事業創造のケーススタディ:米国ホーム・デポ
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     2001年秋季米国流通業リポート(その4)
  <事業創造のケース・スタディ:ホーム・デポ(1) >
       2001年11月27日:経営分野

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 著者:Systems Research Ltd. chief consultant吉田繁治

有料メールマガジン大賞、第1位を獲得することができました。

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こんにちは、吉田繁治です。今回は米国流通業を素材に、住いの関
連産業の事業創造と、必要な<需要開発の方法と精神>を考察しま
す。

理由は、需要不足やデフレ現象の日本経済にもっとも必要なことは
大型の需要開発。この面で、遅れている住関連を除いては大型需要
は見当たらないからです。

【前提の説明が必要】
住宅と住まい関連では、多くの前提となる説明が必要です。
最初は前提となる諸事項を、イメージ化ができるように説明します。

日本でもアメリカでも、どの本にも書いていないことですから、知
らない人が多いのです。

【ホーム・デポ】

前提の説明の後、5兆円・1000店舗を超える巨大企業になった
ホーム・デポをケース・スタディとして取り上げます。事業創造の
精神と方法を、モデル化し考察するためです。無一文から、どうや
って約20年の短期で巨大高収益企業を作れたのかの研究です。

数回のシリーズになります。本稿はその第1部です。

    2001年秋季米国流通業リポート(その4)

   <事業創造のケース・スタディ:ホーム・デポ(1)>

【目次】

1.Home Depotと創業の精神
2.日本の需要開発の領域
3.住まいのこと(多くの前提事項)
4.住宅に対する感覚の違い
5.住宅の改善(Improvement)は貯蓄という発見
6.ホーム・デポは倉庫・作業場である
               

■1.Home Depotと創業の精神

基調テーマは、ホーム・デポが行った需要開発と事業創造、および
その精神です。需要が、統計データ(過去の数字)では見えない時
から、どうやって事業創造をするかのケース・スタディです。

統計データで現れた後では、ビッグビジネスの創業は遅いのです。

▼米国は需要開発の宝庫

日本で最も必要なことは、あらたな需要開発です。大きな未開領域
が住宅と住まいにある。もちろん住関連だけではない。
食も衣も、情報関連も<需要開発すべきこと>が多い。

20年で80回米国へ行って、繰り返し米国の店舗視察を行う理由
は、多くの事業家が、様々な需要開拓への挑戦をしているのが発見
できるからです。店舗を見て、繰り返し思考すれば、需要開発の内
容と方法がわかる。

【西欧の流通】

その点、西欧は成熟しすぎ、固まっています。

西欧で参考になるのは大衆マーケティングではなく(1)クラス・
マーケティングの階層化消費と、(2)小売企業のコングロマリッ
ト化、言い換えればVMS(Vertical Merchandising System:垂直
統合)です。

米国は、若い国です。

【日本はコンビニのみ】

日本の流通業は、米国のモノマネで、あと追いですから参考になら
ない。唯一の大型の事業創造、需要開発は日本型コンビニエンス・
ストアです。コンビニは、QRのロジスティクス及びITを使って
、<商品の時間価値>という概念を生んだ。

ユニクロは米国GAPのビジネスモデルの模倣です。(最近は創造
がありますが)

100円ショップは、米国にダラー・ジェネラルがあります。ドン
キホーテも独特ではありますが、ディスカウント・バラエティ・ス
トアですね。

▼米国の流通業で最も理解しにくいビッグビジネス

ホーム・デポは、日本人にとって最も理解しにくい店舗でしょう。
平均面積3000坪、天井高10メートルの巨大倉庫店に、住宅設
備・住関連部材・部品・工具の5万品目を満載する。

1店あたり売上48億円、坪当たり売上は160万円です。この坪
当たり売上水準は、米国基準では抜群に高い。

【今は巨大ビジネス】
創業は1978年で、22年後の2000年の店舗数は1123店
:年商5兆4000億円:年間利益3千億円:従業員22万6千人
の巨大高収益企業です。資金ゼロからの創業で22年です。

【お願い】
あなたも20年後に、フォーチュンに載る巨大ビジネスを作ること
ができる<可能性>はあるのです。そうした観点で読んでください
。できないという否定を捨てることです。できないと思えば、本当
に何もできない。できると思えば、できるほど簡単なものではない
のですが、ビジネス創造の入り口にはたどり着けます。

▼事業はどこまでも<信念>

信じることができるかどうかです。自分の可能性とビジネスを自分
が信じなくて、誰が信じるのでしょう。人間の信念は人と資本を、
そして顧客を動かすのです。正しい信念は人に伝播します。周囲、
銀行、出資者、顧客を大きく動かす。

【顧客の不満に、まともに直面せよ】
ビジネスとは、顧客が感じている不満を解消するにはどうするかを
頭から煙を出すくらい考え、ビジネスプランを練り自己本位ではな
く顧客本位で解決策(ソリューション)を提供することです。

