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新年特別号:自己経営とはどんなことか(4)完結編
                   (03年1月27日)


こんにちは、吉田繁治です。<自己経営とはどんなことか>のテーマ
での4回目、最終号をお届けします。

今、激しい勢いで(i)雇用制度、(ii)賃金評価、(iii)ワークスタイル
の変化が進んでいます。およそ、3つの共通要素。

(1)勤続年数をもとにする年功給やベースアップを廃止する。
(2)チームと個人の業績評価方法を決め、成果給にする。
(3)出社時間を短くしたフレックスタイム制度の導入。

東芝ライテック(証明器具)はコアタイムを廃止し、1日で30分の
出社。それ以外の時間は自己裁量に任せる「スーパーフレックスタイ
ム」制度を社員の40%(1100名)を対象に導入します。

モバイルを含むパーソナルコンピュータを使ったコミュニケーション
が、仕事のプロセスに入り込めば、毎日同じオフィスに集まることの
意味が薄くなる。同じ場所で仕事することが当然とされた「会社」の
意味、そして仕事の方法が変わる。そして管理の形態と分業形式が変
わるのです。

時間の使い方、スケジュール、仕事の方法で、まさに「自己経営」が
求められますね。

本稿では、(i)上から管理される「割り当てられた仕事」ではなく、(
ii)「判断と自己裁量」が増える今後の仕事では、どんな仕事の方法が
と目的が必要か、それをめぐって考察を加えます。

「労働」についてわれわれが持っている考えのベースにあるのは、モ
ノの生産のために、分業になった仕事が割り当てられる「工場労働」
です。機械化と分業が、その方法だった。

21世紀の労働はこうしたイメージとは、激しく変わります。

ところが、(i)知識労働の「生産性と成果」をどういう方法であげるか、
(ii)どう成果を出すか、(iii)そして成果が何であるかについては、
われわれは貧困な方法と思考しか持っていないのです。

知識労働では、自己経営を要求される。この自己管理はなにか?

考察の素材として、引き続き『プロフェッショナルの条件』(ドラッ
カー)を使います。<>部分は、引用です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  <Vol .134新年特別号:自己経営とはどんなことか(4)>
          
【目次】

 1.「目的は何か?」と問い、目的を明らかにする
 2.古典的事例
 3.サプライチェーンでの事例
 4.なぜ、知識労働の成果があがらないのか?
 5.貢献を目標にする
                      [完]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1.「目的は何か?」と問い、目的を明らかにする

仕事の目的を問うことは、長期的なものであれ、短期的なものであれ、
緊急のものであれ「仕事の成果」を問うことです。

本稿では、この「仕事の成果」を真正面から考えます。

仕事を遂行する方法としてのマネジメントでは、だれもが知っている
古典的なものにPDCサイクル(Plan-Do-Check)があります。計画を
立て、方法を決めて実行し、結果を計画と比較し、改善策や対策を立
てる。

PDCサイクルの中の計画と方法は、スタッフが起案し、マネジャー
が決め実行をワーカーが行う。これが工場労働の方法です。

こうした100年も前から続く伝統的方法の源流から考えてみます。

▼いかに行うか:how to doという問いの限界

<フレデリック・テイラーが、砂のすくい方を通じて後に科学的管理
法として結実した研究を始めたとき、彼は個々の肉体作業について、
「何が目的か」を問うことなど思いもしなかった。問題としたのは「
いかに行うか」だった。>

実際、100年後の現在もほぼ同じ状況です。「いかに行うか:How
to do」は研究される。しかしその仕事の目的(成果)が何であるかは、
意外に、検討の外にあることが多い。

広く言えば、およそ日本では、モデルとなる欧米の方法へのキャッチ
アップを行ってきた。「なぜその方法か?、それをなぜ行うのか?」
ということは、検討されることが少なかったのです。

工場労働の成果物は製品です。製品をいかに効率よく、つまりはコス
トを減らして生産するかが成果(利益)とされる。生産効率をあげる
ために、どうすればいいかが仕事の方法の検討におけるすべてだった
と言っていい。

ところが今、わが国では工場の外に、流通工程に、そしてオフィスに、
生産性(=成果)の暗黒領域がある。

例えば、知識労働の成果物である「企画書」ではどうか? 
企画書を、効率よく美しく大量に作ることが成果であるか?

