームは約50畳はあったでしょう
か。天井も高い。天井の高さは、住宅に豊かな空間を作る。基調色
は白で、黄土色がアクセントだった。米国の住宅には、カラーコー
ディネートがあります。多くが2色コーディネートです。

その住宅のカラーに合わせ、室内アクセサリーや家具を選ぶ。住宅
そのものに、カラーコーディネートがあるので、選ぶ家具やインテ
リア用品にもコーディネートが必要になる。

高級感は、
(1)空間の広さと、
(2)カラーコーディネートから来ます。

コーディネートという概念

室内の色の種類を減らすこと、これがインテリアコーディネーショ
ンの基本的な技術です。ファッションも同じです。着るもののカラ
ーの種類を2色に、または3色に絞ることです。

日本の住宅には、カラーコーディネートの概念が弱い。家具やアク
セサリ類のカラーも多色でごちゃごちゃになる。貧困で混乱した印
象になる。一個一個の品質のよさではない。高い安いでもない。

インテリアは、カラーの調和が価値。こうしたことが常識になって
いないのが、日本と東洋です。中国にも香港にもカラーコーディネ
ート感は薄い。安っぽく見える理由です。

日本の住宅は、空間が狭い上に、カラーコーディネートがなく、お
もちゃ箱のようにモノがある。モノの収納に、オーガナイズ(orga
nize:機能的収納)の概念もない。押入れは、詰め込みの場所で、
あふれたモノは部屋のいたるところある。これが私の部屋です(笑)

日本の住宅は、美的な住まいの基本を丁寧にはずしている。

ツアー参加者が、ここは高い住宅だろうと感じた理由は、米国では
当たり前のカラーコーディネートと広い空間があるからです。

モデルハウス

30人くらいを集めてパーティが開けるようなリビングルームから
は、全面ガラス張りで庭が見える。庭にバーベキューのアウトドア
ファニチャー、椅子、テーブルがあるのも、米国では特別なことで
はない。

石も計算されて配置され、芝生がある。プールは、湧き水のように
水を循環させ、淵から水をあふれさせていた。

プールの水は手前から奥に向かってこんこんとあふれる。淵は見え
ない。水だけが浮かんでいるように思える。水面には、白い雲と群
青色の空が映っていた。

リビングルームから見ると、あふれる水のプールがある庭がベスト
の景色になるような、設計の計算がある。

プールの先はスロープで、浅い谷になっていて、プライベートなゴ
ルフ場に続く。このプールに温水を入れ、あごを淵にのせて、眼下
のゴルフ場を眺め、時には庭先からゴルフ場へ・・・そんな生活が
ある。

豊かな生活に言葉を失って、<こりゃ、あかんわ>。

価格は4000万円くらい。2000万円が平均のラスベガスでは、
高い部類になる。日本の感覚では1億円、2億円の価値でしょう。
2億円でもこのデザイン性はない。

メールマガジンで<日本は貧困の住宅>と何回も書いた。ラスベガ
スの分譲住宅を実際に見て、参加者の方も、その意味を体感された
ようです。

世界的に見れば貧弱なアパートに、大仰なマンション(邸宅)とい
う名詞をつける詐欺的な国です。外国人に、my mansionと言えば、
ブラックジョークと思うでしょう。こうした命名は建設業界の破廉
恥さを示す。

▼普通のアメリカ人のセカンドハウス

ここに住むのは特別な階級ではない。普通のアメリカ人です。ラス
ベガスに、セカンドハウス、サードハウスを持って、資産の利殖を
図る人が多い。

住宅ローンの金利は、個人でも二軒目までは、所得控除ができます。
貸せば減価償却もできるから、賃貸料をもらっても金利と減価償
却で赤字になって、所得税を節税しながら資産を作る。

日本では、住宅価格が高すぎるため、セカンドハウスは持てない。
一軒の住宅ローンの支払いが終る頃は、もうリタイアの時期です。

自分が住む住宅は、自分が住んでいる限りは換金できない。つまり
、1軒目の住宅は、生活のコストではあっても、現金を生む資産で
ない。住宅を持てば、現金は減少になる。

日本の住宅は、平均的に言って、面積は半分で価格は2倍です。
単位面積あたりでは、価格が米国の4倍です。米国人と同じ広さに
住めば、住宅のコストは4倍になる。これでは、資産はできない。

狭い住宅の、奥さんはパートで働き一軒の住宅ローンの一生懸命の
支払いで一生を終る悲しい日本人。これは、政府の住宅無策、及び
儲かる公共投資に摺り寄って、顧客の方を向いていない業界の、合
作の結果です。

