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(02年9月30日) |
こんにちは、吉田繁治です。ここおよそ1ヶ月、「知識資本、知識経 営、知識作業、情報作業とは何か?」を考えています。 <知識資本と知識労働へのノート(1)>として、その第一部をお届 けします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ <Vol. 119 知識資本と知識労働へのノート(1)> 【目次】 第1部 1.金融危機というカオスはどこが終着点か 2.ビル・ゲーツの問題意識 3.ナレッジ・マネジメントへ 4.5項の提案 (第2部へ続く) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■1.金融危機というカオスはどこが到達点か ▼カオス 日本と西欧・米国は、2002年秋から「金融恐慌」の状態に入った と見ていいでしょう。危機分散の技術(特にデリバティブ)の発達が あるため劇症としては発現しない。広範囲な低温やけど、またはゆで 蛙現象を起こします。 35度までが普通に耐えられる金融気候とすれば、今の日本は45度 くらい、米国・西欧は40度でしょう。 金融恐慌が、今後どう向かうか。最初にここを考察します。 要は、 (1)各国の政府+中央銀行からは、過去の固定化のためのマネー注 入対策があり、 (2)マネーは次にとりつくべき利を生む獲物、「知識資本」を狙っ て、世界を徘徊(はいかい)する。 終着点は商品物価のインフレには向かいません。 設備の不稼動部分が先進国で少なくとも20%、多く見れば30%は あるからです。世界的に、工業生産力は余力を持っています。 資源問題も当面(8年)は、大きなボトルネックではない。 ただし、資源インフレの可能性はあります。しかし資源インフレは、 過去のオイルショックのような劇症の商品インフレにはならない。最 終製品に含む資源の原価部分が、低下しているからです。 これから約2年でしょうか・・・[政府+中央銀行]と、[市場経済] のせめぎあいが「カオス」を生む。政府と中央銀行からの対策がな ければ、デフレ的劇症になっていたでしょう。ただし、そこからの回 復も速かった。 しかし、金融危機は、実は表面の波です。波の奥底で、何が変わろう としているのか、まとめれば「知識資本主義化」へ向かった潮流です。 こうした大きな変化は、60年に一度くらい起こる。 歴史は、[過去の秩序]が崩壊するとき[方向が見えないカオスの時 期]を経て、[次の秩序]に向かいます。今は、西欧・米国・日本を 含み、「世界的」に、資本が方向を見出していないカオスの時期です。 時代は明確に「工業化社会」から「知識資本化社会」へ移行しつつあ ります。10年後の未来ではない。 移行期であるカオスの時期は、崩壊するものと生まれるものが、無秩 序に長期的な方向を持たず、せめぎあいます。 カオスは、カオスで終わるわけではない。「次の秩序」へ向かいます。 その時期は、2004年後半から2005年ころであろうと見てい ます。ブロードバンドが、世界中にあまねくいきわたるのが2005 年です。この速度は速い。 ブロードバンドと遍在コンピューティングが、だれの目にも明らかに なるのが2005年頃です。2年後の2004年頃まで、カオスの時 期が続き、早ければ2004年から、次の資本の動きが出ます。これ が新しい秩序です。 [前の秩序]→[カオス]→[整列]→[新しい秩序] 以上のような直観的仮説があります。ただし次の方向である「知識資 本主義と知識労働」はとらえにくい。ビル・ゲーツやドラッカーのメ ッセージを素材にして、読者の方と一緒に考えようと思うのです。 ▼変化の根底は、労働内容の変質 多くの人の仕事が、モノを加工・組み立てする作業からは離れている。 読者の方で仮に工場に勤務していても、直接に加工・組み立てを行 っている方はごくわずかでしょうね。5%以下と推計します。 製造業と分類される業種(日本では雇用者の約20%)に勤めていて も、マーケティング・製品開発・システム開発・営業・事務・流通に 従事している人は多いが、工場の生産ラインにいる人は少ない。 生産ラインにいても、ボルトを締め、半田付けや、加工・組み立てを している人は少ない。中国の工場には、現場労働が、ひとつの生産ラ インで100メートルにも並ぶくらい大勢いますが。 日本では、モノを「直接に」加工生産する労働や場は、今後も減少す る。10億人の先進国での共通現象です。 