日本の警察と検死解剖の問題
This is my site Written by admin on 2022年8月7日 – 17:00
安倍元首相の銃撃事件について、「蘇生医療」と、警察の検視および「司
法解剖」の所見の、銃弾が入った方角、遺体の損傷についての、重大な違
いが、問題になっています(22年8月5日時点)。

(注)日曜創刊は、有料版・無料版共通とします。

▼真実は1つです。しかし、「法的な事実」とされるのは、警察から解剖の
委嘱を受けた解剖医の所見(診断書)からの判決です。

最終的には、検察の立件と弁護士の弁護を聞き、証言も求めて、裁判官
が判断します。

(1)蘇生医療にあたった、福島県立医大の福島教授の所見(7月8日の、死
亡発表の記者会見)

・遺体には、右鎖骨上2カ所(間隔は約5cm)、左上腕部に1カ所の傷があ
った。銃弾は、右鎖骨上から入り、左上腕部から抜けたかもしれない(銃
弾については推測)。

・鎖骨下大動脈に損傷があり、ここからの大量出血が死因だろう。心室
にも、大きな穴があった。止血処置をして、100単位の輸血をしたが、全
身の臓器からの出血が止まなくなって、死亡に至った(診断)。

・私は、体内の銃弾を見ていない。

(2)解剖医の所見を、警察が、青山繁晴議員に述べた内容。解剖医ではな
く、警察がまとめたものの情報リークである点に注意。

・山上容疑者が発した、2発目の散弾が、安倍元首相が、外れた一発目の
約2.5秒後、爆音がした左に振り返ったとき、左鎖骨付近から入って、水
平に直進、し胸部大動脈を傷つけたと思われる(推測)。

しかし、この銃弾は、体内から発見されていない。残留廃棄物になる血
液も全部調べたが、弾はなかった(事実)。

・安倍元首相の傷は、「盲管銃創」である。銃弾は、外には出ていない(こ
れは事実と思われる)。
・救命医療のどこかの段階で、外に出て、失われたのかも知れない(これ
は警察の推測)。

・右鎖骨付近から入った銃弾は、右肩の骨に当たり、骨折させていた。こ
の銃弾は発見されたが、致命傷を与えたと思われる銃弾は、発見できな
かった。(発見された1個の弾の直径は約1cm、パチンコ玉状)

・心臓に損傷はなかった。

福島教授の所見が正しければ、司法解剖の所見は、間違っています。
陰謀、または複数犯説を、否定できなくなる。

司法解剖の所見(=単独犯説)が正しければ、福島教授の見解は誤って
います。山上容疑者の、統一協会への怨恨からの、単独犯になる。

警察は、本人の供述と、解剖の所見から、立件ができると判断していま
す。司法解剖の所見が、「福島教授の所見とは一致していない」ことを、
警察は認めています。

警察は、「福島教授は診断を誤った。あるいは事実と違うことを、述べ
た」と言っていることになるのです。

警察とは、事前、事後の打ち合わせしていないと思われる福島教授には、
・診たことの事実を、述べないこと、
・または、嘘を言うことの動機は、ないでしょう。

教授はヤブ医者だったとして、これからの人生にメリットが何もなく、
デメリットばかりになるからです。

蘇生医療の場には、奈良医大の外科医を総動員した20人の医師団がい
たという。傷の診断での嘘は、言えないでしょう。

他の医師も蘇生医療と、血管と心臓の大きな傷の縫合に当たっている
ので、記者会見で嘘を言っても、仲間にバレます。福島教授には、会見の
場で、遺体の傷について、嘘をいう動機(果実)がないのです。

心臓の穴は、蘇生医療では、止血のため縫合されたでしょうから、他の
傷の見逃しがあっても、「心室に穴があった」というのは、事実でしょう
(推理)。20人の医師の、蘇生医療(約4時間)で、見逃すはずはない。

事実:「(心臓の下部の)心室には大きな穴があった」。

では、委嘱された司法解剖医本人ではなく、警察は、なぜ「心臓に傷はな
い」としたのか。

司法解剖は、犯罪性のある遺体に対して、警察からの要請で、警察が立
ち会って、行われます。事実上は、「奈良県警が行った」と言っていいも
のです。解剖費用は、解剖を委託した警察(行政)が、出します。

