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流通業とはどんなビジネス?
         :日本の流通業の将来(1)


今回は『流通業とはどんなビジネス?日本の流通業の将来(1)』をテーマに。

12月8日には、フランスのハイパーマート・カルフールが幕張にオープン。流通業界では大変な話題。
eMarket Placeや、eBusiness 、更にはeLogisticsと、小売・流通業の根幹にかかわるような技術的な変化も起りつつあります。
国内流通業はご存知のように激動状態。

そこで今回は、流通を一挙に整理して、更には将来の方向を示そうという次第。メールマガジンとしては、無謀な企て。しかし、単純化するから、はっきりと見えることが多いのです。

日本の流通業にフォーカスを絞ります。米国・西欧の流通は、紙幅の関係でつぎのテーマにしましょう。

約20年くらいコンピュータシステム・ネットワーク・流通の仕事をしてきました。
書いた文書が数万枚。講演時間が延べ5000時間くらいです。コンピュータシステムと流通の部分で、両方を踏まえたものはほとんど見かけないので、それを総合して、オリジナルな見解が出すことが本稿の目標。
読者の、ひとりひとりの方と一緒に考えましょう。順を追って丁寧に読めば、流通を知らない人も、きっとわかっていただけるはずです。
流通は理解が難しい・・・から、流通って素敵なビジネスへ。



■まず根本的な問いから

といっても、難しいことではありません。

 お店屋さんて、どんなことやってるの?
 そうだな、100円で買ってきて150円くらいで売ってる仕事かなぁ。
 じゃ悪いことしてるね。
 いや悪いことじゃないんだよ、それで、お店の人はお給料がもらえる ・・・ふーん・・・

こうした子供の問いにまともに答えるのは、なかなか難しいのです。学校の社会科の宿題だったのでしょうか。

もうひとつ。これは金融経済。
 お金がないよ。
 じゃ、いい考えがある。デパートでお金を買ってくれば?
 それはできないの。お金を買うお金がいるから。

子供との会話って面白いです。誘導するととんでもない発想をします。当人が、意味がわかって、言ってることではないとは思いますが。

小売・流通(この二つは後で区分します)や金融のことを考える時、いつも、この二つの問いを思い出します。
根本的な問いって日常生活にあります。今回は流通。

▼流通を学者風の概念的なコトバにすると

『流通がわかりにくい理由のひとつは、その(経済的な)機能の本質が目に見えない情報・サービスを、目に見える商品の移動という形で供給しているからである』:日本的流通の経済学:有賀健編著

もうひとつ挙げます。これは西武流通グループの総帥、詩人で小説家でもある堤清二氏:流通変革の透視図から。
『流通は合理性と非合理の境界に位置する。産業の合理性と生活の非合理性の境界・・・』 ふうっ・・・て感じ。

▼産業の合理性(商品の生産:産業側)と生活の非合理性(買物行動:生活側)の境界に位置することとは?

(店舗:生活の非合理との接点)
高級店の店舗は内装も豪華で、広々と展示。販売の人も優雅にゆっくり応対しコストがかかっています。お客は、建物や内装を買うわけではなく、その棚の商品を買うのに、なぜ? (非合理性)

(工場:コスト合理性)
一方、工場では7万円のプラダのバッグを作る中国の工場が、1000円のユニクロのバッグを作る工場にくらべて70倍豪華か、というとそうではないですね。(コスト合理性の原理)

大理石張りの工場を作ったら馬鹿じゃないかと思われます。ところが豪華な店舗(コストが高い)を作っても、単純に馬鹿じゃないか、とは言えませんね。

生産はコスト合理の世界(産業)であるけれども、小売は非合理の世界(生活)と接しています。ユニクロの店舗や販売方法では、プラダのバッグも高くは売れないでしょう。これが具体物を越える領域での価値です。

以上のことを、いろいろ考えると訳がわからなくなります。工場(加工や生産)は分かる(モノの形が変わる)が、流通は分かりにくい(モノの形が同じで移動と取引のみ)・・・となるんです。

じゃどうやって、思考を混乱させる難物、流通・小売を捉えるか?


■流通・小売業の機能を分ける

こうしたときは、流通の機能を分けて考えることが、導きの糸になります。
(分類の5階層)
i)店舗での販売方式(売り方)
ii)店舗の経営方式(組織管理の方法)
iii)店舗とメーカー、問屋の中間流通と物流方式(中間在庫・物流の方法)
iv)メーカーの生産方式(商品仕様と数量の決定方式)
v)商取引の方法(商取引の方法)

これで5つ。難しく言えば5階層。
これで、日本のみならず世界の流通の現象を解く手がかりが得られます。

▼つぎに、その5つの要素の中身の分類

(1)店舗での販売方法は、4つ

i)スーパーのような、セルフサービスでの販売方法(有店舗)
ii)高級店や専門店のような、接客・対面型販売方法(有店舗)
iii)セールスマンによる販売(無店舗)
iv)通信販売(無店舗)