時間給を仮に4000円(年収800万円)とし、30時間かかった
企画書は、12万円以上の成果(performance)として計ることができ
るかとなると疑問ですね。企画が実行され、数千万円以上の経済価値
を生むこともあれば、ゼロ、または損失のこともある。

およそすべてのオフィスワークは、成果がモノではなく、それゆえは
っきりしないものだらけです。

企画書を「いかに効率的に作るか、内容がいかに優れているか」とい
うこととその経済的成果は、無関係です。

工場の生産物は違います。生産ラインで作られた部品や製品は、経済
的価値を持つ。作りすぎて価格が下がっても価値は残る。生産物のテ
レビは、故障しなければテレビの価値(有用性)がある。

製品を作る目的は何かと問うことはない。効率的にコストダウンして、
適切な数量を作るかという方法論があるだけです。

しかし企画書の作成では、まずは以下の3項、
(1)企画書は何を目的にするものか、
(2)何が経済的な成果か、
(3)どうすればその経済的成果が得られるか、が問われなければな
らない。まとめれば、「なぜ:why」という問いです。

<知的労働の生産性の向上を図る場合にまず問うべきは「何が目的か、
何を実現しようとしているか、なぜそれを行うのか」である。手っ
取り早く、しかもおそらく最も効果的に、知識労働の生産性を向上さ
せる方法は、仕事を定義しなおすことである。目的のために行う必要
のない仕事をやめることである。>

「仕事を定義しなおすこと」、勘所はここにあるでしょうね。

定義しなおすということを具体的に言えば、
(1)この仕事は、何を目的にするものか、
(2)何が、経済的な成果か、
(3)どうすれば仕事の経済的成果が得られるか、という問いに対す
る答えを準備し、書き下しておくことです。

そして、目的のために必要のないことをやめることです。
しかし、この「目的」とはなにか? 

仕事や作業の目的はなにかと真正面から問われれば、説明に困ります
ね。

2.古典的事例

ドラッカーは以下の古典的な事例をあげます。仕事の目的(成果)と
いうことがよく分かるので示します。

<1906年から8年にかけてシアーズは、注文に同封されてくる硬
貨の勘定という手間のかかる仕事をやめた。当時は紙幣や小切手はな
く、硬貨だけだった。おおよその金額は封筒の重さで計ることができ
た。一定の範囲内で、重量が注文に合えばよいことにした。注文件数
の詳細な記録という時間のかかることもやめた。封筒を重ねて重さを
計り、1ポンドにつき注文件数40件と計算し、注文処理と商品発送
のスケジュールを立てた。こうして注文処理の生産性はわずか2年で
10倍に向上した。>

これはどんな意味を持つか。注文処理という業務の「目的」が何であ
るかを定義しなおしたのです。

【従来の仕事の定義】
注文処理では、一枚ずつ封筒を開け、コインを勘定し、注文件数の記
録をとることである。

ここで、2つの作業の目的を考えると、
(1)封筒を開ける作業。  
    → 数えるのはコインの金額が間違いないか確認するため。
(2)注文件数を記録する作業。
    → 品目別の商品発送のスケジュールを立てるため
      である。

なぜ(Why)という問いが、目的を明らかにするためのものです。
知識作業者は、常に、日々の仕事で、理由と目的を問うことを習慣に
しなければならない。

実はチームワークは、この目的がはっきりしたとき、初めて可能にな
る。分業と協働の目的が、明確でなけれればならないのです。

【新しい仕事の定義】
(1)コイン数える目的は、金額の確認である。
   封筒の重量を計る方法で、コインの金額を確認する。
(2)注文件数を個々に記録する目的は、
   品目別の注文件数を知るためである。
   コインを抜いた封筒の重量は40枚で1ポンドである。
   同じ品目の注文封筒を集め、注文件数は封筒の重さで計る。

こうした「仕事や作業の目的を考える」発想法を、意識して行い続け
れば、改善の種は、仕事のいたるところに転がっています。

あらゆる仕事にあたるとき、まず「なぜそれを行っているのか?」、
「なぜ、これを今からはじめるのか?」、「その作業の目的は何か」
と問い続けることです。

コインを「どう効率的に数えるか」という延長での発想ではない。

逆に、もっと効率化するために「数えなくて済む方法はないか」との
問いです。数える目的は、金額の確認です。数えなくても重量を計れ
ば数えることと同じ成果(performance)をあげることができる。