被告人から弁護費用をもらう弁護士が、被告人の不利になることは隠
すように、司法解剖医も、「警察の捜査の方向に不利になること」は、事
実は言いにくいという空気が、形成されているでしょう。

「銃弾が心臓に達し、下部の心室に穴をあけた(福島教授の会見)」とす
れば、二発目を撃った山上容疑者の位置(3.5m後方)と、その時の安倍元
首相の角度(約45度、上体が左向き)とは別のところから、別の銃弾が
撃たれたとしないと矛盾するからです。

警察には、「複数犯説を否定する思惑」があるように見えるのです。

右首下部から入り、右肩部の骨に当たった1個が見つかったという弾
(直径1cmのパチンコ弾状と大きい)が、山上容疑者が撃った手製ショッ
トガンから、二発目として撃たれたものか。

その検証結果を警察は言っていません。

同時に撃たれ、無くなった弾も、直径1cmのパチンコ弾状でしょう。正露
丸のように小さいものではない。

使われた銃器と、自宅に保管されていたという弾は警察が押収してい
るので、警察による発射の検証は簡単にできるはずです。銃器と弾の合
致検証は行ったが、都合の悪い結果だったので、言わないのか。疑わし
いことが多すぎます。

7月8日から、1か月も経っていて、世界と国民から疑問が多く出ている
のに、奈良県警は、「銃撃事件」についての、公開記者会見はしていませ
ん。なぜ記者会見をしないのか?

▼シナリオ捜査

わが国の、「シナリオ捜査」と司法解剖は、
・「えん罪」、または、「犯罪の見逃し」として、
・「容疑者として逮捕した者を、犯人として立件したい」検察と、検察に
従属した法医学にある問題と、されてきたのです。

シナリオ捜査とは、警察が作った犯罪の動機、証拠、証言、自白を集めて、
「犯罪のストーリー」を作るものです。我が国では、検挙あるいは立件し
た人の有罪率は、98%と、諸外国に比べ異常に高いという事実は何を物
語るのか。

警察の飛び抜けた優秀性、または、シナリオ捜査でしょう。

裁判官の判決は、真実ではない。書類と証言から判断する裁判官には、
真実はわからない。裁判官の判断は、医師の診断にように、間違うこと
もある「法的な真実」です。

弁護士が証拠として示したのも裁判官が認めないと、証拠にならない。
犯罪の事実とは異なることもある「法的な真実」は、裁判官が作るもの
です。

<・・・弁護人と検察官の主張は、それぞれの主観に基づいて行われるも
ので、犯罪の事実はひとつであっても、見方は異なるため、裁判官が、
本当に何が起こったのか、事件に至った経緯はどういうものだったの
かを審理するのが、裁判とも言えます・・・

刑事裁判の、一般的な手順では、
(1)裁判官が、人定質問で被告人に質問をすることで被告人を特定し、
(2)検察官が起訴状の朗読を行って、罪状を明らかにし、
(3)続いて、冒頭陳述で事件のあらましを説明したところで、
(4)証拠調べという、本格的な、裁判の審理が始まります。

「刑事裁判の法廷で提出され、調べられた証拠」のみで、審理を行い、裁
判官は、最終的な判決を出すということが原則です・・・>
(弁護士相談広場:一部引用)
https://www.keijihiroba.com/criminal-trial/investigation-of-evidence.html

▼歩いている普通の姿勢では撃てない、手製銃の謎

発見された1cmの直径の、パチンコ玉状鉄球の重量は5.5グラムです(1
個:右肩周辺:この弾は、致命傷を与えたものではない)。1度に発射され
た6個の散弾なら、合計は33グラムになります。

このショットガンで、音速(秒速340m)の銃弾6個を撃つと、その反動は、
山上容疑者が後ろに倒れるくらい大きなものになるでしょう。
ところが、山上容疑者は構える姿勢もとらず、普通に歩いています。

警察が使う銃弾は、もっとも大きな38スペシャルでも10.2グラムしか
ない。弾が、これより重くなると大砲のように固定しないと、撃てない
からです。(西部劇や刑事ドラマの名人級の銃は、フィクションです)

