『(負債の)臨界点を超える世界経済』
This is my site Written by admin on 2019年6月24日 – 17:00
【本質をそらした国会論議】
国会では、月20万から22万円支給される厚生年金だけでは、65歳以上
の生活費に、月5万円から6万円くらい足りず、30年で2000万円くらい
の不足が出るから、個人の資金運用による自助努力が必要とした、金
融庁の諮問会議の報告書について、党利党略でしかない議論が興って
います。

現代の政治は「自党への支持を高めるための党略」です。当然に、こ
うなります。政治家にとっては「国民のために何を行うか」の優先順
位はずっと下にあり、「議員であり続けること」が政治の目的になっ
ているからです。職をいったんは失う衆議院解散にもっとも重視して
いるのは、国民より議員です。

1994年からの、1人1区の小選挙区制の導入とともに、政党助成金が設
けられ(総額で320億円/年→議員数と得票数をもとに、政党に割り当
て)、議員の活動費を含む実質的な報酬が、1人1億円くらいと高くな
り、法と行政を決める権限もともなうことが背景にあります。

◎年金問題の核は、現役時代の所得に対する「所得代替率」です。
2014年の年金改革のときは、厚生年金と公務員共済保険での、所得代
替率は62.7%でした。

当時の現役時代の、社会保険料と税金を抜いた、個人の平均所得は
34.8万円でした:男性の手取り収入の平均)。この時期の、65歳以上
が受け取る年金は、夫婦の基礎年金(=国民年金2人分:12.8万円)
と、夫の厚生年金分が9.0万円、合計で21.8万円/月でした。所得額に
対する、年金の代替率は62.7%だったのです。

この計算条件は、夫が40年継続して厚生年金に加入し、妻は専業主婦
というものです。現役時代の手取り報酬の62.7%が年金というもので
した。

2014年に、政府は「財政検証」を行って、「100年安心の制度」にす
るため、公的年金の所得代替率を50%に向かって下げ続けるとしてい
ます。

単純化して言えば、これが、わかりにくい「マクロ経済スライド」と
されるものです。賃金と物価の上昇率よりは、年金の増額率は小さく
し、物価が下がるときは、年金も下げるというものです。われわれは、
「所得に対する年金額は、現役時代の平均の50%に向かって下がり続
ける」と認識しておかねばなりません。

女性の50%はすでに90歳を超え、男性の平均寿命が80歳を超えるとい
うように、寿命が長くなっているので、65歳以降に約30年の寿命が平
均になるとして、『諮問会議は』、資金運用による自助を求めたので
す。

ガンに治療効果のあるバイオ医薬(現在は超高額)がすごい勢いで開
発されています。寿命が数年伸びるのは間違いないでしょう。10年後
には、かつての肺結核のように、多くが「治る病」になっているから
です。

ただし一方で、高齢者の平均医療費(公的保険70%+個人負担30%~
10%)は、相当に上がります。個人負担と公的保険医療の「混合診
療」の導入を余儀なくされ(米国風)、医療における不平等も生じる
でしょう。

国会の議論が、年金の本質的な問題である「マクロスライド」に進む
前に、7月の参議院選挙になります。

                *
新刊の『臨界点を超える世界経済』が、アマゾンと書店に並び始めま
した。お陰様で、世界の経済事情の分野では、今は、1位を戴いてい
るようです(アマゾン:6月24日)。

以下は、出版社が作ったタイトルと帯です。当方は、『お金の原理』
のつもりで書いたものです。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<通貨と金をめぐる4大危機に備えよ>

通貨はどこから来て、どこへ行くのか
主要国は通貨、株価、財政、銀行の4大危機に直面する! 
過剰なペーパーマネーが金融危機を起こして暴落する
そのとき金融資産を守る術はあるのか

◇日本人が知らない「通貨の価値」の危機! ◇
第一章●中世の偽金づくりに似たペーパーマネーの変遷
第二章●中央銀行の負債であるペーパーマネー
第三章●財政破産を先送りし、円安と貧困を招いた異次元緩和
第四章●中央銀行設立から見る米ドル基軸通貨への展開
第五章●独立戦争、FRB創設、ブレトンウッズ協定までの米ドル
第六章●FRBが反ゴールドキャンペーンを行った26年
第七章●中央銀行のマネー増発と金融資産の高騰
第八章●中国は問題解決のため新人民元創設に向かう