信念を持ったら妥協しないことです。並みの企業は、どこかで自己
本位、業界本位、業者本位での妥協をする。そうだからこそ、顧客
の不満を解消することに妥協しない企業(というより事業は個人)
が一層光る。機会は遅れた業界ほどある。

【規制産業】
規制産業だった銀行、保険、証券のサービスを見てどう思いますか
?不満だらけでしょう。だから銀行、保険、証券にも参入のビジネ
スチャンスがある。規制産業は総じて特殊法人風お役人で顧客志向
ではないのです。トップは顧客を忘れ監督官庁を見ていて、現場は
上司に顔が向いている。今は金融庁の顔色伺いです。

【流通業】
大規模小売店舗法に守られていた流通業も同じです。価格、品揃え
、サービスに満足できる店舗が、あなたが買い物に行くところで何
店舗ありますか?この程度で仕方がないと思い妥協して買っている
でしょう?

大手量販が苦境にあるのは、バブル崩壊が本質の原因ではないので
す。顧客のニーズをとらえること、需要開発することを停止したか
らです。どんどん売れていれば、過剰投資にはならない。

【土木・建設】
公共事業で生きてきた土木・建設も同様。見積もりの詳細を正確に、
納得ができるように説明してくれるところがありますか?この質
ではべらぼうに高いと言うと、営業はどう反応しますか。見積もり
を取ればばかばかしく高い。それで不況とは変です。

日本の建築費(土地を含まず)は単位面積あたりで米国の2倍です。
それでいて住宅は米国の半分の30年しかもたない。つまり価格
と提供品質の関係のバランスが崩れているのです。

【コスト高が機会を作る】
資材も人件費も高く、建築の規制があると言います。であれば、な
ぜ良質な資材を安く人的生産性を高く、業者本位の規制を廃止する
活動をしないのですか。役所や政治家は、最後は民間からの声で動
きます。

日本は人件費も資材も部品も高いから車の価格は米国の2倍と、ト
ヨタ、ホンダ、日産は言いますか? そんな人は自動車業界にはい
ません。

運輸の規制がいろいろあるから、宅急便はできないとクロネコヤマ
トを創った小倉昌夫氏は考えたでしょうか。宅配では規制にのった
国鉄と日通がダメだからこそ、そこに機会があると考え宅急便が生
まれた。

どこにもビジネスの機会がある。今日本の全業種でビジネスの機会
だらけと感じます。顧客の不満が大きいからです。不満があるから
需要爆発がない。顕在化した需要の、必要なものの最小の購買で済
まそうとする。

▼おおきな目標を定める

最近、トップを含めた日本人ビジネスマンの<精神>の部分に病を
感じるのです。問題は方法や戦略ではない。大きな、人や顧客を動
かす目標(ミッションとも言えます)とリーダシップの喪失です。

戦後の貧からの脱出のあと、次の目標が見えていないのでしょうか。

貧からの脱出の後の<便利さ、豊かさ、美、文化>を大衆価格で提
供することが今後ビジネスに共通するメインテーマでしょう?

戦略は目標設定のあとに来ます。戦略では、ミッションや目標は作
れない。経営戦略セミナーの前に、目標を定めるセミナーが必要な
のです。戦略は、目標とミッションがあってはじめて生きる。目標
は言葉や数字ですが、ミッションは精神です。

目標やミッションのない戦略セミナーって変です。この国で皆が変
だと感じないところが、とても変です。戦略は、目標を達成するた
めの設計図ですから。目標がなければ設計図も描けないはずです。
講演の演壇でいつも思います。

例えばIT戦略:何の目的で、何を目標にITを使うのですか?
ロジスティクス戦略:何の目的で、クイックレスポンスやクロスド
ックをやるのですか?
SCM:サプライチェーンは何の目的ですか?
CRM:何を目的にCRMをやるのですか?

そこがしっかり見定められていなと、途中で、あぁ、やめたうまく
いかない、次のハヤリの戦略へということになります。

間単にうまくいけば、それは誰にとっても機会ではないのです。

うまくいかないところを、必死に、懸命に乗り越える人も会社も、
実際は少ないから、ビジネスの機会ができる。自分がうまくいかな
いところは普通、他の人も遭遇する障害です。

機会が微笑むのは、障害の後ろからです。そこからが、独自の言う
に言えない自分のノーハウになる。決めたら徹底して、執念でやる
ことです。

困難に直面した時、障害を乗り越えさせる唯一のもの、それは打算
や計算ではなく、信念や使命感つまりあなたの全エネルギーを注ぎ
こめるような大きな目標です。沢山の事象を見て目標を発明するこ
とです。