(2)店舗の経営方式(組織管理)は3つ

i)パパ・ママストア型家族経営(米国ではママ・パパストアと言うようですね。レディ・ファーストの国)
ii)支店経営型の運営方法(日本の専門店・デパートに多い)
iii)チェーンストア型経営(本部による、標準店の、商品と店舗運営のコントロール:スーパーマーケットが典型)

(3)中間の在庫方法・物流方法でも2つ

i)日本のほんどの小売業のように、メーカの販社や問屋(卸)が、在庫をもって中間物流を行うケース
ii)欧米の大手チェーン型小売業のように、小売業側が倉庫を持って在庫し、工場からの物流を行ったり管理するケース

(4)メーカーの生産方式は3つ

i)工場が自分のリスクで生産して在庫する商品(NB的生産)
ii)卸が工場に生産を委託するケース(卸PB的生産)
iii)小売が工場に生産を委託するケース(小売PB的生産)

(PB:店舗のプライベート・ブランドで工場に指定生産するもの NB:ナショナル・ブランド、言いかえれば、メーカー名でのブランドでの生産でメーカーが見込み在庫のリスクを負うもの)

(5)商取引では、2つ
i)売れ残りの返品を含む方式での商取引
ii)完全買取方式での商取引
(なお,メーカ―・問屋による商品交換は返品に含みます)

これで、すっきりしましたね。
表にしてみると全部の要素が一覧できます。試みてください。後でとても役に立つはずです。

インターネットのオンライン販売は、通販の紙カタログを電子化・ネットワーク化したものです。これだけでも、5つの流通における方法はわかりますね。(オンライン通販の障害のひとつは、消費者からの返品問題です。極端な例では40%)



■生産方式から店舗販売までの方法の種類は142

以上のように分けると、
i)販売方法で4つ、
ii)店舗の経営方法で3つ、
iii)中間流通と在庫方法・物流方法で2つ
iv) メーカーの生産方式は3つ、
v)商取引では2つ。

そうすると、4×3×2×3×2=142通りの方法の組み合わせで、生産から販売までが行われていることになります。

142通りの組み合わせの、i)それぞれの可能性、ii)今後10年の時流適合性、iii)コストダウンの要素、iv)技術の要素を網羅して設計すると、これはもう立派な流通戦略家です。

わが国で140万店ものいろんな流通・小売業がある理由です。
ただし、上の142の種類の組み合わせの全部が、流通戦略として成立するというわけではない。

(時流の要素と技術の要素とは?)
i)その時代の社会環境、産業の成熟度、競争状態、顧客のニーズ(以上が時流の要素)、
ii)利用できるコストダウンの技術(技術要素)で変わります。

(技術要素としてのITとロジスティクス)
90年代からは、コストダウンの技術でITとロジスティクスが有効になった時代です。なぜか? ITとロジスティクの技術は、まだ理解していない流通業トップが多いからです。つまり大変な格差がある。

こうしたとき、戦略として有効なのです。みんなが行えば、戦略の先行優位はなくなりますね。つまり戦略では、横並びはダメなのです。横並びは規制産業での思考方法。




■ユニクロとしまむらのビジネスモデルを手がかりに

成功を収めているユニクロとしまむらを、この分類でビジネスモデルにして再整理すると単純に見えてきます。142種類では多すぎて頭でイメージ化できません。まず、ここから。

(1)ユニクロ型ビジネスモデル

カジュアルウエアのユニクロやMUJI

セルフサービス方式の販売>チェーンストア型経営>自社での中間流通>工場に400品目(×色×サイズ)のPBの定番生産を委託する方式>買取方式

ユニクロはカジュアルウエアのミニマリズム。
ミニマリズムとは、もとは芸術運動。単純化した要素の組み合わせでデザイン効果を上げることです。MUJIも、ユニクロとは商品スタイルは違いますが(モダン・シンプル・モノクロ)この方法です。

(成功の根幹)
ユニクロの流通戦略の成功の根幹は中国の工場からの1アイテムででは最大数量の調達。中国からのコスト格差の調達をどういうふうに、小売店舗の運営とs結びつけるか、ここにあります。

(戦略)
普通、中国からの調達は小売業なら誰でも考えることですね。
しかし、i)世界ナンバーワンの調達量にすること、ii)それを店舗で売り切ること、iii)そのための商品スタイル(ミニマリズム)と販売方法(店舗運営)まで、考えて、戦略化(重点化)し実行できるひとは稀です。
ここにユニクロの売上の増加と利益がある。利益とは、先行メリットがもたらす果実です。

(米国や西欧のアパレルチェーン)
米国(代表はGapやLimited)や西欧(代表がHennes&Mauritz)等の大手アパレルチェーンは、ユニクロ型として整理できます。大手専門店のチェーン。店舗は、以下で見ることができます。
http://www.cool-knowledge.com

(ユニクロ型の今後)
ユニクロ型の今後の問題は、年商が2000億円の時は、問題になっていないことです。
つまり5000億になると米国のGapのシェアと類似。そうなると、今後はGapの現在の問題、いつでも、どこでもGapに飽きがくるという問題。Gapスタイルへの飽きの問題です。
その後は、ブランドの細分化へ向かいますね。容易にわかることです。

