日銀のインフレ・ターゲットと今後の展開
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おはようございます。3月9日夕刻の東京での講演会には、多数の方の申
し込みをいただき、ありがとうございます。さっきまで、レジュメをま
とめていました。多くの方が戸惑う『マネーの本質』の章です。

事業、仕事、生活もすべてに、お金が関係します。財布の1万円札(現
象)を穴が空くように眺めても、日本銀行券と印刷しているだけであり
、マネーの意味(本質)は分からない。「これは一体何か?」と思うの
が当然です。

▼現象と本質について

「現象と本質」という、ギリシア時代からの考えの対立があります。現
象はわれわれが目にし、聞き、匂いをかぎ、手に触れることができるも
の。つまり五感の意識に対し「情報」になったものです。

他方、本質は、その現象の、真の姿を言うのが普通です。(注)フッサ
ールの現象学では、本質はない、本質は現象の中に現れていると考えて
います。現代哲学の主流の考えは、現象学の考えをもとにしています。


学生のころ、本を読んで、わけが分からず勉強したことです。
未だに、
・プラトンの言う本質論(観念論)が正しいのか、
・現象学であり、物を測定する科学にも通じる唯物論が正しいのか、分
かりません。

分からない理由は、われわれの「考え」がある(=存在する)からです
。考えは物ではない。形がない。コトバ、観念、想念、想像力です。愛
も感情も信念も、目に見えて触れることができる物理的なものではない
のですが、内感では確かに、存在します。これ以上言えば、本一冊に長
くなるのでやめます。

古来、世界の人類が追求し、考え続けていることですが、決着はついて
いません。たとえば、13億人のイスラム教徒(ムスリム)が、固く信じ
る神(アッラー)の存在です。

この神には、誰も、会った人はいない。つまり現象ではない。人の観念
(考え)の中に、存在しています。(注)実在だったマホメッド(ムハ
マンド:西暦570年~632年)は、神の言葉を預かった預言者です。神で
はない。

以上、現象と本質です。「美」も本質に属するものでしょう。「美しい
花がある。しかし美(そのもの)というものはない。(小林秀雄)」で
す。小林も、ここでは、現象学を言っています。美そのものは、考えの
中のものです。

▼マネーの本質は、危機のときに見える

歴史を周期的に襲う「危機(クライシス)」という時期があります。確
固たるものに見えていた既存のものが、つぎのものに向かい、壊れて行
く。

金融事業も含む、260万社のうち約1/3の会社、そして政府が、現在、
これでしょう。いずれも、壊れる原因はマネーの不足、つまり損失と負
債からです。

半導体のエルピーダの倒産は、シンボリックに思えます。今後数年(2
~5年)で、同じような会社が、多数生じるという意味です。

1/3が壊れるという理由は、260万社のうち72.8%(190万社)が税務
申告上での赤字だからです(国税庁:08年)。1年だけの赤字ではない
。長年の赤字法人が、190万社のうち100万社はあるでしょう。

100万社÷260万社=38%です。約1/3の会社が、今後つぶれるというだ
ろうという意味がこれです。

赤字の会社では、仕入代金、給料、経費を支払うお金が不足しています
。不足するお金を、銀行から借りるか、資産を売るか、経営者が出さな
い限り、いずれつぶれます。

金利を払う預金を使う銀行の貸付は、企業が黒字、あるいは黒字転化の
確実な見込みがないと、出すことはできません。資金が不足している赤
字企業からは、銀行は過去に貸していた融資残を、回収せねばならない
。もともとお金がないところからの回収です。

経営者が、個人資産からお金を出せない企業と、資産が多く残っている
ところ以外は、3年くらい赤字が続くと、よほどのことがない限り存続
できません。以上の意味での100万社です。

【返済猶予の特例は、2013年3月が期限】
特例の、赤字企業に対する中小企業円滑化法(中味は返済猶予)では、
286万件(実に多い)に対し、金額は73兆9121億円です。

一件平均で2600万円の返済が猶予されています。その間も金利はついて
います。中小企業は、社員・パート雇用の70%を占めます。

法人だけではなく、個人事業も含みますが。関東で120万件、中部で41
万件、近畿で34万件です。すごい数の会社が、返済猶予を申し込んで、
受けています(東京商工リサーチ)。2012年3月が期限だったのですが
、震災後で、とてもムリだと1年延長されたのです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111228-00000007-rps-bus_all

あと1年で、返済ができるように利益回復があるのかと言えば、ほぼ80
%の会社と個人事業においては難しいでしょう。返済猶予分を返すには
、利益しかない。どうなるのか・・・敢えて言いますまい。

わが国のGDPが増えない期間が、数年と長いと、このように、1/3の
法人が、近々、つぶれることになってしまうのです。

http://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2010/kaisha_hyohon/pdf/H21.pdf

▼中央銀行の、信用から生まれる紙幣

中央銀行は、「信用(=観念上のもので無形)という無から、マネーを
印刷」できます。法定通貨あるいは管理通貨、または紙幣ともいう。

紙そのものの価値(=印刷費)は、22円です(日銀)。この紙を、なぜ
、日銀券と印刷して、10000という数字を記すだけで1万円の購買力をも
つと人々が考えるのか? 