世間では、一つの障害であきらめる人が意外に多い。
成功と失敗の分岐点は紙一重です。

倦まずたゆまず、大きな目標に向かって一歩ずつ前進すること、事
業も仕事もこれです。テクニックや知識の量ではない。

▼今も1年で1兆円の売上を増やす

小売業では25兆円でダントツのウォルマートに次いで全米で第2
位。1年に200店も出店し1兆円の売上高増加です。日本の小売
業順位ではずっと下位にある住いの関連の店舗が、小売業で2位で
すから恐れ入ります。(ウォルマートも、サム・ウォルトンによる
ゼロからの創業です)

一体これはなんだ・・・と思います。↓
http://www.homedepot.com/home.html

驚きを感じないとすればビジネスセンスが磨耗し、言われたことを
はみ出さず、責任を回避するサラリーマン根性になっています。

日本にいま必要なことは、トップから現場まで高度に洗練されてい
るサラリーマン根性から、明治の財閥を作った事業家に見られるよ
うな荒々しさと創業のいぶきを回復することです。孫正義にはそれ
を感じますが。

需要の統計データは、これから自分が作るというくらいの気概が必
要です。

▼需要開発のケース・スタディ

ホーム・デポを理解すれば、様々な業種で必要な需要開発の方法が
わかるでしょう。ただし理解には、多くの前提事項の説明が必要で
す。頭をクリアにしてたどってください。実際に見たことのない人
にも、イメージが作れるような説明を試みます。

参考書目としては、創業者バーニー(バーナード・マーカス)自身
が書いた『ホーム・デポ 驚異の成長物語』(抄訳島田陽介 20
00年:ダイアモンド社)が適当でしょう。原書は『Build from S
cratch(ゼロからの出発)』です。英語に自信のあるかたはどうぞ。
参考はこの1冊でOKです。

■2.日本の需要開発の領域

今の日本では、需要不足のための不況とデフレが大問題です。
需要は大きく分けて、食、衣、住、情報ですね。

▼需要の増加領域は?

<食>はどんどん需要量が増えるか? 肉をもっといっぱい食べた
いと思っているか? 量は増えません。質の向上とサービス化での
付加価値拡大でしょう。

<衣>はどうか? これも今の何倍もの量を買うとは思えません。
中国生産で、価格は今の半分の水準でしょう。2倍の量でも総売上
は同じです。ユニクロ現象は、カジュアル・ウエア400品目では
なくあらゆる衣に波及します。それを狙っている企業があるからで
す。価格が高いからビジネスの機会がある。

▼蛇足ですが・・・

<情報>は?

これは増えるでしょうが、情報機器は低価格化します。情報コンテ
ンツはこれからでしょう。このメールマガジンも情報コンテンツで
す。

成長があるかどうかは、情報コンテンツで需要開発、つまりは顧客
創造ができるかどうかです。メールマガジンが出るまで、メールマ
ガジンの需要は、ゼロでした。統計にかすりもしない。今も同様で
す。

当マガジンが<まぐまぐ>の有料版では読者数・金額とも1位です
から、責任は重大です。実は・・・桁違いの1位らしいのです。2
位がどんな数字か、教えてもらえません。(笑)

先日、出版社の編集者や書店主が読む専門業界紙の取材もありまし
た。テーマはインターネット情報の有料化の成功に、なにが必要か
ということでした。

必要なことは、本や雑誌とは違う新しい読者層・読者グループをど
う作るかという需要開発でしょう。現在のこのマガジンの読者の皆
さんは、5%に属するイノベーターの読者グループです。

いずれ、読者グループのアンケートをとって結果を公開します。私
にもこのマガジンをどんな人が読んでいるのか、感想をいただく方
以外は見当がつかないのです。

私の意見は単純で「事実情報の羅列ではマスコミになる、こころに
響くメッセージ性が必要。大切なことは事実情報に迫った後の、整
理と解釈でしょう」ということです。

PC画面でスクロールして読むことが多いでしょうから、本のよう
な、長い冗長な書き方ではなく、数行でメッセージを伝える表現技
法が必要です。

本とは違い、呼吸を伝えるための句読点、改行も必要。ホッとする
感じになるわき道も必要かもしれない。
(私もまだ修行中です)

記者の石橋さんは「自分は今、特殊な事例を取材しているのかもし
れないと思っています・・・」と言っていましたが、特殊でしょう
か?

