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随想的断章        (02年12月9日)

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 組織が壊れる時代、知識の自己投資に役立つことを目標に。

*以下、当幅フォントの指定で読むと文字レイアウトが整います。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

こんにちは、吉田繁治です。いつもどちらかといえば硬い内容を書い
て送っています。今回は、気楽に読める随想です。断章であり、各
パラグラフの関連は、特に意識していません。

2ヶ月ほど前にメールがあって、<貴サイトを、今度編集する本で紹
介したいと思うがどうか>ということでした。紹介してもらうことに
不満は当然ない。とても小さなサイトに目をつけていただいて、光栄
に存じますと答えた。

サイトが掲載された本が送って来た。NHKスペシャル『変革の世紀
 市民 組織 英知』という本でした。10の本、10のサイトとい
うところに、しおりがあり、1ページの3分の1くらいで紹介文が載
っていました。

<ここはかなり有名なサイトである。・・・>と書いてあって、その
あとを読むのが不意に恥ずかしくなって、贈られてきた本を閉じた。
恥ずかしいのは、最近、時間がないことを名目に、記事の掲載と更新
を怠っているからです。時間がないことは、自分自身に対する言い訳
に過ぎないと思う。

先ほど、新年号の雑誌掲載の論文を書いて、送りました。いつものよ
うに、締め切りのギリギリのタイミングです。

文章を書いていると、急に、視界が開ける感じがするときがあります。
たとえれば、長いトンネルをぬけ、光り輝く世界が現われるような。
プールで水面に顔を出したときのような。これが、創造のよろこび
かもしれない。

締め切りは不思議です。強制的な締め切りがなければ、私は何もでき
ない。時間がたっぷりあると思うと、いつまでも完成せず、成果を生
み出せない。実際は、時間がないことが仕事を完成させることにつな
がるという原理があるのでしょうか。

先日ある2世経営者から<自分は、大切なことで、難しいことや、困
難なこと、予定通りいかないことがあると、本も読めなくなるし、思
考も停止してしまうんです。今日本の多くの経営者が、同じ状態では
ないでしょうか。吉田さんはどうですか>とたずねられました。

確かに、そうした感じはわかります。自分が何をしていいか、わから
なくなる瞬間はある。そのときどうするか。真正面から、その問題を
考え、ぶつかる姿勢を思い出すことにしています。

考え続け、ときには文章にして、思考を外に出してみると、すっきり
とすることがあります。内にこもっていれば、いつまでもくすぶる。
そうすると、その問題に支配されてしまう。

ここが困難だ、さぁここからだと自分に言い聞かせる。おそらく、い
ろんな人はここで逃げた。みんな同じだろう。とすれば、この困難は、
本当はチャンスではないか。

みんなが引き返したとすれば、ここから先は、少数の人しか越えたこ
とがないのかもしれない。

第2次世界大戦のとき、ドイツからの空襲を受けたチャーチル。
<目前にせまった困難や大問題にまともにぶつかること。そうすれば
その困難や問題は、思っていたよりずっと小さいことがわかる。しか
し、そこで逃げると困難は2倍の大きさになってあとで襲ってくる>
 政治的リーダーの姿勢です。

随分昔に読んだこのフレーズを思い出します。以来ずっと私の心に残
っています。逃げたくなる。まともにぶつかりたくない。忘れたい。
離れたい。問題をすりかえたい。それが自然であり本能でしょう。

しかし問題は、なんらかの原因から必然性があるから起こったのであ
るから、原因が消えなければいつまでも続く。

そうなら、逃げてもぶつかっても同じではないか。逃げることはでき
ない。逃げれば問題は大きくなる。今わかったことが幸いだった。ま
ともにぶつかる方法しかない。そう考えると、不思議に心が落ち着き
ます。

金融問題や不良債権は問題から逃げたから大きくなった。
待てば海路の日和ありというのは、どうも正解ではない。

だれにでも、どんなことにでも困難は周期的に襲う。物事はすんなり
と行くことはない。順調に行くのが変だとあらかじめ思っておけばい
い。そうして問題がおこれば、さぁ待っていましたという態度をとる
ことはできないでしょうか。

私にできるか? おそらくできない。しかし、逃げればその困難は2
倍の大きさになって襲ってくる、まともにぶつかれば意外に小さいと
いうことも知っている。知っているということが、大切なことではな
いか。