(2)しまむら型

ユニクロに似ていますが、デイリーアパレルのしまむらは、PBの生産方式で、期首発注は行うが、追加の補充生産を行わない方式。店舗で4万品目を販売するからです。4万品目のPBは無理です。

ユニクロのように定番方式での追加生産を行わない理由は、同じ地域で、同じ服を着た人が会うと困るから、ということです。
アパレルで、全く同じものを着た人が会うとお互いにとてもイヤですよね。いま米国のGapがこれで困っていて、業績低下。

90年代半ばまで調子がよかったGapのトータルコーディネートは、米国の今の時流の商品戦略としては失敗です。
ファッションでは高くても安くても、全部同じブランドで揃えるのは変です。全身シャネルは、モモコや中村ウサギだけでいいでしょう。

一方ユニクロは、わが社の商品はトータルコーディネートはではなく部品といいます。ブランド名も見えない。アパレルで、部品という概念(concept)はキーですね。

だから、ご自由にカジュアルなプラダやルイ・ヴィトンのバッグと組み合わせて下さい、と私が30歳代前半の人に言ったら、ユニクロと、プラダやルイ・ヴィトンの組み合わせはすこし変といわれましたが、皆さんはどう思われますか? 変な感じもしますね。

(でもルイ・ヴィトンは、国内で1000億円、海外旅行の時500億円、これでルイ・ヴィトンの世界での売上の50%を、日本人が提供しているんです。ユニクロが2000億円、ルイ・ヴィトンが1500億円。立派な大衆ブランドだと思いますが・・・)

私は、ファションセンスはないです。今は、誕生日に子供からプレゼントされたMUJIを着て、原稿を書いています。黒ばかりのマジシャンの格好は、もうやめてくれ、でした。でも黒って選ばなくていいから楽なんですけれど。

(3)米国ウォル・マートは、しまむら方式とは異なりNB商品の定番発注を行う方式。400品目じゃなく10数万品目を扱いますから。物流のクロスドックセンターが命です。

(4)ウォルマートと類似するDS(ディスカウント・ストア)の米国Kマートは、ユニクロのようなPB開発方式と、NB商品の組み合わせ。PB開発の問題が、Kマートには現れています。日本の一部小売業が思っているようなPB開発は常に正義、ではないのです。

PB開発の米国のシアーズも同じです。家電のケンモア(シアーズブランド)、いかにも、古きよきアメリカを感じさせる工具のクラフトマンはシェアも高く、うまくいっています。とんでもなく頑丈で大きな、ゴジラの歯まで抜けそうなペンチなんかがあります。

以前(80年代)は照度を落していたシアーズの1階は、最近は、ブランド化粧品、ブランドアパレル・インナー、ハロゲンライトできらびやかに明るく。でも、やはり似合わない感じです。うーん、このあたりは言いにくいですが、社員の動作・態度・年齢層と合わないのです。

(5)フランスのカルフール(ハイパーマート:米国のスーパーセンターと類似)を代表とする西欧系大手チェーンは、ユニクロのようなPB開発方式を主とし、NB商品の組み合わせです。最初は、低粗利・低価格で攻めるのが、国際流通業カルフールの常套手段。

米国と比べると、イタリアを除いて、西欧(フランス・ドイツ・イギリス・オランダ・スイス)では小売は大手に2倍以上寡占化。
PB開発も、自前のロジスティクスも西欧大手では当たり前です。

OECDの10億人の経済で、もっとも小売の寡占化が進んでいないのが1.2億人の日本です。




■日本のデパート、量販店、専門店

さて、いよいよ問題の、日本のデパート、量販、専門店です。

(日本型デパート:1社で平均3店舗の支店経営の典型)
日本型デパートは、対面型販売の売場とセルフ型の混合>支店経営>メーカー販社・問屋物流>メーカーNB>返品方式

日本型デパートという理由は、米国・西欧(チェーン型)と比べて、売場運営方式、商品調達方式が全く異なるからです。
日本型デーパート本質は、テナント運営の管理会社。アパレルメーカー・販社(典型がオンワード樫山)が、売場運営を行っています。

自主売場という変なコトバがあるのは、自主売場が少ないからです。3店舗では、自主売場を運営できる店舗数じゃないですね。

自主売場、複雑な販促、問屋での運営、判断に困る天文学的なアイテム数と、取引先数、これが複雑怪奇になった日本型デパート。

▼現場作業は多種類で売場も複雑、人だらけでもっともコスト合理的ではない方式。デパートが軒並み苦労している理由が、店舗設備、立地、販売方法、運営方法で、コスト合理的でないからです。

需要が超過していたインフレ時代の店舗です。今は、時流適合と、技術適合が全く見えない。

しかし売れるという点では、これくらい売れる店はありませんね。
年間坪当たり売上800万円〜600万円クラスはザラです。

売上不振で、デパートは大変といいますが、坪当たり600万円も売ってて、なぜ売上不振といえるのか、誠に不思議。世界の小売業で、日本のデパートくらい高密度の売上を上げているところはないのです。

