2022年9月から第二のリーマン危機
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本稿は、日曜増刊として有料版、無料版共通とします。有料版の正
刊は、水曜日に送ります。<Vol.1269:9月21日:2000年代の政府経
済政策の誤りを正す(後編2):生産性を2倍に上げる方法>です。

【株価と通貨の予想】
株価や通貨の予想は、要因であり難しい。機関投資家に重視される指
標も市場の集合知として変化していきます。例えば現在の「円/ド
ル」では、日米の金利差(イールド)と、日本の貿易赤字(8月は-2.
8兆円)が円安の2大要因です。

ところが「スイスフラン/ドル」では、米ドルとの金利差は大きな要
素ではない。スイスの経常収支(所得収支+貿易収支)が530億ドル
(7.5兆円)とGDPの6.3%と大きいからです。ドル/円は、金利差
と貿易赤字の複合から140円台の円安になっています。

金利が-0.2%と日本より低いスイスフランは「唯一の安全通貨」とし
て、海外から買いが多い。年初の120円から、現在は148円へと23%上
がって、米ドル並の上昇を示しています。
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/data/chf.html

株価や通貨では、重視される指標の変化を予想できないと、価格予想
が当たる確率は低い。しかし、米国住宅価格は住宅ローン金利との単
純な関係で、1年以上先までの理論価格の予想が可能であり、予想は
容易です。

【米国の住宅ローン金利と金融危機】
結論を先にいえば、米国は2007年からの住宅ローンのデフォルト率上
昇が発端だったリーマン危機(=2008年9月:金融危機)になる可能
性が極めて高い。債券価格と株価の下落(=金利上昇)とも重なりま
す。

不良債権の規模は、リーマン危機(200兆円)の、2倍から3倍になる
でしょう。9月の住宅ローン金利が、3%の2倍の6%に上がって、1年
後の米国金融危機は、80%確定したように思えるのです。ボクシング
世界選手権での、勝者/敗者の予想の8:2と同じです。

(米国の住宅ローン金利の上昇)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-15/RI98U5DWX2PS01

住宅ローン金利は2021年には3%でした(30年固定金利)。現在は6%
台です。7000万円借りたときローンの支払額はどう違うか。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-15/RI98U5DWX2PS01

7000万円    元利合計支払い  支払総額    倍率
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
金利3.0%・・・月額295,122円    1億 624万円  1.51倍
金利6.0%・・・月額419,685円    1億5108万円  2.16倍
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
          142%      142%
(住宅ローン返済シミュレーション)
https://loan.mamoris.jp/repayment.asp#result

2021年までの住宅ローン金利は3.0%と米国では低い水準でした。低
い金利を条件にして、住宅価格は年20%の高い上昇率を示してきたの
です(2021年、22年)。

米国では、1軒の平均居住期間は10年と短い(日本は30年)。30歳以
降4回から5回住宅を買い換え、個人資産を増やしていくライフプラン
をもちます。日本では、資産バブル崩壊の1990年に壊れた方法です。

米国流なら2年で、当方も買い換えの時期になりますが、その気はな
い。米国に住む親族は「2年前に買った住宅が上がった(+40%?)」
と喜んでいます。「ローン金利が2倍以上に上がるので、来年の秋か
ら、下がるよ」というと、「そんなことはない」と答えるでしょう。
委細を凝らしていうのも無益なので、言いません。

株式や通貨の投資家に対しても、同じです。「上がる」と思い込んで
いる人に「***の理由で下がる」といっても、無意味です。

人は、投資、買いもの、学習についても自分がコミットしたことに都
合のいいことしか、受け入れない傾向をもっています。

【ヒューリスティックな認識と判断】
2022年の米国は8%台のインフレ(住宅価格は20%上昇)ですが、賃
金も上っていて景気がいい。バブル崩壊の前は、いつでも、景気がい
い。

人々の意識では、過去のたくさんの経済指標から要素を割愛して、直
感的な固定観念(経験則ともいう)を作るからです。実験の経済学で
ある行動経済学では、これを「ヒューリスティック」といっています。

日本語にしにくいのですが、自分の経験則による判断。

経験は、過去のものです。過去の経済指標の動きにとらわれ、新しい
変化を入れない傾向があるのが経験則です。

新しい現象の受け入れのとき、どこかが間違っている、あるいは偶然
だと拒否します。現象になる事実には、間違ったものや原因のない偶
然はない。

事実や現象の発生を偶然と見るのは、人間の観念です。交通事故すら、
偶然ではない。人間が、その複雑系の現象の原因と蜘蛛の巣のような
関連を、究明できていないだけです。

かつてなかった超大型の台風(最高風速75m)が、鹿児島を襲ってい
ます。九州を縦断し、中国地方に回り、本州も縦断する予想です。無
駄な被害を受けないため対策を怠らないようにしましょう。
3時間毎くらいに、携帯電話での警告が続いてます。

