新春2号:2020年の金融・経済の予測(後編)
This is my site Written by admin on 2020年1月20日 – 17:30
先ほどの新春1号に続く後編を、送ります。1日に2回の送信ですが、
すぐに後編が必要と考えたからです。

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 <424号:新春2号:2020年の金融・経済の予測(後編)>
        2020年1月20日:無料版

【前編の目次】
1.金融・証券・シンクタンク主要30社の日経平均予想(2020年)につ
いて
2.ボラティリティ(株価変動幅)についての詳細な解説
3.2020年7月から12月の、日経平均予想(30社平均)

【後編の目次】
4.株価理論の拠り所は『現代ファイナンス論』
5.米国の最上位株価の5社
6.昨年秋の、2019年株価への当方の予想
7.2020年の米国株の、株買いの原資からの予想
9.FRBの対応と米国株

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■4.株価理論の拠り所は『現代ファイナンス論』

オプション料を計算するブラック・ショールズの方程式を作ったロ
バート・マートンが共著者である『現代ファイナンス論』での株価は、
「次期予想純益×PER=次期純益÷株の益回り率=将来利益を益回り
率で割り引いた無限等比級数」とされています。

ゼロ金利の現在、日本株(日経平均)の予想PERの妥当値は、15倍
(株式益回りは6.67%)とされています(日経新聞:12月29日1面ト
ップ記事)。IT株が高い米国株の予想PERは、18倍付近です。

単独では、トヨタのPERは約10倍(株式益回り=リスク率10%)であ
り、企業規模と利益額は大きくても、純益の将来期待値は低い。一方
ユニクロは38.4倍(株式益回り=リスク率2.6%)であり、将来純益
の増加期待が高い。

【PER 15倍の意味】
日経平均の価格が妥当とされているPER15倍のときは、1年当たり6.
67%の割引率が、225社の合計企業純益のリスク部分です。

1年先は6.67%の純益リスク、2年先は(1-0.0667≒0.9333)を二乗し
た12.9%、3年先は三乗の18.8%・・・の純益リスクです。心理的な
株価も、理論的な面では(1-株式益回り)の無限等比級数とみるこ
とができます。だたし株式益回り率が、投資家心理で変わるので、全
体は心理的な、方向性をもつブラウン運動の波動になります。

株式の益回りは、トヨタ(10%)とユニクロ(2.6%)のように、業
界と企業によって異なります。将来純益の、増加期待が高い会社は、
株式の益回りがユニクロのように2.6%と低い(逆数のPERは38.4倍と
高い)。

将来の期待純益が大きな米国のAmazon(株価時価総額は100兆円:ト
ヨタの5倍)のPERは、82倍です。株式益回りは「1÷82=1.22%」と
低い。投資家の集合知で、ネット販売に将来の大きな利益が期待(=
予想)されているからです。

1989年の、日経225社の平均が、80倍の予想PERのときは、日本の株式
投資家は、日本企業の将来純益が6倍くらいに増えるとみていたこと
になります(割引率=期待益回りは現在のAmazonに似た1.25%)。

米国の投資銀行は、当時の日本人投資家の高い期待を、横並び傾向の
集団心理がもたらした「非合理なバブル」と見たのです。で
は、・・・AmazonのPER82倍(割引率1.22%)は合理的な期待でしょ
うか(19年末)。科学的な解答はない。感性的な解答はあります。

■5.米国の最上位株価の5社

米国の株価時価総額で、最上位の企業を示します。フエイスブックの
5750億ドル(63兆円)を除き、日本で1位のトヨタ(25兆円)の4倍の
100兆円以上です(19年11月時点)。

懸案は、「世界中の過剰流動性」で上がってきた、これらの株価が高
すぎるのか、妥当かの判断でしょう。

米国市場の80%の投資家は、妥当と判断しているでしょう。古来、バ
ブルのなかでは、バブルとは認識されません。崩壊してはじめて、あ
の時はバブルだったわかると、データマニアだった元FRB議長のグ
リーンスパンも責任逃れとして述べています。

