| フロントビューとバックミラー(3) 見える過去と見えない将来 |
■すこし趣を変えて、時代の気分から。 人気グループGlayの<ここではないどこかへ(98年)>の歌詞です。 ―――― どんな願いならばかなえられないというのか 世の中でさえ信じてた頃 夢は無限にある その全てを疑いもせず 満たされていた・・・ ひとつひとつの仕組みを知れば 子供のままでは生きていけないと 変りゆく他人を遠くに見ては 時代の息吹に身をさらす ここではないどこかへと 胸を焦がす 無邪気な季節が過ぎ 今誰もが戦士達 2度とはない風の香りのあと いくつもの扉を叩いてこの痛みを和らげる よく見てた景色 例えば古い恋の歌を 擦り切れるまで何度も聴いた・・・ ―――― 【気分】 若い人の気分を敏感に反映する歌には、最近特にこうした欝の歌詞が多い。夢があった子供のころを思い、夢が消え、痛みを和らげるため、古い恋の歌を聴き、ここではないどこかへ・・・ 【喪失感の深さ】 若いひとに、失望を与える世の中にしたのは、われわれの責任。抗議ならいい、喪失感は、抗議する気がなくなるくらい深いように見える。いろいろ深刻な問題はあってもアメリカには、根本でカリフォルニアの空のようなスカッとしたところを感じる。なぜか? 【旅立ち】 ここではないどこか・・・とは? 戦士の行くところはどんなところか?答えは 古い恋だけ? 日本人が過去に経験したことのない世界への旅立ち。 これでは答えになっていない。経験していないことはわからない、分からない世界へ行く・・・では納得はできない。 【概念に】 先に待ちうけるものがなにか分からない時、コトバと概念にならないとき人は不安に陥る。暗闇に怖いものがいるとは限らない。真昼と同じように安全なことが多い。見えないことが恐怖なのです。<観>の光で照らせば、恐怖はなくなるかもしれない。 ―――――――――――――――――――――――――――――― ■待ちうける未体験ゾーン:フロントビューの1風景のデッサン ▼時価主義会計の内容とは? 【時価主義・情報開示・金融ビックバンのセット】 日本の企業経営と個人生活を、もっとも大きく変えることになるのは、企業では<時価主義会計>と<情報開示>、個人では<金融ビッグバン>だと判断します。 【1.時価主義】 時価主義会計は、日本的経営の根幹部分を変える。単に会計じゃないか?と理解している人が多い。認識不足です。 株式会社主義つまり資本主義を、単に株じゃないかと思うに等しい。 たしかに従来は、単に株だった。土地本位資本主義だったからです。 【2.株式会社】 この国は複式簿記と会計<音痴>の国。 利益計算方法の重要性を知らない。株式会社は生活共同体ではない。生活共同体はコミュニティである。株式会社の本質は、株の価値・時価を高める活動です。この本質があらわになる。 音痴とは、歌は知ってるが歌えない人を言う。歌詞や曲(簿記会計)を知っていることと、歌えることは違う。(差別用語じゃない・・・ですよね?) 【3.利益計算方法と労働】 利益計算手法は、実は、労働と士気、仕事の達成感を変える。 賃金は売上総利益のみから来る。他に賃金の正当な源泉はない。 <成果主義賃金>なら、ますます計算方法そのものになる。 売上総利益の構造は? 粗利益とは? 部門の貢献利益とは? 営業利益とは? プロフィットセンターとは? キャッシュフローとは? 在庫の価値評価とは? 個人成果の評価は? すべて、計算方法です。 【4.評価方法がワークスタイルを決める】 売上総利益も営業利益も経常利益も、キャッシュフロー(現金の残余)も、計算手法。 その計算手法が、仕事・労働の成果主義と連結されると、その日から見事に仕事の方法、目標、部署間調整、個人ワーク、数字情報の読みまでが変る。 人間は、評価に適応して行動を変える。評価が正当なものかどうか?それは、実のところはわからない。評価方法は、合意に基づく試行しかない。完全な評価方法はない。 ▼資本にとっての魅力 【1.資本の動きの地球化】 時価主義会計、情報開示、金融ビッグバンは同根、つまり<資本の動きの地球化>からくる。同じことを言ってるに過ぎないのです。 資本の動きを止めることができれば話しは別。 その選択肢は、理論上はあるが現実にはない。日本は経済鎖国するには、大きくなりすぎた。 