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<Vol.1268:日曜増刊:2022年9月から第二のリーマン危機>
     2022年9月18日:有料版増刊・無料版共通

【目次】

■1.「ヒューリスティック」な判断
■2.リーマン危機のあとの、米国住宅価格の再びの高騰
■3.2006年からは世界の金利が上昇し、住宅価格がピークアウト
■4.住宅価格が下がると、
       米国の1500兆円の住宅金融に何が起こるか?
■5.補足情報:中国の住宅価格低下
■6.住宅価格下落の、ローン担保証券の価格低下への波及
■7.リーマン危機の対策
■8.2013年からの米国住宅の高騰(140→310:2.2倍)
■9.第二のリーマン危機への対策はFRBのマネー増刷しかない
■10.ドルが暴落すれば、日本は回復不能な損失を被る

【後記】
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■1.「ヒューリスティック」な判断

経済は、気象のように、常に新しく変化します。今回は、「インフレ
と金利の上昇」という過去40年の動きにない変化ですから、人や市場
のヒューリスティックな判断は、大きく間違えます。

ヒューリスティックな判断の集合が市場にもたらすものは、
・株価や資産が非合理な価格に上がるバブルの形成(空気)であり、
・ピーク付近で臨界点に達したあとの崩壊です。

ヒューリスティックな判断を、経済的な論として書くのが、新聞であ
り、新聞記事に基づいて、声高に言うのがTVメディアでしょう。

新聞やTVの論は、「共同幻想的」です。安倍元首相暗殺事件に関連
する報道は、どこかが意図して作り、横並びで追随するメディアが合
奏して作った共同幻想の一例です。

銃撃の物理的な事実とは、異なっています。新聞記者は、総じて文字
とコトバで理解する文系です。ヒューリスティックな判断には強い。
銃と弾道の科学、数学と物理には、弱い。

数理経済の数学や標準偏差、ボラテリティ、オプション料、証券の統
計学的な数理であるデリバティブも、理解の彼方です。

弾道と銃弾の物理学がないため、記者は、シナリオ作りの現場検証に
加担した奈良県警にごまかされているようです。

90m先の、駐車場のALCのコンクリート壁に、パチンコの玉状の銃弾
(直径約10mm)が、きれいにめり込むわけがない。万一めり込んでも、
穴の周囲が崩れます。

鋭利な高速ダイアモンドリルで穴をあけ、その後に丸い弾を埋め込ま
ないと、周囲の角が90度のきれいな丸い穴はあかない。

亜音速で当たった銃弾なら穴の周囲は崩れるか、脆いコンクリートの
粉塵の爆発で、はじけ飛ぶでしょう。穴の体積のコンクリート粉は、
どこにいったのか。コンクリートの砕片は、埋まった玉の先に圧縮さ
れ、その体積がなくなることはない。

駐車場の壁の「銃弾の穴」を見ただけでも、奈良県警の嘘(作りも
の)が分かります。実験をすれば、一瞬で分かることです。

自宅駐車場のコンクリート壁に電動ドリルで穴をあけた経験から言っ
ています。直径10mmの穴でもびっくりするくらいの量のコンクリート
粉が出ます。写真では、穴の体積のコンクリート粉がどこに行ったの
か不明です。

銃弾の周囲には、銃弾の衝撃で粉砕されたコンクリート粉が、外に出
る隙間はない。周囲に0.1mmや0.2mmの隙間もなく、きっちりとパチン
コ玉が埋まっています。

コンクリート壁に激突した銃弾の痕跡としては、物理的にあり得ない。
粘性のある木材であっても丸い穴があいて、そこに弾がきれいに埋ま
ることはない。
(奈良県警が開示した毎日新聞の画像)
https://mainichi.jp/articles/20220714/ddm/041/040/120000c

県警の記者クラブの新聞社は、事件以来1回も、記者会見の要求すら
していません。「奈良県警の意図のあるリーク情報」を事実に照らし
てチェックするもことなく質問もせずに垂れ流しています。

銃撃の原因は「統一協会の霊感商法だった」という、誰かが創作した
シナリオです。山上容疑者の留置場での供述は、奈良県警しか知らな
い。本当に、リークのように述べたのかは、まだ不明です。

米国大統領選挙(2020年)、コロナのパンデミック(2019年~)、ワ
クチン、クライナ戦争(2022年2月~)、安倍銃撃事件(2022年7月)
のすべてにおいて、事実と正義を求める「調査報道」のジャーナリズ
ムの精神が失われ、党派の利益を目的にした「プロパガンダの機関」
になったのが、西側世界の大手メディアです。