      時価総額  予想PER  将来純益割引率(=益回り)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Apple   1,1870億ドル 15.2倍  6.6%  妥当値から+50%
Microsoft 1,1540億ドル 31.8倍  3.1%  妥当値から+50%
Google    8990億ドル 30.8倍  3.2%  妥当値から+50%
Amazon    8620億ドル 82.8倍  1.2%  妥当値から+70%
Facebook   5750億ドル 24.8倍  4.0%  妥当値から-40%
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
https://www.180.co.jp/world_etf_adr/adr/ranking.htm
(注)アップルは、2010年代から、積極的な自社株買いを続けて株数
を減らし、1株当たり純益を増やすことにより、見かけ上のPER(株価
÷1株当たり純益)を15.2倍に下げています。米国には、時価総額
100兆円のIT企業が、4社もあります。Googleは社名ではアルファベッ
トです。

【1990年代後半の米国IT株バブル】
5社の株価は、20年前のIT株バブル(ドットコム・バブル)に似てい
ます。IT企業が多いナスダックは、Windows95の1995年から上がり始
め、4年後の2000年3月には、5倍に達しました。

2000年4月からは、2001年の9.11をはさんで、2002年にかけ、ピーク
の5048ポイントから77.9%下がり、1114ポイント(22.1%)に下がっ
たのです。「半値、八掛け、2割引き=0.5×0.8×0.8=0.32」以下で
した。

上げた速度が速いほど(4年で5倍)、破産の恐怖に駆られた投資家の
投げ売りで下がるときの底が深い。

定価のない株価は、物価と違い、「売り>買い」になった市場で売買
が一致するところまで、下がります(米国株には、額面もありませ
ん)。このときは、下がるから売りが増えて一層下がるという理由づ
けになります。しかし、相場商品は底値で終了ではない。

低く行き過ぎる底値で買うと、利益は大きくなります。しかしこれは、
およそ90%以上の投資家とメディアが、底なしの恐怖に駆られている
時期に、独り、買い進むことです。

将来の計算と蛮勇(アニマルスピリット)が必要です。株価バブルの
崩壊のときの底値の判断は、経験から見出された法則である経験則で
は、「半値・八掛け・二割引き=32%」付近でしょう。

2002年に、1114ポイントに下げたナスダックが、2000年3月の5000ポ
イントを回復したのは2015年です。08年のリーマン危機を挟んで、
13年を要しています。

1989年までの、日本の株価バブルの底値も、日経平均で8000円、ピー
クの3万8900円から、20%でした。PER(株価÷1株あたりの次期予想
純益)が上がるときに経済合理性がない株価は、PERが下がるときも
経済合理性はありません。

■6.昨年秋の、2019年株価への当方の予想

昨年の、2019年株価予想では、以下の趣旨を書きました。

(1)2011年から18年までが4兆ドル(440兆円)であり、株価上昇の
主因だった米国の自社株買いは、2019年は、さすがに減少の方向に転
じるだろう。2018年には自社株買いをしても、株価は下がったからで
ある。

減る自社株買いより、2017年に発効したトランプ減税(法人税35%→
21%:-40%)という要素で上がってきた株価は、下がるだろう。40
%の減税は、企業の利益が同じでも、1株あたり純益(税後利益)を
40%上げるからである。米国の会計では、法人税の支払いは、利益金
処分ではなく、経費とされている。

(2)しかし、FRBが、過去4年の利上げから、2019年は利下げに転じ、
ドルを増発したときは、自社株買いの減少による米国株低下を、カ
バーする。米国の株価下落が銀行の資本危機になることをFRBは知っ
ているので、FRBは、金融緩和に転じるだろう。
https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_int_america-seisakukinri