人々の観念上の(無形の)、信用があるからです。この信用は、他の人
が信用するから、自分も信用するという「信用の無限連鎖」しかない。
日本(共同体)を離れてアラブの村に持ってゆけば、円は信用されませ
ん。

日銀の白川総裁がついに言った「インフレ・ターゲット1%(目標)」
は、2つの意味をもちます(12年2月)。

(1)現在0%(前年同月比:11年12月:総務省家計調査)である消費者
物価の上昇が、1%になるまで、日銀が、政府から直接または債券市場
から国債を買い続け、紙幣を増加印刷して、政府と銀行に貸す。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001085751

(2)消費者物価が1%に達する気配が見えたら、今度は、買った国債を
債券市場で売って、銀行から日銀がマネーを吸収し、金融を引き締める
。インフレ・ターゲットは、物価が目標に達する気配になると、引き締
めをするということの宣言です。

現在、消費者物価の上昇は0%ですが、卸売り価格を示す企業間物価は
、すでに、1.7%の上昇です(2011年11月)。中長期で言えば、08年+
3.1%(原因は資源価格高騰)、09年-5.2%(原因はリーマンショッ
ク後の不況)、10年+0.7%であり、2011年は1.6~2.6%の上昇です
。(日経新聞、月曜の経済統計)

原油、LNG(火力発電に使う天然ガス)、金属、穀物を含む資源価格の
高騰があると、企業間物価はすぐ上がります。

企業間物価が1.7%上がっているのに、店舗の消費者物価が0%という
ことの意味は、小売業が、平均で1.7%昨年より高く仕入れたものを、
昨年と同じ売価で安く売っているバーゲンを示します。これは、長続き
はしません。

(注)今のところは、日銀の白川総裁は、米国FRB(バーナンキ議長)
のように、「インフレ・ターゲット2%とあからさまな嘘」を言い、同
時に「バランスシートの、時価の偽装」はしないと思えます。FRBの公
表バランスシートには、かねてより疑念があります。秘密裏にドルを刷
っているように思えるのです。
http://www.federalreserve.gov/releases/h41/current/

米国の消費者物価は2011年で+3.1%の上昇、2012年1月は+2.7%(
前年比)です。消費者物価が直近で2.7%上がっているのに、インフレ
・ターゲットを2%とすれば、FRBは金融引き締めを行わねばならない。


ところが、米国債と住宅証券(MBS)を、直接に、あるいは金融機関か
ら買い受けて、マネー印刷と金融を緩め続ける。これが、誰でも分かる
、あからさまな嘘です。

この嘘を言う理由は、米国の金融機関に、再び、08年9月のリーマンシ
ョック時期に似た、重大な資金不足が生じていることです。こうした事
情は、言うまでもなく、欧州も同じです。

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     <580号:日銀のインフレ・ターゲットと今後の展開>
                 2012年2月29日号

【目次】

1.米欧では、PIIGS債より、
        住宅ローン債権の下落がはるかに大きな問題
2.銀行・金融機関・ファンドが抱える不良債権の基本性格
3.PIIGS債に対するCDSが、
                 (事実上)無効化された(2011年12月)
4.日経平均の上昇は?
5.日銀のインフレ・ターゲット1%の本当の意味と、展開予想
6.展開の結論
7.政府は、ほぼ50%の国民からは、信用を失っている

【後記】

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■1.米欧では、PIIGS債より、
        住宅ローン債権の下落がはるかに大きな問題

▼米欧の、住宅ローン債権の大きさは、想像を超える

米欧の住宅ローン証券は、米国で1000兆円、欧州でも1000兆円と国債並
に巨大です。約200兆円のローンのわが国と、根本的に違います。米欧
の平均住宅価格は、2007年のピークの約50%に下がっていて、まだ底打
ちせず、下落しています。

推計で、米国で約500兆円、欧州でも500兆円分の住宅ローン債権が、住
宅価格が上昇に転じないと不良化に向かうという事情があります。これ
が、米欧の金融機関の、合計で1000兆円の「見込み含み損」です。

住宅証券の、売買市場の消滅がこれを示します。市場が消えているので
、時価も分からない。MBS(不動産ローン担保証券)の売買価格は、額
面の43%です(昨年のFT紙)。

これに対する、FRB、ECB、及び政府発表はない。従って、マスコミ報道
もない。日本のバブル崩壊期(1991年~1997年)に、不動産の値下がり
による金融機関の損失集計が、5年は遅れたことと同じです。そして、1
997年からの金融危機でした。

▼まだ、金融危機の第一幕に過ぎない

現在の米欧は、金融危機の第一幕(日本に対比すれば1995年頃の時期)
に相当します。回復には、今後5年間はかかるということの根拠がこれ
です。

端的に言えば、米欧は住宅価格が、上昇に転じる時期(ほぼ数年後、5
年か?)にならないと、金融機関の巨大損があるため、金融・経済の回
復はないのです。

▼危機の本命は、住宅ローン証券

住宅ローン債権の不良化に比べると、PIIGS債(約200兆円)の不良債券
の問題は、小さい。ここを見ておいてください。予想は住宅価格ですか
ら容易です。→S&P Case Shiller Home Indicesと入れて、googleで検
索してください。