現在は、国民の統治が目的の、政治的なフェイクを流すプラウダや人
民日報、北朝鮮放送と同じになってしまったのです。

根本の理由は、インターネットによる読者数、視聴者数の減少により
経営の維持が苦しくなったことです。

米国メディアの株主は、全部が、ウォール街の金融資本になってしま
った。一例は、クオリティペーパーとされながらプロパガンダのニ
ュースが増えた「ワシントン・ポスト紙」の2013年からのオーナーは、
アマゾンを引退したジェフ・ベゾスです(トランプとは敵対:買収額
2.5億ドル:355億円)。

メディアと放送局の資本は小さい。株価時価総額が100兆円以上のビ
ッグテックの金融資本なら、お小遣いで、買収できます。買収の後は
「情報の方向の監視(検閲)」です。

端緒は、1980年代のメディア王ルバート・マードックでした。1990年、
2000年、2010年、2020年と、金融資本による、SNSも含むメディア支
配は強化されています。

■2.リーマン危機のあとの、米国住宅価格の再びの高騰

https://fred.stlouisfed.org/series/CSUSHPINSA
↑
このグラフは、全米20都市の平均住宅価格を、2000年を100として、
指数化したものです(もっとも信頼できる価格指標)。

1980年から2000年の20年は、「60→100」であり(平均年率2.5%の上
昇)、消費者物価CPIの上昇率と同じでした。住宅価格の目立った上
昇はなかった。それ以前も、同じ傾向です。

2000年まで、米国の戸建て住宅の平均は1500万円くらいでした。資産
バブル崩壊後の日本(2500万円)より、面積は約2倍広くても安かっ
た。

【2000年から2006年の住宅価格高騰=1.85倍】
2000年の100から2006年は185に急騰しています(年率上昇11%)。上
昇率が、平常期の2.5%/年から、11%の異常値に上がっています。

この原因は、
(1)低所得者(移民労働3000万人)でも住宅を買えるように、政府
がサブプライム・ローンを作った。

これはプライムローンにはない、変動金利でした。1年や1.5年は、利
払いやローン返済をなくし、あとで、高い金利になるものでした。
「サブ」には固定金利のプライムローン(最優遇ローン)ではなく、
貧しい人が利用するという軽蔑の意味があります。

2001年の9.11(同時多発テロ)以降、政府が認めた新しいサブプライ
ム・ローンによって、住宅購入が急増し(5年で1000万軒の超過需要
が発生)、2000年までは安かった住宅価格は、1年平均で11%上がる
ようになったのです。

しかし、あとで返済が重くなるサブプライム・ローンでは、数年後の
デフォルトが増えます。これが、2006年から起こったのです。

【ノン・リコース型の住宅ローン】
米国の住宅ローンは、1929年の大恐慌時の、多くの人が住宅を失った
ローン破産以来、ノンリコース型(非遡及型)です。ローン返済の債
務者への遡及がない。(注)日本のローンは、住宅を明け渡しても、
残額のローン支払いが債務者を追う遡及型です。

債務者がローンを払えなくなると、普通は3か月で「抵当流れ」にな
ります(Foreclosure)。住宅価格が上がっているときは、ローンが
デフォルトしてもローン会社の損はない。

改装を施せば、抵当権より高く再販売ができるからです。これが、住
宅価格が年10%上がっているときはうまくいく「サブプライム・ロー
ン」だったのです。

サブプライム・ローンの設計者(銀行)は、米国の住宅価格は、永遠
に上がるという前提で、このローンを作ったのです。ウォール街がロ
ビー活動をする政府もそれを認めました。

■3.2006年からは世界の金利が上昇し、住宅価格がピークアウト

2006年4月には、まず日銀が、1998年のアジアと日本の金融危機のあ
との、ゼロ金利を停止し、利上げをしました。経常収支が30~40兆円
の黒字だった日本は、赤字の米国にマネーを供給していした(ドル国
債の買い、社債の買い、ドル預金)。経常収支の赤字とは、米国のマ
ネー不足を示します。

日本の銀行は、買ってきた円国債がゼロ金利なので、金利が4%から
6%の、米国住宅ローンの仕組み債(MBSやCLO)を、大量に購入した
ので。

【偽装的な格付け:格付け機関の堕落】
米国住宅ローン証券は米国債並の信用とされ、格付けはAAAだったか
らです。(注)リーマン危機で、半額以下に下がりました。

「金利が高い債券は、どんなに複雑に仕組んでもリスクも高い」とい
うのが、金融の基本原理です。

ところが日本の金融機関は、「債権の上に作った債権であるMBSや
CLO(AAA格)」は、値下がりがないと米銀に言われるままに、その仕組
みを知らずに、買っていたのです。

21世紀のデリバティブへの「金融の数理的リテラシー」がないのが日
本の銀行でした。現在も弱いでしょう。国内の預金が集まってきたか
らです。運用の50%以上は安全資産とされる国債です。銀行マンは、
金融の数理を学ぶ必要がなかったのです。