主要国は「大きすぎる負債」の利払いから危機に直面する。 
通貨の危機(米国)、株価の危機(米国と日本)、銀行の危機(中国と日
本、欧州)、財政の危機(日本)となるだろう。「ドルの罠」から逃れ
るため新興国などはゴールドを買い集めている。中国は金準備制へ向
かうだろう。そのとき日本に策はあるのだろうか

(筆者(注)国民にとっては、金融資産を増やす策があります。本文
に示しています)。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

本稿で、『臨界点を超える世界経済』の「はじめに」の部分を載せま
す。(本文は約400ページです)

<はじめに>

いまままでの『通貨論』は全部が、発行する側の、政府・中央銀行の
立場から理論が組み立てられたものです。本書は、これを逆にして、
通貨を使う国民の立場から書いたものです。この点では世界ではじめ
てのものになるでしょう。
 
チューリッヒのプライベートバンクを訪ねたときでした。説明した金
融学者、エコノミストは、およそ100年のデータを使っていました。
「そうか・・・マネーの運用には、100年、200年のデータがいるのか。
スイス金融の秘訣がこれだ」と思ったのでした。

100年のデータからはまるで違ったものがみえるからです。20年まえ
です。ほとんどの場合、長くても10年程度のデータしか利用していな
いわが国とは違っていたので、印象に残っています。10年では通貨の
価値変動はわかりません。

■1. 1000字に短縮した概要

本書は、17世紀の西欧、ペーパーマネーが偽(にせ)の金証券として生
まれたときから、はじめます。つぎは「金貨と金準備制の、近代銀行
制度」から中央銀行づくりへ進みます。

そのあと、戦後の「米ドル基軸通貨の体制」の成立から、27年あとの
金のデフォルトだった「金・ドル交換停止(1971年)」を経て、48年
間つづいている「変動相場制」へと論理的につなぎ、その全体を、わ
れわれにとっての通貨の価値(購買力)の視点からみていきます。

終戦間際の1944年に、四十四か国の連合国が合意したドル基軸の体制
は、「金準備制の米ドルを固定軸の尺度」として、各国の通貨を周辺
国のものとしてならべる制度です。

1971年の「金・ドル交換停止」のあとの、米国財務省とFRBの「金と
の50年戦争」は、価格が高騰した金にたいしてドルの価値の低下を隠
し、ドル基軸の体制をまもることを目的として実行されたものです。
この間のFRBによる金価格との戦いは、一般には知られていません。

2008年のリーマン危機のあとは、「世界の四大中央銀行がとった過剰
流動性の供給」を原因に、「負債の過剰」が生じて、現在に至ってい
ます。いまも、これからもふえる債務が生むのは、数年内の金融危機
でしょう。

「金融資産=別のひとの金融負債」なので、金融危機は、「通貨の危
機」になり、「財政の危機」にもなります。

このとき、各国の政府は、可能な選択肢のなかでどんな対策をとるか。
その展開を示すことをつうじて、「21世紀のマネー価値」を追求して
います。

■2.わが国の政府債務

【政府の債務】
わが国には、GDPの2.4倍を超えて、なお国債の新規発行がつづく、
「政府の過剰債務」という問題があります。最近6年は、日銀がおよ
そ500兆円の国債を買いとることにより、国債の金利を、マイナスか
らゼロ%に誘導しています。

1000兆円の国債が、国民の純預金を超えた2015年にも予想された財政
の危機は、いまはまだ防がれています。

【金利の問題】
しかし、物価の上昇率が1%、1.5%、2%に向かうと予想されるよう
になると、「債券市場が期待する均衡金利」は、1%、2%、3%と上
がっていきます。これにたいして日銀は、市場の実勢からは上がって
いく期待金利を、1%や0.5%以下に下げる「金融抑圧」をつづけるで
しょう。長期債の金利が3%にむかうと、国債の下落から財政が破産
するからです。

【英国の事例】 
日本の現状と比べることができるのは、第二次世界大戦あと、GDPの
2.5倍の国債をかかえていた英国です。財政の破産を避けるため、イ
ングランド銀行は、国債の金利を市場の実勢より数ポイント低く保つ
金融抑圧を約30年つづけました。