サイト名を載せれば、以下のようにとても長い。インターネットエクス
プローラでは、アーカイブの階層が深いためか表示ができず、アップル
のサファリなら見えます。

S&P Case Shiller Home Indices

【ケース・シラーの住宅価格指数】
2010年の半ばは、FRBのマネー供給で若干回復したものの、2012年にな
って、平均住宅価格で、-4%の前年比に落ちています(全米20都市)。
英国を含む全欧の統計はありませんが、平均価格の動きは、米国とほぼ
同じと見ていい。

08年9月からの、米欧の金融危機では、以上の住宅価格が本命であるこ
とを認識しておけば、長期判断(向こう3年)で誤ることはありません
。

このため、2012年になってからの米欧の株価の上昇(約10%)は、ECB
が50兆円、FRBが(覆面介入で不明額)マネーを供給した過剰流動性に
よる一時的なもので終わります。

●1000兆円の住宅ローン債権の不良化という、埋めきれない落とし穴が
ある「藁(わら)の上」での、株価上昇です。この藁が、中央銀行のマ
ネー供給です。

2011年の夏には、「藁の上の回復だった」と言われたのですが、再び、
同じです。

ケース・シラーが示す住宅価格が、2年間に渡って回復(合計で15~20
%上昇)する時期が、本格的な回復です。向こう5年間はこれがないで
しょう。

2010年央のように、数ヶ月は上がっても、2012年のように下がれば、元
の木阿弥(もくあみ)です。

■2.銀行・金融機関・ファンドが抱える不良債権の基本性格

不良債権は、(日本の、バブル崩壊の時期のように)、いつも、現在進
行形です。このため、「現在の認識」は、最短でも1年後です。

▼飛ばせば・・・

加えて、金融機関は全部が、時価の損を隠すので(あるいは子会社に飛
ばすため)、数年間は分からない。

オリンパスのように10年、20年後に、隠しきれなくなって、露見します
。これが、不良債権の基本性格です。

対象資産が6京円と、世界の実物金融資産(1京5000兆円)の4倍に膨ら
んでいるデリバティブの損も、相手と談合し、決済期間を伸ばせば、隠
れたままにできます。事実、現在、この飛ばしが行われています。

各社から預かった2000億円の企業年金を、タックス・ヘイブン(租税回
避地)のケイマン島を本拠に運用し、ついに1800億円の隠しきれない損
が露見した日本のAIJ(投資顧問業)と似ています。

こうした損は、ひとりAIJのみではない。世界に8000本はあるファンド
の、ほぼ50%(4000本)に同じでしょう。AIJのような90%もの損とは
言いませんが、AIJだけが大損をするというようなことは、金融市場で
は起こりません。

毎日の市場でプレーヤーの50%が損をし、50%が儲けるのが、金融市場
です。世界のヘッジファンド(元本$2兆:180兆円)は、合計で、2010
年に対し2011年は6.3%の損をしています(英エコノミスト誌 巻末統
計)。

ヘッジ・ファンドの運用総額は、先物やオプションを混ぜて、10倍と低
く見たレバレッジ倍率としても、1800兆円でしょう。30倍や、国債の先
物では、最大で100倍のレバレッジを掛けるファンドも多くあります。

▼CDS(保証保険)の事例

デフォルト時だけではなく、債券相場の下落のときの、保証にも使える
CDS(債券の額面の回収を保証する保険:デリバティブの一種)は、金
融機関2社の、「相対(あいたい)」での取引です。株のように毎日価
格つく公開市場は、ありません。

(注)MBS(不動産ローン担保証券)、RMBS(住宅ローン担保証券)、A
BS(資産担保証券)、CDO(Collateralized Debt Obligation:債務担保証
券)も、保証し合う相対取引の性格は、CDSと同じです。

CDSの引受けでは、巨大損失を抱えた金融機関Aが、B行に対し、「決済
日の3ヶ月または6ヶ月延長(=飛ばし)」を申し入れ、B行が承諾する
ことが、日常茶飯事に行われています。

B行も、A行に対し、別のCDSで同じような損を決済せねばならないこと
が多いからです。

●中味の公開がない相対取引の、CDSがかかった債券は、世界で$46兆
(3680兆円)です。保険料の価値は、$1.3兆(104兆円)です。2011
年6月、国際決済銀行BISの集計です。

価値の$1.3兆は、債券額面に対し、[$1.3兆÷$46兆=2.8%]の
平均保険料がかかっていることを示します。

具体的に言えば、1兆円の額面の債券を保証してもらうのに、280億円/
1年を、保証を引きうける銀行・保険会社・ファンド(カウンター・パ
ーティーという)に払っているということです。

このCDSの全体をわかりやすく言えば、
・金融機関の間で払われた、期間1年の保険料が104兆円であり、
・3680兆円の債券の保証を引き受けている金融機関の保険料収入が104
兆円ということです。

この3680兆円(額面)には、世界の国債、社債、株、住宅証券などあら
ゆる、回収権をもつ有価証券が含まれています。一番大きなものは、国
債と住宅ローン証券に関連したものです。

●世界の金融機関で、保証保険のCDSだけも、104兆円もが受け渡しされ
ています。

このため米欧の金融機関の利益は、どんなに利益が上がったと言っても
「まるで信用ができない」。その裏には、3680兆円もの、バランスシー
トに表示されていない保証債務があるからです。

