日曜増刊:金とコモディティリンクの通貨の理論と仕組み(1)
This is my site Written by admin on 2022年4月17日 – 17:00
金リンクとコモディティ・リンク通貨の、「理論と仕組み」を、他と
比較しながら、基礎から書きます。われわれには、未知のものです。

「金本本位はムリな制度」、あるいは、ケインズのように根拠を言わ
ず、「馬鹿げている」という非難は古くからあります。

今回、プーチンの「コモディリンクのルーブルの試み」についても、
金は少なすぎるとする根拠から、「無理な制度だ」と非難する声は、
あちこちから、聞こえて来ます(you-tubeなど)。

(注)リフレ派からの批判ではない非難です。理論家が「無理なもの
はムリ」とヒステリック気味なのは、自分の根拠にあやふやさがある
と気になっているからでしょうか。

この間違いは、2つにまとめることができます。

[間違いの1]
金本位、金兌換通貨、金リンク、コモディティ・リンク、通貨バスケ
ット制について、区分と定義をしていない。この5つを混同し、信用
通貨の側に立ち、「悪」のロシアへの非難がされている。

[間違いの2]
金リンク、コモディティ・リンク、通貨バスケット、金ETFを成立さ
せる「裁定取引」の仕組みを無視した、粗雑な論である。

「裁定取引(アービトラージ)」は、現代の金融取引で、広く巨額に、
今日も、実行されています。しかし先物と金ETFも成立させているこ
の「裁定取引」は、デリバティブを売買しているヘッジファンドの担
当以外には、漠然としか知られていないでしょう。銀行の役員ででも
双務契約のデリバティブを説明できない人が多い。デリバティブの価
値は、カウンターパーティー(契約の相手)に依存します。

◎裁定取引(アービトラージ)は、証券会社、機関投資家、ヘッジフ
ァンドなどが、「同一の金融商品(=広義の証券)の市場間で生じる
価格差」を利用し、確実な利益を得る取引です。

「証券(Bond)」とは、株だけでなく国債、社債、株やコモディティ
の指数(日経平均やブルムバーグ商品指数)、ETF、先物、FX、デリ
バティブを総称するものです。デリバティブは、証券が示すマネーや
価格への権利から派生した証券です。そのため「金融派生商品」と呼
ばれます。(BCOMTR:IND=エネルギー・資源の商品指数)
https://www.bloomberg.co.jp/quote/BCOMTR:IND

【圧縮して書いたここは、抽象的で難しい。理解しなくてもOK】
先物は、将来、現物引き渡しをするという売買契約から派生した証券
です。MBSは、不動産ローンの回収権から派生した証券です。オプシ
ョンは、期限日までに一定の価格で売る、あるいは買う権利の証券で
す。CDSは企業や国家のデフォルト(支払い不能)が、格付け機関で
確定したとき、支払われる損害保険金です。

現代の証券には、多種多様なデリバティブが、ポートフォリオのリス
ク低減のためかかっています(600兆ドル:2021年:BIS)。
https://www.bis.org/publ/otc_hy2111.htm

1990年代以降のマネーと証券では、デリバティブを抜きには語れませ
ん。テーマの「裁定取引」もデリバティブの領域のものです。

今回は、「リンク制」の基礎から、解説しなければならないでしょう。
本稿は、有料版・無料版共通とします。
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<Vol.1226:増刊:
  金とコモディティ・リンク通貨の理論と仕組み(前半部)>

【目次1:本稿はこの部分:無料版・有料版共通】

■1.シンガポール・ドルの、通貨バスケットの仕組み
■2.金本位の制度の、区分と定義(3種)
■3.暗黙のペトロ・ダラー制度(1973~現在)
■4.金リンクとコモディティ・リンク制

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■1.シンガポール・ドルの、通貨バスケットの仕組み

シンガポール・ドルは、
・その通貨レートに、
・貿易の割合の、外貨の加重平均(=通貨バスケット)をリンクさせ
る通貨です。「バスケット」とは買い物カゴのように、異種の証券を
入れた加重平均です。具体物が見えない金融では、特殊な意味の用語
が多い。今日の新聞ではテスラ社のイーロン・マスクの、ツイッター
の買収に対して、株を増やして対抗する「ポイズン・ビル」とか。こ
の逆は、ホワイト・ナイト(買収を助ける白馬の騎士)。