警察のものでも、山上容疑者が使ったとされる銃弾の1/3の重さでしか
ない。3倍の重さの銃弾の反動のエネルギーは最低でも9倍です。

手製銃は、木製の銃床に、鉄パイプを布テープ巻いたものです。普通の
ショットガン(約3.6kg)よりは、相当に軽い。

エネルギーの一部を銃の重さが吸収する反動は、一層荒く巨大でしょ
う。撃つと反動で手を離れ、銃身がすごい勢いで後ろに飛んでいく危険
な銃でしょう。

この手製銃に、合計で33グラムの鉄球を入れ、立って撃てるものか、撃
てないか、警察では検証できるはずです。

メーカー製であっても、銃身が重く長いショットガンで、固定せず、歩
きながら腰の高さから撃った場合、ピンポイントに当たって、体の他の
部分を傷つけず、即死させることができるものではない(確率は0%近
い)。

手製散弾銃も、1度の機会しかない犯行の武器として、不自然なもので
す。この疑問は、最初に持ったのです。

(体験動画;800Kgの反動衝撃という。パンチ力が最高のプロボクサー
(バンタム級)のKOパンチの衝撃は400kgくらい。この2倍です。人間は倒
れます。最重量のヘビー級の豪腕で、800kg相当という)
http://fashionableclay.blog.fc2.com/blog-entry-20.html

https://www.youtube.com/watch?v=OAUwJ6Y29U4

山上容疑者は、前方に歩きながら。腰の高さから2発、撃っていました。
これはムリでありあり得ない。

警察と司法解剖が、「常に正しい」とは、言えない。警察の職務怠慢、不法
行為、不都合なことを隠すため、事件がねつ造されることもあるという
ことです。

◎今回の司法解剖の、警察の上部による青山議員へのリークは、事件の
「ねつ造」可能性が高いように見えます。「水平に銃弾が通った」という
解剖所見は、2発目の銃弾が撃たれた瞬間の、安倍元首相の姿勢と、銃撃
の位置とは一致しません。

【警察のリークにある矛盾】
青山議員は、消えた銃弾は、致命傷を与えた正露丸のような小粒のもの
としていますが、見つからなかったものを、どうやって「見た」のでしょ
う。

解剖で、右前の首下(鎖骨の上)から入ったとされ、右肩の骨にぶつか
って見つかったとされる一発の銃弾は、直径1cmの丸い金属(散弾銃の
銃弾としては大型)という。これが、6発入っていたという(警察の発表)。

正露丸のように小さい弾が、どこから撃たれ、左肩から入って、左に水
平に動き、胸部大動脈を破壊したと、何を物的根拠にして言えるのか。
この弾は、見つかっていないとされています。

見つかっていない弾の形状を、何を根拠に、警察と青山議員が断定でき
るのでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=bSPTq5WBbXo

【近い過去にあったこと】
財務省官僚は、森友問題で、上司による近畿財務局への命令により、公
文書(行政文書)の、書き換え(=ねつ造)をしました。これに類すること
が、起こっているのです。GDPを増やす経済統計(建築統計)の偽装も、同
じ筋のものです(総務省)。

裁判所・検察・警察は、政府・法務省が人事と、行政(業務の執行)を管轄
するものであり、仲間内です。司法も行政であり、民主主義の条件であ
る三権分立ではない。政府・財務省と、日銀の関係と同じです。

国民に対して、正当な行政が行われるよう監視するオンブズマンの制
度(発祥はスウェーデン)は、日本にはない。

科学的・学問的な識見と、権威をもつ第三者(オンブズマン)が選ばれ、
・政府の行為(=行政)に対する苦情を受け付け、
・中立的な立場から、原因を究明し、
・是正措置を勧告することにより、簡易迅速に問題を解決するもので
す。(注)行政に関係をもつことが多い東大の教授ではダメです。東大
は、明治の官僚養成学校でした。