要は、運営コストが高すぎるんです。売上に比較して、社員が多すぎるんです。かと言って社員やパートを減らせば、売場の作業崩壊が起ります。減らす人を間違えているからですね。NTTと似ています。(企業名を出すのは難しいですね、NTTの人ごめんなさい)

▼梅田の阪急、東京日本橋の三越、新宿伊勢丹にたまに行くと、こんなところからコンサルティングを依頼されたらどうしようと、妙なことを想像して、うんうん唸る感じになります。

前に1度だけ、ある所からある人を通じて(変な言い方)大手デパートの話しがありましたが、実現はしませんでした。残念という気分と、助かったという気分。デパートの店長さんの苦労がわかります。どこからどう手をつけるか、これはやっかいです・・・



■日本型量販(ダイエー、IY堂が代表)は、基本はセルフ型、部分的に対面型>チェーン経営>自社物流とメーカー販社・問屋物流の混合>小売PBとメーカーNBの混合>返品方式

日本型デパートより、セルフ型とチェーン経営の部分で、コスト合理化された方法です。

デパートが商店街の店舗と共存したのに対して、量販は、価格帯と品種で商店街店舗を食いました(ラインロビング)。だから急速な店舗展開ができたのです。

西欧・アメリカの大手チェーンと違う点は、2つあります。メーカー販社や問屋依存の物流である点。商品の開発力が弱い点です。

▼ダイエーやIY堂は、自前の物流センターを持っているではないか?との反論が聞こえてきそうですね。しかし、やり方は問屋利益を犠牲にする『センターフィー方式』 これは、倉庫は運営するが実際の物流処理はメーカーや問屋または3rd Party Logistics業者に任せ、3%〜5%の倉庫と店舗配送料金をチャージする方法。従って物流では混合方式と判断します。

▼また商品開発もやっているでなないか? との反論に対しては、鈴木敏文氏の次のコトバを引用すればいいでしょう。

『日本の小売業の場合、ほとんどが問屋マーチャンダイジング。
そのなかで、IY堂が問屋依存が少なかったということでしょう。』

日本の大手小売業は、メーカー、問屋から見ると、とても傲慢です。商圏にあぐらをかいている感じ。約20年も規制産業だったせいでしょう。規制と独占は、普通、企業の堕落をもたらします。安易な策で、済むからです。

▼デパートが商店街と共存した理由は、規模は違っても両方とも同じ方式の経営・店舗運営で、メーカーは商品を変え、双方ともコスト合理的でないことで、足並みを揃えていたからです。

日本の多くのメーカーは、
i)受注生産型、工場の出荷口受け渡し型が多い欧米のメーカーに比較すると、
ii)工場以降の流通の部分(販社)、商品の売場提案(営業)まで行ってきています。

▼チャンネル分離で生産のコストアップ
従って、店舗の要求に応じて、チャンネル政策、つまり、百貨店用商品、量販店用商品、専門店商品というように、商品を分けて生産してきました。逆の面では、日本人はそれだけ神経が細かくて器用なのです。しかしその器用さが、日本の生産と流通のコストアップの理由になっています。価格の高さです。

▼量販が商店街を食った理由
日本型量販が商店街店舗を食った理由は、日本型量販がセルフ型とチェーン経営の部分で、商店街店舗よりコスト合理化されていたからです。
そのコスト合理化の結果として、同じグレードの商品なら価格が安く、商品の内容も豊富でした。商品の内容つまり、商品構成及びアソートメント。

(2000年代の店舗の商品構成・アソートメント方法も、今後書かないといけませんね。90年代までとは、だいぶ違います。)
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■しかし、多くの日本型量販が、苦境に陥った理由

3つあります。
i) 80年代後半から、日本型デパートに近づこうとしたこと(コスト合理的ではなく、現場作業を複雑化させる政策)、
ii)70年代までに出店したワンフロアが小さな多層階店舗が多いこと
iii)90年代は損益分岐店を下げた、専門店チェーンのコスト合理化店舗に攻められたこと

店舗は、ワンフロアの面積が小さいと、1人あたりのカバー面積が狭くなって人的生産性が下がります。

(1)セイユーは、もう1度、食品スーパーへの原点回帰を図りつつあります。これは、現場作業を単純化できますから正しい戦略です。

(2)長崎屋が、量販で最初に倒れた理由は、小型、多層階で、しかも得意だったアパレルが、時流から見ると適合しないアパレルになってしまったからです。
量販店ではもっとも運営コストが高かった店舗です。長崎屋アパレルの世代の熟年化も加わっています。若い世代はユニクロ、MUJIです。

(3)ダイエーが企業解体のプロセスにあるのは、財務では地価の下落です。商いの中身では、i)食品では急速に技術力をつけた地域スーパーに、ii)ファッションでは新興の専門店チェーンに、iii)住関連ではホームセンターに比較して、各商品部門が弱くなったのです。複雑骨折。