2019年の自社株買いは、確かに20%くらい減りました。
https://jp.wsj.com/articles/SB11242116211589053556304585502802243885766

しかし2018年秋の25%の下落が銀行危機になることを恐れたFRBは、
・2019年には利下げをして(3回:0.75%)、
・レポ金利が10%に上がった19年9月18日からは、米銀のドル不足に
対応して、3か月で8000億ドル(88兆円)の、緊急ドル供給を行って
います。

とりわけ19年12月は、4900億ドル(53兆円)という巨額でした。目的
は、ドルが不足していたヘッジファンドに、投資銀行経由でマネーを
預託して株買いを行わせることです。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53384760V11C19A2FF8000/

【2019年の、FRBによる金融緩和の効果】
FRBの、半年で巨大になった金融緩和(8000億ドル:88兆円)による
株価対策で、米国債の増発(1.4兆ドル:154兆円:17年の2.5倍)と
中国の売りから来ていた、米銀のドル不足(半年で推計8000億ドル)
が解消され、銀行がもつ国債を買い上げることにより、増刷された短
期マネー(FRBのレポ金融)が、銀行からヘッジファンドに供給され
ました。

2019年のNYダウの上昇は、25%です(年初2万3000ドル→年末2万
8645ドル)。株価の時価総額が世界の40%もある米国株に動かされて、
欧州、日本、世界の株も約20%上がったのです(2019年)。

【清算売りは3か月から6か月後】
銀行への現金の供給を、投資の預託マネーとして受けたヘッジファン
ドの、レバレッジがかかる先物買いにより、米国株は逆に上がってい
ます。しかし、3か月から6か月先には(2020年の3月から6月)、先物
買いの清算の売りも、同じだけ大きくなります。

20年3月から6月には、仮に、FRBによる追加の金融緩和がない場合、
米国株の下落が予想されます。経済のファンダメンタルズ(基礎的な
指標(GDPの増加、失業率、金利、輸出入の増加)とは無関係に、
「ヘッジファンドの先物買い=限月の数か月後は清算売り」になるか
らです。

【先物買いの原理】
先物の買い越しのあとには、同額の清算売りが生じます。先物で、1
年間上げるには、先物買いを増やしていかねばならないのですが、こ
の場合は、一層大きくなった、清算売りの時期がきます。短期(3~
6か月)の株価を動かす先物の売買は、長期(1年)の株価には、中立
的です。

■7.2020年の米国株の、株買いの原資からの予想

▼(1)2020年のマネーの動きで、確定していること

まず、拡大した財政赤字(減税+医療費・年金の増加傾向)からの、
米国債の新規発行が、1.5兆ドル(165兆円:1か月の平均で13.75兆
円)と大きくなります。

i)日本の金融機関の、米国債の買い増しは、10兆円程度でしょう。
ii)18年8月のトランプ関税から貿易黒字が減っている中国の米国債の
買い増しは、少なくなります。逆に、米国債の売りがある可能性が高
いでしょう。

iii)2018年の、80ドルからの石油価格の下落(60ドル付近:19年10
月)から、財政が赤字になっているサウジ(-321億リアル:約9兆
円)は、米国債の売り手にはなっても、買い手ではない。

iv)ブレグジットと中国貿易の減少が重なって、先進国でもっと不況
になっている欧州も、米国債を買い増す余力はない。

欧州の全部の銀行が、日本の-0.2%より一段深いマイナス金利(-0.
6%~-0.4%)がもたした利益危機に対し、合計で6万人以上の人員カ
ットの最中です。日本の国債のゼロ~マイナス金利を主因として、本
業が赤字の地銀(105行のうち42行:構成比40%)に似ています。

ゼロ金利が銀行の赤字をもたらすときは、日銀はゼロ金利を停止しな
ければならない。しかし利上げをすると、1000兆円の国債金利が上が
って、国債価格が下がるので、金利序章には踏み切っていません。