そうすると、一体モノを生産する以外の労働とは何か? 何を生み出しているのか? これに答えるのが難しい。 第三次産業といわれるものは、一体何か? 実は、こうしたことが社会を変え、企業を変え、資本とマネーの性質 を変えます。生活も変え、キャリアプランも変える。しかし、われわ れにその認識や見通しがあるかとなると、おぼつかない。 本稿では、「知識資本、知識経営、知識作業、情報作業とは何か?」 について、対話的に思考しながら考察を加えます。 【仮説的図式】 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 知識資本−知識経営−知識作業−意思決定=粕サ断(データベース) └情報作業−情報加工=入力−処理−出力 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 (注)狽ヘ、合計をあらわします。 ■2.ビル・ゲーツの問題意識 最初はビル・ゲーツの問題意識を取り上げます。 『思考スピードの経営』(日経済新聞社刊)からです。 重要なメッセージを多く含んでいますが、日本ではほとんど理解され ていない。実務家が書いたものは、多くの人が、他人の「成功物語」 としてうらやんで読んでしまうためです。 それと、ビル・ゲーツが『思考スピードの経営』で問題視したのは、 ホワイトカラー業務、および、意思決定に携わる部課長以上判断業務 のシステム化と情報化だったからです。 本稿は、ここに焦点を当てます。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 意思決定=細かい判断の集合=粕サ断 判断 =買fータベースの利用+矧O部情報+伯ツ人の知識 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ホワイトカラーは、一般に、自分が行っている業務は特殊であって、 システム化・情報化には向いていないと思っています。ドラッカー用 語で言えば「秘技」相当します。 システム化とは業務のコンピュータ化を言い、情報化とは判断に必要 なデータベースと情報の分析と利用を言います。まとめれば、工程分 解を通じたデジタル化です。 ホワイトカラー業務と知識作業は、簡単な業務ですら、工程分析、作 業分析ができていない。 非定型業務や管理作業を行うホワイトカラーが少なく、定型的な現場 労働が多かった70年代までは、これでよかった。管理的業務への従 事者が少なかったからです。 今は、逆になっている。組織階層のピラミッドが逆立しています。 以下、解説というより、対話を加えながら記述します。 ▼残されたデジタル化領域は、非定型を多く含む業務 <1980年代は品質が問題になった時代で、90年代はエンジニア リング(=業務の根本的改革)が課題になった時代だったとすれば、 2000年代は速度が課題になる(同書p1)>とビル・ゲーツは言いま す。 速度とは何の速度か? 判断と意思決定の速度です。 つまり、組織の上層部とホワイトカラーの判断と意思決定の速度です。 日本では、ホワイトカラー業務のデジタル化は米国に10年くらい遅 れた。そのため、上層部の判断と意思決定において、ボトルネックが 生じたのが90年代です。 このことが、90年代に日本から米国へ「資本」が流失した根底での 原因です。こうしたことは資本の動きにまで関わると記憶すべきです。 日本の上場企業の利益率は、米国企業の約半分です。 そして、非上場を含む全企業250万社の70%が赤字経営。 正常値は30%未満です。 ▼デジタル化に必要なエンジニアリング 「エンジニアリング」とは、一塊になっている業務を細かく分解し、 関連付けたフローチャートにして再構成する「システム化」を意味し ます。 業務は、「作業+作業+作業・・・」に分解できます。 作業は「入力→処理→出力」の連鎖、流れ図、フローチャートに分解 できます。これがエンジニアリングです。 日本では、判断と意思決定に関わることが多い40代半ば以上の人の 業務がコンピュータ化、デジタル化されていません。 社員の年齢構成では40代以上が最も大きな塊です。ここが全体的な 生産性のボトルネックになっている。従業員年齢の上昇とともに90 年代は、それが収益率低下、赤字となって表面化した。 現場作業はパート化、派遣社員化で時間単価は下がっています。 問題は、正社員部分です。 日本企業のこれからのシステム化対象領域は、非定型な部分を多く含 む「ホワイトカラーの業務」です。 ホワイトカラー業務の、システム化・情報化を経由しないかぎり、日 本企業の再生はないと判断できます。 <われわれは、「情報化時代」にはいって、もう30年にもなるが、 ビジネスで飛び交う情報のほとんどが、今もって「ペーパー形式」で あるため、買い手が売り手を見つけるビジネスプロセスは少しも変わ っていない(同書p2)> ▼定型作業のシステム化 紙の情報から、情報部分(文字と数字)を引きはがして、[入力]→ [プログラム処理+データベース]→[出力]へと変換するのがシス テム設計です。 「紙から、情報の部分を引きはがして、業務をフローチャート化し、 電子化する」、このイメージが情報化社会の根底的なものでしょう。 イメージとして描くことが設計の入り口。 会社での「紙」は、まずは「定型化された伝票」でした。 確かに、社内のあらかじめ定型化されていた業務や現場作業、そして 「伝票」使う業務と作業は、ここ30年で順次コンピュータ化されて きました。 ところが、今までのシステム化・情報化・デジタル化は、まとめれば 「伝票化されていた現場のルーティーンワーク」の領域でした。 ▼データベースの利用が進んでいない (1)業務で必要な「判断」に関わる部分、 (2)「意思決定プロセス」や、「購買プロセス」そのものに関する 部分は、ほとんど変わっていません。 すべての業務は、「フローチャート(流れ図)」に分解することがで きる。正確なフローチャートにすればプログラムにできます。 ビル・ゲーツが「ほとんど変わっていない」と言うのは、意思決定と 判断に関わる「ビジネスプロセス(業務の手順と方法)」のことです。 判断と意思決定に関わる部分では、「データベース」の有効な利用を 含んで、それを定型業務として組み上げる必要がある。 実際、判断の領域では、データベースの有効利用はほとんど進んでい ない。これは、システムの有効利用を推進する立場から見て、断言で きることです。 <ほとんどの会社は、いまでは作業工程のモニターや、生産システム の作動や、顧客送り状の作成や、自らの会計処理や税務関係の仕事等 々に、デジタル機器を使用している。ところが、こうしたデジタル機 器の使用は、だた、旧来のプロセスを自動化しているだけなのである (同書 p2)> <会社がデジタル機器を使うのは、旧来のプロセスを根本的に改善し て新たなプロセスを創り出し、全従業員の能力を百%引き出すためで なくてはならない。また、今姿をあらわしつつある高速のビジネス競 争に欠くべからざるスピードある対応を可能にするためであるはずな のだが、そのように図っている会社は極めて少ない ・・・心の中では、ビジネスの問題のほとんどは情報の問題であると 考えながらも、ほとんどだれもが情報をうまく利用していない。(同書 )p2> 以上が、ビル・ゲーツの問題意識です。 ■3.ナレッジ・マネジメントへ ここから、彼は「ナレッジ・マネジメント」としてのプロセス化への 提案をします。ナレッジ・マネジメントは「知識更新の速度化を図っ た共有化経営」とでも言えるものです。 モノの加工プロセスは、最初のエンジニアリングの領域として、 (1)まずは、手作業の工程化、定型化が進み、加工センターである 工場が成立して、 (2)次に機械化と機械を自動制御するオートメーションが進んだ。 そのため、生産工程で必要な人員は減って、製品の生産量は増えた。 それを原因に最終売価にふくむ製造原価は次第に小さくなってきまし た。 ところが、生産ラインの外の、製品の流通プロセスとオフィスワーク の生産性向上が進んでいない。 製造原価以外のものは、全部をまとめると「流通コスト」および「管 理コスト」と言える領域です。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 最終売価=製造原価(縮小した) +流通コスト(割合が大きくなった) +管理コスト(割合が大きくなった) 流通コスト =物流コスト+販売コスト 管理コスト =工場、物流、販売のホワイトカラーのコスト 今後の世界的なコストダウンの領域は、 (1)流通コストの部分、つまり物流、販売のコスト (2)管理コストの部分、工場、物流、販売のホワイトカラーのコス ト(オフィスワークのコスト) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 これで、ターゲットを絞ることができます。 流通と管理の領域では、業務上で多くの適切な「判断」を必要としま す。判断に必要な「情報と知識」は何か? 