3.サプライチェーンでの事例

サプライチェーンでは、工場倉庫〜物流プロセス〜店舗の倉庫〜配送
プロセス〜店舗の「流通プロセス」に含まれる二重三重作業を、どう
いう方法で、1回で済む作業にするか、または作業そのものをカット
するかという思考方法をとって、改善を進めます。

例えば、店舗の入荷検収という手間と時間、つまりコストのかかる作
業があります。入荷した商品のダンボール箱を開けて、一個一個の商
品を発注書と照らし合わせ、数を数えながら、商品の検質チェックを
します。

この「入荷検収作業(検品・検数・検質)」の作業の目的は、入荷し
た商品が発注通りであって、品質に間違いがないか、チェックする気
の遠くなる単純作業ですが、品目を見て一瞬で他と区できるという商
品知識も必要になる。数万品目について、です。チェーンストアでは、
「商品」を知るための将来の幹部に必要な訓練とされたのです。

およそ、物流や倉庫における流通作業とは、これに類似する作業のカ
タマリですね。

この検収作業の目的は、「発注書=入荷商品」のチェックです。発注
と入荷が等しく、品質の問題がなければ、店舗の検収作業はカットで
きます。

サプライチェーンでは、これを上流作業として行う方法をとります。
最上流の工場の倉庫での、受注に対する出荷検品の完全化を図ること
で、その後の流通工程での検収作業はすべてカットできるのではない
か? 

更に、発注から店舗入荷までのリードタイムを1日にすれば、店舗の
発注作業は、[今日のPOSの売上データ=発注データ]とし、CA
O(Computer Assisted Ordering:コンピュータ支援発注)として、
単純化を図ることができるのではないか?

こうして、今行っている一個一個の流通作業、店舗作業、単品作業の
目的を問い直し、「目的に合うように作業の定義を変える」ことで、
サプライチェーンマネジメントの体系が出来上がっています。

あらゆる仕事上の作業には「作業の目的」があります。その作業をカ
ットして、その目的が達せられるなら、「作業を行わなくて済ませる」
という究極の生産性、つまり成果をあげることができる。

「どう行うか」という作業改善ではなく、「その作業の目的は何か」
を問い続けることです。

仕事は作業を行うこと自体が目的ではない。
成果(performance)をあげることが目的です。

仕事は生活とは違います。
効率的生活というものはない。
生活の目的は、一般には無いからです。
動物が生きるように、生活は生きることそれ自体です。

(注)生活に目的を与えるものがあるとすればそれは「宗教」でしょ
うね。

仕事の成果は、その処理目的を考え、手順を変え、方法を変え、目的
の達成には無意味な作業をやめることから得られます。

マニュアルワーカーは作業の目的を問うことをしない。過去の方法、
決められた手順・方法で、いかに効率的に行うか、どう行うかが仕事
の責任になる。作業の実行量、生産物、または時間で、賃金を得ます。
明確な数量基準、または金額基準がつくりやすいのです。

しかし、知識作業者には、こうした計量基準はない。生産性の数量基
準はない。彼らは、仕事と作業の目的を、常に考える必要がある。

4.なぜ、知識労働の成果があがらないのか?

▼課題

<昔は知識労働者のうち、組織に属している者はごくわずかだった。
彼らのほとんどは、せいぜい助手一人を抱えるだけで、自由業として
独立して仕事をしていた。成果をあげようがあげまいが、彼ら個人の
問題であって、彼らだけに関係のあることだった。>

確かに知識労働は、個人で行ってきた。会社の中でも、ごく一部のス
タッフや幹部が行い、現場はスタッフが決めた手順を実行した。個人
の工夫や知識作業に任せられる仕事は少なかった。今でも多くの会社
はそうです。

しかし、今、生産工場は自動化し、工場の現場以外の仕事への従事者
が増えた。多くの人が、経済的な成果のはっきりしない情報作業、知
識作業を行っている。

90年代以降の日本企業の生産性問題は、定型的な仕事を行う現場労
働者より、はるかに増加したオフィスワーカーつまり知識労働者の生
産性の停滞にあります。そして、知識労働の生産性と成果が低いまま
なら、やがて賃金は下落します。事実、賃金の下落は、もう始まって
います。

日本企業の最大の課題が、ここにあるでしょう。
焦点を絞れば、そうなる。

<知識労働者を直接あるいは細かく監督することはできない。彼らに
は助力を与えることができるだけである。知識労働者は自らをマネジ
メントしななければらならない。自らの仕事を業績や貢献に結びつけ
なければならない。成果をあげるべく、自らをマネジメントしなけれ
ばならない。>