104兆円の保険料(保証期間1年)の支払いや受け取りに対し、主要銀行
の5000億円の利益などは、はるかに小さい。

CDSがかかった3680兆円のうち0.03%に過ぎないのが1兆円です。
この1兆円の保証債券が、デフォルトするだけで、突然、額面の50%つ
まり、5000億円くらいの支払義務が生じるからです。(受け取って利益
計上していた保険料平均は280億円です)

米欧の金融機関は、バランスシートには公開されない膨大な保証債務(
合計で3680兆円:世界のGDP 5000兆円の64%に相当)を負っています。
日本の金融機関も含まれますが、その額は、米欧に比べれば少ないでし
ょう。
http://www.bis.org/statistics/otcder/dt1920a.pdf

■3.PIIGS債に対するCDSが、
                 (事実上)無効化された(2011年12月)

事実を言えば、PIIGS債(事実上はデフォルトのギリシア債)に対するC
DSの決済は、EU政府の特別の要請で、発動されていません。

これは、CDSの決済日を、(いつまでかは不明ですが、目処がつくまで
は)延長したということです。事実上、永久無効化の宣言です。

このため、PIIGS債を数兆円もっていても、CDSを掛けているから安心と
していた金融機関とファンドは、パニックに陥りました。

これがユーロ債の投げ売りになって、2011年12月、1月のユーロ安(1ユ
ーロ95円:12年2月29日は108円付近)でした。

12年2月にユーロが上がったのは、EU当局が、欧州の銀行救済はどこま
でも行うと言ったことへの、市場の期待からです。

(注)本来、ECB(欧州中央銀行)がユーロを刷って貸すということは
ユーロの通貨価値を下げることです。ユーロ安の要因ですが、市場には
、それを考える余裕はないと思えます。

【相場の、約10%の上昇の原因】
ヘッジ・ファンドも、2011年に蒙っていた債券投資の含み損を埋めるた
め、
(1)株式先物での株の買い、
(2)通貨のオプション買い、
(3)資源先物買いを、発動しています。
このため、2月は日米欧の株価が上がり、再び資源価格が上がっていま
す。

WTI(ニューヨーク市場で売買されるテキサス産の、硫黄が少ない高品質
原油)は、12年2月1日は、$96付近でした(159リットル=1バーレル)
。2月28日は、$107付近です。1ヶ月で11%の高騰です。

これも、ヘッジ・ファンドの先物買いです。ほぼ3ヶ月の後の限月(げ
んげつ)までには、買い越しの反対の売りがあります。相場が3ヶ月サ
イクルで動くことが多いのはこのためです。

金も、1グラムで4889円(5%の消費税込み)へと、年初(1月19日:439
9円)に比べ、11%上がっています。これも、ヘッジ・ファンドの先物
買いと、中国政府(人民銀行)による買いのためです。

【救われた米銀】
米国の銀行は、PIIGS債のデフォルトがあると、決済すべき100兆円を抱
えています(事実)。100兆円は、米国の主要銀行の自己資本を、全部
、吹き飛ばす規模です。

額面100兆円のPIIGS債が、最終的に50%の清算価値に落ち着いても、50
兆円を米国の銀行が払わねばならない。

このため、EUと米国は、協調してCDSを飛ばしたのです。損をしたのは
、保険料を払いCDSを掛けていた欧州の金融機関です。

(注)PIIGS5ヵ国の国債残は、356兆円です。そのうち100兆円に対して
は、米銀(どこかは公開がないため不明)が、100兆円のCDSで保証を引
きうけています。残りの256兆円に、どれくらいCDSがかかって、どこが
引き受けているかは、欧州当局も、不明としています。

AIJも、PIIGS債の保証引き受けで保険料を受けとり、混じっているかも
知れません。CDSは、独立した金融商品として、PIIGS債の保有に無関係
な、日本の金融機関・ファンドも作成して売ることができます。

債券額面の5%の保険料(仮に10億円)で、100%の額面が保証されれば
20倍(200億円)になりますから、魅力と感じるところも多いのです。
これがCDSです。

▼保険料を払ってかけていたCDSが無効になって、
            PIIGS債のリスクにまともに晒された欧州の銀行

まさかのときのため掛けていたCDSが無効になれば、保険料を払ってい
た欧州の金融機関にとって、「たまらない事態」です。

世帯で言えば、突然に政府が、30年も保険料を払ってかけてきた生命保
険を、保険会社の救済のために無効とするという命令を発動したことに
等しい(事例)。

この政府命令で、欧州の金融機関は、急に、PIIGS債の下落損(約50%
)を、まともに損失計上せねばならなくなったのです。

米国の金融機関は、PIIGS債の保証をする必要がなくなって助かります
。しかし、他方では欧州の金融機関が、米銀の代わりに信用危機に陥り
ます。

米銀は、保険料(100兆円の保証債券に対し推計5兆円)の「まる得」で
す。この保険料5兆円が、米国の銀行の、2011年の利益として計上され
ています。5兆円は、銀行利益として計上されることが多い5000億円の1
0倍です。

米欧の銀行の損益計算書と、貸借対照表は、その内容が公開されない保
証保険のCDSと、他の、損失飛ばしもできるデリバティブ(MSB+RMSB+
ABS+CDO)によって、わけのわからないものになっています。日本の金
融機関は、米欧ほどではない。推計では米欧の銀行の1/3くらいでしょ
うか。