シンガポール・ドルのレートは、現在、92.13円です。
(シンガポール・ドルの、通貨バスケット制:国際経済学会論文:み
ずほ銀行:赤羽裕)
https://www.jsie.jp/Annual_Meeting/2012f_Konan_Univ/pdf/8-1_Akabane_paper.pdf

◎1年に2回、貿易量に比例させた外貨のバスケットを計算し、シンガ
ポール・ドルのレートとの間に差異があるとき、中央銀行が「裁定取
引」を行って、レートを一致させます。これが代表的なバスケット通
貨の仕組みです。

その構成割合で加重平均する外貨のバスケットの中身は、ドル45%、
円20%、ユーロ15%、その他20%と推測されています(2001年)。
(ドルレート×45%+円レート20%+ユーロレート×15%+その他の
通貨のレート×20%)=シンガポール・ドルのレートです。

◎「高い方を売って、レートを下げ、安い方を買って、レートを上げ
る瞬間売買」が、裁定取引です。シンガポール・ドルでは中央銀行が
行っています。現物の金と、証券のETFの、ある時点での価格の差異
を狙う裁定取引は、証券会社やヘッジファンドが行っています。

バスケット通貨レートは、外貨の加重平均のレートと一致して変動し
ます。円やドルの、単独通貨の変動幅より、平均化されて小さくなり、
レートが安定します(=ポートフォリオ効果)。

▼裁定取引の仕組み

株と証券一般の裁定取引は、
(1)価格が決まる取引の板(ボード)を監視し、
(2)コンピュータプログラム(計算法=アルゴリズム)で、売買を
するものです。

市場(場所)が異なるときの「価格の不一致」、あるいは、現物と先
物に価格差が出たとき、(1)安い方を買い、(2)高い方を売って、
瞬間に清算するので、リスクはなく、利ザヤの利益が出る取引です。

裁定取引は、大口の取引をする証券会社、機関投資家、ヘッジファン
ド、エクイティ・ファンドの利益源になっています。

裁定取引が加わると、金やコモディティあるいは通貨バスケットの現
物価格と、証券の価格差は一致に向かいます。一致させるために、利
ざやが目的の裁定取引が加わるのです。

この裁定取引の仕組みによって、
(1)通貨バスケットの通貨(シンガポールドルや、IMFのSDR)
(2)コモディティ・リンクの通貨(ロシアのルーブル)、
(3)金ETF証券が、成立しています(ペーパー・ゴールド)。

金ETFは、金価格と同じ価値を持つ証券です。ペーパー・ゴールドと
いっていい。

金を化学的に合成する錬金術(合金)は、何万人、何万人が行っても、
金原子の原理から、無理なものでした。

ところが、1980年からの「証券化の技術」によって、金の価格と同じ
ペーパー・ゴールドが作られたのです(2014~)。ロスチャイルド系
のSPDR(スパイダーゴールド社)が、金ETFの代表的発行元です。

権利の証券化の方法でつくるものがデリバティブです。マネーは「そ
の数字と等価のものを受け取る権利」なので、これができるのです。

■2.金本位の制度の、区分と定義(3種)

(1)金本位は、金で作った「金貨」を通貨と認定するものであり、
権利から派生するデリバティブではない。

江戸時代の小判・大判です。金本位の貨幣の発行量は、政府が持つ金
塊と、鉱山の生産量(生産予定の金先物)に制限されます。

金貨では18世紀の産業革命のあとの工業化とともに、必要な資本が大
きくなると、マネーの量が十分ではなくなり(=デフレ傾向になっ
て)、足りなくなったのです。多くのエコノミストは、この金貨のイ
メージで、「金・コモディティ・リンク通貨」を、無理な制度だと非
難しています。

【(2)次は、金兌換(だかん)通貨制度】
兌換通貨制は、金貨ではなく金との交換を保証する紙幣(=証券)を
発行するものです。19世紀から20世紀の、近代化された中央銀行とと
もに成立しました(イングランド銀行1800年:日銀1882年;FRB 
1913年)。

兌換(だかん)は、交換の古い用語です。日本政府には、敢えて庶民
に分かりにくい用語を使う習慣があります。政府の書式で書く「行政
書士」、「司法書士」の商売が成立する国が日本。こうした基礎が行
政のデジタル化の障害になっています(明治の毛筆文化の伝統)。