確かに金利は上がらず、国債は価格を維持し、英国は財政破産からは
まぬがれました。しかしインフレのなかでも、人為により、低すぎる
金利をつづけた英ポンドの交換レートは、円にたいして1/7に下がり、
戦前には世界一ゆたかだった英国人の経済は、英国病ともいわれて成
長しなくなったのです。物価は上がって、通貨の価値が下がり、経済
と所得の実質成長は小さかったのです。

【1945年に英ポンドを金に交換していれば・・・】
かりに、英国人のなかで、通貨価値の保存を求めて、1ポンドが1000
円だった時期(第二次世界大戦直後)に、1000万円分のポンドを金に
換えたひとがいれば、いまは資産額29億円の富豪でしょう。ポンドに
たいしては、金の価格はおよそ290倍に上がっているからです。現在
の金価格は、第二次世界大戦直後の円からは約1000倍、ドルでは37倍
です。自国の、不換紙幣の価値(商品の購買力)への、長期の見通し
をもつことは、資産作りへの道でもあります。

経済の実質成長とおなじことですが、実質所得の増加を犠牲にして、
金融抑圧をながく行った英国と日本で、重大に違う点は、英国では戦
後の財政赤字はなく国債の増発もなかったことです。

わが国では、増える社会保障費(年金・医療費・介護費)の支払いの
ため、構造的になった財政の赤字(35兆円/年)により、国債は1年に
およそ35兆円は増えつづけます(各年度の補正予算を含む)。金融抑
圧を成功させた条件が、英国とは違うのです。

政府に忠実な日銀が、「英国の条件が整わない金融抑圧」を首尾よく
行うことができたとしても、物価の上昇率が2%付近に向かうときに
は、「市場の期待均衡金利」は、およそ2%から3%に上がるでしょう。

この金利の上昇により、1000兆円の既発国債の価格は15%から21%下
がるため、日銀が政府財政の危機と破産を防ぎつづけることができる
か、予断をゆるしません。債券市場の投資家(内外の民間金融機関)
が期待する均衡金利は、「物価を含む名目GDPの上昇率のあたり」で
す。結論は、第二章に述べています。

日銀は、短期金利は調整とコントールができます。しかし預金と貸出
の金利のベースになる長期金利(10年債の金利)は、金融機関が多額
の国債を売買している債券市場での、今日の国債価格によって決まる
ものです。

金融機関が、自己保有している国債に下落のリスク(つまり金利の上
昇)を感じて、損をさけるための国債の売りが増えていくと、売られ
た国債の価格は下がり、長期金利は1%、2%、3%と上がっていきま
す。

このときは、既発国債の全体の価格が下がり、それを保有する「銀行
と日銀を債務超過」に陥らせることから、政府財政の危機に向かった
ときはどうなるのかをシミュレーションしています。

「危機をつづけながら円安になっても財政は破産しないケース」、
「危機から破産に向かって円が暴落するケース」の双方にたいして、
われわれが分有している金融資産(約1800兆円)の価値を守る方法も
しめしています。

【中長期の経済財政への試算】
政府は、唯一の10年の経済見通しである「中長期の経済財政への試
算」を作成し、毎年・毎期、「経済財政諮問会議」で検討しています
(19年1月)。最新の「試算」では、物価が1%、1.5%、2%と上がっ
ていくこと、2022年には、長期金利が3%に上がることが想定されて
います。

しかし、長期金利が2.5%に向かうと、平均満期が8年の国債価格は約
17%下がることになるため、新規国債の引き受け難がおこって、政府
の財政は資金不足から危機にはいります。期待長期金利が3%にあが
ると、国債が額面では売れず、発行難が生じるようになって、財政支
払いのデフォルト、つまり支払い猶予になっていきます。

財政のデフォルトとは政府がなくなることではなく、1年に107兆円支
給されている社会保障費(公的年金57兆円、医療費39兆円、介護費
11兆円:2018年:財務省)のうち、国債の新規発行で補填している約
30%が支払い困難になることです。このときは、円と株価も暴落しま
す。