端的に言えば、利益も損も、「大きな嘘」です。
嘘も、皆が同時につけば、嘘でなくなると見なされます。

無謀なことを言っているように感じられる向きもあると思います。
しかし、以上に対し、「論理的に反論ができる金融機関」はないはずで
す。ただし、自行は該当しないと言えるところは、少数は、あるでしょ
う。

【現象】
このCDSの無効化のため、欧州ECB(中央銀行)は、
(1)欧州の金融機関に対し、2011年12月に、主にPIIGS債の下落損のた
め不足していた5000億ユーロ(50兆円)の緊急貸付をし、
(2)2012年に、PIIGS債と住宅証券で、追加の資金不足が生じれば、期
間3年間で、「いくらでも資金を出す」と、公言しています(2012年2月
)

【本質】
5000億ユーロは、欧州の銀行(91行)に2011年12月時点で必要だった金
額に見合うものです。つまり、決済を迫られていたということです。

2012年は、「無制限救済(=マネーをどこまで刷ること)」の宣言です
。かつて言っていた「2%のインフレ・ターゲット」はきれいに消えま
した。ユーロは、すでに、15ヵ国平均で2.7%のインフレだからです(
2012年1月)。

2%のインフレ・ターゲットなら、ECBは、インフレが2.7%なので、本
当は金融を絞らねばならない。(注)インフレ・ターゲットは、元来は
、高いインフレ率を抑えるための、金融引き締めでした。

ユーロ15ヵ国は失業が10.4%(11年12月)です。ギリシアは20.9%の
失業(日本の4.6%の5倍)で、スペインは22.9%です。イタリアは8
.9%です。失業が多く、世帯の賃金が下がるのに、店頭の物価は上が
るという最悪の経済になっています。

買っていた住宅と給料がたとえば10%下がるのに、店頭物価が平均で2
.7%上がる経済を想像してください。生活苦になります。このため、
幕末の一揆に似た暴動が起こっています。(注)日本の数年後でしょう
か・・・・

こうした中で、ユーロ当局は、金融危機を避けるためマネーを刷ってイ
ンフレ昂進策です。マネーを刷ってから、消費者物価までがインフレに
なるのは、普通、ほぼ2年後ですが(経済の歴史的な事実)、資源価格
の高騰が加わると、過去のオイルショック(1973年と1980年)のように
、数ヶ月と早くなります。

(注)わが国の1456兆円のマネー・ストック(2011年12月)は、現物金
融資産(金融機関と中央政府を除いて、民間がもつ現金+預金+投資信
託+国債+外債)を示します。広義の流動性とも言い、買い物や投資に
すぐ使うことができるマネーです。

これらのマネーが、名目GDP(467兆円:2011年12月:内閣府)に対
して3年分です。つまり、年間1/3回転(マネーの流通速度)です。こ
のため、中央銀行のマネー印刷が、民間のマネー・ストックを増やし、
それが実際に使われるには、1年はかかります。このため、資源の高騰
がないとして、ほぼ2年後からインフレになります。

【今後】
欧州のEU(経済連合27ヵ国)の金融政策では、各国の国会の承認が必要
になります。このため、「EU当局が、行うと言ったことも、実行ができ
ない恐れ」があります。(注)ユーロは、EU27ヵ国のうち17ヵ国です。


PIIGS国債への対策をシンボルにしたEUの金融対策が、この2年、矛盾し
たことを言いながら迷走しているのは、これが理由です。

「統一政府が計画は作ったが、主要国の国会承認が得られず実行ができ
ない」ということになることが多いからです。27ヵ国の経済連合である
欧州政府は、ねじれ国会を抱える連立政権のように、運営がやっかいで
す。

お金を出すことができる唯一の国であるドイツの国会は、PIIGSに資金
を貸しても、返ってはこないと反対しています。このため、最後の手段
、ユーロ中央銀行(ECB)のユーロ印刷になったのです。2011年の秋ま
で、ECBは、ユーロの価値を下げることになるPIIGS支援には、消極的で
した。

ねじれ国会と、民主党内の離反のため、言っても実行ができない日本政
府の、
・消費税の増税計画、
・及び社会福祉一体改革と同じだと言えば、わかりやすいでしょうか。


日本も、結局、日銀の「買い受け基金(65兆円枠)」による、株買い、
社債買い、そして国債買い(2012年の予定額40兆円)になっています(
2月14日)

消費税の増税(といっても、10%なら11兆円しか増えない)までつなぎ
でしょうか。

他方、政府の一般会計だけの赤字でも、1年に40~50兆円はあります。
消費税換算で言えば40兆円で33%です。増税恐慌になって、とてもムリ
です。

■4.日経平均の上昇は?