過去の仕事からの経験知で、ヒューリスティックな判断をしていたの
です(米ドル、ドル国債、円国債に対する態度は、現在も同じです)。

PER80倍の日経平均に、米国の投資銀行が売りオプションでバブル崩
壊を仕掛けた1990年には、オプション取引も知らなかった。
日経平均株価のPERが80倍(妥当値は15倍)でも、国内投資家には、
バブルと認識されていなかったのです。

米銀は「日本人の認識の穴」を狙って、日本株を持っていなくても実
行できるプット・オプション(売りオプション)と、先物売りを大量
にしかけて株価を下げ、値下がりの利益を米国に持ち帰ったのです。
原因は、日本の銀行の、デリバティブへの金融リテラシーのなさでし
た。日本人には、「なぜ株価が下がったか」分からなかったのです。

過去20日間の株価と金利の標準偏差をとったボラティリィティの計算
であるブラックショールズ方程式などは、理解のはるか彼方でした。
これは、「2×日次売れ数の標準偏差×√(期間)」である商品仕入
れの安全在庫の近似値です。

【2006年4月~】
2006年4月の、米国金融にマネーを提供するアンカーだった日本の金
利上昇をきっかけに、米国の金利も上がって、さすがに、米国住宅
ローン担保証券の買いは減りました。

米国では、フレディマックやファニーメイ(政府系の住宅ローン会
社)が発行する住宅ローン担保証券を、投資銀行が仲介し、国内と海
外に売ってマネーを調達し、住宅ローン資金として供給します。

米国債とAAA格の住宅ローン担保証券は、銀行と債券の格付け機関の
癒着(共同利益)のため、区別されていなかったのです。大きな金融
には「詐欺的な要素」があります。もともと中央銀行による「国債を
現金にするマネタイゼーションでの信用通貨の増発(MMT=現代貨幣
論)」が詐欺的だからです。

◎金利の上昇から、住宅ローン担保証券の、米国と世界の金融機関の
買いが減ると、新規の住宅ローン資金が減ります。

このため、2006年まで、年率平均11%で上がってきた米国住宅価格は、
大恐慌の1929年以来、77年ぶりに、ピークアウトしました。

2000年からは毎年11%上がって、6年後に下がったのです。これが経
験知(ヒューリスティック)にはない米国住宅価格の新現象でした。
リーマン危機は、金融関係者の誰も、予想できなかったのです。

■4.住宅価格が下がると、米国の1500兆円の住宅金融に何が起こる
か?

前述したように、米国の住宅ローンは、住宅(モノ)に貸し付けるも
のであり、債務者(ヒト)には遡及しない「ノンリコース型」です。

【事例】住宅ローンの残高が7000万円あり、その住宅の転売価格が
6500万円に下がると、債務者は、どう判断するか。

住宅価格の下落の損が、(日本のように)債務者ではなく住宅ローン
会社に行くのが、ノンリコース・ローンの仕組みです。

日本では、ローンを借りた個人が下落損を被(かぶ)ります。銀行は、
ローンをつけた住宅価格が下がっても、損をしません。債務者が死亡
したときは住宅ローン保険がおります。

【住宅価格が、金利の3%以上上がらない時期には・・・】
「ローン7000万円の返済+金利分」を残った期間の25年支払わねばな
らない。金利が3%と低くても、住宅価格が3%上がらない時期には、
資産運用の観点では、利払いが損になります。
住宅価格が下がれば、元本の損です。

個人の合理的な対策は、
・ローンを意図して支払わずに住宅を明け渡して、
・価格が下がった新築や別の中古住宅に、買い換えることでしょう。
これで、自己資産を増やして行くのです。

米国では、木造住宅でも寿命は60年。日本の2倍であり中古物件の売
買(1年600万軒)が、新築より約4倍多い(新築の戸数は155万軒:
2022年)。日本では新築が80万から100万戸、中古物件の売買は160万
戸くらいと少ない。

こうして、米国では住宅価格が上がっていた時期のローンに、デフォ
ルトが増え、抵当流れの転売価格も下がっているので、住宅ローン会
社と銀行は損が大きくなります。これが、不動産価格下落が金融危機
になっていく仕組みです。

サブプラムの安直なローンで、2006年まで上がってきた米国の住宅価
格は金利が上がった2006年から、2008年9月からのリーマン危機を経
て、2012年の5年間には逆転し、ピークの180から140にまで下がりま
した。

5年で-22%、年間では、-5%でした。1年に11%上がっていた住宅価
格が-5%ですから、下落幅は16%と大きい。

■5.補足情報:中国の住宅価格低下

これは2022年現在の、中国の住宅価格に似ています。

中国は「生産年齢人口(15歳から64歳)の減少」から、住宅バブルの
崩壊期に入っています。株価暴落のあと1992年からの、日本の不動産
バブルの崩壊に似ています。日本の住宅価格の下落も、住宅を買う
30歳から40代の人口の減少(=住宅需要の低下)から起こったのです。