以上の事情から、増える米国債1.5兆ドル(月平均1250億ドル:13兆
7500億円/月)のうち、およそ1.2兆ドル(月平均1000億ドル:11兆
円)は、一旦は、米銀が財務省に入札して買わねばならない。(注)
海外銀行も入札します。

米銀による、1か月に約11兆円の国債買いが続くことは、「米銀シス
テムでの、2019年より大きなドル不足」を意味しています。国債を買
うために、株を買い増すどころか、逆に、換金売りが増えるでしょう。

米国は、ドルの海外流出を示す経常収支が、構造的な赤字(2019年は
5394億ドルに増加:59兆円)です。このため、米銀には、新しく発行
される米国債を、全量は買い受ける資金がなく、発行が増えた国債を
買えば、銀行が現金不足になるからです。(注)日本は、経常収支
(貿易収支+海外投資の所得収支)が黒字であり(2019年は1721億ド
ル:19兆円)、新規国債の全量の国内での引き受けができます。

(注)米国の赤字国債が、米政府の財政支出(医療費・年金・公共事
業)になると、企業と世帯の預金を通じ銀行預金になっていずれ戻っ
てきます。しかしそれには、半年以上の時間差があり、その間、銀行
の国債の買いが増えた分、ドル現金が不足するでしょう。

▼(2)2020年の自社株買いは増えない

2011年から、米国株上昇の原動力になっていた自社株買い(2011年~
18年で4兆ドル:440兆円)は、2018年がピークであり、8000億ドル
(88兆円)でした。2019年は、6400億ドル(70兆円)に減っているで
しょう(前半四半期の傾向からの推計)。20%の減少です。
https://jp.wsj.com/articles/SB11242116211589053556304585502802243885766

2020年は、6400億ドル(70兆円)以上の自社株買いがあることは、想
定できません。自社株買いの原資だった社債発行(企業負債の増加)
の過剰が生じているため減少するでしょう。発行が増える国債を買う
ために生じる米銀のドル不足と重なって、自社株買いの減少も米国株
を下げる要素です。

物価上昇率(米国は2.44%:2018年)を引いた実質金利が、マイナス
なっているなかで、米国企業の借入金が、GDPの上昇率を上回って増
え続けてきました。これ以上企業負債が増えれば、デフォルトが増え
る限界点である15兆ドル(1700兆円)超になっているからです
(2019年)。企業負債の増加になる社債の新規発行による、自社買い
は、増加の限界点に達しています。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45075620R20C19A5FF8000/

▼(3)FRBによる、銀行システムへのドル供給

2019年12月には、FRBは「テクニカルな越年資金」と市場を煙に巻き
ながら、4900億ドル(53兆円)の銀行保有国債・債券を買って、現金
を供給しました。加えて、2020年の6月まで、毎月500億ドル(5.5兆
円)の国債買いを続けることは、19年9月に明らかにしています。

しかし、トランプ財政(減税+軍事費と公的医療費・年金の増加+公
共投資)から1.5兆ドル(165兆円)に新規発行が増える米国債に対し、
FRBの資金供給の月500億ドル(年間6000億ドルペース:66兆円)では、
足りません。

2020年は、FRBが年間で1兆ドル以上の史上最大の「国債買いとドル供
給(わが国の異次元緩和の最大が80兆円/年)」を行わないと、現金
が国債に吸収されて、金融機関とヘッジファンドが株を買い増す原資
が少なくなるでしょう。

【米国の金利は下げる】
FRBが、仮に年間1.2兆ドル(132兆円)の金融緩和(国債買いとドル
の増発)を行うと、米国の短期金利も、現在の「1.50%~1.75%の
FRBによる誘導ゾーン」から少なくとも1.0%には下がるでしょう。
(注)トランプ大統領は、FRBに「パウエルの首をすげ変える」とし
て供給している短期金利は、0%~0.5%です。