日経平均が、年初来ほぼ10%上昇した理由は、2つです。

(1)日銀の、「買い受け基金(現在は65兆円の枠)」による、覆面で
の株式市場への介入、つまり、価格維持作戦(PKO)、
(2)損失回復を目指す、海外ヘッジ・ファンドの、株価先物買い。

2012年1月、2月の主体別の株の売買を見ると、買い越しているのは、相
変わらず、ガイジン・ファンドだけです。

国内の投資家は、変わらず売り越しです。ガイジンの売買額が60~70%
を占めていて、日本の株価は、ヘッジ・ファンドが動かしています。
http://www.tse.or.jp/market/data/sector/b7gje6000000jkrj-att/J_stk2_120203.pdf

先物の買い越しは、限月(3ヶ月から1年内)までには、買いと同額の売
りになることに注意が必要です。

「押し目買いだ」と推奨する記事をインターネットで見かけます。押し
目買いとは、上昇傾向にある株(または他の相場)に、下がった時点で
、買いを入れることです。相場が少し上がると、いつもこうした書きこ
みが増えます。

株式投資と他の相場では、「誰が買って上げているか?」を常に見てお
くことが必要です。(注)国債相場も同じです。

買いの主が、海外ヘッジ・ファンドの株価先物買いなら、ほぼ3ヶ月後
(限月の平均)には、買いと同額の売りになることを注意せねばならな
い。

こうした、主体別の売買動向を無視し、価格変動の罫線だけを見た連れ
買いは、危険です。(注)買うなら、ヘッジ・ファンドと同時期でなけ
ればならない。先駆けねばならないのです。

株価を含む相場商品は、買いが増えれば上がる、売りが増えれば下がり
ます。価格の理由は、たったこれだけの単純なものです。従って、買い
の資金源と主体は何か、これを見ておかねばならない。

損をし続けていても、その後に儲かった。儲かった後が危険なのが、相
場商品の売買です。利益が出ると、普通の人間の共通心理(行動経済学
)は、また買いたくなるからです。

●相場の投機は、「捨ててもいいお金があるとき」、心に余裕をもって
、行うことが鉄則です。余裕がないと慌てて売買し、損をすることが多
いからです。

信用買いや余裕がないお金で損をすると、切迫した心境になって、リス
クを狙い、更に多くの損をすることが多い。相場は、自分の心理との戦
いです。

▼相場の真実

相場の真実を言います。

大きな金融会社で、普通の人より先に、多くの情報を得ることもできる
プロのファンド・マネジャーまたはトレーダーでも、
短期売買で1000回の売りと買いをし、
・550回勝って、
・450回の負けなら、大成功です。

逆に450回勝っても、550回負ければ、大きな損になり、時には解雇され
ます。50:50のギリギリのところで、運を天に任せると言える勝負を行
っているのが、プロフェッショナルのトレーダーです。これが真実です
。

2011年の、8000本のヘッジ・ファンドの合計損6.3%がこれを示す事実
です。(注)先物やオプションを使えば、全体相場が下がる時でも、利
益は得られます。全体の相場が下がったから、自分のファンドも損をし
たと言うのは、言い訳に過ぎません。

2011年だけではない。有史以来、常に、いつも(敢えてしつこく言いま
す)、プロが運用するというヘッジ・ファンドや投資信託の合計利益と
損は、相場の平均指数(日経平均やS&P500またはFTSE300)程度でしか
ない。

相場の平均より、年間を通じて20ポイントくらい高い利益を上げるファ
ンドも10本に1本くらいはありますが、その裏では、20%、30%損をす
るファンドが存在します。

こうした事実の中で、100回の売買で60回勝ち、40回しか負けないとい
うことが1年だけではなく、その後も続く本当のことなら、利益が喉か
ら手が出るくらい欲しいヘッジ・ファンドが、年収1億円、あるいは10
億円でスカウトに来るでしょう。

理由は、「60回勝ち、40回しか負けないこと」を何年も続けるのは、あ
り得ないことだからです。ごく稀に、単に幸運で、そうなる人は出ます
。

(注)勝ち負けは、相場の平均利益率(指数)に対してのものです。全
体相場が20%上がって、自分も20%の利益を出すのは、普通のことであ
り、勝ちではない。

売買の回数を増やすと、平均相場に対し、利益50%:損失50%に限りな
く接近します。

自分は特別の情報をもつという人もいます。その情報の出元を、調べる
と、どこかのファンドが「高く売り逃げる目的」で、情報源を隠して流
したものであることが多い。デマ情報も多いのです。

■5.日銀のインフレ・ターゲット1%の本当の意味と、展開予想

日銀が、2012年2月に過去の姿勢を転じたインフレ・ターゲット1%では
、「資産買い受け基金(65兆円枠)」での、40兆円の国債の買い(2012
年中という)が、もっとも注目すべきことです。

▼本当のことを言えば・・・

40兆円という金額を示したのは、国債で、40兆円の売り超を想定してい
るからでしょう。日銀がこれを買い受けしないと、国債価格が暴落し、
金利が高騰するからです。

【ガイジンによる国債買いという、異常な動きが続いている】
この決定の背景は、前号でも述べたように、2011年の特に後半に、ドル
債とユーロ債を売って、代わりに日本国債を大きく買い越したガイジン
・ヘッジファンドの、「異常な動き」があったからでしょう。

2010年まで、ヘッジ・ファンドが長期債でも利回り1%を下回り、短期
債(3ヶ月債)ではわずか0.11%しかない日本国債を買いこ越すことは
なかったのです。

買い超しの額は、債券では満期になった短期債の償還が混じるので、年
間売買額から推計するしか方法はありません。当方の試算では、30兆円
と見ています。(注)小さな記事の新聞報道では20兆円くらい。

【従来の常識は、すでに2年は古い】
従来の、日本国債の保有では、国内投資家(郵貯、簡保、銀行、保険会
社)が94%であり、ガイジンは6%に過ぎない。このため、ガイジンが
売り崩すことはできないとされていました。