中央銀行がもつ現物の金は「支払いの準備用として、保管される金
(ゴールドリザーブという)」です。兌換紙幣と交換される金の価格
は、一定とされました。

戦後のブレトンウッズ体制(1944-71)では、米国FRBが金1オンス
(31.1g)を、35ドルの固定価格で交換すると約束していました。

市場の金が35ドル高くなると、FRBは損をします。この損が累積して
いくのが、金兌換通貨制です。戦前の日銀は、たびたび、金兌換の停
止をしていました。公定価格が安く、市場価格が高くなると、交換要
求が殺到したからです(当初は、金1g=1円でしたが、戦前は、市場
価格が2円や4円に上がっていたのです)。

(注)現在の金価格は、57倍の約2000ドル。増刷された米ドルの、金
に対する価値は1/57に下がりました。ハイパーインフレに近い。

原因は、ドルの増発量が、GDPの増加より、常に大きかったからです。
実質GDPが5%増加のとき、ドルは10%増やすといった具合です。量的
緩和は、証券インフレとしての株価を上げますが、通貨1単位の価値
は、減らすことがわかるでしょう。

◎中央銀行が、金の要求払いを約束し、発行される紙幣が兌換通貨で
す。兌換紙幣の可能な発行量は、経験的にはゴールド・リザーブの約
10倍。つまり、金準備率では10%が下限でしょう。

金準備率が公開されることは、普通、ありません(国民の、中央銀行
に対する、開示を求めない信用がこれです。調査をしないで、人を信
用することと同じです)。

米国がドルを基軸通貨にしたブレトンウッズ体制(1944-71)でも、
FRBがもつ金の量は公開されませんでした。米議会が、「FRBの、金の
量の調査」を議決してもFRBは応じなかった。日銀も同じでしょう。
実はマネーは、国民主権が及ぶものでは、ありません。

・戦前の、先進国の金兌換通貨制度のときも、公開はなかった。
・原因は、現物金より、相当に多く兌換通貨を発行していたからでし
ょう。

◎金兌換制の問題は、「兌換紙幣が、金融危機や戦争などで、発行さ
れすぎ、手元にあるこの紙幣は金と交換できないのではないかという、
中央銀行の信用問題が生まれたとき」生じていました。

過剰発行されていると見る兌換紙幣を、信用しなくなった銀行が、中
央銀行で、兌換紙幣と金の交換を要求すると、渡さねばならないリ
ザーブの金が足りなくなる事態です。

これは、信用不安から起こる、銀行預金の取り付けと、同じ現象です。
銀行には、預金に相当する現金はない。大きな預金取り付けが起こる
と、その日に支払い不能になります(=証券での、運用や貸し付けに
なっているからです)。

試しに、1億円を紙幣で引き出す要求をすると、「明日、お渡ししま
す」となるでしょう。普段は金庫にはないので、急いで、日銀から現
金輸送車で運ぶのです。このため銀行は、紙幣が要らない銀行振り込
みか、時には1億円と表示された支店長保証小切手を渡します。

こうした信用不安を起こさないよう、中央銀行は、兌換通貨の発行量
に、一定の制限をかけます。

[金・ドル交換停止という事件が起こった、1971年]
米国が、1971年に、金・ドル交換停止を発表し、戦後の27年のブレト
ンウッズ体制を終わらせたのは、ベトナム戦争の、戦費支払い用にド
ルを発行しすぎ、ドル兌換紙幣を得ていたフランスとドイツから、
FRBに金への交換要求があったからです。通貨の賞味期限は、経済の
1世代の30年くらいであるようです。

1944年には2万6000トンあったFRBの金は8133トン(現在の公開保有
量)に減っていました。早晩、FRBの金がなくなるみた米国は、契約
を破って金・ドル交換停止(=ドル紙幣の不渡り)を発表し、27年間
の「ブレトンウッズ体制」は終わりました。

FRBが金を払えなかったからです。

金兌換制度では、戦費や金融危機に対して、通貨を急に大きく増やす
ことが難しい。FRBの1960年代末のように、「金と交換できるという
信用」を失うからです。なお、準備率を10%以下に下げると、通貨信
用が低下していきます。

その後、金から離れた米ドルは、ペトロ・ダラーとされたことで(キ
ッシンジャー)、基軸通貨としての世界からの信用を維持したのです
(1973年~現在)。

これは、「(主権をもつ他国である)中東の原油を米ドルでしか、売
らないという無理な制度」です。(注)米国の敵国になったイランは、
原油を人民元(または金)で中国に売っています。