欠陥がある第三者委員会的なものではなく、日本でもオンブズマン制
度を、国会の法で作る必要があるでしょう。

日銀の金融政策、司法と警察権の執行、経済・医療・教育政策など、行政
の全般に亘り、正当性を判定する監督権限をもつものです。

この面で機能を果たすべきジャーナリズムは、世界的に、機能していな
いからです。CNN、BBC、NHK、プラウダ、人民日報には「目立つ偏向」があり
ます。

■1.司法解剖の不正の事例

この項は、柳原三佳氏の、『日本の検視・司法解剖の問題を斬る』から
の引用です。検察、警察に、「ねつ造」の実態があることを、広く知ってい
ただくために載せます。(注)部分的に、省略したところあります。

▼監察医が示した臓器片は、別人のものだった。
https://www.mika-y.com/journal/journal4.html

監察医が行ったという司法解剖の事実がDNA鑑定により覆された。

「保管の臓器片は別人。DNA鑑定で判明-監察医ら聴取へ 横浜地
検…」。4月2日このニュースが新聞やテレビでいっせいに報じられ
たとき、私は「やっとここまできたか」と胸のすく思いがした。と同
時に、「夫の遺体には解剖の痕跡はなかった」と訴え、警察組織を相
手に7年にわたって闘い続けてきたAさんに、思わず拍手を送りたく
なった。

監察医の代理人弁護士は「司法解剖して死因を心筋梗塞と鑑定したの
は間違いなく、その際、臓器を摘出して保存した。だが、提出までに
時間がたち、多くの標本の中から取り違えた可能性も否定はできな
い」(朝日新聞2004年4月3日)と、苦しい言い訳を続けている。

5月14日には、司法解剖に「立ち会った」という警察官が横浜地裁
の証言台に立った。彼は、監察医が心臓を取り出し、手のひらに載せ
てメスで切り込みを入れていくさまなどを2時間半にわたって証言し
た。

「検視」に対して漠然とした不信感を抱いたのは、保土ヶ谷事件と呼
ばれるこの事件がきっかけだった。1997年7月、横浜市保土ヶ谷
区の、路上の自動車の中でAさんの夫が亡くなっていたこの事件は、
遺体を解剖したか、しなかったか、という入り口の部分で論争になっ
た。

今回、横浜地検が重い腰を上げたことによって、これまで外からは窺
い知ることのできなかった「検視」や「司法解剖」の実態が少しずつ
明らかにされていくことだろう。まずは、保土ヶ谷事件の経緯を振り
返ってみたい。

▼「病死」にされ、自動車保険おりなかった

Aさんから初めて連絡を受けたのは、事件の翌月のことだった。

「警察が、事故車を放置した自分たちの過ちを隠すため、車の中で亡
くなっていた夫の死因を『病死(心筋梗塞) 』に仕立て上げたのです。
しかも、司法解剖を行ったと嘘までついて…。こんなことは絶対許さ
れることではありません。あの夜、すぐに病院に運んでくれていれば、
夫の命は助かったかもしれないのに」

Aさんはその後、交通事故鑑定の専門家に夫の車と現場の検証を依頼
し、「夫の死因は車の損傷などから見て、明らかに道路脇の電柱に激
突した交通事故によるものだ」という確信を得た。

翌98年9月、死体検案書を作成した監察医を虚偽検案診断書作成容
疑で、事件処理に当たった警察官らを保護責任者遺棄致死容疑で横浜
地検に告訴した。

97、98年といえば、神奈川県警による一連の不祥事が発覚する前
である。地元警察と監察医を相手にしての訴えは、女性ひとり、よほ
どの覚悟がなければできなかったはずだ。

ところが横浜地検はAさんの訴えを退け、2000年2月「嫌疑不十
分」で、いずれも不起訴処分とした。

一方、Aさんは99年3月、夫の車の自動車保険を契約していた全労
済(全国労働者共済生活協同組合連合会)に対して、自損事故保険金と
搭乗者傷害保険金を請求する民事訴訟を起こした。「病死」にされる
と、自動車保険からは、保険金が支払われない。

しかし夫は「交通事故死」なのだから、保険金は支払われるべきだ、
というのがその主張だ。「検察が警察組織を庇うのなら、自分たちで
監察医や警察官を民事訴訟の法廷に呼び出し、真実を究明するしかな
い」。この裁判にはAさんら遺族のそんな強い意志が込められていた
のだった。