▼都市生活者の住宅の貧困

ところで・・・問題の<住い>です。
日本経済の未踏領域。

私は、世界で最も所得水準が高いこの国の、平均的住宅と住まいは
悲惨な状態であると思っています。まず、平均的な住宅の面積が狭
すぎて、米国基準からすれば質が劣悪で高い。

家の中は、家具や家電商品、そしてもろもろの生活道具でいっぱい
です。米国の美的生活の住まいと比較すれば、ゴミ箱や道具箱の感
じ。

日本でも住宅が2倍に広くなれば、あらゆる商品の需要爆発が起こ
るのです。どうしてこの住まいの需要開発に向かわないのか、不思
議な現象です。日本経済の不思議さ。

地方都市では住まいもずいぶん豊かになっています。
しかし、6000万人の大都市圏では惨めです。

▼豊かな生活とは

豊かな生活とは、まずは<住まい>であるはずで、需要の未開拓の
領域が<住まいとその関連商品>であると思えるのです。ウサギ小
屋は脱していない。建設業も600万人もいる。これは人口が2倍
の米国の建設業人口と同じです。住関連産業の人口は多いのです。

世界でもっと所得が高いグループに属する国で、貧困な住宅。これ
でいいのでしょうか。問題だった土地価格は下がった。そうすれば、
あとは上モノの住宅でしょう。

▼あるパーティで

あるパーティで紹介を受けた通産省の課長に「需要不足と言いなが
ら、住まいの関連の需要開発は、極度に遅れている。先進国として
恥になるような狭い住まいに、おそらくあなたも住んでいるでしょ
う。それでいいのでしょうか? 開発すれば膨大な需要があるので
す」と申し上げた。

更に「国が国民生活の支援で、まず行うべきは、住宅対策です。政
治と行政の基本でしょう。日本は、これをないがしろにしているの
ではないか。不足する住宅の数を供給するのが目的だった公団住宅
の基準、住宅ローンの基準を見直すべきではないか。質と広さに転
じると、特に、大都市で膨大な需要が発生する。この国で、需要不
足が起こるのは、おかしい。」

課長は、目をぱちくりです。あぁ、なにも認識していないと思った。
自分の仕事の領域を少しでも離れると、イマジネーションのなさ
を露呈します。優秀な頭脳が柔軟性を失って、固まっている。

住宅や住まいについては、多少の回り道の説明が必要です。通産省
の課長のように需要の内容に対する日本人の認識も、激しく遅れて
いるからです。

顧客そのものも、自分のニーズを認識していない。需要開発が必要
なのです。

住宅が高すぎるなら、高すぎるものを安く、しかも高品質に、美し
くするのが産業でしょう。

40年前、車は庶民が買えるものではなかった。今は地方都市なら
一家に2台は当たり前です。大学生だって買える。日本の住宅は、
建設業に600万人もいながら<産業化>が遅れています。

■3.住まいのこと(多くの前提事項)

▼自然の優しさと激しさ

今、仕事場の窓からは、雲ひとつない水色の空と紅葉が鮮やかなコ
ントラストです。

カリフォルニアのどこまでも抜けるような、湿度が消え真上は群青
色に濃い荒々しい空とはちがい、けぶって優しい。日本の風土です。

自然を見たときホッとする感覚は、独特のものではないかと感じま
す。こうした自然の優しさは、日本人のこころや人生観の深い部分
に影響を与えているに違いありません。

以前、テキサス州ダラスの都心から車で数時間の大型物流センタ
ーを訪ねたとき、途中で雨が降ってきた。次第に激しくなり、シー
ツのような雨というより、まるで滝だった。

10分くらいで道路は水没し、車は動けなくなった。車の窓からは
全方位に走る稲妻が見えた。稲妻が車を取り囲み近づいてくるとい
う印象。

生まれて始めて稲妻に恐怖を感じた。大陸の自然は激しい。
自然と闘うことが、アメリカで生きることだと感じたのです。

▼住宅文化

日本の住宅は、自然に向かって開放し溶け込むのを理想にする。し
かし、大陸の自然では、住宅は自然と対決しなければならない。ア
メリカの住宅の頑丈さと、日本の住宅の紙細工のような対比を想っ
たのです。

【60年】
米国の住宅は、木造でも60年の耐久がある。白いペンキをごてご
てと厚く塗るのは、装飾の意味ではなく、木材をくるんで腐食を防
ぎ耐久性を増すためです。シロアリ対策でもある。ペンキが家を守
る。
白木に価値をおく日本人の価値観とは、まるで対極です。
白木は朽ちるのが速い。

▼生涯の建設費負担の比較

【単価】
建築費は、単位面積あたりでは米国は日本の約半分です。平米当た
りで言えば5万円から7万円くらい。

【面積】
1人あたり面積は日本の2倍(60平米)ですから、(土地価格を
除いた)建築費の人口当たり負担は、ほぼ同じ金額になる。

【価格】
全米の戸建て住宅価格は(土地を含んで)約2000万円。
平均面積は250平米になる。日本は130平米くらいですね。

【生涯負担は4倍】
日本の住宅の平均耐久年数は30年で米国の半分の年数です。

80年を一生とするなら、日本人は生涯で新築の住宅3戸分の、建
築費負担をしていることになる。米国では、生涯で1.5戸分の新
築負担です。

まとめて言えば、日本人は、一人当たり居住面積が米国の半分(30
平米)で、米国人の半分の住宅面積に生涯で米国人の2倍の建築
費を負担する。

単位面積あたりでは、一人当たりの生涯で4倍の建築費負担になる。
土地価格を除いた部分で、です。土地価格は、比較にならない。

米国人と所得は同じであっても、住宅は2倍の広さで、しかも60
年はもつ。日本の住宅は、半分の広さで、30年しかもたない。
生活の豊かさの基底に、こうした違いがある。

こんなことを続けていていいのか?