こうした財政危機でとどめず、ひとびとが、自分の金融資産をまもる
だけでなく、ふやす方法をしめしたのも、本書の特徴でしょう。

方法を知っていれば、金融危機や財政危機は資産をつくる機会に転じ
るからです。第二章では、米国で語られ始め、論争も呼んでいる
「MMT(現代通貨理論)」における結論、つまり政府の徴税権のまや
かしも示します。

■2.米国の対外負債の問題

米ドルは、1944年から、世界の基軸通貨とされたあと、じつは3回、
このポジションからすべりおちる危機を経験しています(これも、わ
が国では知られていません)。

(1)石油危機の1973年から1979年
(2)プラザ合意の1985年から1990年
(3)リーマン危機の2008年から2010年

ドルは、1971年に金から離れたときから、中東石油の流通を支配して
いた、石油商人のロックフェラー(米国中央銀行のFRBの主要株主)
によって「原油を事実上の担保」にしました。原油は米ドルでしか売
らないという仕組みです。

原油を輸入する多くの国には、ドル準備が必要になります。これがド
ル買いを喚起し、ユーロ成立のあとも、世界の貿易通貨の、60%にお
いての、ドル基軸を守ってきたのです。

【ドイツのドル圏からの離脱と、中国の参入】
大きなところでは、1970年代から94年までは日本とドイツが、1994年
からは日本と中国のドル買いが、ドル基軸の体制を支えてきました。

しかし、ドイツは1999年から統一通貨ユーロを作って、米ドル圏から
逃れています。それ以来、ユーロ19か国内の貿易では、ドルを使う必
要はなくなったのです。

このため、世界最大の経常収支黒字国のドイツが、21世紀にはドル国
債を買わなくなっています。

【通貨の信用は、国民があたえるもの】
通貨の信用は、発行元ではなく、通貨を使って貯める国民が中央銀行
にたいしてあたえるものです。FRBや日銀の信用は、FRBと日銀の資産
からくるのではない。海外と国民がFRBの発行するドル、日銀が発行
する円の、現在、および将来の価値(購買力)を信用して、貯蓄する
ことからきます。

ドル基軸体制は、周辺国の通貨である円や人民元からの買いが支えて
きました。

【米国の対外負債=海外の対外資産】
海外からのドル買いの超過は、諸国にとっては、対外資産の貯蓄にな
ります。米国にとっては、逆の対外負債です。

わが国では、おおきな順にいうと、金融機関・企業・政府が対外資産
を1008兆円もっています(18年12月:円のレートによって金額の変動
あり)。2位の中国は、外貨準備として、3.1兆ドル(340兆円)をも
ちます(18年は672億ドル減少)。

世界の外貨準備は、13兆ドル(1430兆円)に増えていて、そのうち
60%から65%はドル建ての国債・証券・ドル預金です。

【ふくらみつづける米国の対外負債の問題】
各国の対外資産と逆の、米国の対外負債は、36兆ドル(3960兆円:米
国のGDPの1.7倍)に達していて、毎年1兆ドルずつ増えていきます
(米国の対外負債はドル建てです)。

負債にたいしては、米国から海外への金利の支払いが必要です。現在
は2.5%程度のドルの長期金利が3%に上がると、利払いだけで1兆ド
ル(110兆円)です。長期金利が4%なら1.4兆ドル(154兆円)です。
3.5%あたりから、米国の対外負債が、利払いという要素で増えるよ
うになっていきます。

米国の利払いで対外負債が増えるようになったときから、海外からの
買いが減るドルは、デフォルトの危機に陥るでしょう。

負債の始末が悪いのは、経済が好調になり、借り入れの需要が増える
ことにより金利が上がると、国債の価格が下がり金利の支払いが増え
ていくことです。「米国は対外的なデフォルトの危機に近づいてい
る」という認識が世界の投資家・金融機関に生まれはじめると、海外
がもつドルと米国債が売られ、株価と同時に国債も暴落するリスクが
あるでしょう。

【方法は、ドル切り下げしかない】
米国は、対外負債を返済して、減らさねばならない。しかし、経常収
支が構造的に赤字の米国には、ドル切り下げ以外には、対外負債を減
らす手段がありません

