| 米国・欧州の流通業 最新情報 2000年11月,10月の動き |
『米国では、いろんな小売り・流通関係のセミナーの、テーマの80%は今はITとインターネットです』(岩島嗣吉さん:米国在住IT・流通コンサルタント) 米国の流通雑誌でも、同じですね。 現在の日本とは、だいぶ事情が違います。 日本の流通業のセミナーの80%が、ITやインターネットをテーマにしたものになるのは、いつでしょうか。 来年? いや2年後くらいでしょうか。 こうした時期から、店舗の世代交替が目に見えて、始まるのでしょうか。 あなたはどう思われますか? もっと遅れるでしょうか。私は意外に早いと判断しています。 前回も書きましたが、日本には極めて優秀な、トップ・幹部・中堅社員、推計10万人がいますから。 11月は米国では第3四半期の決算データの発表期。以下Wall Street Journalの記事(11月14日号)の米国大手小売の四半期概要を要約し、重要な背景説明を含みながら、解説を加えます。 ▼米国の2000年秋の、消費減退の意味するところは大きい。 米国の2000年秋。 i)株価下落、金利の上昇、ガソリン価格の上昇で、 ii)消費者が財布の紐を締め、 iii)売れ残り商品のクリアランス(在庫一掃セール)で値下げの増加、 iv)流通業の減収、 v)BtoCのWeb通販では淘汰が始まり、 vi)インターネットではBtoBのe-Commerceが急増、 というのが、この秋の現象です。 値下げの増加は、店舗の過剰在庫のクリアランスでの、マークダウン(売価値下げ)率の増加によるものです。 94年からの株高による米国の消費景気、GDPの5%成長はついに終焉、と判断します。 前置きとしての解説・・・日米のBtoB商取引と店頭での価格調節の関係 米国の店舗で予定した売上がないとすぐ起るマークダウンをその原因に遡って理解するためには、予備知識、背景の知識が必要です。 多少回り道しますが、極めて重要なことです。わが国では正確には知られていませんから、以下それを解説します。 ▼日米の店舗でのマークダウン事情と、現状の流通方法の違い 日本の小売業の店頭価格は、一般に硬直的です。背景に返品が可能なことがあるからです。しかし、米国では商取引の一般型が小売りによる買取ですから、店舗在庫が売れ残ると、1ヶ月から2ヶ月後には、すぐに価格を大幅に下げて、クリアランスで売り切る方法を取ります。そうしないと、店頭に新商品の投入ができないからです。 経済学的に表現すれば、店頭での消費価格の弾力性による、需給調節です。 これは、日本の一般的手法とは異なりますね。日本流の返品慣習は、末端価格維持の機能を果たします。日本は店頭での価格調節ではなく、返品を受け(実際は店頭商品交換が多い)、数量調節をメーカーが行うのが今までの流通モデルです。 ▼日本での価格維持の極端な例は書籍。(この矛盾を考察すると、流通の近未来が見える。) 1年に4万タイトルもの新刊書が発行される書籍では、店舗からの返品が近年急増し、なんと現在では約40%もあります。これは、大変な無駄ですね。日本では再販制度で書籍は定価販売ですが、書籍が昔のように貴重品でなく、ナマモノになった時代はこの制度の維持はもう無理。 良書を作ってきた老舗の出版社が次々につぶれたり、事業継続困難になっています。(最近返品リスクを避けるために、極一部で予約販売の手法が登場していますが) ▼近未来は、書籍流通の一定部分は、 i)インターネット利用でのダウンロード、 ii)またはインターネットでの、受注後製本での宅配に変わります。 受注後生産での宅配が有力ですね。印刷と製本のプロセスは、製本工場で自動化するシステムを開発できますね。これは日本人は得意でしょう。受注後数日で宅配できるはずです。 在庫販売のアマゾンの、次のビジネスモデルでしょう。 On Demand Publishingと呼んでいます。 こうして、流通と生産の根本部分が変わるのが、e-Commerceの革命の本質。現在の流通や生産手法の延長線上の末来ではないのです。革命とは、旧来の体制が壊れて、新しい体制に変わることを意味します。e-Commerceに向かうとそれくらい大きな内容の変化が生じるのです。書籍を例にとると良く理解できますね。 書籍でも特に専門性が高く読者数が少ないものは、e-Commerce化することが確実です。実際の用途はインテリア装飾品でしたが、百科事典の代表・英国のブリタニカは、書籍としては昨年消えました。これが象徴。ブリタニカは、ネットで無料利用ができます。便利です。 http://www.britanica.com ▼米国流の商品一般における需給の調節(アジャストメント)方法 米国流では小売の店舗が、価格を下げて数量を調節します。店舗が価格を下げる理由は、チェーン化の規模が大きく、店舗がメーカーと直接の取引を行うということがあります。 一方、日本では小売のチェーン化・大規模化が米国ほど進んでいません。零細な小売りでの販売が約60%を占めています。従ってメーカーが店頭価格に関与するところが大きく、そのため店頭での売価切り下げを避け、メーカーが返品(実際の形態の多くは商品交換)を受け入れ、数量調節する方法です。 日本流バーゲンの実態では、メーカーからバーゲン用として仕入れた商品、または目玉商品を作って、安く売ることが多いですね。 ▼米国でも、仕入れでの返品はあります。 返品はないという一般の認識は、全くの誤りです。しかしながら返品を受けることが条件の仕入れ価格と買取での価格は、その価格差(メニュープライス)が明示された上での取引契約を結ぶ点が日本とは違います。日本では、こうした仕入れ条件が明示されず取引が行われていることがほとんど。 ▼しかし、日本でも、メーカーはもう返品を受け入れる余裕部分は無くなってきた。 以下、重要なことを述べます。 今、日本のこうした方法も、次第に、米国風の契約をはっきりさせた商取引に近づいています。 10年で計画通り100店舗を作ったトイザラスや、日本に進出し今度2店舗目を出す米国の会員制ホールセラークラブのコストコ、日本に進出するフランスのカルフールなどの外資が、商取引の方法を変えるのではありません。 マスコミや一部流通評論家が言うことは、表面的なことに過ぎないのです。 ▼返品制度を維持できなくなっている原因は、もっと深いところにあります。 以下の(1)と(2)で示す2つです。 (1)まず、商品のライフサイクルが極めて短くなったこと。 ライフサイクルとは、消費市場にその商品が登場後、成長期、成熟期、衰退期消滅に至るプロセス。今は1つのアイテムの寿命は、80年代までの約半分の期間でしょう。 ライフサイクルが短くなった原因は、2つあります。 i)類似アイテムが増えたこと。すぐに類似の新商品が登場すること。 ii)POSの普及で売れ筋がすぐ分かり、類似商品の登場サイクルが短縮化 類似アイテムが増え、新商品が次々に登場することの、さらに根本の原因は、日本の工場の生産能力の過剰です。過剰部分は、各業種で少なく見積もっても約20%〜30%はありますね。