つまり「自己経営」です。知識労働に必要な情報は、外部から得るこ
とができる。しかし、成果に結びつく知識の応用は、個人の課題にな
る。

(注)広義の自己経営の具体的方法は、すでに配信した本シリーズの
第1部から第3部↓を参照して下さい。
http://www.cool-knowledge.com

▼成果に照準を合わせるという方法

知識労働の成果、生産性を図る尺度はどこにあるか。

<知識労働は、それ自体が独立して成果になるようなものを生み出さ
ない。溝、靴、部品などの物的な生産物は生み出さない。>

知識労働の産物は多くが、書類や言葉です。書類や言葉は情報です。
情報は、それ自体で成果を持つものではない。靴はそれ自体で有用で
す。しかし、知識、アイデア、情報、企画書は、それだけでは役に立
たない。

ではどうすればいいのか?

【鍵】
<自らの成果(知的生産物)を、他の人に供給するということである。
靴のように、生産物それ自体の効用をあてにするわけにはいかない。>

鍵はここです。知的生産物を他の人に、または、個人の集合である組
織に供給すること、つまりコミュニケーション、そのコミュニケーシ
ョンから生まれる個人や組織の行動の変化、方法の変化、作業の変化、
判断の変化、そこに「知的生産物の成果」がある。

【余談】このメールマガジンは、私の知的生産物ではありますが、文
字の連なり(情報)が、読まれること(メッセージの伝達)で、なん
らかの「行動、判断、価値観、考え方の変化」に影響を与えることが
できるかどうか。含まれるメッセージが、いい影響を与えることがで
きているでしょうか?(笑)

大切なことは、知的生産物を成果に結びつけるには、「コミュニケー
ションが必要条件」であるということです。

[知的生産物]→[コミュニケーション]→[行動変化]→[成果]
            ↑
          [必要条件]

ここで、知識労働の典型的なものとして、コンサルタントの成果とい
うものを考えます。以下は、私に自己反省を迫ります(笑)

【コンサルタントの条件】

(1)知識の権威としてのコンサルタントは、自らが成果をあげるこ
とができなければならない。さもなければ価値がない。

(2)最も成果をあげるコンサルタントでさえ、ものごとを成し遂げ
るには、客たる組織の人たちに依存しなければならない。

コンサルタントを含む「知識労働」の成果は、その「知識の適用」に
よって顧客たる組織があげる成果(利益)に依存するということです。

これで、「知識労働」の成果というものがはっきりしますね。
会社の中の知識労働者すべてが、常に「習慣的に」、知識労働の成果
というものの性格を問いかけることです。

分かりにくい「知識労働の目的」というものの性格が、明確になって
きました。読者の方のほとんどは、広義の知識労働者です。
更に進みます。

5.貢献を目標にする

▼方法

<成果をあげるためには、貢献に焦点を合わせなければならない。手
元の仕事から顔をあげ、目標に目を向けなければならない。「組織の
成果(performance)に影響を与える貢献はなにか」を自らに問わなけ
ればならない。すなわち自らの責任を中心に据えなければならない。>

ワーカーとしての仕事は、目的も方法も上から、または組織から与え
られます。実行の責任があるだけです。知識労働は違う。その仕事の
目的は何か、目標はなにかを常に問わなければならない。

その目標は、「組織の成果への貢献」ということです。
組織が成果をあげるために、何をなさなければならないか、何が必要
か、ここを見極めることです。

▼権限の組織は、崩壊が着地点になる

<ところがほとんどの人が、下のほうに焦点を合わせたがる。成果で
はなく、権限に焦点を合わせる。組織や上司が自分にしてくれるべき
こと、自らがもつべき権限を気にする。その結果、本当の成果をあげ
られない。>

権限に焦点を合わせた組織を何というか? 悪しき官僚組織です。官
僚組織は、成果ではなく、手続き(procedure)に焦点を合わせる。

例えば竹中大臣は、時折、会議で追及されて困ると大臣というトップ
であるのに「これは、小泉首相の指示だ」と言います。これは自らが、
権限に焦点を合わせる官僚的ワーカーであることを表明しています
ね。嘆かわしいことです。

こうしたことは知識労働者にとって、タブーになる発言です。その場
にいない人の権威を借り、当人から指示があるのかどうかわからない
ことで、人を説得することはできない。発言した人は、馬鹿に見えま
すね。