この常識は、2010年までものです。2011年は、主体別に見た国債市場の
売買状況が、大きく変わっています。

▼最新のデータで見れば

手許に、直近の2012年1月の、「国債投資家別売買」があります。集計
したのは、日本証券業協会です。
http://www.jsda.or.jp/shiryo/toukei/toushika/tkbk/index.html

簡略化して示します。(2012年1月:「国債投資家別売買」:2月20日発
表)。大きく示すため、敢えて1000億円単位で四捨五入しています。元
資料は、上記でダウンロード(ファイルはエクセル)してください。元
の表は、分かりにくいものです。

【2012年1月:長短国債の、投資家別売買】
                     売り     買い          結果
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~   
国内金融機関合計   24兆円    36兆円     買い超は12兆円
ガイジン            8兆円    20兆円     買い超が12兆円
政府部門           35兆円    10兆円     普通は売り超になる。
仲介債券ディーラー 64兆円    63兆円     売買額は均衡する
その他              4兆円     0兆円     4兆円の売り超
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
合計              131兆円   129兆円     

(注)売りと買いの合計は、先月末日からの繰り越しと、次月への繰り
越しがあるため、上記のように1ヶ月で切ったときは一致しないことも
ある。

政府部門は、毎月、新規国債と借り換え債を売って資金調達しています
から、売り超になるのが普通です。ここが買い超になったときは、日銀
の、数十超円規模の買いです。

買い超は、国内金融機関が12兆円です。注目すべきは、3大メガバンク
(三菱、みずほ、三井住友)は、売りが15兆円、買いが14兆円です。も
っとも資金量が多い三大メガバンクは、昨年からすでに、
・保有国債を買い増ししない、
・むしろ売る側に回っています。

これは、今後も変わらないと見ます。

【国内金融の買い超は・・・】
大きな買い超で目立つのは、信託銀行(買い11兆円:売り4兆円:買い
超が7兆円)のみになってしまったのです。信託銀行は、金融機関、フ
ァンド、個人のお金を預かって、投資運用する機関です。

【ガイジン・ヘッジファンドの買い超が続く】
国内の買い手の穴を埋めるように増えたのが、ガイジン・ヘッジファン
ドの買い超です。2011年に続いて、2012年1月だけも12兆円を買い越し
ています。まだ、売りは8兆円と少ない。

ガイジン・ファンドの買いは、短期債(3ヶ月満期)がほとんどです。
長期債は買わない。国内の金融機関機関のような長期保有をする気はな
いからです。

■6.展開の結論

3ヶ月の短期債は、市場で売らなくても、買って3ヶ月後に満期が来たと
き、政府は現金で振り込まねばならない。ガイジンが新たに買い越しを
しないと、売ったことと同じになります。

もしこのガイジンが売り越しに転じたときは、大変です。
国内の金融機関の買いが、間に合わなくなるからです。
このため、日銀は、2012年に40兆円の国債を買うと宣言したのでしょう
。

以上の売買の実態は、言うことができないので、マスコミ向けの名目と
して「インフレ・ターゲット」を言ったとしか思えません。

米国ブルムバーグは、日本国債の売買状況を、毎月報じていますが、日
本の新聞は、報じません。日本の金融にとって、最大級の変化なのに、
です。記者が、知らないのでしょうか? 

資金不足から、1年に40~50兆円の国債を増加発行せねばならない財務
省は、ガイジンによる短期債の買いの動向に、もっとも懸念を抱いてい
るはずです。

●日本国債の買い超では、国内50%、海外50%になってしまったからで
す。2011年から、日本も、海外に50%の新規債を売らねばならない米国
と同じになってしまっています。

国会では、2012年度の政府予算案で与野党の合意がとれず、財務省は、
12年3月を過ぎると、後で承認をとる「暫定予算」で行くことに決めて
います。

本来は、11年の12月に、翌年度予算は決まっていなければならない。公
務員の給料、医療費、年金が払えなくなるからです。異常なことが、政
府予算にも起こり続けています。

●ガイジンが買い越した国債を、日銀のみが買い受けるという事態にな
るのはいつか? すごいことに、なってきました・・・・国内金融機関
の買いは、すでに、国債の売買額の50%に過ぎないからです。

1%の消費者物価のインフレになる前に、国債の金利が上がる感じがし
ています。2011年のユーロの次は、円になるでしょうか。
円の後が、ドルでしょう。

日銀が、売られる国債を買っても、市場が決める国債金利が下がらない
となると・・・・。想定される事態を書くのに、躊躇(ちゅうちょ)し
ます。

■7.政府は、ほぼ50%の国民からは、信用を失っている

消費税増税法案が、国会で通らない見込みがはっきりしたとき、ヘッジ
・ファンドは、PIIGS債で行ったように、日本国債の売り(現物売り、
空売り、先物売り、売りオプション)を仕掛けると想定できます。これ
は、金融の常識です。

日本にも、PIIGSと同じように、政府の政治的なリーダシップに無力が
あります。政治的なリーダシップは、政治家の資質ではなく、国民の支
持が与えるものです。

原発事故への政府対応で、コトバを失うようなひどい事態が、次々に、
明らかになっています。それとともに、内閣の支持率が下がっています
。

ただしこれは、すでに4月に、海外メディアは報じていたことです。当
方、3.11直後、いろいろ調べて8通くらいの緊急号を書きましたが、内
容を大きく修正すべき点は、見あたりません。細かい数値の間違いはあ
ります。