70年代までの商店街のはずれの多層階店舗が多いことも理由。

(4)イトーヨーカ堂が、売上減少にもかかわらず、利益を落とさない理由は、商品の粗利益率アップですが、ダイエーに比べれば大型の店舗が多いことが救いになっています。

しかしヨーカ堂は、売場面積当たりのコストが高いことが、大きな問題になります。高い粗利益率、大きな坪当たり売上でないと運営できない店舗です。販売力がある店舗が成熟期(利益がもっとも出る時期)をすぎるとこうなります。
これは深刻ですね。3〜5年後が見える感じ。



■日本型量販の80年代までの店舗戦略と90年代の苦境

日本型量販は、以下の3つの店舗戦略で伸ばしたのです。

i)70年代では商店街型店舗の売上シェアを取ったこと
(業種店のラインロビングでのワンストップ総合化)
ii)郊外型ショッピングセンターの開発
(店舗のコストダウンと買物行動でのモータリゼーションへの適合)
iii)商品調達では、問屋を使ってメーカー販社と問屋の利益を搾り取る。これが量販の本部バイヤーの仕事の本質でした。チェーン本部は、それによって成立したと見ていいでしょう。
この部分で、商店街型店舗、圧倒的に数が多いママ・パパストアは、格差をつけられました。

以上のように、3つの戦略を明らかにすると、こんな貧弱な戦略で、30年間もうまくいくほうがおかしいでしょう。だから90年代にはおかしくなったのです。

しかしこれでも、80年代まではどんどん伸ばしてきたのです。
もちろん細かい副次的な戦略は、多くあります。
戦略は根、幹、枝、葉と4種類に分けなければなりません。

(複雑と単純)
物事が、複雑に見えるときは、まだ見えていない時です。一瞬のうちに理解できるようになるまで、そしてそれをほかの人に説明(コトバでの再構成)ができるまで観察しなければなりません。

私は、世界の事象は単純な原理で成り立っているはずだといつも思います。人間はとても複雑ですが、母親は子供を一瞬のうちに理解します。恋人のことって一瞬のうちにわかりますね。それは相手をいつも懸命に見ているからです。直感的理解。

(分析に前の直感)
誰にも備わっている人間の直観力。画家は薔薇の本質を見ぬきます。彫刻家は人間の肉体の本質を。だから現象(花や肉体)を、単純な要素(絵の具や粘土)で再構成(表現)できて人に感動(美的感動)を与えるんです。コンテが描くデッサンの見事な線。

日々この直感を訓練しないといけませんね。これは自戒です。今、芸術家風に荘厳な気分になっています(笑)

(分析)
分析は、直感での仮説を証明する方法です。仮説がない分析は意味がありません。読んでも、なんのことかますます複雑になって、わけがわからなくなるという結果を生みます。論文や本に多いですね。

流通業の基本構造がわかったところで、まずは、戦略の時間軸での4階層分類から。

■戦略の4階層分類
i)根の戦略は店舗(設備)を作って土地を含めた資金回収が終わる20年(今は10年:時代の変化が、加速していますから:以下同様)
ii)幹の戦略は、10年(5年)
iii)枝の戦略は、3年(1.5年)
iv)葉の戦略は、1年(6ヶ月)

今回記述しているのはこの根と幹の部分の長期戦略です。戦略とは、ビジョン(目標)で明らかになるゴール(到達点)に至るための、設計図のことです。



■90年代になると以下の変化が起った。

i)本格的なチェーン経営手法と、中国から調達したPBの新興専門店チェーンの進出(各商品部門で、逆ラインロビングを受けた)
ii)総合品種店であることで販売方法と調達方法が異なることによる複雑な売場作業
(つまり売場運営のハイコストな構造)
iii)人口の多い団塊ジュニアを惹き付けることができないファッション性に乏しい商品内容であることが共通の業績低下原因。
このマーケティング的要素は、米国における総合品種店のGMS(シアーズ・JCペニー等)の業績低下と同じ原因です。

いまの団塊ジュニア(20歳代)は食品はまだしも、量販店のファッションは買いません。米国でも同じ現象は80年代から起っています。

じゃ実用衣料。下着を中心とする何回も洗濯して着る実用衣料は中国生産で、どんどん価格が下がったのです。
外衣のファッションでは専門店チェーンに変わったのです。内から外から攻められて・・・ですね。

70年代までは実用衣料だった女性下着をファッション化したのは、Limited GroupのVictoria's Secret。ショッキングなピンクの内装で、私がとても入れないお店。

量販も、今後の方向としては住関連のホーム・ファニシングに部門ターゲットを絞りつつありますがどうでしょうか?答えなくてもお分かりでしょう。



■ホームファニシングという次の大型プレーヤー:概念の翻訳ミスの問題が尾を曳いて・・・小売の形而上学

以下、需要開発マーケティングの事例研究。
ユニクロは、カジュアルウエアのミニマリズムが、需要開発概念の中核でした。じゃ次の大型プレーヤー、住関連ではどうでしょう。
その入り口(もっとも本質的な部分)を示します。頭をクリアにして・・・