経済鎖国すれば、すべてのものが逃げ、蒸発して3000万人しか生活できなくなる。 【2.必然】 したがって、資本の移動の地球化は必然の推移になる。その必然の推移の中身とは? 移動する資本を、そして人と知識を惹き付けるには、資本にとっての魅力を高める必要がある。会社も同じ。資本は、どんな小さな会社でも増やしてくれる魅力に気がつくと、溢れるように集まる。 【3. 90年代】 日本企業の90年代は、資本、マネーにとっての魅力がなかった。 利を生んでくれないからです。<必然的に>米国に逃げた。 もしあなたが1000億円を預かって、投資できる立場にあったとき、年間10%の配当が条件だったとき、90年代にどうしたか? それを想像すれば、容易に分かりますね。 これを取り戻す必要がある。方法はあるのです。 【4.魅力】 資本にとっての魅力を増すこと。これが戦略の目標でなければならない。他の現象は、すべて、重要には見えても派生的なものです。 これが骨格。頑丈で骨太な骨格を描くこと。 【5.骨太な構想】 根幹は想像力であり、想像を論理化して描いたものが構想になる。 構想に資本が集まる。資本は現在のみを見るのではない。将来の利益を見る。21世紀は、ますますそうなる。 投資は、インターネットでの瞬間選択になる。 ある日突然、ロシアの闇商人から多額の振込みがある。 そうした世界。そうなることは確定している。 インターネット利用はまだ、ほんの入り口なのです。 【6. 資本が選択する】 経済の地球化で、資本の選択肢は増えた。 ロシアは今、急回復している。中国は2桁成長。インドは?東欧は?アラブ諸国は? アフリカは? 中国の7%、1億人がインターネットに接続するのは2003年。 どんなビジネスが生まれるか? わくわくする世界。 ―――――――――――――――――――――――――――――― ■途上国のインターネットの意味を見誤る日本人 PC1台で世界へ結ばれる、仕事ができる。インターネットがこうした国で、どんなに革命的なツールになっているか、どんなに熱狂を生んでいるか、国家ぐるみの戦略を立てているか、この国に知る人は少ない。 5年くらい前、マレーシアのジャングルの中のボロボロの工場を訪問した時、衝撃を受けた。オフィスでは全員WindowsPC、LANだった。トタンが破れた工場の、若い副社長は中国人のハーバードMBA出身だった。見事な英語を話した。工場は裸電球で労働者はインド移民だった。 途上国にとってのインターネットは、日本のインターネットの意味とまるで違う。この国には、5年後の想像力が欠如し始めた。 【1.きらきらした眼差し】 インドの子供たちの、コンピュータを見たときのきらきらした目をみれば一瞬で了解できる。インドは英語の国。 3年後には、物凄い天才プログラマーが陸続と生まれることは必然。 ソフトウエア生産の世界も一変する。 途上国が、過去の経済発展段階論を跳び超えて、一挙に現代世界に登場する。インターネットはそれを支える。うかうかは、できないのです。 ぼろぼろの住宅群に、林立するガラス張りの輝く摩天楼。摩天楼は国際取引の別世界。 途上国はそうした発展になる。汗と泥で変色したシャツ1枚しかもたないインドの少年は摩天楼を見ている。 24年前の年東京オリンピックのころ、東海道新幹線が開業、貧しかった日本人は礼儀正しく、羨望の目で外国を見、目は輝いていた。それから1世代経った。 整備新幹線、河川をコンクリートで固めて赤字(=マネーの蒸発)を出し、人の来ない飛行場をつくり、貴重な郵便貯金300兆円を、財政投融資と称して一所懸命に無効化させる時期じゃない。 いま、日本では1380兆円の個人貯蓄のマネーが、日々、凄い速度で蒸発している。このままなら、ある日気がついて開けたらモヌケの空だったと可能性がある。 【2.マネーの価値】 1万円で家族が、3万円で親族まで養える。 20万円なら王侯並。マネーの価値が30倍くらい違う。 今日本で、20万円の賃金に感謝し、感激し、猛烈に働くひとはいない。インドではどうか、中国ではどうか・・・ 日本では<おかね>の価値がないから、毎年1700万人が飛行機に乗るのではないか? 韓国が経済成長を遂げる約5年前、1980年頃、頭に鉢巻を巻いた、猛烈な受験戦争があった。無論弊害はあったが、目はきらきらしていた。