▼土地価格があるのは・・・

NYやサンフランシスコ、ロスアンジェルスのような国際都市は、
米国でも特別です。NYとサンフランシスコの住宅は、現在は東京
よりも高いと言えます。$100万を超えるアパートはザラです。

日本で言う2LDK(2ベッドルーム)の200平米アパート(広
さは3倍)は、マンハッタンのいい場所で借りると、30万円の家
賃です。若い人はルームメートを探して、借ります。

ロスアンジェルス郊外は、土地はいくらでもある場所ですが、都心
部から30分から40分の通勤圏の住宅は、3000万円前後に値
上がりしています。高級住宅地では6000万円。平均的な面積は
日本の2倍以上です。日本(東京)での価値から言えば、1億円以
上です。

例外的なところは別にして、平均的な都市では、2000万円
(200平米)が基準になる。米国人にとって、NYやロスアンジェル
スは、本当のアメリカではないというのをよく聞きます。

ノースカロライナの学園都市ラーレーの都心から2時間くらいの郊
外の小さな町に行ったことがあります。街の風情は、西部劇映画の
大道具です。保安官がいて馬車が通り、今にもインディアンが現れ
そうな雰囲気がある。レストランで一皿が膨大な名物チキン料理で
す。

この街では、住宅は500万円、豪邸で1500万円くらいでしょ
う。

このとき、あぁ、そうかと思った。
<住宅があるから、土地の価格もある>
これが正しい。日本では得られない感覚です。

周囲は広大な土地だらけです。ほとんど経済価値はない。住宅を建
て、人が住むから土地の価値が出る。こんな当たり前のことに気が
つきます。日本でも、北海道の原野にいくとそれに近い感覚を受け
取ることができますね。

▼中古住宅を買うマーケットが住宅マーケット

日本では、住宅の耐用年数が短くしかも中古住宅の設備は再使用に
耐えない。建築後15年もすれば、建物部分は無価値に評価されま
す。取引されるのは土地価格です。古い住宅があると価格は下がる。

米国に比較すれば、質の悪い住宅の新築を繰り返すのが日本です。
年間140万から150万戸も建てる。そして短期でボロボロにな
る。

実は人口2倍、世帯数2倍の米国でも新築戸数は日本の戸数とほぼ
変らないのです。その代わり、年間500万戸から600万戸の中
古住宅マーケットがある。

米国で住宅を買うといったときは、中古住宅が普通です。
これを認識しておいてください。

買う感覚では、住宅の頑丈な躯体(house)を買う。そこに、furni-
sh(装い)を加え、気に入った家具やアクセサリー、ホームデコレー
ション類を、カラーコーディネート、またはスタイルコーディネー
トする。

住宅のなかが、整然としていて美的です。美的生活。

高額所得者というわけではないのです。奥さんのパートの賃金を含
めて年収600万円の世帯の普通のミドルクラスです。

世帯年収1000万円クラスになると、日本的感覚では豪邸です。
プールは当たり前です。ガレージは3台以上の車が収容できます。
住宅面積は300平米にはなるでしょう。芝生の庭が広大。これで
も特に豊かな住宅ではない。

リッチな階層の豊かな住宅になると<お城>ですね。
私は、いつも、考え込んでしまうのです。
なぜ・・・

世界最高の品質の車を作ることができる日本人が、なぜ住宅では貧
困か。建築業者だけの責任ではないでしょうが、この違いは比較を
絶して大きい。

日本の国の魅力がない根本的な理由は、住宅の貧困でしょう。
衣や食や、情報の貧困ではない。

いつまでも、こんな生活でいいのでしょうか。
需要開発の、最大テーマですね。

■4.住宅に対する感覚の違い

日本人の住宅についての感覚と、米国人の感覚は違うようです。

▼House 2 Homeとはなにか?