関連していえば、アフガンの特産物麻薬の取引(地下経済)は、相当
量が、金で行われています。世界の麻薬取引の総額は、世界貿易
4000兆円/年の8%(320兆円:WTOの推計)と、自動車の生産額に匹
敵するくらい巨大です。

2位が、密輸を含む武器の取引です。「けものみち」の武器の密輸取
引では、金が使われること多い。原油の輸出入より大きいのが、麻薬
と武器の取引です。ロシアは北朝鮮に、北朝鮮はイランに、核兵器の
製造技術を密輸しています(公式統計には現れません)。

麻薬を密輸出するアフガン(タリバン)には、秘匿された膨大な
「金」があるでしょう。この金がソ連(1979-89の10年間)、そして
米国がアフガンを攻める理由になったのです(ブッシュの2001年~
2021年8月に米軍が撤収)。ソ連は10年、米国は20年、戦争をしたの
です。

■3.暗黙のペトロ・ダラー制度(1973~現在)

西側と日本が原油を買うには、貿易を黒字にして、ドル準備を貯めね
ばならない。このため、日本のような、原油の輸入国は、商品輸出の
努力をし、外貨準備を貯めてきました(その3大国がドイツ、日本、
中国です)。

世界の公式の外貨準備では、金を除外し、13兆ドル(1560兆円:21年
12月:COFER)とされますが、近年、ドルの割合は58.8%に減ってい
ます。中国が、米ドルの保有を減らしたからです。

中国の外貨準備は3.2兆ドル(384兆円)、日本は1.4兆ドル(168兆円
:21年12月)です。ドイツは3.8兆ドル(456兆円)ですが、地域通貨
のユーロの割合が多い。

以上が、中東の原油によって、ドル基軸が維持されるペトロ・ダラー
制です。これは、ドルが、世界の外貨準備になる制度です。

経常収支の赤字が1年1兆ドル(120兆円)と大きく、価値の根拠があ
やふやな米ドルは、金兌換から離れていた1973年からは、事実上、
「原油コモディティ・リンクの通貨」になっていたのです。

■4.金リンクとコモディティ・リンク制

後述する「金リンク制」は、ドルを発行しすぎて失敗した金兌換通貨
制と、根本が違います。

「金リンク制」は、
・中央銀行は、金との交換は保証せず、
・発行した通貨と、市場の金価格が一致することを保証するものです。

市場の金価格が上がると、金リンク通貨も上がります。

プーチンが、22年3月に、国民に向かって述べたように、金リンク制
は、「信用通貨のインフレで、貧困になる国民の預金の価値を、金価
格によって、維持する制度」です。通貨が1/2に下がると、預金の価
値も1/2に減ります。

(注)現物の金に替えるには、預金を引き出し、銀行の店頭か貴金属
商から買うことになります。大手銀行が、大量の金を買うときは、海
外市場で、ドルで買うことになるでしょう。金は、ロンドンやNY市場
で、ドルで売られることが多いからです。日本の東証に、金の取引所
を作ってもいいのですが、金を通貨ではなく金属としている政府には、
その気がない。消費される金属だから10%の消費税をかけているので
す。(注)しかしさすがに、金ETFと先物は証券ですから、売買のと
きの消費税はかかっていません。

仮に円が、金リンクの通貨になれば、金を買う手間は、省けます。預
金も、金の預金と同じ価値になります。

円ではなく、ロシアのルーブルや人民元が金リンク制になると、リン
ク制のない円で、ルーブルや人民元を買うことは、金ETFまたはゴー
ルド・バーを買うことと同じになります。円で、金の地金を買うこと
と同じです。

このため、金リンクのない円、ドル、ユーロは下がり、ルーブルと人
民元は上がります。これが「ドル基軸通貨体制」の崩壊になっていく
のです。プーチンの、「金・コモディティ・リンクのルーブル」の狙
いは、ウクライナ戦争を機会にした「ドルとの通貨戦争」でもあるで
しょう。

◎ルーブルや人民元のように大きな通貨が、金リンクになって価値が
上がると、他の通貨も、同じように、金リンクを目指さざるを得なく
なります。

リンク対象の現物価格と、通貨のレートの一致は、前述した「高い方
を売って、安い方を買う裁定取引」で行われます。
↓
このため、中央銀行の金の保有高とは無関係に、実行ができます。