テレビで一瞬見た、その映像が忘れられない。 今日本の大学は? 生徒がどんどん少なくなって、教師はやる気を失い、セクハラの氾濫、つぎつぎに単なるコンクリートの箱に戻りつつある。 ハーバードビジネススクール、ペンシルバニア大学が高速回線を使って、動画入りのインターネット授業を始めた時、競争力はあるのか? そのために日本の大学は、どんな戦略を準備しているのか? 【3.資本にとっての魅力】 そうすると、資本はどこへ向かうのか? だれでもすぐ分かる。 e-Market Placeは、PC一台の接続で、大きな仕事ができることを意味する。物理的世界での障壁は次第になくなる。そのインフラを創るのがe-Market Placeである。 もちろん試行のうち90%は失敗するが。10%が成功して、何千倍にもなる。 資本は、それを見て、確率計算で、レバレッジをかけて機会を虎視眈々と狙っている。 【4.ここではない、どこかへ・・・】 日本では、過去の見事な成長があった。謙虚に学ぶことを忘れ、傲慢になった。傲慢は全てを凍らせる。 地球化に対する、5年後を想像するひとは少ない。 孫氏には<観>があるが・・・ 【5.インターネットパワーの認識の甘さ】 日本は、緻密で精巧なFace to Faceのコミニュケーション・システムを作っていた。とことん、<暗黙知>の国である。 アフターファイブのコミニュケーションは、諸外国では普通はない。酔うことも会社は許容した。これが、実質的にどんな見えない効果を上げたか、仕事の延長だったはずです。マネジメントで必須の調整が行われた。無礼講もあった。チームワーク形成の条件だった。 日本では他に代わるものがあったからインターネットパワーの認識が遅れた。やけに不便でオタクじゃないか・・・快適で、人間的で、効果的で、便利なものがあったから。 かつて英国で馬車の便利さ優雅さに慣れた貴族は、自動車を軽蔑した。道路が自動車に対応していず、自動車はすぐ故障し、手間がかかって、とても不便だった。 その後、馬車は消えた。 【6.経済の地球化】 これもわが国ではまだぼんやりしたイメージでしか捉えられてない。一般認識は遅れます。しかし<抜き差しならない現実>。 企業活動、資材調達、物流運輸、販売、コンピュタネットワーク、そして特に金融、こうしたものは、われわれの認識に先駆けて地球化している。更に、急速に進むe-Market Placeはそれを促進します。 e-Market Placeは世界的に、要素コストを平準化させる。 資本は、利を生むところに向かう。これも必然。 ――――――――――――――――――――――――――――― ■世界共通のコミニュケーションツールが数字 日本人同士では通じた暗黙の含みはイスラエル人、アラブ人、インド人、中国人にはわからない。 時価主義会計で、予断を許さない世界共通の<数字>で表現しないと、マネーは日本への投資から逃げる。 日本人のマネーすら、90年代の日本企業の財務諸表がどれくらい含み損を抱えているかが判断できず、リスクがこわくて、情報開示の発達した国、米国へ逃げている。これが90年代だった。 【この国で繰り返される粉飾という経済犯罪】 昨年10月に破綻した協栄生命の実際の債務超過は6895億円でした(1月31日) 旧経営陣の発表した数字は債務超過45億円でしたが・・・毎度、飽きずに繰り返される粉飾発表。 マネーは、企業財務、国家財政を共通基準の数字で開示することを要求する。<リスク>の開示。投資する立場、貸す立場に立った時は、誰でもリスクの開示を要求するはずです。 ―――――――――――――――――――――――――――――― ▼俗説が跳梁跋扈する国 マスコミ、評論家が<会計のグローバル・スタンダードは米国が日本に押し付けた>というのは、いつもの被害妄想からの俗説。1990年の構造協議(懐かしいコトバになりました)は、きっかけを作ったに過ぎない。 【1.資本はフロンティアへ向かう】 資本は自己肥大する本質がある。常に利の機会の大きいフロンティアを求める。世界マネーのフロンティアとして、80年代末は、世界最高の経済成長の日本があった。世界の資本は、日本に参加したがり調べた。 日本企業への投資を考え、有価証券報告書を取り寄せていた。しかし財務諸表、地価の評価の基準がわからなかった。分かるようにしてくれ、と要請した。