国内の主要マスコミは、政府・東電が言うことを、書くだけでした。こ
うして、国内の主要メディアも、国民からの信用を失ったのです。

他の人のように、御用マスコミとまでは言いませんが、3月からほぼ8月
頃まで、第二次世界大戦のときのように「大本営発表」を載せるだけに
近かった。部隊の壊滅が退進や転進であり、戦果は常に誇大でした。コ
トバを言い換える・・・。

改めて思います。3月初春の、偏西風に助けられた。そして事故は、奇
跡的に、本当にギリギリのところで、蒙古襲来のときの神風が吹いたか
のように、3000万人が避難すべき最悪(政府の言)が避けられています
。

誰でも知っていることですが、首相が昨年末に言った、「冷温停止で事
故収束」はまるで嘘です。

【2年以内の、4号機の危険】
格納容器の外にある、使用済の核燃料(1331本:原発一基の2.5倍)の
プールに、亀裂があるとされる4号機には、度重なる福島中通りの余震
(震度3や4)からの、危険が残っています。

もっともひどく建屋が飛んで、骨組みになった4号基の水素爆発以後、
実際に、どの程度補強され、どれくらいの地震なら倒壊せずにプールを
保ち、大丈夫か、明らかにされていません。福島に大きな余震がないこ
とを祈るだけしかできない。

ある人からは、4号機のプールは、下部の柱の支えも弱くなっていて、
ほぼ宙ぶらりんと言える状態と聞いています。東電がはっきり言わない
ので、事実は分からない。記者の質問もない。東電は、補強が完了と答
えるだけです。福島の4基全部について、現在の耐震の数値がないので
す。

万一、爆発後1年での、どこかのコンクリートの劣化から、弱い余震の
重なりであっても倒壊すれば、重金属の鉛のような重さの核燃料が地面
に散らばり、冷やせない。

こうなると、誰も近寄ることができない高い放射線になって、作業員も
逃げるしかない。一刻も早く、クレーンを作り、1331本の燃料を取り出
し、鋼鉄の容器(キャスク)に収めねばならない。今後の2年間、大き
な余震がいつくるか、まるで予測不能だからです。

東電が12月21日に公開した中長期ロードマップ(収束計画)では、4号
基の使用済み核燃料を取り出すのは2年以内というあいまいな表現です
。まだ、時期はあいまいにしか言えないことを示しています。2ページ
目の右に示された図面にプールの下部がない。肝心なところが不明です
。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/111221c.pdf

この国は、危機では神風が吹くのか・・・国債の危機での神風はあるの
か。あるとすれば何か?

【後記:案内】
2月28日現在、東京講演の申し込みは、約180名と聞いていますので、ご
報告します。会場の席は、広くとるつもりです。明日、東京出張なので
、会場で、運行次第の打ち合わせをして来ます。

当方にも来た、申し込みメールのコピーを見ると、この有料版の読者の
方々が、最も多い感じです。多くの質問はほぼ共通です。今作っている
レジュメ(現在約30ページ)に盛り込みます。50ページを超える感じな
ので、資料編も作ります。

タイトルは『2010年代の、金融と経済そして個人の生き方』にしました
。 日頃はメールだけですが、お会いできるのを、楽しみにしています
。

それと、会場での講演の録音・録画は、個人使用の目的ならOKです。

●期日と時間:2012年3月9日  午後6時30分開演~9時終了予定
会場:サンケイプラザ3階会議室:東京都千代田区大手町1-7-2
      (地下鉄 大手町駅 徒歩1分:東京駅からは徒歩5分)
会費:1万円 (上記会場の受付で 申し受けます:領収証発行)

●申し込み方法:メール
  宛先:  nakajima@keymannet.co.jp

アマゾンでは、三刷りが、昨日は欠品直前でほぼ10冊でした。
2月24日にあがった4刷りで、やっと間に合いました。

アマゾン(紙)            : http://www.amazon.co.jp/
紀伊国屋Web(紙+電子)  : http://bookweb.kinokuniya.co.jp/
楽天書店(紙)            :http://books.rakuten.co.jp/
廣済堂bookgate(紙+PDF版): http://www.bookgate.info/
セブンアイネット(紙)    :http://www.7netshopping.jp/books/

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【ビジネス知識源プレミアム・アンケート:感想は自由な内容で。
以下は、項目の目処です】

1.内容は、興味がもてますか?
2.理解は進みましたか?
3.疑問点、ご意見はありますか?
4.その他、感想、希望テーマ等
5.差し支えない範囲であなたの横顔情報があると、今後のテーマ
と記述の際、より的確に書くための参考になります。

気軽に送信してください。感想やご意見は、励みと参考になり、うれし
く読んでいます。時間の関係で、返事や回答ができないときも全部を読
みます。共通のものは、後の記事に反映させるよう努めています。

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てないか調べてください。ほとんどの原因は、クレジットカードの期限
切れです。お手間をかけますが、「新しい有効期限とカード番号」を再
登録してください。月初めからの分の再送を含み、再び届きます。
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。該当のメールにカーソルをあてて右クリックし、出てきた迷惑メール
の項で「送信者を差し出し人セーフリストに追加」すれば、元に戻りま
す。
(以上)



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