▼日本では、大型需要の最後の部分は住関連のホーム・ファニシング
(Home Furnishing)であることは明白。生活の充実は、まず食品、つぎにファッション、最後は住まいですね。
日本が世界に一番遅れている生活領域が住まい。

敢えてfurnishingと書いたのは、furnishを英和じゃなく英英辞典で調べて欲しいからです。英和ではダメです。単なる置き換えで意味がわかりません。

Furnish:to put furniture and other things into a house or room.
The apartment was furnished in Art Deco Style.(Longman)

(Furnishの概念)
上の説明と例文で、furnishの意味が見えてきます。
調和(harmony)する商品のスタイルで装備させることです。例文のようにfurnishとstyleは連想ゲーム的に結びついている。

(日本語の家具という道具概念)
日本の家具=家の道具、とはだいぶニュアンスが違います。家具を買って置けば終り(日本)じゃなく、harmonyが出るように、改善(improvement)する生活を、furnishと言います。つまり状態ではなく、生活の改善を行うこと。動詞。商品の購買行動じゃなく住まい作り。

ですから、Furnishが、英語の頭ではすぐHome Furnishing Store(最大手Home Depotや二番手Lowe's等)として、連想されるのです。ここまでくると巨大な需要。

ホームデポやロウズは、米国ではホームファニシングストアの分類。何か日本での店舗や業態分類とはちがいませんか?

home depot(うちの倉庫)という店名も、商品の購買じゃなく、ちょっと裏の倉庫に行ってfurnishのために適当なモノを持ってくるというイメージ。だから、水道の蛇口もデザイン。見事につながります。

(注)米国の店舗イメージが湧かない時は、米国店舗リンク集へ
http://www.cool-knowledge.com

日本語の家具は道具の概念、昔は、家具店は道具屋と言っていました。ですから家具を置くことが、Furnishingへなかなか結びつかないのです。置けば狭くなる・・・固定的なイメージの道具と、生活イメージの動的なfurnishは大違い。

Furnitureを家具と訳した日本ではFurnishingを室内装飾品と訳しました。これが間違い。ingの生活のなかの動的意味が消えたのです。

フランス語のプレタポルテ(pret‐a‐ porter)は直訳では既製服。もしプレタポルテを既製服と訳して使ったら、全くだめだったでしょうね。東京青山の既製服店じゃ、誰も行きません。軍服や作業服のイメージ。だからラフランス語をそのまま。ファッション界の人達って、こうした需要開発はやはりうまいですね。形而上学の価値屋さん。

せっかくの潜在需要を、顕在化できず、矮小に縮小させたコトバです。装飾品なら要らない、となります。私も狭い室内で妙な形の時計や絵での装飾はまったく要りません。単にうるさいだけ。(日本型ホームファンシングストアの品揃え)

そうではなく、Furnishすることで住まいの改善、スタイルの改善、これならやりたいですね。つまり潜在需要があります。品揃え・販売方法・店舗コンセプトが、今の店舗とは変るはずです。

導入期での概念(concept)理解のミスが、需要創造の機会を失わせる例としてfurnishを取り上げました。
こうしたことは、米国の外見モノマネ店舗の、需要開発マーケティングの貧困さを示します。

furnishつまり住まい作りは、主婦の仕事(Work)、動詞なのです。趣味じゃない、家庭内仕事。Furnishingというのはingがついた現在進行形です。

西欧・米国の生活では当たり前になっていて、日本ではやっていませんね。Furnishを変えることととか。道具では固定的な住宅設備になってしまいます。住宅設備の概念では、簡単にはいじれません。

微妙な違いにすぎないじゃないか? この一見微妙な違いこそ、需要コンセプトでは、店舗作りを根本から変えるくらい重要なんです。
外国語の学習って本当に文化体系の学習、Picoさんの言う通り。

マーケター(日本にはいませんね)はとても敏感でないとダメです。顧客そのものが気がついていない需要を、商品と店舗の形(フォルム)で顕在化させる仕事ですから。
21世紀の小売の競争ポイントになりますね。事例は?

ユニクロは、アパレルでこれをやってますよ。
小売の価値作りって、形而上学meta-physicsです。
物的physicsな形の上にある、metaメタ概念。

 お店屋さんて、どんなことやってるの?
 そうだな、100円で買ってきて150円くらいで売ってる仕事かな。
 じゃ悪いことしてるね。
 いや悪いことじゃないんだよ、それでお店の人はお給料がもらえる・・・ふーん・・・

もう、解答が見つかったでしょう? では問題。

(問い)セブン・イレブンの明治牛乳と、食品スーパーの明治牛乳の生活上の価値はどうちがうでしょうか? モノとしては同じですが。
これが説明できないと、セブン・イレブンのような、大成長する店舗は作れませんね。 ヒント:物的価値に還元されない価値とは?