ドル国債の金利が1.0%に下がって、イールド(内外金利差)がなく
なると問題になるのが、日本・中国・産油国・欧州からの、米国債の
売りです。海外は、米国債の約40%の、737兆円のドル国債を持って
います。海外から買ってきた金融機関には、「米国債の高い金利-自
国の低い金利=プラスのイールド」が誘因になっていたからです

【イールドスプレッドの縮小】
米国債の金利と海外の金利差をイールドスプレッド(金利差)といい
ます。ドルとの金利差が1%から0.5%に向かって小さくなったとき、
金利低下の過程では上がる米国債の、海外からの売りが増えないかと
いう懸念です。(注)金利0.5%や1.0%に低くなった国債は、金利の
上昇による国債価格下落のリスクが大きくなります。

海外は、米国債を6.7兆ドル(737兆円)もっています。日本が1.1兆
ドル、中国が1.1兆ドル、英国が3340億ドル・・・です(19年12月)。
https://ticdata.treasury.gov/Publish/mfh.txt

対外的な経常収支(貿易収支+所得収支)が構造的な赤字であるため、
「数年の長期では」必然のドル安が予想される米国債を、海外が買っ
てきたのは、米国と2.5%金利差があるからでした。2.5%という超過
金利の受け取りによって、米国債のドル安リスクを消していたのです。
(注)1年に2.5%のドル安を、米国の株、国債、社債を買うときのリ
スクと見ていたといっても同じです。

【日欧の金利がマイナス圏から上昇の気配を示す】
2019年12月には、日本の長期金利は、-0.2%のマイナス圏から、0%
に上がっています(10年債の価格は2%下落:100万円→98万円)。

日本の金利が、どこまでも下がる時代は、2019年9月に終わっていま
す(10年債の金利-0.3%)。19年12月からは、0.010%のプラス圏で
す。

この長期金利の上昇の原因は、国債買い(銀行の国債売り)の困難に
陥った日銀による国債の買いが1年50兆円のペースから、2018年は40
兆円、19年は20兆円と、白川総裁時代の水準に減ったからです。黒田
日銀は、黙ったままで、異次元緩和(年50兆円の国債買い)はやめて
います。

このため、円の長期金利が0.3%上がり、米国債とのスプレッドは1.
4%に縮小しています。欧州でもマイナス金利への誘導は終わりつつ
あります(-0.6%が、-0.2%に上がっています)。日本とユーロのマ
イナス金利の時代は終わったのです。海外に米国債を買わせていた
イールドスプレッドは、今後、縮小します。
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/data/jp10yt.html
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49700400R10C19A9EN2000/

【中国の貿易黒字は、減少している】
中国は、18年8月以降のトランプ関税から、世界への輸出が減り、貿
易黒字(=基軸通貨ドルの流入)は、2015年の5930億ドルから2018年
は3509億ドル(38兆円:GDPの2.5%)に減っています。

短期負債が64.7%と多い、ドル建ての対外負債(1.9兆ドル:209兆
円)の返済のために、中国にとって最低限必要なものであり、この貿
易黒字ではドル国債を買い増すことはできません。

2019年は、トランプ関税から中国の貿易黒字は、一層減っています。
2020年に、これが増えることはない。欧州、日本、米国への輸出も減
っているからです。

人民元とドルの交換の中心である香港の、市民・学生からの民主化要
求の持続が加わって、中国は、今、大変な事態です。過去から、中国
の富裕者と企業からのマネーロンダリングが多い英国系のHSBC(総資
産2.2兆ドル)が、その銀行です。中国は、香港で「人民元売り/ドル
買い」をしてきました。
https://ecodb.net/country/CN/tt_mei.html
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49558790Y9A900C1000000/
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/08/5803483f272125f4.html

中国政府は、GDPの実質成長を6%台と、実態より高くしているため、
GDPのプラス要素である貿易黒字の数字を減らすことができない。
(注)実際のGDP成長は、3ポイントは低い3%台でしょう。