一人子政策のため、中国の生産年齢人口は、現在9億8913万人(2019
年)に、減っています。2013年は10億582万人でしたから、1669万人
減です(-1.6%)。今後も、2030年の9億6000万人に向かって、中国
の人口減少は、加速します。
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=67238?pno=2&site=nli

生産年齢人口の増加は、新規の住宅需要の増加です。住宅価格を上げ
ます(中国では2010年まで)。生産年齢人口の減少は、住宅の構造的
な要因での、需要減です。供給力>需要力になって、住宅価格の下落
になっていきます。

中国では、注がれたマネーが大きいので、住宅価格が下がると、住宅
市場が大きな米国のように、金融危機になっていきます。

中国では、GDPの中の住宅建設(購入)が、30%と世界1大きい。
不動産の建設投資全体のGDP比は、異常に大きな50%です。

中国のGDPの8%/年以上の成長は、世帯と企業の旺盛な不動産投資
が、作ってきたものです。都市では、摩天楼に見まがう高層のオフィ
スビル、高層マンションだらけです。(注)この面での世界1は中東
の金融都市、ドバイでしょう。行くと驚愕します。砂漠を灌漑して作
った土地の、戸建ての住宅は、まさに邸宅(マンション)。中東原油
と世界の富裕者が、住宅を買っていま。

現在、中国の賃貸不動産投資の利回りは、1%に低下しています。一
方、不動産、商品、ホテル代が安い日本では、オフィスと住宅の賃貸
物件の投資利回りは、4%から5%あります。中国から日本の不動産購
入が多い理由がこれです。

中国の地図で見ると、日本は、淡路島や沖縄くらいの島国に見えるの
です。奈良・平安時代は、遣唐使が貢ぎ物をもっていって、朝貢外交
をしていました。

中国の不動産では、内装のない半完成のとき、躯体を売る習慣です。
価格が下がるとローンが続かず、至る所に、未完成の「鬼城」が増え
ます。夜中も電気がつかず、幽霊が住むのが鬼城です。政府の住宅価
格統計には、鬼城の値下がりは抜けていて、底上げされています。鬼
城はいかにも中国的。住宅会社の恒大集団(負債35兆円:売上9兆
円)にも、開発途上の鬼城が多い。

未完成住宅のローン未払いは52兆円分という(実際はこの数倍か?)。
住宅ローン残高5.8兆ドル(823兆円)のうち、15.7%(117兆円)が
現在、実質的な住宅ローン関連の不良債権という(野村総研:木内登
英氏)。

2022年から、住宅価格が下がっていくと、不良債権は150兆円、200兆
円と増えて、金融危機に発展します。世界の金利が上がっている現在、
中国だけが、住宅価格が上がる要素はない。

◎中国の現在は、生産年齢人口が減って、金利が上がった日本の
1992年と同じです。

日本では株価が1990年から、不動産バブルは1994年から崩壊し、日銀
が0%に下限利下げをしても、90円台から、GDPの成長率はゼロに陥り
ました。

【日本のゼロ成長経済】
日本のGDPの期待成長率は、0.5%や1%未満と低い。借入金での設備
投資は、減価償却費(設備と機械の劣化分の経費100兆円)以下の80
兆円に減って、ゼロ金利マネーが日銀当座預金に豚積みされるように
なったのです(流動性の罠の状況)。GDPが伸びず、インフレ率も
低い国では、流動性の罠は、金融合理的です。

現金のまま滞留し、使われない状態が、流動性の罠です。日銀が、
2013年から、国債を現金化して、日銀当座預金を500兆円以上に増や
しても、設備投資の借入金は増えず、現在に至っています。

根本は、2060年までの人口減(特に生産年齢人口の減=0.6%/年)か
ら、実質GDPの期待成長率が1%以下と低いことです。経済を成長
させるのは、人的生産性を上げる、新しい設備投資、機械投資、IT投
資です。

小売業も、25年で寿命が来る既存店(100店のうち4店/年)を、設備
更新しながら、新店の出店がないと売上は増えない。工場でも、生産
設備や新鋭の機械の拡充がないと、生産は増えません。

減価償却費(100兆円)以下の設備投資が30年も続き、日本の工場、
店舗、オフィス、旅館、機械、コンピュータ、アプリは劣化していま
す。シャッター通り商店街と、850万戸の空き家がその象徴です。

日本で唯一、設備投資が多かった東京都も、安倍元首相亡き後、置き
土産の賄賂疑獄が明らかになっている東京オリンピックを最後に、人
口減に入りました(3万4400人/1年)。

東京は1人住まいが多いので、空き家換算では2万戸以上でしょう。神
話の中の東京不動産の、歴史上初めての転換点です。

空き家が増えると、平均的な住宅価格は、東京であっても上がらなく
なります。大阪府の人口減は2万5700人/5年です。ローン金利1%でも、
同じ面積の住宅価格は、下落しています。価格の上昇は住宅面積の増
加分です。