◎金リンクの通貨は、「現物金との交換は保証せず、両者の価格の一
致を(裁定取引によって)保証している金ETF」と同じものです。

現物の金と、金ETFの売買市場は異なるものですが、価格は一致しま
す。

◎金ETFへの信用と同じように、金リンク通貨は、現物の金価格によ
って保証されます。金兌換通貨と金リンク通貨は、ユーザーにとって
は、信用の仕組みが似ています。裁定取引が加わる点で、違うもので
す。

以上のように、
(1)金のリザーブが、大量に必要な金兌換通貨(ブレトンウッズ体
制の基軸通貨ドル)と、
(2)金やコモディティ・リンク通貨(ロシアが目指すもの)は、も
仕組みが違います。

金やコモディティ・リンク通貨では、通貨の発行量がリザーブの金の
量に制限されることはありません。

金リンク通貨は、市場の金価格とともに、レートが変動します。
金貨と同等の価値をもつのが、金リンク通貨です。

【粗雑な、誤った主張が、繰り返されている】
ところが一般には、金本位の3つの形態を混同し、「金本位は金が足
りなくなるから無理な制度」という誤った主張がされています。

明晰(スマート)なケインズは、さすがに、無理な制度とは言ってい
ません。可能であっても、「バカげた制度、金はバカげた金属」と英
国貴族特有の皮肉をこめて言っているのです。皮肉は、斜めから、細
めた横目で見る態度です。金の価値は、誰よりも認めていたからです。

事実、ケインズは、ブレントン・ウッズ会議で、戦後の基軸通貨とし
て、「金兌換のバンコール」(IMFのSDRのうに祖国がない通貨)を提
案していました。米国のホワイトの、金兌換のドル基軸通貨(米国と
いう祖国を持つ通貨)に敗れたのです。翌年、巨星ケインズは亡くな
りました。看取った妻は、ロシア人のバレリーナでした。

有料版、無料版共通の増刊はここまでです。水曜日に送る有料版の正
刊の内容は以下の目次です。お楽しみに!

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【目次2:次号;有料版正刊:水曜日】

■5.金兌換通貨停止の歴史
■6.株や証券での裁定取引
■7.先物と現物の価格の差異
■8.IMFのバスケット通貨:SDR
■9.TVとメディア
■10.人民元の(秘密の)ドルリンク制
■11.ペトロ・ダラーのドルでの基軸通貨体制(1973年~現在)
■12.米ドルと人民元(中国は12年間、金を集めてきた)
■13.日本国民のために、残念なこと
■14.自分から進んで、政府と金融機関がドルの罠にかかった日本
■15.日本は核を持つべきかの議論

【目次3:有料版増刊:今週中】
■16.想定されるドルリセットで、沈む日本
■17.ロシアの、金またはコモディティ・リンクのルーブル
■18.反ロシア、親ロシアで二分された国連
■19.国連の基本的な性格
■20.期待できない日本政府への、敢えての期待
■21.後記(これからの通貨)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【後記】
ロシアの最大規模の巡洋艦『モスクワ』が、ウクライナのミサイルネ
プチューンで、脆弱だった後部を爆破され、内部の弾薬が爆発して沈
没したことは、ロシア側にショックを与えているようです(ウクライ
ナの南部の黒海を航行中)。

NATOの、精密監視装置の関与があったと見られています。ウクライナ
とって、正確に脆弱な部分だけを2発のミサイルで狙うのは、難しい
という。ロシアは、『モスクワ』の撃沈のあと「第三次世界大戦だ」
と言い始めています。日本で言えば、『東京』にあたる、ミサイル巡
洋艦です。

ロシアが米国より優位な、限定攻撃の「戦術核ミサイル」を、人のい
ない広大な田園部に向かって打ち込む威嚇の準備か。頻繁に会ってい
た停戦交渉は、中断しています。

ウクライナの東南部は、ロシアが制圧か包囲しているので、米国側の
情報が入らない。ロシアに制圧されたという工業都市マリウポリ
(44万人の街の90%が破壊された)を含み、現在の戦況は、伝えられ
ていません。

どんなことが、起こっているのか。住民の犠牲が少ないことを願いま
すが、市街戦で多いはずです。80年ぶりの、凄惨な戦争の様相をを呈
してきました。

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