この過剰が最大の要因で、返品された商品の市場価値が無価値に近づいたのです。 さらに遡ると、生産能力の過剰の原因は、90年代の製品輸入の増加と国内の消費不振です。 メーカーが返品を受けとっても、再度市場投入することが困難になり、価格維持の目的で返品を抱える余裕は、消費財に共通の商品ライフサイクルの短縮化で、なくってきています。 こうして、日本の商取引でも、次第に買取で有利な条件が出るようになってきたのです。しかし、買取のためには、小売り側が、店頭で売りきる方法を徹底して技術化し、現場の作業慣習にする必要があります。ここが重要な点。 メーカー販社と問屋依存の百貨店、量販を筆頭に、日本のほとんどの小売りが、実際はやったことのない方法です。 買取が有利とは言っても、九州のどこかのデパートのように(名称はあえて伏せます)、トップ命令で買取だけを行って、売り切る方法を技術化しなければ絵に描いたように在庫が溜まって、見事に失敗しますね。粗利益率を上げることを目的にしたPB開発や買取だけでは、必ずこうした結果を生みます。戦略が片手落ちなのです。 (注)商品ライフサイクルの短縮化に対して、店頭でどういった方法を取るかが根本。在庫管理、商品運用、売価運用のもっとも重要な焦点ですね。この方法については、今後、別稿を準備します。 このためのバックシステムがSCM (サプライ・チェーン・マネジメント)ですが、これは店頭の商品運用と、カテゴリマネジメント(売り場と一致した商品部門別管理)とも関係します。 (2)返品制度を維持できなくなった第二の理由は、消費財での輸入部分が急速に増えたこと。 海外工場からの調達は、小売りが直接行うにせよ、卸が行うにせよ、i)数量買取か、ii)または生産委託手法です。小売の直接輸入品は、店頭で売りきるしか方法がないですね。卸の海外調達でも同じです。海外に返品はできません。 ▼しかし、日本の小売の現場では一般化していないOpen to Buy 米国風の小売りの買取では、バイヤーはOpen to Buy(OTB:仕入れ予算)の手法で、売上・在庫・仕入れ枠の予算の関係を運用します。OTBの予算管理では、在庫が余分に残ると、次の仕入れができなくなりますから、クリアランスで売価を下げて(マークダウン)して、余剰在庫を売るという方法をとることになります。 ▼単純化して言えば、 各バイヤーの翌月(原価)仕入れ予算枠=責任部分の翌月末(原価)在庫予算−前月繰越(原価)在庫額+翌月(原価)売上予算。 このOTBは極めて当たり前の、基本の基本の小売りの在庫管理手法です。バイヤー責任部分というのが重要ですね。仕入れるには、在庫を売り切ることが必要なのです。 ▼日本では、店頭在庫を売りきる方法をカバーする手法として、メーカーによる新商品との交換(=返品)、または返品があったため、バイヤーの在庫責任が曖昧になっています。日本の会社では、いろんな部分でこうした曖昧性がありますね。 会議が多い理由が、こうした曖昧性です。 OTBの運用を、バイヤーに義務化していない小売りが多いですね。これはダメです。 OTBは、新商品の導入手法として、必須になる手法のひとつです。それと平行して、売り場の予算管理つまり部門別管理が必要です。 以上、米国ではすぐ起こる、マークダウンを説明するための前置きとしての説明でした。 本当に流通では、いろいろと誤解だらけのことが多いですね。 ですから、マークダウンの原因と意味を説明するのにも、かなりの量の文字が必要です。 米国流買取仕入れでのOTBに必然的に伴うマークダウンをなくしたのが、ウォルマートのEveryday LowPriceですが、これは、極めて大きな技術革新でした。 今後のe-Commerceの流通でも本質になることです。しかし、これも表面的なことしか知られていません。 以降の決算データを示しながらの解説で、そのノーハウの秘密部分を示します。 ■米国大手小売の第3四半期の決算結果と、その解説。 ▼(News 11月19日)ウォルマート 四半期の売上は4兆5680億円($1=100円換算、以下同様)、昨年同期に比べて13%の増加。利益は1370億円。Wal Mart Store(DS部門)とSuper Centerの総売上では11%、Sam's Club総売上では9.3%の増加である。 【解説】 現在のウォルマートの成長は、食品とDSを一緒にしたSuper Center部分。このスーパーセンターは業態としては、1店舗(約6000坪)でネバフッド型ショッピングセンターの機能を全部備えた、巨大コンビニエンスストアと判断したらいいでしょう。 店舗のバックシステムとして、毎日補充のクロスドックセンターがあります。バックシステムの内容はちょうど、日本のセブン・イレブンです。 ウォルマートも、スーパーセンター以外の既存店では、売上は伸びてはいません。売上の増加は出店によるものです。 しかし、ウォルマートでは、既存店での売上の停滞が、他の大手チェーンのようなマークダウンの増加にならず、利益の減少にならないような、ロジスティクスの柔構造があるのです。 ▼Cool-Knowledgeでは、外部の誰にも見えていない、この部分を分析・解説しなければなりませんね。そうでないと価値がありません。 多少大げさに言えば、ウォルマートの、とどまるところのない成長の、秘密部分です。 以下、それを5項目に分けて、連続的に示します。 (1)ウォルマートは、ご存知のようにEveryday Low Price。 このエブリディ・ロープライスも、日本では、未だに、正当には理解されていません。 私は、このウォルマートのエブリディ・ロープライスは、セルフサービス以降の、小売業の歴史における、2番目に大きな発明だと判断しています。それくらい、大ききな意味をもちます。 ご存知のように、i)セルフサービスでの販売とレジスターと、ii)部門別管理の二つの技術がチェーン店を作りましたね。商品領域では、食品分野でした。 (2)Everyday Low Priceは日本では、i)値入率を下げて、ii)ローコストオペレーションをし、iii)セールの宣伝費を減らす方法として紹介され、今もそのままの理解で留まっています。もったいないことです。店舗見学で、表面的に見えることはそうだけでしょう。 しかし、これにはもっともっと深い意味があるのです (3)Everyday Low Priceは、小売りに付きまとう過剰在庫が原因のマークダウンを無くした点が最大の発明なのです。どうやってマークダウンをなくせたのか?ここが理解されていません。 以下の手法です。 i)物流のクロスドックセンターをまず整備して、 ii)POS情報はメーカーに渡して共同予測(リテイルリンクの戦略同盟)、 iii)店舗にはPOS売上をもとに毎日補充にして、 iv)店舗の在庫が常に自動調節される仕組みを、作ったのです。 過剰在庫を値下げして売るのではなく、もともと、過剰在庫が発生しない仕組み。 だから、敢えて、当時の大手小売の常識であったPB開発も行わなかったのです。しかしウォルマートは、もう、PBなんて開発する必要がない売上規模に達していますね。