■6.住宅価格下落の、ローン担保証券の価格低下への波及

米国には、住宅価格の下落が、銀行の債権資産を直撃し、金融危機に
なっていく構造があります。

リーマン危機のときの住宅ローンは1000兆円(日本の3.5倍)でした。
ローンは数百戸分が合成されて、MBSのデリバティブ証券になって
いました。

現在も同じです。フレディマックやファニーメイが住宅ローン証券を
作り、国内の金融機関、海外の金融機関が、米国債と信用が同じもの
として買う。住宅ローンは銀行資産になっているのです。

住宅価格が180から130へと28%下がったリーマン危機のときは、住宅
ローンのデフォルトが増え、AAA格だったMBSは、60%の価格に下
がりました。

「住宅ローン証券1000兆円×40%=400兆円」が銀行の不良債権にな
ったのです(政府発表では最初100兆円、後に200兆円)。

どの政府も、信用危機の回避のため、銀行の不良債権は50%以下に小
さく、発表します。

日本の金融危機のとき(1998年)、当方が試算した不良債権は200兆
円でしたが、金融庁と竹中大臣は、100兆円としか言いませんでした。
200兆円と正直に言えば、全国の銀行で預金取り付けが起こり、いつ
でも預金を引き出せる信用が基盤である銀行システムが崩壊したから
です。

米国金融の自己資本比率は、日本銀行の約半分の5%台です。信用創
造のレバレッジが、20倍です。400兆円の損失が生じると、約200兆円
の債務超過になります。銀行が債務超過になると、何が起こるか。

【レポ金融の停止】
レポ金融(債権担保の短期借り入れ:日本では、売り現先=短期借り
入れ)の停止です。A銀行が債務超過になると貸したB銀行は、レポ金
融を1週間や2週間後の満期に、回収しなければならない。

債務超過になったA銀行相手のレポ金融(短期貸し出し)は全部が停
止します。A銀行は、約2週間で、支払いと返済ができなくなる。

レポ金融で貸したB銀行は、マネーが回収できなくなる。米国の全部
の大手銀行は、縦横にレポ金融でつながっています。

2008年9月には、保証保険のCSDの引き受けが大きかった投資銀行
5位のリーマンブラザーズと、世界1の保険会社AIGがもっとも早く、
借り入れができず、支払い不能に陥りました。

これは連鎖し米国の全大手銀行の破産になります。銀行の破産とは、
銀行が約束の支払いできず、国民は、預金の引き出しが100%はでき
ないことです。

信用創造をしてマネーを供給する銀行が破産すれば、資本主義は終わ
ります。金融は、現在のように「中央銀行による社会主義」になるし
かない。現在の日米欧の銀行は、ソ連の時代の「モノバンク」似てい
ます。

モノバンクは政府の要求で「MMT論と同じように、無限に、政府紙幣
を増刷」しました。実際は、生産力が増えず、破産していたソ連経済
を、正常に見せるためです。最後は、1000倍のハイパーインフレでし
た(1998年)。

プーチンが、旧1000ルーブルを新1ルーブルにし、インフレを収め、
2000年からは経常収支を黒字にしてロシア経済を実質成長させたので
す。

リーマン危機のあとの、世界の銀行システムは、中央銀行がマネーを
供給している「ゼロ金利の金融社会主義」です。信用創造は、担保の
国債を買う形をとって(売り現先)、中央銀行しかしていません。

■7.リーマン危機の対策

1)政府はまず、財政予算から債務超過になった銀行に1兆ドル(142
兆円)を出資し、
2)FRBは2008年9月以降の5年間に、約4兆ドル(568兆円)、銀行
が保有していた米国債とMBSを買って、現金を供給したのです。

FRBは、市価が60%に下がっていたMBSを、市場価格ではなく、
100%の額面価格で買って、無償で、約8000億ドル(113兆円)の利益
供与を行いました。返済が必要な、貸し付けではなく銀行への現金の
贈与です。これが、社会主義金融です。

米銀は、政府とFRBからの5兆ドル(710兆円)のドル現金の供給で、
貸付け、債券・株の売買という正常業務ができるようになったのです。

以上が、リーマン危機の発生から収束でした。株価の下落より住宅価
格の下落から起こったのです。株価の下落(-50%)は住宅価格下落
の後でした。リーマン危機はドル増発5兆ドル(710兆円)で救われま
した。

しかしその方法がドルの増発と贈与だったため、2013年からは、増え
た流動性マネーによる次の資産バブル(株価3倍、住宅価格2.2倍:
2022年)につながってきたのです。

■8.2013年からの米国住宅の高騰(140→310:2.2倍)

https://fred.stlouisfed.org/series/CSUSHPINSA
↑
リーンマン危機のあとの2013年から2022年までの価格指数を、再び見
てください。9年で2.2倍に上がっています。平均年率で9.2%の価格
上昇です。価格の上昇率は、リーマン危機前と並びます。