実際の内容は、極限まで肥大した土地の含みに過ぎなかった。 【2.結果の現象】 危険だ・・・となって、ヘッジファンドという異なる見解の異星人は空売りをかけた。1990年のことです。日本人のマネーは堂々と盗られた。 【3.資本の運動】 時価主義会計は<マネーと企業活動の地球化>がもたらす必然です。<資本=マネー>の利を求めた活動のためのインフラ(土台)です。これが本質。 しかしマネーは<人間が動かす>のではないか・・・果たしてそうか? ―――――――――――――――――――――――――――――― ■生活の<おかね>と投資<マネー>の質的な違い ▼優しい顔の<おかね> 日常生活の次元では、人が商品交換のために<おかね>を使う。財布の<おかね>は生活の手段。日常生活のマネーは人間的で優しい顔をしている。財布の中の10万円は優しい。モノに変ろうとする。 ▼<おかね>と<マネー> 100万円の<おかね>と100億円の<マネー>は、同質のものではないのです。<おかね>の性格が変る、動きが変る。 生活を離れた次元での、機関投資家、株式市場、ファンド等のマネーマーケットで集結された<マネー>は、資本となって利のみを求めて動く。 モノに変ることを忘れて、自分自身を増やすところに行く。 100万円の1%は1万円、利は取るに足りない。 100億円なら1%が1億円、2%なら2億円。 この<利>が人間を飲みこむ。投資マネーは微差を大差と見る。マネーが自己肥大の意思を持つ。マネーが人を動かす。倫理や生活やモノは消える。マネーは粗暴な顔つきになる。マネーが人間を疎外する。 ▼現象 マネーは一夜のうちに東南アジア経済を破綻に追いんだ(1997年)タイ・インドネシアの工場では、労働者は昨日と同じように黙々と、<一所>懸命仕事をしていた。生産ラインにも異常はなかった。2週間後に工場は閉鎖された。韓国財閥も一瞬で解体した。 工場の資本が、財閥マネーがどこから来ていたのか労働者は知らなかった。失業者が溢れ暴動を起こした。工場を動かしていたマネーは米国に戻っていた。米国ではハイテク株の長者が生まれ、お店は客で溢れて、1億円の住宅が現金で売れ、消費景気だった。 GDPが1%伸びるか1%減少するか、貿易黒字・赤字の10%の拡大は、生活にはほとんど影響がないように見える。 金利が0.5%でも2%でも100万円の預金では、大差はない。 等身大の生活感です。 ―――――――――――――――――――――――――――――― ■レバレッジで妖怪になったマネー 巨額マネーでは1%の違いが、1日で億、時には兆の違いを生む。レバレッジ(テコ)で拡大されたマネー。1億円の預託金という担保で50億を<信用>で動かせればどうなるか? 【レバレッジ】 50億円の1%は5000万円。1億円の預託金(おかね)に対しては、50%の利益または損失になる。2%なら1億円。預託金の1億円に対して100%。これが金融工学の世界。 テコは理論上は地球まで動かす。個人の力が世界経済を左右し、時には波乱させるツールをもったのです。 50倍のレバレッジでは、利益も損失も50倍になる。 企業収益見通し、金利差、為替変動の微差で動くマネーの大きさ、つまり<ボラティリティ>の幅、分散の拡大原因。 優しい<おかね>が集まって機関投資家やファンドでレバレッジがかかり、金融工学で妖怪になる。 金融工学の普及が妖怪を生み、経済と企業は組みこまれた。 90年代から続く紛れもない現実。 NECの関本氏には<不可解>だった。 ―――――――――――――――――――――――――――――― ■なぜ<マネー>がなかった孫氏が、<事業構想・将来利益>でマネーを動かせたか? LBO(レバレッジド・バイ・アウト)という技術です。 モルガン・スタンレーに10億円を払って孫氏はこれを勉強した。 分かった!と思ったとき、彼は行動した。妖怪に使われるのでなく、それを武器にした。 ▼巨額マネーが動いたあっけない現場 <さすがに彼らはプロフェッショナルでした。ソフトバンクは株式を公開してある程度の利益をあげている。もちろんZDnetのジフ・デービスも大きな利益を上げている。両者の収益を合わせれば、1+1が2ではなく3以上の信用になる。銀行はこれを担保にお金を貸してくれるというのです。