日本人と同じ所得の米国人なら、同じ金額の支払いで、2倍の広さ
の二軒分の住宅が持てることになる。つまり、日本人は、アメリカ
でならほぼみんなが、セカンドハウスまでの住宅ローンを、今も金
額では支払っていることになるのです。

7.高賃金、高貯蓄の、生活貧困の国

日本の生活貧困は、食でも衣でもない。住宅でしょう。高くて貧困
な住宅は、日本の魅力を激しく減じている。住まいに魅力がない国
は、人を遠ざけるのです。

なぜ、食と衣では(可能性を含めて)最高水準なのに、住が貧困か
。所得の低さからくるものではない。所得は米国人を上回る。

政府の住宅政策、および住関連業界の問題ですね。問題とは、事業
の機会でもある。

住宅のユニクロモデル

<住宅のユニクロモデル>は、これからの産業で、最も大きな空白
部分ですね。日本人の生活と、日本を魅力的な国に変えるための大
事業にもなる。

建設業界には、長年の政府予算へのたかりで、日本人の住生活の質
の向上のための<青雲の志>が欠けているように思えます。

【体質】
福岡の寿司屋でのこと。ホステスらしい人を二人連れた建設業界の
人が隣だった。名刺交換し、それとなく住宅のことを話した。当時
、住宅の建設コストは当時坪50万円くらいだった。私は<高すぎ
ますね>といった。

隣の社長は、気色ばんで<いくらでも安く作れる。だが、安くと言
われるなら、見えない部分の質を落とす>
これが日本の建設業界の体質かと、情けなくなった。

価値=品質÷価格  
品質を落とせば、価格を下げても価値は上らない。
それを産業とは、言わない。

住宅の設計、素材、品質という点で、日本の建設業界は大きな誤解
をしている。住宅の貧困を、土地価格に転嫁する体質があるのでは
ないか。私が言う品質は、建物のことです。

日本の建設業界には600万人が働く。これは2倍のGDPの米国
の建設業従事者と同じ数です。建設は公共投資の減少から不況にあ
えぐ。600万人を活かすには、住宅での需要開発が必要です。

住宅需要が盛り上がれば、デフレは飛ぶ。

▼無知か意図か

政治家も財務省も、なぜ住宅ローン金利の所得控除の制度を作らな
いのか。財務省は、なんでも増税で、手にした税を手放そうとしな
い。米国の住宅ローン金利の所得控除は知っているはずです。私も、
財務省にではないが、通産官僚にはそれを訴えた。

官は、知っているのにやらないとすればどんな意図があるのか。
私の発言はマイナーだから、伝わっていないのかもしれない。

しかしながら、財務省、国土交通省、通産省が米国の個人所得の税
制を知らないとすれば、犯罪的な怠慢です。

公共事業に年40兆円を使うなら、それを住宅に振り向ければ、計
算上は4000万円の住宅が年100万戸も作れる。公共事業を箱
モノではなく、住宅に振り替える、これが日本のベストの政策選択
ですね。

住の貧困は日本人の消費の少なさ、生活貧困の原因です。住まいの
需要は飽和していない。高すぎる価格、質の悪い住宅に不満がある。
住生活の豊かさがどんなものか、一般に知られていない。

Just In Timeの仕組みで、世界最高の品質で最低コストの車を作れ
る日本人なら、世界最高品質の住宅も作れるはずです。

国家の2つの政策は国防と豊かな住まい作りではないのか。
業界と政官癒着がある公共事業は、この国のガンです。

ラスベガスの分譲住宅を見れば、日本の住宅との格差に、建設業者
も官僚も心ある人は<こりゃ、あかんわ、間違えた>と思うはずで
す。世界最大の個人金融資産が活きていない。

▼資産

ラスベガスでは、10万人、20万人規模を集める大規模なコムデ
クスのようなコンベンションが、およそ隔週で、ある。ホテルのル
ームは12万室で収容は25万人です。ホテルは、満室になる。

管理を業者委託にし、自分がいない時はセカンドハウスを週単位、
月単位でルームレンタルに出す人が多い。そうすればローンの支払
いを、レンタル収入で相殺できる。こうして、資産ができる。

所得に若干の余裕があり、2軒目を持てば、すぐ3軒4軒と増やせる。
日本人にも、住宅価格の30%の頭金を出せば、米国では簡単に
住宅ローンがおります。使用金額無制限のアメックスのカードなら、
カードで頭金を払える。米国人には、車をカードで買う人も多い。
ラスベガスは、相続税も個人所得税も州税がゼロです。

政府の政策を、公共投資、業界保護、民の規制から<民の生活の豊
かさ>に転じるべきです。国民負担率は、財政赤字を含めれば50
%の国。政府と業界の責任は、大きい。日本ではやるべきことが多
い。

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