これが、小売業が提供する価値の形而上学の部分です。店舗の価値は形而上学領域。
モノマネの品種・品揃えで店舗を作った人は、答えられないはず。
ビジネスって、本質部分は、哲学的ですね。

住まいでの需要開発と価値提供から、流通へ戻します。



■最適ソースの変化という流通構造の変革原因

中国の工業化の進展。これが大きい。ユニクロ、しまむら、ダイソーは、中国の工場からの直接調達組みです。

最適コストの生産地が、大きく変わったのが90年代。
ですから、国内のメーカー販社依存、問屋依存の店舗が、価格での強力をなくしたのです。

本質は最適ソース(商品の源流)のアジアへの移転という変化です。

ここを一言で、流通構造の変革といいます。流通構造の変革は、日本ではまだ果たしていない小売業がほとんど。だからユニクロの一人勝ち。従って、今後も更に大きな変化が、店舗の浮沈の現象として起ります。




■つぎに店舗のコスト構造の転換
90年代の店舗のコスト構造の面で、一番大きな要因は地価の下落と建築費の低下で、80年代末の2分の1にまで損益分岐点の必要売上を下げた店舗が作れることです。

80年代末と同じ投資額で2倍以上の売場面積の店舗が作れるのです。2倍の売場面積なら2倍の商品の選択肢の店舗を作れます。

売場面当たりの必要投資が半分になれば、店舗は増えますね。80年代までの既存店が軒並み売上を減らした90年代。理由は消費総額が横ばいで、およそ年率5%で小売の売場面積が増加したからです。

店舗は15%から20%の売上が減ると赤字になって、30%も減ると資金繰り問題になります。

年率5%の総店舗の売場面積増加で年率5%の売上が減れば、その約5年目(1997年頃)には、資金ショート。80年代までの既存店を多く抱えて、コスト構造の転換に遅れた小売業の倒産時代が始まったのです。

▼90年代の流通構造の3大変化

この10年で起った3つの構造変化

i)商品の最適ソースの移動(商品調達の構造変化)
ii)直接ロジスティクス(流通構造の変化)
iii)店舗のコストの低下(店舗コスト構造の変化)が、起ったのです。

この3つを、実行した典型がユニクロ。更にユニクロは、需要開発の面では、遅れていたカジュアルウエアの分野で、ミニマリズムの概念の商品スタイルを確立。なんと、4つの面での成功です。

しまむらを比較すると、商品デザイン面での需要開発がありませんから、その分、成長は遅いです。しまむらは3つの面での成功。

この流通の3大変化と、需要開発、ここが、今の流通競争。
4つに絞られて、ずいぶん単純になりました。

これに、ITとネットワーク、これで、5つの戦略要素・・・

これが、2000年代初頭の10年です。



■じゃ過去30年間は?

総合品種のワンストップショップは、商店街の店舗に勝つ手法ではあっても、本格的にコスト合理化された専門店チェーンには勝てないのです。
いままでの、30年間の変化を大きく見ると、
70年代まで:商店街店舗から量販店のワンストップショップへ

80年代:モータリゼーションで、都心部から郊外ショッピングセンターへ

90年代:総合品種ワンストップショップから、専門店チェーンへ

95年頃から:店舗運営のコスト構造を転換させるロジスティクス

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■日本型専門店

日本型の専門店は、対面型販売>支店経営>メーカー販社・問屋物流>メーカーNB>返品方式です。

デパートと類似しています。コスト合理的ではありません。コスト合理的でない部分を残す時は、コスト合理化を図ったところが、同じ商圏に登場すると、いずれ負けます。

▼専門店が、チェーン経営化で成功すると

(1)ユニクロ型(少数品目)では、セルフサービス方式の販売>チェーンストア型経営>自社での在庫と中間流通>工場に400品目のPBの定番生産を委託・期中補充生産>完全買取方式

全品PB商品の時は、品目数が少ない小型店になり、デザインセグメント(ミニマリズム等)を行います。チェーン店舗数の規模が必要。
小型の店舗では、品種を絞って商品スタイルを揃えることが必須です。

ユニクロは、カジュアルのミニマリズム。ミニマリズムとは、もとは芸術運動で、単純化した要素の組み合わせでデザイン効果を上げることです。
MUJIも、ユニクロとは商品スタイルは違いますが(モダン・シンプル・モノクロ)、この方法です。

(2)しまむらは、セルフサービス方式の販売>チェーンストア型経営>自社での中間流通>中国の工場での生産と集荷>買取方式

デイリーアパレル:売上1750億円:経常利益91億円:600店:平均面積250坪:商品は主として中国からの調達:99年2月期

しまむらはPB開発・買取集荷・売切り販売型。PB開発・定番(委託生産方式)では4万品目は多すぎるからです。

今は買取調達は、以前よりずっと仕入れ価格を下げます。

▼理由は?
i)商品のライフサイクル(市場で商品価値保つ寿命)が、以前の半分以下、3分の1の期間に短縮し、返品商品の市場への再投入ができない、
ii)中国、東南アジアの工業化で世界の生産力が過剰で3ヶ月単位で、競争価格が下がること。