差別的価格と仕入れ条件で調達でき、しかも未だに店舗のオペレーションコストは最低だからです。 ウォルマートがPB開発を行わないから、PB開発は無意味というのも迷説。PB開発をする必要がない売上規模を作った、というのが正確です。 ナンバーワン調達とは、メーカーがリスクをとるナショナルブランド商品が、MDリスクゼロでPBと同じような効果を発揮することを意味します。 MD:マーチャンダイジング:商品ソース選定、開発、発注方法、物流方法、在庫管理、販売手法ののすべてを総称する流通用語。 つまり、本当のEveryday Low Priceを実現するための仕組みが、ウォルマートが最初に実験したクロスドックシステムを核にするSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)です。 (4)SCMの仕組みは、調達のリードタイムを短縮することで適正に運用されれば、過剰在庫が発生する余地がないのです。 ですから、米国の消費ブームの終焉による過剰在庫でKマート、JC Pennyが赤字になり、他の大手小売りもマークダウン率の増加で利益を減らすなか、ウォルマートは相変わらず増収増益。 (5)ここで、まとめれば、 i)Everyday Low Price(目に見える現象)の背景には、 ii)調達のリードタイムを短縮化した情報化ロジスティクス(バックシステムの本質)が構築されていて、 iii)買取にともなう過剰在庫とマークダウンという小売の病から解放された(利益としての結果)のが、ウォルマートのビジネスモデルです。 そして、このウォルマートのSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)を、オープン参加で世界的規模で、大きく行おうとする目標を持っているのが、eMP(eMarket Place)です。 以上で、ウォルマートの商売と収益の構造(ビジネスモデルといいます)の根幹部分が、おわかりになったでしょう? ■以下、他の大手小売の第3四半期決算の数字を読みます。いままで説明した予備知識で、数字や文字が『立って』見え、その意味が明確に読めるはずです。 ▼(News)JC Pennyは第3四半期決算は赤字 JC Pennyは30億円の赤字。総売上は昨年同期から1.2%減少して7740億円。昨年と比較できる部分ではデパートメントストア部門が3.7%の減少で、カタログ販売部門が5.4%の減少。 カタログ販売部門に含まれているが、e-Commerce部分のみでは、73億円で昨年の20億円から3.65倍になった。 販売数量の低下はなかったが、粗利益額が低下。クリアランスセールでのマークダウン率の増加のためである。 【解説】 現在の米国で、既存店で売上を減らすのは負け組み。JCペニーは、日本では、食品のない低価格百貨店のポジションと見たらいいでしょう。 80年代まではファッションと住関連品種に強かった店舗ですが、ファッションの専門化(需要の細分化、商品スタイルの細分化)で、このところこうしたGMSタイプの総合品種店は、シアーズを筆頭に、顕著な顧客離れが見られます。 顧客世代から見てもGMSは米国の団塊の世代の店舗。団塊ジュニア以降の世代の店舗ではありません。 団塊ジュニア以降は、カジュアルウエアではGap世代と見ていいでしょう。 そのGapも近年は業績の急低下。団塊ジュニア以降の、Xジェネレーション、Yジェネレーションの急速なGap離れのためです。 子供の頃から母親にGapを着せられて、自分で買うときは、もう飽き飽きしたと自己表現する年齢に達したこと。世代とともに成長するマーチャンダイジングでないと、こうなるのです。 日本の良品計画が取っているのは、『団塊ジュニアとともに成長』するマーチャンダイジング。 住関連分野やブライダルマーケット、住宅販売のマーケットへの進出は、団塊ジュニアの世代の単身世帯需要、結婚需要、最初の住宅購入の需要へ焦点を当てた結果です。 日本では、従来型家具店は不振ですが、ホーム・ファッション(米国の正当な用語では、ホーム・ファニシング)の需要は増加しています。アパレルから住関連へと、需要シフトが見られますね。 多くの小売の、共通のねらいどころが、ホーム・ファニシング。 アパレルに比べると日本では周辺商品であった住関連は、いよいよ、需要の中心に浮上します。アパレルショップでの住関連商品の増加は、日本でも米国でも、現在急速です。 ▼(News 11月19日)Home Depotの利益は増加 アトランタ本社のホームデポの利益は650億円(昨年同期573億円)で増加したが、住宅建材と合板が値下がり。出店分を含む総売上は17%増加して1兆1550億円。既存店ベースでは4%の売上増加であった。 ▼(News)Targetは値下げで利益の減少 ミネアポリス本社のターゲットでは利益が215億円で7.3%減少。在庫のマークダウン率を増やした結果である。 総売上は8.3%増加して8580億円。既存店ベースでは2.9%の増加。 ▼(News)Staplesは利益の下落 オフィスサプライのステープルの利益は84.5億円(昨年同期は92.5億円)であった。 総売上は17%の増加で2800億円(昨年同期が2390億円) 既存店では4%の増加。 『消費環境が厳しいなかで、目標には達しなかったが、わが社の業績は立派である』とCEOのスタテンバーク氏。 北部アメリカで、消費の低下・競争激化がある。新店とまだフル稼動していないディストリビューション・センターがコスト増加要因。 以下、米国chain store age newsの記事から素材をとって、吉田が解説を加えたものです。なおここでも$1=100円で換算しています 2000年秋は、95年頃から成長したオンラインリテーラーの第1世代の、淘汰の時期ですね。 ▼ShopLink.com、Stremline.comが相次いでオンライン店舗を閉鎖 (Westwood:マサチューセッツ:11月16日) (News 1)ボストン地区のオンライン食品購買の消費者にとって、悪いニュースが続く。ShopLink.comが火曜日に店舗閉鎖。この前日はライバルだったStreamline.comが閉鎖している。双方とも外部からの資金導入が無くなったためである。 Streamline.comのWebに掲載された記事では、火曜日以降の配送はできないとしている。破産法の申請を行う予定。 (News 2)Streamlineは、2ヶ月前に、シカゴ地区・ボルチモア地区の設備を、オンライン食品販売の大手Peapodに120億円で売却していた。その当時、Streamlineは6億9000万円の運転資金しか残ってないと表明。残った資産を売却して借入返済をして、社員には解雇手当を払う。 【解説 その1】 食品・雑貨の宅配オンライン業者が相次いで、店舗閉鎖。オンライン・リテラーは、売上高の数10%か、または売上高を超える赤字(原因は在庫投資、倉庫投資、システム投資)で、資金が導入されないと瞬間に行き詰まります。 