実際、おそらくそのことを小泉首相に訊ねれば、逆に「金融と経済は
竹中大臣に任せている」と答えます。この国の重要な意思決定には、
常に責任の空洞があるのです。2年も経って構造改革の成果があがら
ない根底には、こうした最も基本的な、仕事の進め方の誤りがありま
す。

<肩書きや地位がいかに高くとも、権限に焦点を合わせるものは、自
らが、単にだれかの部下であることを告白しているにすぎない>

権限には更に上の権限がある。そうすると、細部を含めすべての権限
はトップまたは首相になる。それで組織が有効に動くことができるか。
不可能でしょう。

にもかかわらずわが国のみならず、世界の組織に多い行動です。権限
による行動の典型は、官僚帝国のソ連だった。自己を守る権限がすべ
てであり、目的が国民生活への貢献ではなかったのです。だから崩壊
した。世の中はうまくできています。無理は長期は続かない。

(注)今、日本には、行政組織の権限での自己満足化、共同体化があ
ります。これは、最終的には、壊れざるを得ない。組織の目的は、外
部にあるからです。官僚組織では、国民の利益以外の目的はないので
す。自己目的化した組織は、崩れます。

▼貢献

<これに対し、いかに若い新入りであろうとも、貢献に焦点を合わせ、
結果に責任を持つものは、最も厳格な意味においてトップマネジメ
ントである。組織全体の業績(成果)に責任をもとうとしているから
である>

[仕事]→[貢献:つまり成果を目標にすること]

これを「自律的行動」と言います。これが、自己経営そのものです。
どんなに立場が下で、仕事は部分的なことであっても、貢献に焦点を
合わせること。これが、仕事の目標になる。

<貢献に焦点を合わせることによって、専門分野や限定された技能や
部門に対してではなく、組織全体に成果に注意をむけるようになる>

[仕事]→[貢献:成果を目標にすること]→[組織全体の成果]

サラリーマンの多くが、自分は限定されたことしかできないと言いま
す。事実そうです。会社全体に影響を及ぼすことはできない。しかし、
それは部分でしかない「権限」に焦点を合わせたときです。これは
誤りです。

ここで考えていただきたいのです。組織全体の成果とは「顧客の獲得、
顧客満足の改善、顧客を長期につなぎとめること」でしょう。

そうすれば、「顧客」という視点から組織全体へ貢献することができ
る。権限に焦点を合わせれば、部分です。外部顧客に焦点を合わせる
なら、「全体への貢献の仕事」ができる!!

ここが、サラリーマンの仕事の唯一の正当な突破口です。顧客満足を
図る責任、ここに焦点を合わせることです。仕事の改善は、すべて、
顧客満足を以前より高めること以外ではない。

[仕事]→[貢献:成果を目標にすること]
           →[組織全体の成果]→[顧客への貢献]

そのためのコストダウンです。利益というもののすべては、顧客が、
他より、価格、サービス、品質、提供方法の何らかの要因で満足を受
けた結果として与えてくれるものです。

<(こうすると)成果が存在する唯一の場所である「外の世界」に注
意を向けるようになる。自らの専門や自らの部下と組織全体や組織の
目的との関係について、徹底的に考えざるを得なくなる。>

それが至る地点(goal)はどこか?

<経済的な財、政府の施策、医療サービスなど、組織の産出物の究極
目的である客や患者の視点から、ものごとを考えざるを得なくなる。
その結果、仕事や死後の仕方が大きく変わって行く。>

[仕事]→[貢献:成果を目標にすること]→[組織全体の成果]→
[顧客への貢献]→[顧客の満足](=ゴールとなる成果)

こうして、工業の生産物たる「靴」が顧客に有用であるように、知識
労働の成果も、「顧客満足」をゴールにすることによって、顧客と社
会に貢献することができる。

こうした大きな目標こそ、チームワークを鼓舞し、人を動かし、顧客
を動かす。目標への貢献が、古風な日本的用語では義理でしょう。理
への忠誠です。やはり、社会への義理と人への人情ですね(笑)

そこが、自己満足の到達点でもある。

自己経営も、ここが着地点(goal)でしょう。
以上のことは論理的にたどることができます。

部分の仕事は、全体に通じているから部分です。
部分は、独立したものではない。独立すれば全体です。
(全体である)企業は顧客を目的をすべきものです。

本シリーズを通じ、仕事というものへの視点が開けたとすれば幸いで
す。真面目すぎますか? 一人で反省(省察)するとき、人はやはり
真面目ですね。

see you next week!

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