中国の輸出額にも、粉飾(ドレッシング)があります。本当は、貿易
黒字がなくなっているかもしれない。2020年の中国は、ドル国債の買
いどころか、外貨準備の売りに回る可能性も高いのです。

以上で挙げた事情から、海外つまり、日本、中国、産油国、欧州から
のドル国債買いは、2020年は大きくは見込めません。

◎米国債の買いが増える米銀を、ドル不足に陥らせないためには、
FRBのドル国債の買いとドル増発が1兆ドル(110兆円:毎月約10兆
円)以上は必要になります。

FRBがドルの供給をしないと、買うための原資(ドルの現金)が減っ
た米国株は下がるからです。米国株が下がれば、同じ率、日本株も下
がるでしょう。

■9.FRBの対応の予想と、ドル増発で生じるドル安

◎2020年の米国FRBは、株価を下げないために、「年間で1兆ドルの国
債買い」というQE4(量的緩和第4弾)の開始を迫られるでしょう。そ
のとき、海外からのドル債の売りの超過からドル安になると、大統領
選挙の年の米国株にとっては、致命的になっていくでしょう。海外が
ドル債券(米国の国債、社債、株)をもつ米国には、ドル安は株価に
とって危険です

(注)米国の対外負債を1/2に減らしたプラザ合意(1985年)のよう
な、一挙のドル切り下げは、また別のことです。このときは、対米貿
易が黒字だったドイツと日本が、外貨準備のドル売りで損をすること
に協力したのです。

市場の売買で価格が決まる相場商品の株価(売買で動くリスク資産)
は、価格が株に比べれば少ししか動かない債券(金利で動く安全資
産)と違い、上がるか、下がるかです。1年間の波動が、直線で横ば
いになることはない。下がる要素が少ない時は上がり、上がるための
資金的な要素が少ないときは下げます。

【株ETFの買い】
米国FRBも、日銀のように、株ETFの買いに、乗り出すでしょうか。
米国株が下がったときは、十分に考えることができます。

FRBが、直接に株ETFを買えば、米国株も、日本のように30%高い官製
相場になります。しかし、時価総額が3800兆円と日本の6倍なので、
株ETFの買いに必要な資金も、日銀の6倍(1年に36兆円)と大きい。
2020年の米国株を支えるのは、FRBだけになりました。

(注)短期売買が多い米国株の1日売買額は大きいので、FRBが株価買
い支えのため株ETFを買うとなると、「米国株も官製相場になった」
と見た売りが増えて、下がる可能性もあります。株への官の関与をい
とわない日本と違い、米国は「民間市場性」が強い国です。

●トランプ減税のあとの米国は、赤字の財政支出が拡大しているので、
赤字国債をFRBが買い受けて、エコノミストの主流派が反対している
MMT(現代貨幣論)を実践することになっていくでしょう。

米国FRBは、なんとしても、リーマン危機以上の金融危機になる30%
の株価下落は、避けなければならない。2020年に米国株が大きく下が
る確率は60%以上と見ています。

FRBが、2020年にも、株価を下げないために、ドルの増刷とQE4(6年
ぶりの量的緩和、第4弾)として再開した場合、増刷されたドルがド
ル安に向かうからです。ドル安とは、海外からの米国債、米国株、米
国社債の売りです。

対外債務国である米国の株価は、ドル高(海外からのドル債の買い)
で上がり、ドル安(海外からのドル債の売り)で下がるからです。
(注)対外債権国の日本は、円安で株価が上がり、円高で下がります
が、債務国の米国は逆です。

【後記】
2020年も、金融・経済の現在と未来に迫るデータを発掘し、関連付け
て(これが大切)、メディアが伝えきれていない分析や解釈をし、懸
命に、書きます。本年も、よろしくお願いします。

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