ものごとが順調に行っているように見えるとき、またはうまく行った
ように思える絶頂のとき、実は次の問題が忍び込んでいる。

そうすると、順調なときに、問題への対応の準備をしておくか、また
は、新しいことにチャレンジする。それが必要でしょうね。実際はこ
うしたことはわかっているのに、なかなかできないことですが・・・
これも知っておいて損のないことです。

時折、読者の方から、どんな方法で情報を集めているか、なぜ広範囲
なことについて書くことができるのかという質問があります。

この問いに対し答えるのは難しい。というのは自分でこれがいいとい
う方法を見つけていないからです。

続けていることは、新聞や雑誌の切り抜きです。いろんな方法を試し
ましたが、結果として約15年続いているのは、A4のノートに、は
りつけ、時々は、ひとことのコメントを書いておく。

特に、グラフや数字を含む記事を集めます。その数字を読むと内実が
見える感じがする。私の方法というものがあるとすれば、それでしょ
うか。

以前、スキャナーで読み込むデジタルスクラップを考えたことがあり
ます。ディスクのなかにあれば、データベースにできる。これはいい
方法でないないかと思った。8年くらい前でしょうか、数百万もする
電子ファイリングのマシンを。ローンで買おうかと思ったこともあり
ました。

しかしそれはやめた。過去の解釈や数字は古くなっている。2年前の
記事を改めて取り出して、参考にすることは、実際はほとんどなかっ
た。というより、書いている最中に、あれやこれや資料を調べる時間
の余裕は、ないことが多い。

新聞や雑誌のスクラップ帳に意味があるのは、経験で言えば約3ヶ月
間くらいでしょうか。半年も前のものは、読みかえしてもなにか訴え
るものが消えています。

じゃ、なぜ、スクラップを続けるか。スクラップしているという安心
感を得るのが第一の理由でしょう。そうしないと心が落ち着かない。
どんなことを言っている人がいるか、それを保存しているという安心
感がある。

そして、やはり切り抜きをするという動作が、記憶することを補強す
るようです。あとで、パラパラとめくってみると、そのときの自分が
何を考えたかを、たどることができるように思います。

つまり、スクラップは、記憶するためのインデックスのような機能を
果たしています。それが私にとってのスクラップの効果でしょう。

スクラップするのは日経が多い。グラフや数字が多いからです。新聞
は3紙、日経、朝日、日経MJです。雑誌は、15種くらいを定期購
読しています。

大別すれば4分野、コンピュータ、経営、経済、流通です。今は英文
ではビジネスウイークです。英字の新聞はWEBで読みます。

雑誌は風呂で読むことが多い。1時間くらいゆっくりはいります。
汗が噴出します。手が濡れるので、乾いたタオルで手を拭きながらぺ
ージをめくる。ちょうど読み終わるころが、出る時間です。

いろいろ考えるとき、お風呂はいい場所です。散歩もいいのですが、
ここ数ヶ月は、散歩の回数が減っています。また増やさなければなら
ない。新幹線の時間も本を読むのにいいですね。

本はアマゾンで買うことが多い。それと出張のときの新幹線の駅です。
書店には行きたいのですが月数回しか行きません。行けば数冊買い
ます。

アマゾンは便利なのですがタイトルに惹かれて買って、内容が期待と
は違うことが70%くらいです。やはり本屋で買うのが、間違いがな
い。次に住むのは、大きな本屋が近所にあるところがいいかな、とか
(笑)

本や雑誌はやけに増えるので、1ヶ月に1回くらい思い切って捨てま
す。身を切られるような感じがするのですが、スペースがなくなるの
で仕方がありません。

皆さんもお使いでしょうが、Googleの検索は便利です。先ほど自分の
名前で検索してみました。100くらいのサイトが出てきて、多少驚
きました。

書棚はスライド書棚を使っています。しかしこれは使い勝手がよくな
い。同じスペースなら1.5倍くらいの収納量があるのですが、本は、
タイトルが見えないと死蔵されますね。

理想は30畳以上の広さの仕事部屋で、壁面は床から天上までの3面
書棚です。本のタイトルが一望のもとに見えること、これが効果があ
る。読んだ本であると、タイトルを見れば内容が思い出せる感じがし
ます。おそらくタイトルは、データベースのインデックスです。

楽しみな時間は、以前に読んだ古典的な本を開くときです。
古典には、徹底した思考がある。余分なものがないんです。

そして、そのときは気がつかなかったことが、見えてくる感じになる
ときがある。あぁ、すでにここで考えてあったんだなと思うことがあ
ります。

本には、ボールぺンで線を引いたり、囲んだり、欄外に書きこみをし
ます。汚くなる。古本屋にもっていっても、無価値です。(笑)