2000年になって最初は米国、次に欧州、99年までは資金を集めたオンライン・リテーラーからのマネーの逃避。株価下落が始まって約6ヶ月から7ヶ月の時差で、いろいろと手段を弄してもいよいよ資金が集まらない状況になっている、ということです。2000年が、米国と欧州では第一次淘汰の時期。 日本では、食品・雑貨のオンライン・リテイルはまだ細々とした商売ですからこうまではなりません。少量生産の趣味の食品や飲料は別にして、食品のオンライン・リテールを大規模化するは、やはり無理じゃないでしょうか? 既存店舗網、倉庫(在庫)、物流網をもったところが、顧客へのマルチチャンネル戦略として、オンライン通販を行うモデルに落ち着いたと判断していいでしょう。 オンライン通販の顧客特性では、フォレスター・リサーチがまとめた、 『有職のテクノ・コンシャスなグループ』が有効。 分かりやすく言えば、 i)仕事をもち、 ii)PCを使っていて、 iii)インターネットに興味があり、 iv)買い物の時間を節約したい女性、という4つの条件。 デモグラフィック(その代表的クラスターが年齢階層、学歴、職種、所得階層5分類の属性)による伝統的な分類は、オンライン顧客では有効ではないですね。このことは、日本でも同じでしょう。 キーワードは、性別にかかわらずテクノ・コンシャスなグループ。 【解説 その2】 日本のアクティブなインターネットユーザー数の、吉田推計。実際のところは? 2000年11月現在、日本にどれくらいこのテクノ・コンシャスで、しかもアクティブなインターネットユーザーのグループがいるか? 自宅からのインターネットユーザーが2000万人(実際はプロバイダ契約しているだけで、e―mailでたまに使う人だけの人が70%でしょう)、i-Modeが1500万人(目的は電話とメール)とか、大きな数値が言われています。加えて3500万人ではありません。両方を使う人が多いからです。 2000万人のうちオンライン購買経験者は、15%程度と調査されています。つまり300万人。2000万人のうちの30%を、『ある程度』アクティブなインターネットユーザーと仮定すれば600万。そうするとオンライン購買経験者の300万人はその50%と見積もることができます。 吉田は、日本では、『非常に』アクティブなインターネットユーザーは、日本ではまだ150万人前後、最大に見積もっても現在では約200万人と判断しています。ユニーク・オーディエンス、つまり名寄せ後の実数での推計です。少ない数字ですが、これが実際でしょう。 日本でアクティブなユーザーが増えることに対する現在の障害は、 i)常時接続のコストの高さ、 ii)英語のコンテンツに比較したときの、日本語コンテンツの質と量の貧弱さです。 ▼BtoBの取引が2001年にはBtoCの取引を上回る。 (New York:2000年11月14日) (News)どんなビジネスモデルであれ、BtoC(対消費者)の売上の増加率が鈍化する一方で、BtoB(企業間)取引は来年は、対消費者販売を上回るとの予測。Active Media Researchの調査。理由は、企業のオンラインビジネスの構築。現在のBtoCの総売上は、Webの総売上の47%のシェアである。2010年にはBtoCのシェアは31%に減少するとの予測。 【解説】 BtoB(企業間)の商取引でのインターネット利用は、日米ともこれから急増することは確実です。1999年で、BtoBは世界で14.5兆円、日本は1.1兆円。今後5年間くらいは、1年毎に倍々にちかく増えるというのが大方の予想数値。なぜか? 効果が大きいからです。 2004年は世界で72.9兆円(5.0倍)、日本で8.6兆円(7.8倍):ガートナー・グループの予測です。 しかし実際のところは、だれにも分かってはいません。こうした数字は、あくまで1つの目処です。私はBtoBは、もっと増えるだろうと判断しています。 本当に時間の経過が速いですね。日々、実感します。 |
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2000年11月10日号 米国chain store age newsの記事を素材に、吉田が解説を加えた世界の小売業の最新情報です:なお$1=100円で換算しています。 また、世界の小売り業のデータと米国主要店舗のリンク集のページを設けてますので、日本だけでなく世界の主要な店舗を知るために利用して下さい。 ▼Gapの第3四半期の利益が40.9%減少(サンフランシスコ:11月9日) (News)Gapの第3四半期の利益は186億円(第3四半期:10月28日)で40.9%減少。既存店の売上高前年比は8%下落。総売上は(出店で)11.8%増加して3050億円へ。 ■解説 今年になってGapの既存店売上不調が特に目立ちます。既存店8%下落は、日本では当たり前ですが米国では異常数値。日本での換算では15%減少にあたります。 その4つの理由。 i)年間売上1兆円を超えてGapが溢れすぎ、急速にブランドに飽きが来ていること、 ii)子供のころからGapを着せられてきたYジェネレーションのGap離れがあること、 iii)米国のファッションでは、カジュアルウエア離れが見られ、ユニセックスからフェミニン、カジュアル、エレガンス、フォーマルへの移行が見られ、ファッション需要が細分化していること。 iv)価格が高くなっていること。 日本では、ベーシックカジュアルの普及期で、ミニマリズムのユニクロの一人勝ちです。米国は、カジュアルウエアの、さらに先に移行しつつあります。 Gapには価格問題、すなわち品目の増加でのコスト問題が根にあるでしょう。アイテムの幅を広げて、トータルファションへ向かったのがコストアップの理由です。ユニクロのコストダウンはトータルファッションでなく、他と組み合わせる部品としての単品アイテム提供で成功していますね。 ▼Kマートが第3四半期で巨額の損失(Tory:ミシガン:11月9日) (News)不良在庫処分でKマートが67億円の赤字(10月25日:第3四半期)。去年の同期は 27億円の黒字だった。既存店売上は1.4%の上昇。全体売上は8.2%増加して8200億円になった。 ■解説 三重苦に陥っているといわれるKマート。 i)棚の欠品の多さ ii)レジの行列 iii)店舗の従業員の反応と動作の鈍さ。 売り物はホームファッションのマーサ・スチュアートブランド、これは好調です。 米国での店舗売上の増加は5%から7%です。従って、1.4%の増加は競争上は3.6%から5.6%の減少と判断します。 しかし既存店の売上減少がとまり、数年来の会社更正法への危機状態は、必死の努力で脱したようですね。 ▼Amesが32店舗を閉鎖、赤字も拡大(Rocky Hill:カリフォルニア:11月9日) (News)ディスカウントGMSのAmesが、32店舗を閉鎖し、2000人を解雇してリストラ。第3四半期の赤字は37億円。既存店売上は2.6%上昇。全店売上は4.2%上昇して920億円。 閉鎖店舗はHills Department Storeから1998年に買収したものが主である。