▼本人とわかる写真が一枚もない

2000年7月10日、東京地裁633号法廷。ついにその日がきた。
証人として証言台に立ったのは、神奈川県で長年監察医を勤めている
B医師だった。彼はAさんの夫の死体検案書に「心筋梗塞」という死
因を書いた本人である。B医師は、原告代理人の質問に対して、次の
ような証言をした。

「私は警察官立ち会いのもと、運ばれてきた死体を解剖しました。Y
字切開といって、胸部の一番上から下腹部までを切開する方法です。
臓器を取り出し、肉眼で病理的観察を行い、心臓はそのときに取り出
し、今も保管しています。その他の臓器は組織片を切り出してから元
に戻して、縫い合わせました」

ところが、その後、裁判官に質問の時間を与えられた原告のAさんは、
毅然とした態度でこう詰め寄ったのだ。

「いいえ。私はその夜、夫の遺体を見ましたが、おなかには解剖され
た痕跡は全くありませんでした。そのことは、息子を初めとする葬儀
社の方など、複数の人が目撃しています」

その瞬間、なんともいえない緊張感が法廷の中に張り詰めた。
「警察官立ち会いで解剖した」
「心臓は今も保存している」と証言する監察医が目の前にいるのに、
遺族は 「遺体に傷はなかった」と断言しているのだ。

遺族は当初、B医師から「頭部も解剖した」という言葉を聞いたと主
張しているが、B医師はそれにつても「ちゃんと解剖した、とは言っ
たが、頭部を解剖したとは言っていない。解剖しなくても頭蓋骨内出
血は完全に否定できたので、遺族感情も念頭に置き、なるべくもとの
姿でお返ししたいと思った」と、証言台で全面否定した。そもそも、
頭部を解剖しなかったことは司法解剖の基本に照らして考え難いこと
である。

法廷では、さらにB医師の「解剖した」という主張を裏付ける証拠の
有無についてやりとりが続いた。まず、解剖中の写真はあるのか。も
し、一枚でもAさんの夫とわかる写真があれば、一目瞭然で遺族の主
張は覆されるはずだ。しかし、B医師は「心臓そのものの写真は撮っ
たが、身体を写し込んだものは一枚も撮っていない」と答えた。

さらに、もうひとつの疑問点が浮かび上がった。B医師は午後7時4
0分から8時40分まで約一時間にわたって解剖を行ったと証言した。
一方、Aさんは、午後7時ごろには夫の死因は「心筋梗塞」だったと
聞かされ、午後8時20分には遺体が自宅に運ばれてきていたと証言
する。

いったいどちらが本当なのか。ここまで両者の主張が食い違ってくる
と、事が事だけに、私は驚きを通り越して恐怖すら感じた。

しかし、立証の手段はまだ残されていた。それが冒頭のニュースとな
ったDNA鑑定である。保管されている心臓さえ証拠提出されれば、
それがAさんの夫のものであるかどうかはっきりする。Aさんの代理
人は法廷でこうたずねた。

「心臓を証拠としてだしていただくわけにはいかないのでしょうか」
B医師はこの質問に対して、さまざまな言い訳を述べ即答はしなかっ
たが、最終的に「検察からの指示によって法的な手続きがとられれば
提出する準備はある」と答えた。

もし解剖したのが事実なら、B医師から進んで提出すべき証拠だが、
遺族から見れば、出せる心臓などないはずだった。

それでも、01年4月、「心臓」の一片が横浜地裁に提出された。腹
部に全く傷のなかった遺体を見ている遺族にとっては、その時点で、
臓器片が、「別人」のものであることはわかっていた。「臓器片は本
人のDNA型と矛盾する」という今回の鑑定結果も予想通りであった
のである。

それにしても、恐ろしい話だ。警察と監察医がスクラムを組めば、密
室でどんな「死因」でもつくれることになる。実際に、B医師に百体
近く検案を依頼したことがあるという元警察官は私にこう話してくれ
た。