> <半信半疑でいたのですが、彼らはバンク・オブ・ニューヨーク、シティ・バンク、チェース・マンハッタンに声をかけてくれました。> <夕食の招待を受けて、その席でソフトバンクの説明をしました。モルガン・スタンレーの担当者が、各銀行に1週間以内にイエス・ノーの返事をくれと依頼したのです。食事会で僕の首実験をしていたのですね> <結果、3行とも1千数百億円の融資を約束するというのです。初対面から1週間で1千数百億円の資金を、無担保・無保証で調達することに合意してくれたのですから、日本ではとても考えられないことが起きたと、その時は本当にびっくりしました・・・> (モルガン・スタンレーが作った事業構想と将来利益の情報)×(孫氏の<判断>)×(マネー)が結びついた夕食会、出会いの瞬間です。 巨額マネーはあっけなく動いた。孫氏は信じられなかった・・・と言う。 信じられないような、現実の世界がある。マネーの世界。 ▼情報開示がリスク・マネジメントである。 【1.共通基準】 マネーは、企業会計を同じ基準で計算することを求める。企業の損益計算書や貸借対照表、構想する将来利益、現在の含み利益、含み損はマネーに対して徹底して開示すべき情報である。 【2.リスク・マネジメント】 悪い情報でも、最初に開示してオープンにすることが後で信用を生む。これが21世紀の情報社会。次々にひどい情報が漏れる企業は、超優良企業でも急速につぶれる事態に直面する。 【3.情報のパワーを軽視した日本型土地本位資本主義】 日本では、戦後約40年、信用(融資)の根源は土地だった。財務諸表や経営計画書、事業構想は、つまり企業情報は付け足しに過ぎなかった。有価証券報告書を読んでも、死んだような単語と文章。読めば、なるべく隠したいという意識が見えてくる。日本の特徴。 厳格な計算、資産評価、事業構想、将来利益。時価での誰もが分かる会計、アニュアル・リポートが必要。 米国SECの厳しさ。企業会計を監視するの憲兵のようです。 日本では税務署が粉飾を許す。粉飾利益から税が取れるからです。国家財政への狭い忠誠意識。セクショナリズム。一所懸命の悪の部分。経済の連鎖構造を見ない。こうしたことが毎年、何十万社にも重なってますます実質資本を劣化させている。 【4.逃げた資本】 粉飾利益は株主に対しては詐欺行為になる。無駄な税の支払いで企業の自己資本は更に毀損される。 大蔵省(財務省)が<裁量行政>で暗黙に許してきた金融・大手企業の財務諸表の粉飾は<詐欺>と同列の、株主に対する犯罪。その意識が全く欠如している。 【5.もっともらしい言い訳】 今は内容が悪いから、本当の財務情報を開示できない・・・一見もっともな、この判断が憶測を生み、噂を生み更に悪い情報になる。損失を逃れたいマネーはリスクを感じて、敏感に、必要以上に逃げる。 一見の優しさが結果は逆効果なのです。これが日本の90年代だった。 【6.情報の効果】 インターネットでは真も偽も取り混ぜて、内部告発情報だらけです。 企業側が正確で納得できる情報を流さないからです。都合の悪い情報でも自ら進んで先に流す勇気が要る。リスク・マネジメントの鉄則。 みんなが知らない情報を先に流せば、マスコミも追わない。トクダネ(=売れる情報)でなくなるからです。 情報が消費される社会でのコツ。 情報はモノのようには、コントロールができない。 タイミングが効果の全て。 【7.価値は既に転換している】 企業側も官僚もみんな隠そうとして逃げる。マスコミは追って更に憶測を呼ぶような情報や、インタビューをさえぎる、悪人に見える映像を編集する。何度も何度も、情報価値がなくなるまで流す。企業のブランドイメージは地に落ちる。情報が資本を破壊する。 土地は、情報では破壊されなかった。権利証書が保障した。 ところがブランド価値は反情報で一瞬に劣化する。ブランド価値とは情報価値です。土地とブランド価値と今どちらが重要な資産か? 私は寝てないんだ・・・3秒のビデオ映像が一瞬で企業価値を消す。 この会社も膨大に土地は持ってはいるが、その価値は、今消えようとしています。資本は、それを見ている。 ▼時価主義会計とキャッシュフロー経営、オープン情報 こうしたことが多層的に重なって、企業経営を時価主義会計と、オープンなキャッシュフロー経営、情報開示主義に変えることになる。 含み益も、含み損も時価で開示する。 