ロスアンジェルスにあるHouse 2(to) Home(ハウスからホームへ)と
いう店名の、ホーム・ファニシング(Home Furnishing:住関連装備
品と家庭用品)の3000坪の大型店舗に行ったとき、このHouse
to Homeという店名は、一体なんだ?と思った。

House 2 Homeは、カリフォルニアを中心に、42店舗をもつチェー
ン店です。↓
http://www.house2home.com/

(注)2001年11月7日に会社更生法(Chapter 11)を申請し
ています。財務基盤が弱かったことと2001年春からの住関連需
要減少の余波です。誰かが買収して、店舗は続くでしょう。それが
米国です。

▼House2(to) Home:住宅から住まいへ

住宅と住まいはどう違うのかと考えたのです。日本人の感覚では、
<住宅=住まい>です。住宅を住まいにするのに必要なものは家具
でしょう。家具は家の道具から来ています。昔は家具屋を道具屋と
も言った。

【Furnishing(家の装い)の概念】
米国には、Home Furnishing(家の装い)のための商品を売る店舗が、
多数あります。もちろんFurniture Store(家具店)も多い。

米国人の感覚では、Houseは住宅の躯体をあらわし、Homeが住まいを
あらわすのではないか。

だから、Home Furnishing(住宅の装い)の店舗が、House to Home
(住宅の躯体を、住まいへ)という店名をつけ、米国人に理解できる
意味を持つのではないか、と考えたのです。

これで日本と米国の<住まい>に関する違いの長年の疑問が、氷解
したような感じを受けた。

発見を図式化すれば、

・日本  <住宅+家具=住まい>
・米国  <住宅の躯体+Home Furnishing+家具=住まい>

米国は、このHome Furnishing(住宅の装い) の店舗が、実に様々
に多いのです。

▼日本のインテリアやホーム・ファッション

日本では、住宅の躯体に加えるホーム・ファニシング(住宅の装い)
の部分を<インテリア>と言っています。住宅と家具産業は明確
にありますが、インテリア産業というと、商品イメージが像を結ば
ないのです。

インテリアショップというと、装飾品やカーテン・カーペットのイ
メージになる。最近はホーム・ファッションと言っていますが、こ
れも何を売っているのかよくわからない。

お店に行けば、いわゆる家庭用品、鍋、食器、グラス類、調理器具、
クッション、シーツ、枕、カーテン、カーペット、額縁、棚、室
内アクセサリー、収納器具、小物家具、棚類などがある。新興チェ
ーンでは、家具店からホームファニングへ発展したニトリがありま
す。

2001年の年商が630億円(店舗数71店)、経常利益36億
円、従業員数2872名の、店頭公開企業です。北海道から発し、
急速な全国展開をしている。↓
http://www.nitori.co.jp

日本では家具店の今後のモデルになっている店舗です。ニトリでは
ホーム・ファッションと言っていますが、ホーム・ファニシングス
トア(住まいの装備品と家庭用品)と言ったほうが正確に商品内容
(=品種の幅と、品種内の品目の品揃え)を表します。

日本では、店舗概念で、米国店舗からの言葉の濫用があります。
ニトリでも、このホームファションという概念が発展の阻害になる
日が近いかもしれない。

以前通産省でホーム・ファッションと言ったら、担当はホームウエ
アのことだと最後まで思い込んでいて、家具店がなぜ衣料のホーム
ウエアを扱うのか悩んでいたようです。

一言聞いてくれれば説明するのですが、皆意外に大切なことは聞き
ません。どうでもいいようなことは、すぐ質問があるのですが。

■5.住宅の改善(Improvement)は貯蓄という発見

▼家計貯蓄率

日本人は貯蓄率が高く(家計所得に対する貯蓄率11.3%:99
年)、米国人は貯蓄率が低い(同2.3%:99年)と言われます。

(注)他の国では、日本に似ているのがドイツで9.2%の貯蓄率
で、米国に似ているのが英国0.9%です。(いずれも金融広報中
央委員会のデータ)

【数字だけを見れば】
たしかにこの数字だけを見れば、日本人は消費を節約して勤勉に貯
蓄し、米国人は収入をほぼ全部使っているように見えます。ここか
ら、多くの経済学の論議が始まるのです。

米国人は貯蓄せず全部使う。日本経済の強さは、勤勉な国民性から
くる家計貯蓄率の高さである・・・云々(うんぬん)

▼経済学者の認識に大きな誤りがある

ところがこれは、家計消費の中身の一面しか見ていない誤りです。
経済学の議論は、家計貯蓄という重要な部分で、前提の誤りを犯し
ている。

このことを誰も指摘しないのは変です。国民性や、文化論にまで発
展します。私も最近このことに、はっと気がついたのです。結構大
きな学問的発見かな、と思っています。日米比較経済論が、変るで
しょう。

実は米国人も貯蓄好きです。日本人の貯蓄が、郵貯や銀行に向かう
のに対し、米国人は、住宅の改善(Improvement)に向かう違いがあ
る。

前の項で、米国では中古住宅を買うことが住宅を買うことだと示し
ました。年間500万戸です。新築は日本並みで多くはない。

【米国人の資産作りと、実質的な貯蓄】
米国では平均的に言って、10年から12年くらいで住宅を買い替
えます。どんな買い替え方をするか。

(1)新婚の時は住宅ローンで小さな住宅を買う。そして、ホーム
・デポやローズ(Lowe’s:2番手)で家の部材・部品を買って、住
宅の躯体、床・壁・天井・住宅に付属する什器・設備のインプルー
ブメントを、休日を使って自分達で行う。