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 意思決定=細かい判断の集合=粕サ断 判断 =買fータベースの利用+矧O部情報+薄{人の知識 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 上の問いは、情報と知識をどう加工すべきかと展開されることになる。 こうしたシステム化(工程分解)と情報化(データベース利用)に、 太い筋を通すのが「ナレッジ・マネジメント(知識経営)」と言え るものでしょう。 ナレッジ・マネジメントは、 (1)定型化できる情報作業 (2)非定形な部分が多い知識作業、に分解できます。 知識作業は、個人の知識に依存する部分が大きい。しかし情報作業部 分は定型化できます。情報作業と知識作業を分かつ境界は、明確では ない。 知識作業も、到達点では、情報作業に分解できるでしょう。 知識作業=煤i情報作業)=煤i入力−処理−出力) 狽ヘ合計を表わしますが、ここでは「総合」という概念が適当でしょ うね。 こうしたコンテキスト(文脈)で、以下のビル・ゲーツの「ナレッジ ・マネジメント」への5項目の提案を検討します。 ■4.5項の提案 ▼【第1項】組織内のコミュニケーションは、(社内・社外の)ニュ ースを聞いたら反射的にすばやく行動できるよう、できるかぎり電子 メールで流すように主張すること。 電子メールは、情報と知識の共有化による判断工程の分業と協働(co -working)に有効ですね。今、電子メールはほとんどだれでも使えま す。問題は、業務への有効な利用が遅れていることです。 大切なことは、あらゆる用途に使うことができる電子メールの、業務 における機能と利用方法を定義することでしょうね。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 電子メールの業務上の機能−[知識と情報の即時共有化] └[判断工程の分業と協働化] 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 電子メールと電話を組み合わせれば、ホワイトカラー業務、特に協働 作業を必要とする部分が速度化します。 電子メールは、文字を書いたものだけでなく、添付書類機能を使えば、 表計算のみならず、静止画、動画、音声のすべてのデジタル情報を 使うことができる。 こうした機能を使わないのは、重大な損失であると見做さなければな らない。無線ネットワークを使えば、オフィス内のみではない。すべ ての場面、海外ですら使えます。 課題は、組織の上の階層ほど、[Face to Face]や[会議]を求める 習性があることです。したがって、電子メールが重要なことには使わ れず、どうでもいいような連絡のみにとどまっている。 電子メールの利用にはシステム化投資はほとんど要らない。社内、社 外を通じ、電子メールの効果的利用は、予想以上に、ホワイトカラー の時間当たり生産性の向上を果たします。 (注)ホワイトカラーの生産性を計る共通尺度は、今のところありま せん。本稿では、仮説的に考えてみますが・・・ ▼【第2項】販売データは簡単にその特徴をつかみ、その分析を共有 化できるようオンラインで点検すること。全体的な傾向を理解すると ともに、個々の顧客には、個人的な独特のサービスを心がけること。 (1)販売データについて、簡単に特徴をつかむにはどうするか? データベースの定型分析のみ(今はこれが多い)ではなく、 それを「データアナリスト」が読んで、 定型的分析に、A4一枚くらいの分析書を添付し、 部署別、組織階層別に、電子メールで、 定期的に配布することです。 同時に、イントラネット(社内アクセス)、エクストラネット(社外 からのアクセス)のWEBを使って、常時参照できるようにする。 データ利用の突破口は、データアナリストの設置です。 メインフレームのデータベースへ、個人のパソコンから直接アクセス できるような、シームレスのネットワークシステムを作るのが到達点 になります。しかし日本の会社のネットワーク環境とメインフレーム の利用は、多くがそこに到達していない。 (2)個々の顧客への個人的な独特のサービス 担当顧客の購買歴、アプローチ履歴、反応履歴のデータベースの共有 化が必要になります。つまりは顧客データベースの拡張です。 メインフレームの基幹業務系は、実際の購買を記録する購買歴のみで いいでしょう。「主要」顧客のアプローチ履歴、反応履歴は、パソコ ン系で構築する。試行錯誤があっていいでしょう。メインフレームか ら、購買歴を定期的にパソコンサーバに入れる。それを利用するよう にします。 