(注)米国の対外債務は、自国通貨のドル建てなので、ドル切り下げ
で減少します。事実、1985年のプラザ合意では、米国はドルを、独マ
ルクと日本円に対して、1/2に切り下げています。

ドルの危機への認識からくる、ドル売りがもたらすドル安によって、
もっともおおきな損をするのは、約40も年かけて貯めてきた対外資産
(海外における日本の資産)が1000兆円を超えている日本と、3.1兆
ドルの中国です。

この損のため、米国の対外債務の危機と日本の財政危機は、おなじと
きになるでしょう。日本は政府の負債が、中国は企業の負債がおおき
すぎるからです。

■3.中国は大きすぎる企業負債の問題

【経済対策としての、企業貸付の増加】
中国には、年々大きくなる企業債務の問題があります。リーマン危機
のあと、人民銀行は、国有銀行にたいして元を5兆ドル増発し、国有
銀行は増えた準備預金を背景にし、企業に貸しつけ、負債による設備
投資と住宅建設をうながしました。

この超金融緩和の目的は、輸出の減少によるGDPの低下をおさえるこ
とでした。このため08年のあとは、中国の企業の負債は、毎年19%も
増えつづけて、18年には22兆ドルになっています(2420兆円:GDP比
で1.6倍:BIS)。

【不良債権1000兆円(根拠をもった試算)】
このうち、およそ1000兆円は、いまもすでに利払いがなく、将来の返
済もできない不良債権でしょう。いまだに不良債権とされていないの
は、国有銀行が国有企業に、帳簿上の追い貸しを行っていて、利払い
がされたとする仮想的な処理を続けているからでしょう。ただし、こ
の特例の処理によっても、企業の負債はさらにおおきく増えます。

いつまでもこの状態をつづけることはできないということです。数年
内には、不良債権の臨界点がくるでしょう。

そのあとの、政府の対策と展開は、どうなるのか。中国政府と人民銀
行は、どんな手段をもっているのか。第八章では、中国政府の立場に
たって検討し、結論をみちびいています。

【書いた時の、留意】
文中では、根拠を示すため、世界経済の「**兆円」という規模の数
字をかっこ書きとして多用し、煩雑になることをいとわず、1ドルを
110円として換算値もつけています。それぞれの数値の根拠も、かっ
このなかで付記しています。

一貫して、国民にとっての通貨の価値を検討し、変動相場のなかにあ
る円・ドル・ユーロ・元が、それぞれの原因は異なっても、おなじ過
剰な債務からくる通貨危機・金融危機・財政危機のあと、「21世紀の
通貨価値が何によって維持されるか」を示します。この三つの危機は
おなじものです。

冒頭でしめしたように、過去と現在の通貨論の全部は、政府・中央銀
行の立場から作られています。不思議なことですが、国民にとって価
値を保つための通貨論は存在しません。

本書の結論についての反論は可能です。問題は、その反論の数値的根
拠が何かです。根拠がない感情の論は、意味がない。そういいきれる
まで、検討を深くするために書いたのが本書です。

最初から結論を決めて、逆算して、都合のいい事実や検証を探したの
ではありません。過去から現在までの、「数百年の通貨の本質と、本
質の現れである通貨の現象」を検討したうえでの、論理がみちびいた
ものです。中央銀行にたいして、価値を保ちえる通貨についての、論
争を挑むものでもあります。

表現法では、ものたりないと思うひともいるくらい形容詞、副詞、接
続詞、指示代名詞を少なくし、文意でつないで、数字に語らせていま
す。形容詞・副詞は、本人の思いれと身勝手な評価になることが多い
からです。たとえば「美しい」というのは、個人の評価と感想です。
国語の述語になる用言では、同音異義の誤解が生じにくいところでは
「ひらがな」をつかっています。

                  2019年6月 吉田繁治

<アマゾンのサイト紹介→吉田繁治でも検索できます>
臨界点を超える世界経済-吉田-繁治

もしよければ、ご覧になってください。難しいといわれるテーマです
が、論理的に、金額数値の根拠も示して、全力で書いています。

平均で2000万円(65歳以上の世帯)の預金を、金融危機なるからこそ、
8000万円~1億円増やす手段も生じます。安心を超えた豊かな退職後
を過ごす方法を提案する本でもあります。

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                                     以下は、項目の目処です】

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