(中略) Amesの主な客は低所得層である。ガソリン価格、暖房用石油の高騰で消費を減らしている。 昨年は26店舗をオープンしたが、来年の計画は6店舗のみ。 ■解説 アメリカやヨーロッパでは、原油が1バーレル$30(1バーレルとは31.5ガロン、119リットル) を超えたことが、消費を直撃します。 人口一人あたりで日本の2倍、国全体では4倍の石油を消費するのが米国生活。住宅の広さが2倍、自動車走行距離も2倍です。一方日本では原油価格の高騰が、直接に消費に打撃を与えることはないようです。理由は、もともと国内精油のコスト高でガソリン価格が高いことです。つまり最終売価に比べて、原材料費が低いのです。 ヨーロッパは、高額居税金のため日本並のガンリン価格ですが、ユーロー安が価格高騰の原因になっています。原油価格は世界経済の波瀾要因。価格高騰に一番弱いのが、石油大量消費生活の米国です。 世界経済の波乱要因は、i)高すぎる米国の株価の下落、ii)原油や資源価格の高騰の可能性、iii)米国消費減退、iv)ユーロー安、v)日本の生保の財務の悪化です。 米当局は、株価がソフトランディングすることを願ってますが、ハードランディグの可能性が高いと判断します。 ▼シアーズのCEO Alan Lacyがシアーズの計画を発表(Hoffman Estates:イリノイ:11月9日) (News)ファッションを強化する戦略を発表。"もっと、顧客中心でなければならない"とLacy氏。商品枠を増加させ、販促を強化。サプライヤーは減らして集約し、ファッショントレンドに添う流行ファッションを取り入れる。海外調達を増加させてコストダウン。 さらに、2年前から展開している住関連のGreat Indoorsを拡大展開。Great Indoorsは、ホームデポの住宅設備販売業態であるExpo Design Centerに対抗する業態。 11月中に4店舗を開設。将来は150店を目指す。1999年の1店舗平均売上は50億円だった。 ■解説 シアーズはファッションは不得意です。ファッショナブルの面での強化策はうまくいかないと思います。理由は、Gapの不調に見られるように、米国ファッションは細分化へ向かっているからです。 一方、得意分野に近いGreat Indoorsはどうでしょうか? ホームデポのExpoがかなり高価格(10〜20%の顧客がをターゲット)ですから、価格で競争できれば、うまく行くでしょう。 しかし、ホームデポよりシアーズは高コスト体質。ここが問題になります。 ▼クリスマスシーズンの準備はOK?(Lincoln:マサチューセッツ:11月8日) (News)インターネットのBtoCのクリスマスシーズンの総売上は、1兆1400億円が見こまれる。88%のオンラインリテーラーが、カスタマーサービス、なによりも優先するのが期限での配送と認識。 ■解説 米国でのインターネット通販の競争の焦点は、短かいリードタイムでの、約束期限での配送、つまりロジスティクスです。日本ではオンラインリテールはまだ草創期。そこまでの競争に行ってません。2年後でしょうか? 今から準備が必要ですね。これは明白。米国での来月のクリスマスシーズンのインターネット販売は昨年の2倍が予測されています。 ▼Webvanが11月3日から配送料をチャージ(Foster City;カリフォルニア:11月8日) (News)食品・雑貨のオンライン・リテーラーWebvanは7500円以下の注文には11月3日から配送料をチャージ、7500円以上は従来通り無料。 オンラインリテーラーでは、今、利益が焦点。利益対策である。Webvanの今年第1四半期の赤字は、57.8億円に拡大(昨年同期は49億円の赤字) Webvanは、2ヶ月前にHomeGrocer.comの買収で120億円を使った。HomeGrocer.comの売上は212億円で赤字が453億円(第1四半期)だった。 ■解説 オンライン・リテイルでの配送費をどうするかは、とても重要な問題。ほとんどが配送費チャージの方向。しかし、顧客からは当然不評を買います。 調査では80%の顧客が、配送費がかかるなら買わないと回答。 アメリカでオンライン・リテールが日本より早く普及した理由は、インターネット・ユーザー数が約6倍であるということのほかに、以下の生活上の理由があります i) 90年代は日本と違って労働時間が増えている。 ii) 女性の就業率がますます高くなり、買いものや家事の時間を苦痛に感じる高学歴のキャリアウーマンが増えている。 iii)チェーン店での寡占化で、ショッピングセンターまで車で10分はかかる。店舗が近所にない。 私は、最終的に日本のオンラインリテイルの規模は、人口1人あたり金額で米国の50%と判断します。 特に店舗の近接性で違いがあるためです。分析は、ビジネス知識源の「アマゾン」の論考へ。 ▼Pets.comがonline店舗を閉じ、資産売却(San Francisco; 11月7日) (News)Pet.comは、資本的なバックアップが得られないという理由で店舗を閉じた。同社はアマゾンが25%の株を保有。商品在庫、倉庫設備、コンテンツ、Pet.comのブランドアイコンを売却する。従業員の80%にあたる225名を解雇。 ■解説 米国では、ネット株が下落した4月以降、消滅したり売却されるオンライン・リテーラーが続出。ほとんどが赤字で、スポンサー、または外部からの資本導入がないと継続できません。第一次淘汰の時代に入っています。わずか半年で様相が一変。再度、夢にかける投資家は少ないでしょう。 米国のBtoC(対消費者)のe-Commerceは、早くも寡占時代。 ▼英国の小売に迫る赤字(NY:11月7日) 英国は小売りチェーンが飽和状態の国。家賃高騰と賃金の上昇が、今後5年間多くの小売りチェーンを赤字にするとアナリストが予測。各業種で、1つか2つのドメインプレーヤ(勝ち組み)になる可能性を指摘。 英国では過去5年間に家賃は29%上昇、売上は25%の増加である。消費者はショッピングよりレジャーや外食への支出を増加させている。もっとも苦しいのが衣料、食品、Do-it-Yourselfの店舗。 ■解説 英国に限らず、ドイツ、フランスでは小売りは従来から完全に大手寡占。(イタリアのみが例外で小さな店舗が多い)それが更に、1業種で1〜2企業に絞られるというのですから、すごい事態です。フランスのカルフールやオランダのアホールドなどが、買収や海外進出を促進している理由がよくわかりますね。 日本の小売りは「日本的商取引」と称して、今のところ、世界の流通の孤島。 この日本的取引は、別の考察で述べるつもりですが、特に特殊なものでなく、単に小売りが零細であるとう理由で残存しているに過ぎないのです。 日本の流通は、今後5年で一変することが確実です。ダイエーがつぶれる(実質的には債務超過倒産です)のは、後で、日本的流通が基底で変わった象徴だったと言われるでしょう。リベートと日本的流通と土地価格上昇の3要素に乗っかってうまくやってきたのがダイエー。 ▼Mayの第3四半期利益が38.4%減少(St.Lous:11月7日) (News)春と夏のクリアランスセールの不調でMay百貨店の利益が38.4%減少。利益は85億円、既存店前年比は0.1%の増加。全体売上は4.7%増加で3330億円。利益の減少は8月にDabid's Bridalを買収した結果である。 ■解説 株高の米国では買収や合併が激しいですが、このケースのように買収の結果がうまくいかないことが続出。自社株高で安易な買収が行われている証拠です。うまく行っていない企業の買収での規模の拡大は、本体の体質を劣化させますね。 ▼オフィスデポがコールセンターを統合(Delray Beach: フロリダ:11月6日) (News)オフィスデポが、カスタマーサービスセンターを統合。ハイテク化のために22億円を投資する。同社は現在24のコールセンターを13州に設置。これを7つに統合し、カスタマーサービスセンターの機能を拡充する。 ■解説 アメリカ小売業でのカスタマーサービスセンターはCTI(Computer Telephony Integration)機能と顧客配送機能を一緒にしたセンターを言うことが多いですね。 ▼Furniture.comが11月6日にWEB店舗を閉鎖(Framingham;マサチューセッツ:10月6日) 家具のインターネット通販のFurniture.comが店舗を閉鎖。88人残っていた従業員のうち76名を解雇。5ヶ月前には消費者販売を止め、41%の社員を解雇していた。残った社員は残務整理。 ■解説 Furniture.comは、あの書籍のアマゾンが家具部門として提携していました。販売はできでもうまく行かなかった理由は、在庫とロジスティクスです。家具は、店舗や倉庫、物流網を持っていることころが、マルチチャンネル戦略として、Online Retailをやらないとうまく行きません。 |
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米国・欧州流通業 最新情報集 2000年10月分 ▼オンライン・ショッピングでは、配送費を無料にしないと、客がつかない。(ニューヨーク:2000年10月26日) (News)Webショップでの購入では、配送費を無料にしないと客がつかないという調査が明らかになった。 グリーン・フィールド・オンラインが、4500箇所の e−Shopperを調査したところ、以下の結果が出た。 顧客の61%は、配送費が無料でないと注文をしない。同時に、最安値 (best price)の保証と配送日の約束が、顧客を最も惹き付けることも明らかになった。カスタマーサービスの評価は、その次である。 調査対象となった顧客は、オンラインとオフラインで今年中に$485平均の購入をおこなう計画。そのうち86%は、e-commerceのサイトで買い物の予定である。最も引きつけているのは、アマゾン・コムである。 【comment by yoshida】 配送費のチャージの問題はオンラインリテーラーの、アキレス腱ですね。オンラインリテーラーも、広い市場でなく、地域ドミナントがないと、配送費の効率化はできません。 オンラインリテーラーだから、安く売れるというメリットは、物理的な店舗がないということだけ。現在は即納できるための在庫、倉庫、物流の競争へ突入。アマゾンの赤字の理由もここにあります。 ▼バーンズ・アンド・ノブル(Barnes&Noble)では、店舗内にインターネットサービスカウンターを設置し、「ブリック・アンド・クリック」を統合。(ニューヨーク:2000年10月26日) (News)顧客は、カウンターのPCを使って、インターネットのどこのサイトへも注文ができる。また、PCカウンターが設置してある店にある本、インターネットで注文した本や、ほかの商品は、持って帰るか配送かを選択できる。 オンラインで買ったすべての商品は、そこのカウンターで返品処理を受け付ける。今までは、B&Nはこうしたサービスを否定していた。 また、年$25の会費でリーダーズ・アドバンテージ会員を募る。会員は本は10%割り引きで、オンラインで買った商品は5%引きになる。 【comment by yoshida】 バーンズ・アンド・ノブルの「ブリック・アンド・クリックの統合」は、いい戦略です。店舗を持たないアマゾンを追い込むとの戦略が見え見えですが。既存の店舗のオンラインでの、販売チャンネルの追加は、相乗効果を生みます。コストの新たな追加がないです。 但し、PCの前には、サポート係員が必要ですね。 ▼セーフウエィ(Safeway)はプライスカット競争で増収(ロンドン:2000年10月26日) 英国のスーパーマーケットでの価格戦争は、すくなくともセーフウエィには良い結果をもたらした。 価格競争の深化で5.6%の商品単下落があったが、10月までの6ヶ月で100万人(10.6%)の顧客数の増加を見た。 【comment by yoshida】 ユーローは当初の133円から現在の86円まで下落。 しかし、英国ポンドは高いのです。従って、英国では、ポンド高での価格下落と不況です。英国車ローバーが競争力をなくしBMWが売却する原因ですね。 松下電器も、英国の工場を東欧へ移転を計画。 それに、20兆円の販売規模をもつ米国ウォル・マートの、英国の第二位のスーパーマーケットアスダの買収と大陸進出が、欧州価格戦争の中心にあります。 アジアも同様。中国、韓国進出後の、ウォルマートの日本進出は、来年が噂されていますが、どうでしょうか? ▼アマゾンが2000年第三4半期でも2億4100万ドルの赤字(シアトル:2000年10月26日) (News)巨大な売上と同時に、巨額の赤字を出し続けているアマゾン。 第二4半期の1億9700万ドルの赤字に続いて、第3四半期も2億4100万ドルの赤字をだした。同期の売上は6億3800万ドルで、前年同期比79%の増加。 この赤字の額は、ウォールストリートは既に予測済みであった。ジェフ・ベゾスは相変わらず強気で、家電がCDを抜いて、書籍に続く2番目の部門に成長したと述べた。 【comment by yoshida】 アマゾンの収益問題は、インターネット企業の今後を占う試金石。 価格競争が極めて激しく、在庫がすぐ値下がりする家電やPCはどうでしょうか? 売上は稼げても、おそらく収益はでないでしょう。 私には、ベゾスは「ワンストップ・ショピング」へのこだわりすぎに、見えます。コア・コンピタンスに留まれ、アマゾン。株価が更に下落すると、そのとき、いずれ、買収を受けますね。今は時価総額1兆円。ウォル・マートなら買収できるでしょう。 ▼米国の消費支出も低下へ向かう(ニューヨーク:2000年10月26日) アメリカズ・リサーチ・グループ(ARG)は、1000世帯の調査で、37%の世帯が消費を減らしたとの調査を明らかにした。これは、約10年振りの消費後退である。 理由は、将来のための貯蓄。それと、34%の世帯は、今買わなければならないものはないとの回答。「消費者がとてもナーバスになっている。毎日、悪いニュースが流れるため、財布を締め始めた」と分析。 