特にコロナ危機対策の量的緩和(4兆ドル:568兆円)のあとは、上昇
が急峻になっています。2021年、22年には前年比で、その前の2倍の
20%上がっています。

2013年に5000万円だった住宅が現在は、1億1000万円です(全米20都
市)。NYでは、30億円を超える物件がザラです。

マンハッタン島の高級物件では、1sqfの価格が2561ドル。200平米は
2222sqf相当です。価格は570万ドル(8億1000万円)。
マンハッタンの住宅面積は狭く東京の1.3倍くらいです。

日本でもっとも高い、東京都港区の同、等の物件の価格は1億8000万
円です(中古マンション:NYの1/6)。大阪では、類似の物件で、東
京の約半分です。中国人の買いが、混じっています。

ローン金利1%で、この価格です。仮に日本のインフレから、ローン
金利が3%に上がると、支払総額は31%増えますから、価格は24%下
がるでしょう。現在の日本の住宅価格はローン金利1%のものです。

7000万円    元利合計支払い  支払総額    倍率
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
金利3.0%・・・月額295,122円    1億 624万円  1.51倍
金利6.0%・・・月額419,685円    1億5108万円  2.16倍
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
↑
再度、この表を眺めてください。現在の米国の住宅価格は2021年まで
のFRBの短期金利0~0.25%(4兆ドル(568兆円)の量的緩和)と、
米国にしては低い住宅ローン金利3%で、上がってきたものです。

ローン金利は、22年9月(今月)には6%台に上がっています。FRBは
2022年、11月、12月、2023年3月と、更に利上げの予定をしています。

量的縮小(QT:月間1000億ドル:年間1.2兆ドル(170兆円)もある
ので、ローン金利は7%から8%に上がる可能性が高い。

ローン金利6%での、米国住宅のパリティ価格(等価)は、「1.0624
÷1.5108≒70%」です。現在の住宅価格は、30%下げる可能性が高い。

今回は、米国の住宅ローン関連証券は1500兆円でありリーマン危機の
前と同じように、MBSと他のデリバティブの合成証券になっていま
す。リーマン危機のときに倣えば、MBSの価格は60%でしょう。

「1500兆円×40%=600兆円の不良債権」が、短時間で銀行に貯まり、
リーマン危機と同じ銀行の連鎖危機(システミックリスク)になって
いくでしょう。

時期は、金融の新年度、2023年9月頃からでしょうか。23年末かも知
れない。

■9.第二のリーマン危機への対策はFRBのマネー増刷しかない

リーマン危機とコロナ危機で、資産規模を9兆ドル(1278兆円)に膨
らませてしまったFRBが、2023年9月から上乗せした量的緩和(国
債とMBSの買い取り=追加のドル増発)が、できるかどうかです。

今回は、13年前のリーマン危機のときより、1.5倍は住宅関連のマ
ネー規模が膨らんでいるので、住宅証券下落からの金融危機の対策費
にも、「リーマン危機のときの5兆ドル×1.5倍=7.5兆ドル(1030兆
円相当)」が必要でしょう。

銀行の不良債権を買って引き受けるFRBのバランスシートは「9兆
ドル+7.5兆ドル=16.5兆ドル(2340兆円)」に、膨らみます。
(FRBのバランスシート:2008年~2022年)
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/bst_recenttrends.htm

◎FRBには、現在の約2倍の、16.5兆ドルのドルを発行する信用が
あるのか・・・ここが、問題です。

増発すれば、通貨1単位の価値は下がります。理論的には、2倍のマネ
タリーベースになると、通貨1単位の実質価値は、1/2です。

完全に債務超過になるFRBへの、海外からの信認はドルレートの低
下として現れます。

海外がもつドル国債とドル預金は、暴落の恐れから、大挙して売られ
るでしょう。買い手が消えたドル国債とドルは暴落するでしょう。
(注)このとき、ドルの反通貨の金価格は上げます。

金融市場では、予想(期待:prospect)が実現するのです。皆が高く
なると期待して買えば、高騰します。下がると予想すれば売りが増え
て下がる。金融市場は、この予想そのものです。

◎外為市場で、ドル暴落の恐れが出る前に、米国政府は西側の同盟国
に呼びかけ、ドルの協調切り下げ(第二のプラザ合意)を行うしか方
法がなくなると見ています。

1985年のプラザ合意では、1988年まで約3年をかけて、米ドルを1/2に
切り下げました。

ドルとドル債を下げる協調売りで損をしたのは、ドル建ての対外資産
をもっていた日本とドイツでした。

今回は対外資産の多い順に、1)日本、2)中国、3)ドイツ、4)産油
国とスイスです。
(ドル/円レート:1980-2022)
https://ecodb.net/exec/trans_exchange.php?b=JPY&c1=USD&e&s=&ym=Y