(2)子供が小学校生になったころ、改善を加え続けた住宅を売っ
て、より大きな家を買う。そのとき最初に買った価格よりいかに高
く売れるように改善しておくか、これが主婦の腕になる。

ホーム・デポへ毎週のように出かけいろんなものを買い、住宅を改
善し続ける。これが、庶民の貯蓄です。この住宅の改善分は、消費
として計算されています。

これは立派な貯蓄ですね。

(注)ホーム・デポへの来店頻度は、住宅に手を入れ始めると、ほ
ぼ毎週になると言います。食品並の購買頻度です。つまり一見は、
50万人の大商圏が必要に見えるホーム・デポの巨大店も、今は1
0万人人口で成立する。

(3)子供が独立するころ、改善を加えた前の住宅を高く売って、
より高級な広い住宅を買い、最後の住まいにする。

【生活実感】
米国に住んでいるひとは、この生活実感がよくわかるはずです。
米国人は、住宅の躯体に手を入れる。それが資産作りの貯蓄になる。
米国人も、日本人に劣らず勤勉な生活です。認識を変更しましょう。

日本では、住宅を買った後、住宅に手を入れるという習慣はないで
しょうね。建物にいかに手を入れても、売るときの資産評価になら
ないからです。不動産屋も土地や立地だけしか見ない。買うほうの
感覚も土地しか評価しない。

▼われわれは米国を変えた・・・

ホーム・デポの創業は、1978年です。それ以前は、特別な階層
の人を除いて、自分で住宅を改善するという習慣はなかった。住宅
に手を入れるのは、職人を雇える高額所得者のみだった。

DIYの伝統は、西部時代以降、米国にはあります。
シアーズの、PB商品クラフトマンシリーズの家庭用工具を見ると、
その種類の多さ、頑丈さ、大きさに驚愕です。象牙も簡単に抜け
そうな巨大ペンチがあるのです。一体何に使うのか。

そうは言っても、住宅のインプルーブメント需要に松明(たいまつ)
のような火をつけたのが、ホーム・デポだったことは間違いがな
い。

【驚くべきこと】

<(ホーム・デポを)上場する前の81年、本部のあるアトランタ
でバーニー(ホーム・デポの創業者)が演説したことがある。地元
のロータリークラブのメンバー400人の前で、彼はこう尋ねた。
「自分が本当のDIY人間だと思う人は何人いますか?」
彼の言うDIY人間とは、電気ノコギリ、ドリルなどを持ち、照明
器具を取り替えることのできる人間だった。配管工を呼ばずに自分
でトイレを修理できる人が何人いますか?と彼は聞いた。・・・

手を挙げたのは20人足らずだった。(前掲書 まえがき)>

<(16年後の)97年に同じグループの前で演説する機会があっ
た。彼は同じ質問をした。450人中、手を挙げなかったのはたっ
た15人だった。
われわれは米国を変えたのである。(同書 まえがき)>

<われわれは米国を変えた>という一行を読んだとき、事業家はい
かに大きなことができるのかを想った。この一行は、私にとっても
生涯での感激だったと言ってもいい。

大統領ができる以上のことを、バーニーはやった。米国人2億70
00万人の生活スタイルを変える。どんなにすごいことか。心躍る
ことか。

バーニーの父は、無一文でロシアから移民した。ユダヤ系だった。

<大企業、銀行、製造業などでは、ユダヤ人は上に上がることがで
きなかった。成功するには、一生懸命働き知恵を振り絞るしかない。
(同書 P3)>

バーニーは、実力と知恵と労働の小売業を生涯の仕事に決めた。
そこで、一生懸命に働き、知恵を振り絞った。創業20年で米国人
を変え、5兆円の企業を作った。今後10兆円にもなる可能性があ
る。

米国人の貯蓄行動すら変えたのです。

確かに、住宅、及び関連産業は範囲が広く、関連が複雑でやっかい
です。文化・制度・規制・価値観のすべてが絡む。しかしながら、
バーニーのように20年で生活習慣までを変えることができる。

日本にも、<われわれは日本を変える>と言うバーニーが現れて欲
しいものです。日本経済も生活も次のステージに登るでしょう。経
済が変り、生活が変る。

住まいが魅力的ではない国は、国としての魅力もないのです。

▼住関連産業の、移植の注意点

日本の住まい現状で、ホーム・デポをそのまま持ってきても、それ
は失敗です。固有の環境、米国との違いに対する明察が必要です。

つい最近、米国では急成長している新興家具チェーンであるRooms
to Goが、東京のお台場に出した店舗を撤収しています。

オープン直後に行ってみるとひどい店だった。まず価格は米国の倍
で売っていた。商品は米国家具の巨大サイズそのままだった。これ
では日本では市場の1%の世帯も対象にならないと思い、同行の経
営者に、これは全くダメですねと言った。