【comment by yoshida】 米国民は、誰が見ても、消費しすぎです。これは必ず収縮します。その時が、米国株の崩落でしょう。これもはっきりしています。今年の年末か、来年初頭と予測します。 ハイテク株には、当面集まりません。 今、米国に集まっている膨大な海外マネー、米国の投資信託資金、年金資金はどこへ向かうでしょうか? 安いユーロですか 相変わらず経常黒字の円ですか? いずれにせよ、近々、国際マネーでの大波乱、潮流変化が起こりますね。 それと、石油を含む、一次資源の価格の動きが不穏です。資源価格高騰なら、ロシアです。 ▼業績不振のマークス・アンド・スペンサーが12店舗の閉鎖と1500名の人員カットをするという噂。(ロンドン) (News)閉鎖は3年前にリトルウッドから買収した店舗が中心。 ▼ドイツを拠点とするメトロが2002年までに、ポーランドへ128億円を投資して店舗を30店舗オープンの計画。 (News)メトロのポーランドへの出店は1994年が最初であるが、今後5年に62店舗を開設予定。 ▼セーフウエイの倉庫労働者1600名が、賃金のアップと安全環境の向上を求めてストライキ(カリフォルニア:10月26日) (News)サミット・ロジスティクスが3rd Party Logisticsでの運営を行っている当該流通センターでは、カリフォルニア、ネバダ、ハワイの245店舗分の物流をまかなっている。 セーフウエイ側は、今後5年間で毎年4.8%の賃金上昇を約束したが、ユニオン(組合)側は、すぐに20%アップさせることを要求。 倉庫労働者の、今までの平均賃金は1時間当たり$11〜$12であった。 【comment by yoshida】 ストライキは、日本ではもう、懐かしい響きのコトバになりました。しかし、米国・西欧では、まだ生きてます。 5%のエリート層と95%の労働者層で、賃金格差がますます激しくなっています。1970年代以降、現場労働者階層の実質賃金は、ほとんど上昇していないのです。この格差はいずれ修正されます。日本のバブル期のような株高で判断が狂っているのが米国です。40%の家庭が株へ投資しています。 日本では株を持っているのは、名寄せをすれば約5%でしょう。 米国では株が下落した時、庶民までを巻きこんだ壮大なマネーパニックが起こり、消費までが激しく収縮するような、危険な構造にまで達しています。 英国マネー、ジャパンマネーが米国から逃げ始めたら、世界中で大変な事態がおこります。 今から、そのときの、備えをしておきましょう。 経営で、もっとも重要なことです。 ▼ホームデポの株価が、収益率低下予想で急落(アトランタ:2000年10月19日) (News)10月12日、ホームデポの株価が、28.5%も急落して、35ドルになった。中間期決算の利益予想が狂ったことが発表されたからである。 CEOのアーサー・ブランクは、ランバー(合板)の仕入れ価格の25%の下落が原因という。ランバーと建設資材売上は、ホームデポの売上3兆8000億円(1999年度)の20%を占めている。 【comment by yoshida】 小売りではウォルマートに続く株価総時価を誇る優良企業ホームデポが、わずかな収益予想の修正で、1日で28.5%も下落。ボラティリティ、つまり変動幅が大きすぎます。米国の株価水準が高すぎるためです。みんな、実は、おっかなびっくり株を買ってます。 米国経済がもう、これ以上よくなることはない、とマネーマーケットは既に判断していますね。 いつ壊走がおこるか・・・ 強気が極限まで行った時、でしょう。実はこのところ毎年、秋になるとその危険がありました。 ダウが$6000を超えたとき、連邦準備制度のアラン・グリーンスパンが、「根拠なき熱狂」と言ったことを忘れてはいけません。それが冷静な判断でしょう。1万ドル前後で震えている今の価格の60%です。無理なことは、結局無理ですね。 ▼マルチ・チャンネル・リテーラーを目指せ!(ニューヨーク:2000年10月19日) (News)「マイクロソフト・ネットワークe-shop」が行った17の小売業での顧客行動の研究によると、小売業でカタログ(カタログチャンネル)を発行し、さらにインターネット通販(インターネットチャンネル)を行うと、33%の顧客が、別のチャンネルでも購買を行うという結果が出た。 3チャンネル・リテラーにとって、素晴らしいニュースである。マルチチャンネルの顧客は、平均的な人より多く買うことになるからである。 その店舗に行ったことがあって、WEBサイトを訪れた人の購買にまで至る率は、単にWEBに来た人より8%高く、その購買単価も24%高い。 更に、カタログショッパーの23%は、その買った商品を前にオンラインで見たことがある人。一方、オンラインショッパーの53%は、その商品を前に紙のカタログで見ている。 顧客は、 (1)WEBサイトではベストな商品と、価格の安いものが分かり、 (2)カタログでは商品の詳細情報とサービスが分かり、 (3)店舗ではベストな商品の陳列と満足が得られる、と答えた。 調査は継続され、アニュアルリポートでまとめる予定。 【comment by yoshida】 素晴らしい調査ですね。マルチ・チャンネル・リテーラーを目指しましょう。日本でも米国でも、こうした調査は初めてのことです。 店舗と商品を持っていることの有利さを活かしましょう。これから、やるべきことは、いろいろありますね。 「チャンスは、それを求めて行動するひとにのみ来る」ということです。 マルチチャンネルリテーラーの概念を覚えておきましょう。 ▼アン・テーラーの成長戦略が明らかに(ニューヨーク:2000年10月19日) (News)女性ファッションのアン・テーラーが実行戦略を明らかにした。年末までに、e-commerceに着手。 カラー・コスメティックを店舗で展開。約80店舗の新規出店。 Webサイトでは、店舗で展示している商品の約5割を販売し、同時に、新商品は店舗で陳列する予定の2〜3週間前に販売を開始。 JCペニー・ロジスティクスが、在庫と物流のe-fulfillment(販売サイトとすべての面でネットワーク化した配送センターでの処理)を引き受ける。 カラー・コスメティックは、10月16日からテスト販売、来春には300店で展開。 年末までに20店を増設し、アン・テーラー・ロフト店は62店舗を増設。ロフト店は2001年には更に62店を追加する。3番目の旗艦店(Flagship Store)はシカゴに開店したところだが、将来は15の旗艦店を作る予定。 【comment by yoshida】 従来の店舗に、大型の旗艦店、倉庫型ロフト店を加え、さらにe-commerceを加えた展開。 アン・テーラーのような大商圏型商品を取り扱う扱う店舗の、出店戦略の基本がここにあります。 旗艦店と、小型店の併用展開ですね。 ▼今年のクリスマスシーズンのWEBの売上予想は去年の2倍(マサチューセッツ:2000年10月10日) (News)今年のクリスマスシーズンのインターネット通販での販売は、去年の2倍の$114億(1兆1400億円)になる。 