■10.ドルが暴落すれば、日本は回復不能な損失を被る

◎日本の対外資産は、円安とドル買いで2020年度にも100兆円増えて
1249兆円に膨らんでいます。ドルが1/2に下がると、ドル債とドル資
産の評価額は624兆円に減ります。

ドル国債、社債、ドル株をもつメガバンク、生損保、年金基金の
GPIFや郵貯・かんぽ生命を含む政府系金融機関も、同時に、破産至る
大きな損失を被ります。

ドル安で円建ての価値が下がる対外債権は、1)民間と政府系金融機
関がもつドル証券578兆円、2)メーカーの直接投資(不動産・工場)
245兆円、3)その他の投資245兆円、4)財務省の外貨準備161兆円、
5)民間金融機関のデリバティブ35兆円です。対外資産はドル建てな
ので、ドルが1/2に下がると1/2になります。624兆円の損です。
https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/iip/data/2021_g.htm

対外債権とは逆の、対外債務(海外からの日本への投資)は、円建て
なのでドルが1/2に下がっても同じ価値です。

日本の民間金融、政府系金融、そして、財務省がもつドル建て対外債
権はドル安によって不良債権化します。(注)ユーロもドルと同じよ
うに下げますが、スイスフランは価値を保つでしょう。

即時に生じる、ドル安での624兆円(GDPの1.2倍)の損には、日本は
耐えられない。日銀も、一時期に624兆円の円の発行はできない。ド
ルが1/2に下がれば、メガバンクも破産します。

金融機関の破産は、金融機関に国債を売らねばならない日本政府の財
政破産になっていくでしょう。

◎日本政府とエコノミストは、なぜか安閑として(過去の経験知から
ヒューリスティックに)、米国住宅ローンの金利6%を見ています。

◎住宅ローンの金利が、22年9月からの、FRBの利上げの中で、下
がることはありません。現在6%→2022年末7%→2023年は8%・・・
と上がっていくでしょう。

米国住宅価格の下落と、金融危機は、逆転の利下げがない限り決定し
ました。インフレ対策の利上げ(2023年3月までは確定)は、米国と
海外を、同時に傷つける両刃の刃です。

1980年の第二次石油危機のあと、2021年の3月まで、40年のディスイ
ンフレだった日米欧は「利上げ」を想定外に置いていました。

金融関係者、投資家、経営者・世帯の経験知には、ゼロ金利と金融緩
和しかない。

金利が上がったときの対処法を知らず、政府・企業・世帯の負債はG
DP(1京円)の300%(3京円)に、増えています。

金利が3ポイント上がれば「3京円×3%=900兆円」の利払いが増えま
す。5倍以上に増える利払いをして、約定返済できる政府、企業、世
帯は少ない。3か月間、利払いと約定返済ができなくなった債権は不
良債権です。

世界が徳政令を発布すれば、マネー価値の暴落からハイパーインフレ
に向かっていくでしょう。これが、日米欧のゼロ金利とMMT(現代貨幣
論)の実行の帰結です。

ウクライナ戦争に伴うエネルギー・資源価格の高騰を契機に、世界経
済と金融で想定外のことが起こったのです。

この戦争の経済的な結果は、西側(米国・西欧・日本・豪州・カナ
ダ・ニュージーランド・韓国・シンガポール)の資本主義の破産です。

約70%が西側経済とリンクしている中国は、住宅価格に依存します。
住宅価格の下落が、500兆円の住宅ローンの不良化として露呈すると
金融危機になり、若干の時間遅れで日米欧と同じ道をたどるでしょう。

ただし国債発行がGDP比77%(2022年、米国150%、日本230%)と
少ない中国には、国有銀行に対して元を増発する社会主義金融の、金
融緩和の方法も残っています。

【後記】
今回は、一回分にしては広範囲すぎるかもしれない、世界の金融領域
を書きました。欧州への言及は少ない。ユーロは、米ドルに、右に倣
(なら)え・・・です。軍事的に一体のNATOは、金融でも一体なので
しょう。中国の金融と不動産の数字は、政府が明らかにしないので、
部分的です。

日本政府、金融機関、GPIFには、来るべきドルの暴落に備えて、その
ドル債権で、金を買っておくことを奨めますが、聞く耳はない。
米国への追随しか、しないからです。日本政府、政治家、官僚、銀行
にとっては、「ドルが世界」です。独立国ではない。金融でも植民地
です。敗戦後体制の、GHQ占領は、終わっていません。

方向がはっきりしているように見える軍事費(財政支出)の増強(G
DPの2%:10兆円)では、日本の軍需産業を、育成しなければなら
ない。増えた軍事費が日本のGDP(日本人の工場の所得)になるか
らです。

ところが、自民党政府の方向は、米国からの兵器の輸入5兆円です。
これは、5兆円の輸入になって日本人のGDPと所得を5兆円減らし、
代わりに米国のGDPを5兆円増やすのです。自民党は、国民のため
に、一体、何をやっているのか。

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