現在ではなく、土地ではなく、<将来利益と事業構想>がもっとも肝心になる。 そうでないと、マネーも信用も、Fair(公正)な評価ができないから、情報開示のよりオープンな企業に逃げる。 情報の力。マネーは誤魔化しを嫌う。マネーは常に真剣勝負。最も恐れるのがリスクだからです。 これからの経営では、マネーと情報の基本性格を知らなければならない。情報社会とは、そんな時代です。 ここではない、どこかへ・・・の行き先の1風景の描写。 ―――――――――――――――――――――――――――――― ■現在は、時価主義会計と金融ビッグバンへの入り口 ▼まだほんの入り口にすぎない 【1.入り口が有価証券時価評価】 2001年の今はまだほんの入り口。2002年からまず企業が持つ有価証券の時価評価(正確には2001年の秋の中間決算から) これに対応して現在、銀行は総資産の圧縮、つまり株の持合の解消、不良債権処分を進めています。 10年のバランスシート不況の、決算を迫られる時期。 2001年(2002年まで)はこれが続く。底を打ってその後浮上する。約30年間も流通トップだったダイエーの破綻と分解は、その1現象です。重い、象徴的な事実です。<土地本位主義の終焉>の儀式。 【2.控えの土地時価評価】 つぎは不動産の時価評価での開示が来る。(時期は未確定) 方法は<土地の証券化>です。土地の実際の収益によって不動産価値を判断する<収益還元法>になる。英国・米国では当たり前の方法。 【3.投資家の目】 企業が情報開示しなくても、多額のマネーを賭ける海外投資家は、企業の含み損、含み益を調査し、あらかじめ計算。初歩的なリスク回避策でしょう。これをやらなかったら、米国のファンドマネジャーは猛烈な非難を受ける。一瞬で職を失うのです。 ▼資本にとって劣化しているオフィシャル情報 知らないのは、記者クラブ情報、新聞情報で動く個人。 有価証券報告書を信用し、会社四季報の数字を信用した人々、証券会社の営業マンに乗った人・・・善良な個人マネーが、日本企業の情報隠しの被害を受ける。 これはとても不当なことです。企業の経済犯罪といってもいい。 【情報戦の敗残の結果】 ご存知でしょうか? 山一証券が97年に倒産する直前、経営陣は低落する株価を支えるため、社員に号令をかけ、預金と退職金担保で株を買わせた。 海外投資家は内通情報でこれを知って、いよいよ終りを示すと猛烈な売りを浴びせた。そして・・・終った。 社員の預金は、ゼロになった。売りぬけてそれを濡れ手に粟で手に入れたのは海外投資家です。 山一の経営陣が最後に行ったことは、動機は会社を支えるための善意でしょうが、結果は犯罪。社員が職を失った後に、絶対に必要な、タネのおかねをゼロにした。 なぜこんな繰り返し起るのか? 理由は、情報に対する認識の甘さにある。もっとも情報に敏感でなければならないはずの証券会社が、情報戦の過酷さを知らず、頼ったのは大蔵だった。悲惨です。 1960年代なら、大蔵・日銀が山一を救えた。マネーに国境があったからです。いまは、無力なのです。無力なものにすがる哀れさ。 資本の過酷さへの認識の不足。 今、情報は一瞬の内に、わずか30分で世界の投資家を駆け巡る。WEBで? そうではありません。電子メール。そして売りを浴びせる。 投資家は、日々断崖を跳んでいる。1年で、一生の富を確保しようと、あとは悠々自適を狙って。 ―――――――――――――――――――――――――――――― ■東証株の時価 東証1部の公開株の総時価は1月30日で約368兆円。(2部7兆円) そのうち家計が持つ分が約100兆円、あとの268兆円は国内企業、銀行・保険・年金等の機関投資家と、海外投資家がもつ。 この368兆円の、<総時価>とは一体なにを意味するのか? わが社の株価総時価は、なにを意味するのか? 同じことです。 兆の単位が実感をもって分かりにくければ、発行株数3432億株で割った1株1071円なら分かるでしょう。 今の時価は、実は、完全に海外投資家が動かしている。ナスダックとの約1ヶ月遅れでの完全連動のグラフを見れば、誰でも一目瞭然ですね。米国のマネーが先に動く。 遅れて、日本のマネーが動く。 この約1ヶ月の時間差の分は、米国人の懐に入る。 日本の投資家は、情報を持たない。情報戦が変ったのに、相変わらず竹槍戦術。爆撃機に竹槍。証券会社の罪は重い。 