日本の住まいの研究がゼロだった。多額の資金と労働を使って最初
からわかりきった失敗をやる人が多い。

遊びっぽいホーム・デコレーションのチェーンストア、Pier 1の日
本進出も、失敗している。住宅内が、モノでごちゃごちゃなのに、
ホーム・デコレーションが定着するわけがない。買えば、最後は家
のガラクタの面白グッズで終わる。

先進国では極度に遅れた日本の住まいの実態の改善から、開始すべ
きなのです。日本の世帯年収1000万(米国ではリッチな20%
以上になる)の大都市生活者が、どんな住宅に住んでいるか、どん
な家具を使っているか、一人当たりスペースはどうかその実証的な
研究です。

そこからの住まいのインプルーブメントでなければならない。そう
でないと米国風の固い巨大ステーキの価格を2倍に高くして日本で
売るような、面白店(funny store)にしかならない。

売る側になると、顧客の時はわかっていた当たり前のことをすっか
り忘れる人が多い。なぜか? 業者発想になるからです。

偉大なる事業家は、素人顧客から見る視点や不満を忘れない、業界
玄人から見ればまるで素人のような人、いつも?の疑問を抱えた人
なのです。

■6.ホーム・デポは倉庫・作業場である

Home DepotのDepotは、物流用語では配送前または店舗陳列前の一時
在庫置場の意味をもつ。つまり、ホーム・デポは、文字通り、住宅
の部材・部品・装備品・設備の5万品目を、家庭の倉庫としてスト
ックする店舗です。

【家庭のデポ・作業場】
顧客は、その倉庫を週末の度に訪れ自分の住宅の改善に必要なもの
を見つけ持っていく。だからホーム・デポは、あなたのデポである。
こうした、創業者バーニーが顧客に発するメッセージが店名にも
店内にもいたるところ感じられる。

ここは倉庫であり作業場である、これを理解しなければ、ホーム・
デポは奇妙な店舗になる。

【新任店長の誤解】

<(ある店舗の)開店日の朝・・・従業員の朝礼をするために朝6
時に店にでかけて行った。そこで見た光景に彼は仰天した。なんと、
床がワックスでピカピカに磨かれていた。
「誰がこんなへまをやったんだ!」(共同経営者の)パットは詰問
した。
店長がいいところを見せようと、夜にうちにメンバーを集め、コン
クリートの床を磨き上げたのだった。
「喜ばれると思ってやったんです」店長は驚きながら言った。
「君たちは頭がおかしいのか!」パットは怒鳴った。
・・・
「床にワックスをかけたのなら、(開店までに)フォークリフトで
削り取れ!」(同書P48)>

▼需要創造のために計算された演出

なぜか? 倉庫・作業場は床がピカピカであってはいけない。

床がピカピカなのは、モノを売る店舗です。米国の店舗は、どこも、
天井が映るくらいピカピカの床のクリンリネスを常識とする。

<ホーム・デポはスーパ・マーケットではない。そこで何かをする
場所である。作業場のように見えること、それが基本である。・・
・建築業者や専門の職人にも、普通の住宅のDIYをするカスタマ
ーと同じように、店の前方のレジに並んでもらうことにした。そこ
で動きが生まれる。大きなものも、みんなに見えるように、店の前
から駐車場に出して、そこで車に積んでもらう(同書P49)>

需要創造するには、ニーズをありありと見せる演出が必要になる。
ホーム・デポは倉庫であり、作業場である。作業が見えなければな
らない。それが無言での表現になる。

▼価格の演出に最も効果的な方法をとる

そして、次は価格です。

<さらにそのうえ、DIYをやる(一般)カスタマーは、そこで業
者が石膏でできた建材を、自分たちと同じ値段で買っているのを見
ることになる。業者のための裏口や特別割引がないことがわかる。
だれにも同じ価格で売る。特定のグループにだけ安く売るのではな
い(同書 P49)>

業者価格で買えること、これは一般顧客にとって、なによりも説得
力のある価格の安さの表現でしょう。一般顧客は建材や家の部材・
部品・設備の価格は誰もしらない。業者は当然、卸価格で安く買っ
ているだろうことは推察できる。その卸価格で買える。

業者を一般のレジに並ばせることにも、価格の最も説得的な演出が
ある。

他にも、ホーム・デポには様々な、イノベーションがあります。そ
れも、すべて顧客の視点での現場からのイノベーションです。

<大企業、銀行、製造業などでは、ユダヤ人は上に上がることがで
きなかった。成功するには、一生懸命働き知恵を振り絞るしかない。
(同書 P3)>

紙幅が尽きました。<事業創造のケース・スタディ:ホーム・デポ
(1)>を終わります。
次週はこの第2部です。

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