インターネット調査会社のゴメツ(Gomez)の予測である。 オンライン通販の既存顧客へのサービスの増強、カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)の改善、配送の確約の対策が、そうした増加をもたらすという。 他の調査会社、グリーンフィールドによれば、食品(グロサリー部分)のインターネット通販での増加はないという。3000人のインターネットユーザーのうち、40%がインターネットのグロサリーを訪れているが、30日間で、その5人のうち1人しか、買ってない。 消費者は、買う代わりに価格の比較とクーポン券のために食品のサイトを使用するのみ。 こうしたことは、プライスライン・コムが、食品を販売していた部門をやめつつあることと符合する。 【comment by yoshida】 クリスマスシーズンで売上倍増となると、いよいよ米国では、インターネット通販が新しいチャンネルとして定着します。わが国では、この約2年後でしょう。 米国のサイトと日本のサイトを比較すると、まだ、サイトの内容の格差が大きいですね。日本は初期状況です。ただし、先頭を切った米国に比べれば、日本は成功事例と失敗事例を学習できるからその点はリスクが少ない。一方では、成功の方法が学習できるということは、それだけ、後を追う競争も激しくなります。 WEB販売では食品、グロサリーは難しいというのは、正解でしょう。 ▼ウイリアムズ・ソノマ(Williams-Sonoma)の財務担当最高責任者の辞任(サンフランシスコ:2000年10月10日) (News)ジョン・テートCFOは、カタログ販売部門の不振とコスト高のニュースの後、辞任を発表。 同社は、観測筋の警告にかかわらず、第3四半期の総売上を390億円(前年同期324億円)としている。 このホーム・ファニシング・チェーンの既存店の売上高前年比はマイナス4%から5%である。 ▼フレミング(Fleming)がフード・フォー・レス(Food4Less)の2店舗を買収(オクラホマ:2000年10月3日) (News)食品卸のフレミングが、フード・フォー・レスのフランチャイズ店舗2店舗を買収。フレミングはValue Retail(低価格店)の展開を拡大の方針。 従来型の店舗15店をフード・フォー・レスのサインに変える。 【comment by yoshida】 フレミングは、食品卸の大手で、単なる卸でなく、店舗の品揃え管理を含むリテイルサポートまでを行っています。 低価格店の直営化へ活路を求めてますね。卸はその販売先が弱体化すれば、その分弱くなります。 ともかく、米国の食品では、ウォルマートのスーパー・センターの急速拡大と価格での強さが、各地での低価格の嵐の中心です。米国のみでなく欧州進出で、西欧も巻きこんでます。 ウォルマートのスーパーセンターは、1店で、ネバフッド型ショッピングセンターの全体機能をもっています。 ▼トイザラス・コム(Toysrus.com)を日本で開設(Tokyo 2000年10月3日) (News)トイザラスのe-commerce部門、トイザラス・コムが10月末にサイトを設置の計画。資本金は5億5千万円。 ▼ストラウズ(Strouds)が人員カット(カリフォルニア:2000年10月3日) (News)破産から始まり、次は店舗閉鎖。今度は、本社とディストリビューション・センターの人員を50%カットへ。 【Comment by yoshida】 ホームファッションは、あの広大な米国マーケットでも一番手Bed Bath & Beyond、2番手 Linens's Thingsで、他は成立できないのでしょうか?。 マーケット寡占。 日本でも、こうしたマーケット寡占が、これから始まります。 ▼アホールド(Ahold)がベルギーの食品プロバイダを買収(オランダ:2000年10月3日) (News)オランダの食品スーパーの国際企業アホールドが100%所有するDeli XL(デリ部門)が、ベルギーのフードサービスカンパニーであるMae-De Wilde-De Loreを、英国に本拠を置く、食品ケータリングのCompassグループから買収。 Mae-De Wilde-De Loreはベルギーのケータリング(Catering:食品仕出業)マーケットリーダーであり、売上は88億円。 Deli XLの売上は788億円である。 【Comment by yoshida】 いつも、食品の分野の動きが、一番早いですね。食品の動きを見ていると、他の小売の将来の変化も見えます。ともかく、こうしたデリの仕出しの分野まで、統合、買収、合併です。 日本は、出前(Catering)の伝統があります。出前のシステム化は、日本人の領域でしょうね。 ▼ウォルマートの2001年の拡大計画(Benetonville: 2000年10月2日) (News)スーパーセンターが2001年の拡大の中心になるとの発表。また、拡大するのは、海外展開と、ネバフッドマーケット業態(Neighborhood Market)である。 2001年度、米国内では、スーパーセンターの新設は170〜180店舗、ディスカウントストアは40店舗。 立地転換や店舗面積拡大は、約105のスーパーセンターで行う。ネバフッドマーケットのフォーマットは15から20店を加えて、倍増する。 サムズ部門は、40店から50店を増設、さらに翌年は100店を増やす計画。 海外部門では、2001年度に、現在のマーケット国に100店から110店を新設する。 ディストリビューションセンターは、7箇所、合計面積で700万sft(63万u:約20万坪) 内訳は、三箇所の地域センター、二つのドライ食品センター、二つの生鮮食品センターである。 【comment by yoshida】 米国内では、従来型のディスカウントストアは、飽和状態に近づいています。国内の出店は、スーパーセンターが中心です。1000坪のネバフッド店は、まだ展開の初期ですね。 西欧、アジアへの海外展開が加速です。 ともかく、20兆円に達したウォルマートがすこしでも動くと、世界中のあらゆる他の小売りが、影響を受けます。 日本だけが、まだ、流通面では世界の孤島。来年から、様相が一変します。BtoBのグローバルマーケットプレースが、世界市場を統合する機能を果たすのです。 予想以上に、世界の変化は、加速します。 ▼クローガー(Kroger)がPB食品に着手(Cincinnati:2000年10月2日) (News)クロガーが、ナショナルブランド食品を侵食することを狙っている。まず、プライベート・セレクションとして、高級食品を低価格にし、2300店で展開。プライベート・セレクションは、現在約300品目、グロサリー、農産物、食肉、デリ、シーフード。すべての品目で、顧客満足を保証している。 【Comment by yoshida】 米国の食品は、超競争状態ですね。これもスーパーセンターが引き起こした競争です。 |
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