しかし買取調達では、売れ残りのリスクが大きい。マークダウンで値下げ販売処分したら、今度は買取の利益効果はなくなります。



■しまむらの利益の秘密

売場の商品運用で、とても重要なことをいいます。値100万両。

しまむらの、買取商品売り切りのコツ、つまり、しまらの利益の秘訣は極めて頻繁な、商品の店舗間移動です。これで、売場の商品の鮮度をあたかも今日仕入れた商品のように、保つのです。

今はあらゆる品種で,商品鮮度が商品価値。6ヶ月も同じではダメ。

▼しまむらのクロスドックセンター(通過型流通センター:全国5箇所)の、通過商品の約50%は、店舗間移動。店舗から見れば、50%が中国から入荷、50%は!!他の店舗からの店舗間移動の入荷。凄い量の店舗間移動です。

▼各店舗では、数枚・1枚の売れ残りはすぐ他の店舗に廻します。

集めて、新規展示用に再アソートメントすれば、新商品と変わらない展示効果になるのです。値下げ・マークダウン・売場の劣化がなくなります。

これがしまむらの経営と利益の秘密ですね。ファッションの性格を見ぬいたうまい方法です。これを知るだけでも、価値ですね。

つぎは、高額品(高級品ではない)の専門店


■日本型専門店で高額品を売る対面型では、対面型販売>支店経営>問屋物流>工場にPBの定番生産を委託する方式とNB販売の組み合わせ>返品方式、になります。

組み合わせがあると、店舗運営と現場作業は、それだけ複雑になって、運営が難しくなります。

(複雑さは無用)
複雑とは、作業の難しさでなく現場の作業の種類が多いことを言います。作業種類が多いとそれだけ習熟には時間がかかり、作業の単位コスト(ユニット・レイバー・コスト)が上昇します。

ここが、儲かる流通業と、同じ売上でも儲からない流通業の根本的な違いです。ここも経営のコツ。



■これからの、成功する経営の3要素(人間の要素)

▼作業の単純化・豊富な情報・明快なビジョン

i)現場(店舗・倉庫・工場)の作業の種類を減らして、
ii)情報をふんだんに与えて現場に自律的な判断をさせること、
iii)経営ビジョンと、目標を、コトバと数字ではっきりさせること、これが、流通業のみならず、サービス業、メーカーを含む、今後の経営のコツです。

作業は、i)単純明快、ii)徹底、iii)1つの作業は3日で覚えられるまで単純化がいいのです。

▼製造業は人手が機械に代替されて設備・装置の比重が高い産業ですが、流通業とサービス業は、人の作業で動く産業です。

▼人間の作業
人の産業では、ビジョン>目標>情報>自律が必要。
機械は、スイッチ(電力)とデータ(情報)の入力で自動的に動きます。

(勉強している時しか伸びない)
ダイエーが伸びていた時代は、トップ・幹部・社員は小売業の中でももっともよく勉強(勉強=ビジョン>目標>情報>自律)していました。

中内さんの勉強や観察での3色ボールペンでのメモ魔は有名でした。今はどうでしょうか? あなたのところでも勉強なんか、やめてはいませんか? そんなことでは3年後が大変になりますよ。

(目標)
人間には、i)コトバのビジョンと目標、つまりやりがいとその評価が絶対に必要で、しかも作業は単純化が必要なのです。

(評価)
しかも、人間がやりがいを感じるのは、正当な『評価』を受けた時、すなわち認められて、励ましを受けた時です。

(評価)
評価とは、評価される本人が納得して受け入れるものであることが必要。
納得して受けいれられるための、唯一の条件が、評価のルールのオープンさです。ここがポイント。オープンであることをFair(公正)といいます。

(やりがいと高い目標)
やりがいとは、こころが微笑んだ状態で作業ができ、『高い目標』が『標準手順』で達成できること。目標は高く掲げないと機能しません。
標準も実は、悪しき平均ではなく目標のこと。

(テーラーイズムの間違い)
過去の分業主義(テーラーイズム)は、人間を機械の代替物と見たところが間違っていました。
人間は機械ではありません。これは、流通業でよく見かける悪しきチェーン経営です。こんなところが多いですね。

▼苦境の時こそビジョン
企業のビジョンの真価は、苦境の時ほど出ます。苦境の時、総力を結集でにないビジョンは、ビジョンとしては3流。
逆にうまくいっているときは、ビジョンなんか要らないのかもしれませんね。

人間は、マネー(必要)のみではなくビジョン(動機)で動くのです。成熟化経済のOECDの国民の共通項。

以上、流通業をその本質部分から考察しました。お疲れ様。
これから、どの方向へ向かうか、読者の方も見えてきたはずです。

つぎは、いわゆる日本的流通、海外組みの戦略、ロジスティクス、IT・ネットワークのことを解きましょう。

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  Systems Research Ltd. Chief Consultant吉田繁治

   2000年12月13日号:流通業とはどんなビジネス?
       日本の流通業の将来(1)

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