どんな本を買うか。経済、経営、流通、金融、コンピュータです。最
近、小説を読むことは少なくなった。時折、翻訳で読んで意味がわか
りにくかったとき、そしてなにか重要なメッセージが含まれていると
感じるときはアマゾンで原書を注文します。

面倒ではありますが原書で確かめることは大切です。翻訳ではメッセ
ージ性が消えていることが多い。専門用語には誤訳も多い。ただし原
書で読むととても時間がかかる。翻訳で読んで、これはと思えるのも
のを原書で確かめるという方法です。

さっき沢木耕太郎の『激しく倒れよ』というノンフィクションを見て
いました。彼の文章はいい。

時々小林秀雄を読みます。開けばとりこになる。どんな単語にも、小
林秀雄という刻印がある。私にとって拠りどころのようなものです。

TVも良く見ます。仕事中、音を小さくしかけっぱなしにしているこ
ともある。くだらないと思われる番組にも「現代」が現われているの
が興味深いのです。

海外でも国内でも、店舗はよく見て歩きます。商品を見ればここにも
「現代」が見える。一個一個の商品に多くの人が考えたマーケティン
グの結果が見えます。どうすれば売ることができるかという工夫があ
る。それを考えながら見ていると、店舗は興味が尽きない。

店舗は市場経済の、まさに「市場」です。市場経済をわかるには、店
舗に行けばいい。店舗の外には規制がありますが店舗のなかの商品の
競争には、「規制」はない。

テーマや仮説をもって、ものごとを見ること。そうすると「なぜ」と
いう疑問がわく。その疑問に対し自問する。そこから発見が生まれる。
そしてその発見は、つぎの仮説を生み、またそこから疑問が生じる。
その連続のように思っています。

答えがあるわけではない。考え続けることができること、その方法し
かないでしょうね。

書いてみたり、表現することは大切です。言葉で表現してみる。他の
人から反論や同意がかえってくる。そこで思考が深められる。弁証法
という方法がこれです。対話です。ソクラテスの方法だった。

目標をもつこと。自分が心から納得できる目標をもつこと。
目標は現在に意味を与える唯一のものです。

私自身の目標はなにか、まだ、わかっているわけではない。
しかし目標をもつことは大切だということは知っています。
霧が晴れるように、自分の目標イメージが出来上がってきている感じ
はします。

PCは3台使っています。2台はデスクに、1台はノートブックで出
張用です。2年間使わなかったキャノンのデスクトップ・パブリッシ
ング・システムは2週間くらい前、捨てました。

ここ数ヶ月、デスクトップPC中心の時代はもう終わったのではない
かと考えることが多い。モバイルコンピュータの時代です。仕事の現
場で、モバイルをコミュニケーション手段に使う。

これが、新しいマネジメントとワークスタイルを生むのではないか。
これで営業も方法が変わる。販売も変わる。オフィスも変わる。仕事
全体が変わる。

携帯電話が、生活のなかで一番大切なものだと答える10代、20代
が増えてきた。携帯電話の中身は、コンピュータです。これを、メイ
ンフレームとつなげばここに新しいワークスタイルが生まれる。
このテーマは、とても面白いのです。

ユビキタス(遍在)コンピューティングの時代が近い。書籍にはゴマ
粒大のICチップが埋め込まれることが決まった。こうしたことが変
化の起点になる。変化は次々に起こっています。

ブロードバンドとグローバル時代の日本人の拠りどころ(アイデンテ
ィティ)になるに違いない武士道について、一度は書こうかと思うこ
とがあるのですが、あなたは興味がおありでしょうか?

5000円札の顔の新渡部稲造(2004年に新札切り替えで消えま
す)が書いて、世界の人が日本人を認識したあの「武士道」を素材に
して。

see you next week!!

【案内1】
12月17日に日経BP社の主催で、「決定版・失敗しない中国進出・・
・中国を熟知した識者が語る体験的提言」というテーマで講演をしま
す。当方、コピー文にあるようには中国を熟知はしてはいませんが、
6名の講師の1人として「中国との関係の持ち方に対する体験論」を90
分話すことになりました。案内は以下にあります。

http://dk.nikkeibp.co.jp/dk/seminar/021217.html

【案内2】
12月1日に全国の書店で発売された『販売革新12月号』では、日
本ではゆがんで特殊な形になっているチェーンストア論ではなく、「
リテイルマネジメント」という新しい角度から、流通業の課題を解い
ています。

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