呆れてコトバを失い、悲哀すら感じます。 ▼原理的には将来収益の<見こみ>が決める株の時価とされる 孫正義氏の<観>を解くには、会社の未来利益を現在価値に還元して、マネーマーケットが評価をするという<時価>を解明する必要がある。 【第1ステージ】 <情報社会の第1ステージとはテレビやステレオを中心に作っていたころの松下電器やソニー、フィリップスやRCAなど電気メーカー。アナログ情報世界のツール屋さん。彼らは大活躍して時代を引っ張りました。> 【第2ステージ】 <しかし、第2ステージ、つまりアナログ情報をサービスするNTT、あるいはフジテレビ、日本テレビ、あるいは朝日新聞、ニューズ・コーポレーション、ディスニーといった会社の時価総額はどうなっているのか> <情報社会の第1ステージにおける会社の、10位までの時価総額と、2番目のステージの(アナログサービス)のトップテンをくらべると後者が、前者を超えた。業界全体の時価総額で比べても、2番目のステージの会社は、1番目を越えているわけです。> 【第3ステージ】 <(つぎに)3番目のステージが来た。まさにそれが、マイクロソフト、インテル、オラクル、サン・マイクロ・システムズ、シスコ・システムズという会社ですね。デジタル情報のツール屋さんです。 アナログのツール屋さんとサービス屋さん、両方を足したものを、デジタルのツール屋さんが超えた。マイクロソフトは世界一になった> 【第4ステージ】 <とにかく、3番目のマイクロソフトをはじめとしたデジタル情報のツール屋さんが、1と2を足したものを超えた。そして必ず歴史は繰り返し、ここで止まりません。4幕目が来る。この4幕目、4番バッター(デジタルサービス産業)というのは、1と2と3を足したものを超えるというのが、僕の予言なのです・・・ 市場にツールが行き渡ってくると、必ずそのサービスの世界がおおきくなるんです。> ・・・果たしてそうか? <ソフト・バンクはたまたまパソコンソフトの流通で始まりましたけれど、僕はトラックで配送するパソコンソフトの流通だけを本業にしようと思ったことは、創業以来、1日たりともありませんでした> しかしながら、ここから抜け出すのは難しい。維持するのに苦労する。場合によってはここで消える。しかし孫氏には、<情報社会への4段階の観>があった。準備して、虎視眈々と機会を狙った。 どんな機会でも、ただ待てば、偶然に来るというものではない。 準備して、求める人だけに来ます。 <構想を練って練って、書き換え、実際にその機会が来た時は、もう構想の90%は頭では終っている>ということでなければならない。 人生や事業では偶然や幸運を否定はできない。しかしそれは後で思えば、ああ、あの時は幸運だったと思えるだけです。 最初から、うまい偶然は来ない、構想によって創るものです。誰にとっても出会いは毎日、どこででもある。偶然の出会いが、<新結合>の出会いに思えるのは、構想によって出会いの後を成功させたからです。 出会いも偶然ではない。準備して構想を持っているひとだけに来る必然なのです。 自分の身に起こることには必ず原因と結果があると言ったのは、女優のシャーリー・マクレーンでしたね。 (第4号へ続く・・・) 以上<フロントビューとバックミラーの第3回号>でした。 <時価の現象>を見ました。つぎは<時価の構造>です。 ご感想ご意見は yoshida@cool-knowledge.com 【本マガジンの、友人・知人・取引先等への転送は自由です】 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ビジネス知識源:インターネット時代の経営の成功原理と原則 良質な経営・IT・ビジネス知識の提供を目標に <メールマガジンの登録・解除・及び記事のバックナンバー> http://www.cool-knowledge.com Systems Research Ltd. chief consultant吉田繁治 2001年2月2日増刊号 :フロントビューとバックミラー(3) ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ |
||
copyright : Systems Research Ltd. Chief Consultant 吉田繁治