ポイントは、メインフレームの固定的な情報とパソコン系の文字を含 む非定型の情報を分離することです。 ▼【第3項】ビジネス分析にはパソコンを利用し、知識労働は製品、 サービス、利益性に関する高度な思考をめぐらす知識人に変身するこ と。 ここは個人で格差が出る部分です。 向かうべき方向としては設定できるでしょう。 メインフレームは定型的な基幹業務に使い、パソコンは個人の情報作 業と知識作業に使うという仕分けがポイントになります。 エクセル、ワード、パワーポイントの共有利用を行うこと、そして電 子メールの添付書類の利用が、その方法になる。個人作業を、個人作 業の領域に止めないことです。 ▼【第4項】デジタル機器を使って、部局横断的な仮想チームを創設 すること。仮想チームは知識を共有し、世界的にリアルタイムでの互 いのアイデアを利用すること。デジタルシステムを使えば、だれでも、 会社が蓄積した知識を利用できるようにすること。 仮想チームは、知識のボトルネック、コミュニケーションのボトルネ ックを解消するための有効なアイデアです。しかしこれには会社とし て公式のポジションを与える必要があります。 工場、物流、店舗、顧客サービス等、いろいろな仮想チームを作るこ とができます。短期プロジェクトとしてもいい。 製品開発、製品の改善、販売改善、サービス改善、工程改善、物流改 善、在庫改善等のテーマを決め、必要な仮想チームを形成します。 部署の壁は、その組織にいる人の想像を超えるくらい大きな障害にな っています。 社内、および取引会社を含む、部署横断の仮想チームは、知識の融合 による「知識創出」を促します。 ▼【第5項】すべてのパーパーワークによる作業プロセスをデジタル プロセスに転換し、経営管理の隘路(=ボトルネック)を除去し、知 識労働をより重要な業務に就かせるように開放すること。 知識労働者とは言っても、作業分析を加えればおそらく8時間の業務 のうち80%はルーティーンワークへの時間資源の投入です。そうし た定型業務は、すべてデジタルプロセスへ変換する方向を設定する。 まずは、ホワイトカラーの作業時間分析です。 それと、フローチャート化です。 これを行わないかぎり、ホワイトカラーの生産性上昇はない。 ということは、会社の利益化もない。 ▼見逃されていること 現場作業者が多い時代(およそ70年代まで)は、現場の定型作業の 分析が有効でした。今後は、最も多い労働、すなわちホワイトカラー 作業の分析に向かわなければならない。 ここが、すっぽり抜け落ちています。日本の産業の本質的な問題は、 中国が工業で勃興したことにあるのではない。製造業の空洞化でもな い。ホワイトカラーの生産性の停滞です。言い換えれば、ホワイトカ ラーの知識労働が生む付加価値が低い。 販売が伸びればすべては解決するという時代は、80年代で終わった。 今の会社は、年齢構成、給与額の構成を見ても逆ピラミッドの「ヘ ッドヘビー」になっています。 取り組むべき領域は「知識作業」の領域のデジタル化です。40代以 降、そして団塊の世代が取り組むべき課題は大きい。そう認識すべき でしょう。 工場労働の工程分析・作業分析をテイラーが約100年前に行い、単 純作業分解したとき、最も抵抗したのは、同業組合(ギルド)でした。 「技能」は、親方に就いて習得する「秘術」とされていたとドラッカ ーは各所で言います。西欧でその傾向が強かった。 工場労働が、秘術の塊のままであったら、近代工業での経済の成長も 生活の豊かさもなかった。 ホワイトカラーやオフィスワークの工程分析、作業分析でも、おなじ ことが言える。 <デジタル機器を利用して、(ホワイトカラーの業務から)単純作業 の仕事を除去するか、それらの仕事を知識労働者のスキルを利用する 付加価値業務に転換すること>、これが目標になります。 仮説的に言えば、ホワイトカラーの全業務のうち、およそ80%は定 型化が可能な単純作業でしょう。ここから、開始できます。 これは私自身の、過去から現在の作業方法の反省でもあります。創造 的作業は、意外に少ない。時間分析をすれば、単純作業が多い。始終 パソコンには向かっていますが、それでも60%はある。 以上、<知識資本と知識労働へのノート>の第一部です。 see you soon! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 【ビジネス知識源 読者アンケート】 1.テーマと内容は興味が持てるか? 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