「少なくとも私がB先生のところに運んだ死体で、解剖までいった
ケースは一度もありませんでした。ほとんど死体を見ないこともあり
ましたね。

◎先輩警察官は『死因や死亡推定時刻をこちらの言うとおりに書いて
くれるので便利なんだ』とよく話していました。留置場の中で死人が
出たときなどは、後が厄介ですから、実際の死亡時刻をずらしてもら
うわけです。今回のケースはおそらく氷山の一角だと思います。」

▼99年に長男(当時16)を亡くした北海道案山子別町の木村富士
子さん(46)は、「交通事故による頚椎骨折」という警察の検案結
果に納得できず、遺体の写真を公開して、広く情報や意見を求めた。

その結果、複数の専門家から死体検案書の記載に疑問の声があがった
ため、昨年、「被疑者不詳の傷害致死事件」として北海道警察本部に
告訴。現在、釧路方面本部が再捜査している。

▼98年、愛知県瀬戸市で陶芸家の辻野規美さん(当時24)が死亡
したケースでは、死体見分すら行われず、死亡原因や傷害部位の特定
もされていなかった。愛知県警本部は今年4月、初動捜査の粗略さと
ずさんさを認め、遺族に対して正式に謝罪している。

▼江戸時代へタイムスリップ

こうした実情を裏付ける法医学者の証言もある。千葉大学医学部法医
学教室の岩瀬博太郎教授はこう言う。

「医師が専門家としての適切な判断能力を生かすことなく、よく言え
ば無難に、悪く言えば警察の言うとおりに検案書を書かされている
ケースは少なくないと推察されます。

本来、死体検案では、医師は専門家として、きちんとした意見を警察
に述べることが要求されているのですが、実際は、検査手段を与えら
れているわけではありません。たとえば、死亡原因が腹部を蹴られた
ことによるものの、外傷が見当たらないというケースが医学的にはあ
りえるのですが、現場と関係者の供述などから『異常なし』と判断さ
れた場合、警察から医師に対して『犯罪性はありません』と伝えてき
ます。

そうなると、医師はさまざまな検査や解剖を行いたいと思っても、で
きません。しかたなく正直に『死因不明』と死体検案書に記載すると、
警察からクレームの電話がかかってきたりして、後の対応が大変にな
ったりもします。その結果、心筋梗塞などの無難な診断名をつけざる
を得ないことも多いのです。

日本では、生きている間は先端医療を受けられますが、いざ心臓が止
まると、江戸時代、明治時代へタイムスリップしてしまうんです」

・・・以上が、実際の事件で生じたことの事例です。

◎先輩警察官が、『死因や死亡推定時刻を、こちらの言うとおりに書い
てくれるので、便利なんだ』とよく話していましたという点に、着目し
てください。

これが、「警察が、自分たちの組織に都合のいい、虚偽の事実を作るス
トーリー捜査」です。今回の解剖の所見は、信用ができるものでしょう
か。

物的な証拠になる遺体は、警察が許可して、焼かれています。本来は、冷
凍保存すべきでした。

医師としての識見と名誉を傷つけられている奈良県立医大の医師が、
X線写真、CTスキャン映像とともに証言しないと、事実は闇の中でしょ
う。

蘇生の治療をした医師と。監察医の見解は対立していますが、検察と裁
判は、普通は、監察医の所見を、採用するからです。

■2.千葉大学大学院法医学教室の岩瀬博太郎教授の発言

この項も、柳原三佳氏の、『日本の検視・司法解剖の問題を斬る』から
の引用です。
(原典)
https://www.mika-y.com/journal/journal4.html

「千葉県では、年間六千体以上の変死体が発見されていますが、法医
学の専門医師は、県内に私を含め二名だけです。これでは一年間の司
法解剖数は百八十体が精一杯。

しかし、それ以外の死体は、本当に何の疑いもなかったと言い切れる
のでしょうか。この状況から見ても、日本では殺人などの凶悪犯罪や
事故が、構造的に見落とされている可能性が大だといえるでしょう」 
日本の殺人事件の少なさは、司法解剖の少なさも原因かも知れないと
いう。

そう指摘するのは、千葉大学大学院法医学教室の岩瀬博太郎教授(3
6)。東大で法医学を専攻し昨年、千葉大学の教授に就任。現在は、
「解剖における画像検査の導入に関する研究」に取り組んでいる。

日本では、死因のわからない変死体が発見された場合、その死が犯罪
に起因するものであるかどうかを判断するため、「検視」が行われる。
「検視」は、一般には、検察官の代行で警察官がおこなっており、五官
(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)の作用により、死体の状況を見分
する。

警察官は、医師に立ち会いを求め、死因や死亡時刻、異常の有無など
について意見を求め、犯罪性がない場合は、「死体検案書」の作成を依
頼。犯罪性が疑われる場合や死因に不明点が残る場合は、状況に応じ
て、司法解剖か行政解剖が行われる。

岩瀬教授は、この"五官"に頼った「検視」の危険性について語る。

「本来、死体の検案では、医師は専門家としてきちんとした意見を警
察に述べるべきなのですが、実際は警察にとっての手続き上、都合の
いいように検案書を書かされている。

腹を蹴られて死んだ場合でも、腹部に外傷を残さない場合があります。
頭蓋内出血なども本来はCTを撮るか、解剖しなければ判断できない
のですが、現場で立ち会う医師は、なんの検査手段も、検査費用も与
えられずに検案させられているのです」

「ところが、大学で行う解剖検査の経費、組織標本の検査代、薬物検査
代、臓器保管料、施設使用料などは、この予算のどこにも入っていな
い。

警察は、鑑定書作成料の七万円を支払うのみで、解剖経費はすべて大
学法人の予算からの持ち出し。法令では、犯罪鑑識に必要な解剖委託
費は、警察が国庫から支弁するとされていますから、これでは詐欺と
呼ばれても仕方がないでしょう」

岩瀬教授の試算によると、司法解剖に必要な費用は、最低で一体あた
り約二十万円、その他に、薬物などの検査代が必要である。仮に年間
解剖数を五千体とするなら、適正に運営するには年間二十億円程度は
必要ということになる。

アメリカでも、一体当たり二~三千ドル(27万円から40万円)というし、
検察庁から解剖を依頼されている大学でも、一体あたり約二十万円を
受け取っている。七万円のままでは、せっかく解剖しても薬物検査な
ど、十分な鑑定を行うことが出来ないのだ」(引用終わり)

検死解剖に、いい加減なものが混じる根拠は、解剖・検証費として、政府
から支払われる、医療費の低さにも原因はあるでしょう。

この費用では、大学や公的病院の、費用持ち出しになる高価な「CTスキ
ャンでの輪切り検査」はできない。X線の撮影も、できないかも知れない。
客観的な証拠になる写真は、何枚残す義務があるのか。

あらかじめ、警察にとって都合のいい犯人を決めるストーリー捜査が
横行している原因は、死因や死亡推定時刻を、警察の言うとおりに書く
こととがある解剖所見の、いい加減さにあるでしょう。

【後記】
この国の、警察の問題も「構造的」です。誰も手をつけず、放置されてい
ます。このままでいいのか。国会は、声を上げるべきです。政党に陳情し
てもいい。「政策提案」が必要になったと自ら言う立憲民主党さん。いか
がですか。

このままでは、日本は、行政と国会の自壊(組織の崩壊)が加わり、衰退
にしか、向かわない。その一例が、警察のストーリー捜査、検察、および
裁判です。

司法には、組織の基礎(県警)の、重要なところが壊れているという認識
はあるのか。自壊したことの現れが、警護、捜査のいい加減さ、そして司
法解剖でしょう。

司法と行政が崩壊し、政府紙幣の刷りすぎによるハイパーインフレで、
実質的に年金と公務員給料もなくなった、連邦国家ソ連の終末期
(1980年代末期から90年代)に、そっくりです。

共産主義のソ連では、約2億人(1989年)が、連邦国家が刷りすぎたルー
ブルをもらう国有企業の公務員でした。現在ロシアの人口は、1.4億人
です。

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【読者アンケートの、項目のメド】

1.内容は、興味がもてますか?
2.理解は進みましたか?
3.疑問点やご意見はありますか?
4.その他、感想、希望テーマ等
5.差し支えない範囲で、横顔情報があると、テーマ設定と記述の際的
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