緊急号(通貨制度と経済):ペーパーマネー時代の終焉か。戦争が始まった
This is my site Written by admin on 2001年9月13日 – 08:00

こんにちは、吉田繁治です。先程、2日間の札幌出張から帰宅。想
像を超える現実です。
今日は、緊急号<30年のペーパー・マネー時代の終焉か・・・>

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<Vol.70ペーパーマネー時代の終焉か。戦争が始まった>

【目次】
1.蜃気楼のように
2.人類史に刻まれる2001年9月11日午前8:45
3.資本主義とイスラム原理主義の戦争へ
4.米国経済の繁栄を脅(おびやか)すものが敵
5.20年間もゴールドを集めた米国
6.軍需産業の奇妙さと残酷さ

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■1.蜃気楼のように

【蜃気楼のように】
グローバル経済と世界金融の中心、1200社の5万人が働く世界貿易
センタービルが、ボーイング565を吸いこみ蜃気楼のように崩壊
した。

世界経済のシンボルは、長崎・広島の原子爆弾投下後に見紛う砂塵
と瓦礫になった。砂塵を浴びた人が、叫びながら走っている。

【ハイパー・リアリティ】
こんなことまで起こすのか。コンピューター・グラフィックスのハ
イパー・リアリティではないか。
なにを意味する映像か・・・悪夢をみているのではないか。

2年前、世界貿易センターに行った時の、ビルのスケールが浮かん
だ。
グローバル経済の象徴の、2棟の巨大高層ビルです。地下にはショ
ピングモールがある。1日20万人の観光客が、訪れる。

すぐ前に、巨大ディスカウント・デパート「センチュリー21」があ
る。ブランド・アパレルがオフ・プライスストア的に安い。NY市
民の買い物の場。ここも、ビル倒壊の瓦礫に埋もれた。

【ハイテク防衛網】
世界最大、最高装備の軍と諜報機関を持つ米国は、国防のセキュリ
ティの脆弱性を、世界に露呈した。ハイテク防衛網は、機能しなか
った。

いや、実際は機能していたのか。そこは、わからない。
米国は威信を傷つけられた。テロリストは、国防の弱い部分を狙っ
てついた。ハイジャック防止の金属探知機は、役に立たない。
鋼よりはるかに硬く鋭利な、セラミックのナイフもある。

民間旅客機が、爆弾を積んだのと同じ特攻の兵器になることは想定
されていなかった。沖縄の相次ぐ不祥事を見ても、米軍の士気は落
ちている。自爆は、イスラム原理主義では英雄。

【パール・ハーバー】
半世紀以上前の真珠湾奇襲の再来に見まがう。

ハリウッドは、早手回しに映画『パール・ハーバー』を、この9月
11日のシミュレーションのように公開していた。真珠湾では、当
時のルーズベルトは、日本の奇襲を知っていながら、世論の喚起の
ために放置したというのが歴史的事実と言われている。

戦争は、命令一本で若者を戦場に向かわせる。世論の強いバックア
ップがないと遂行できない。米国は、世論操作をやる国です。

約60年前の歴史を想いださせ、米国の世論を喚起する、映画の企
画は、どこからきたか。米軍の関与も、噂されている。

【できすぎていると見える】
論理的には、背景の戦略の推論ができる。
しかし、大きなシナリオがあるとすれば、「できすぎている」

恐らくブッシュは、事前には、なにも知らなかっただろう。
あるとすれば、もっと闇は深い。

今年3月から、2001年9月の世界金融の大波乱を、かなりの確
度で予測してはいた。↓そう書いたマガジンを、何回か送りました

http://www.cool-knowledge.com

世界金融は、ここ数年ずっと、極点で波動していた。
それが、こんな形で、決着がつくのか。
私の感覚が、目の前の映像を、許さない

突如、「戦争」が始まったことだけが、事実である。
準備はあった。そうした事実も見える。

(イスラム諸国が、すべてイスラム原理主義ではない。原理主義は
、イスラム内部の過激派です。イスラムも原理主義で1枚岩ではな
い)

【閉鎖】
NYSE(ニュヨーク証券取引所)は閉鎖され、世界の金融取引は
停止した。シカゴ商品取引所(CME)も閉鎖された。
市場の再開のメドは、17日といわれる。

米国の外で原油は上げ、ゴールドはストップ高になった。
シカゴの商品取引は、停止した。

【紙幣のスイッチ】
アラン・グリーンスパンのFRBは、マネーの輪転機のスイッチを
入れた。日銀は、2兆円の当座預金を増やした。金利は上がった。

中国、香港、シンガポール、フランクフルト、パリ、ロンドンの株
式市場が急激に下げた。日経平均は、当然のように1万円を割った

ニュヨークという主人を、突然失い、戸惑った動きです。
(東証では、現物株の価格幅を通常の二分の1に制限している)

石油、鉱山、素材、軍需関連株は、上がった。

【ペンタゴン】
世界で前方展開を行う米軍の司令塔、米国防総省もテロの「特攻」
を受けた。当初は被害を発表しなかった。

まるで、1991年1月の湾岸戦争の時のイラクです。
あのときのCNNのイラクの軍事設備の破壊の映像が、今度は米国
の象徴部分で起こった。

破壊された窓の奥が赤黒く燃えた。ホワイト・ハウスも狙われてい
たという。ハイジャクの狙いを知って、ボーイング575を戦闘機
が撃破したとの報も流れている。

【パレスチナ】
アラファトのパレスチナでは、テロの成功に歓喜する民衆、叫ぶ子
供たちがいた。イスラエルと戦争状態のパレスチナにとって、米国
は悪の帝国。CNNは、湾岸戦争のときも計算された映像を流した

パレスチナの民衆では、<こんなことが起こって、米国はパレスチ
ナを空爆することになる。困った、パレスチナの得は、なにもない
>とする人が多いことを忘れてはならない。

【テロ】
テロは、最終結果を予想しないで行う、跳ね上がりか?
イスラム原理主義は、米国との取引を要求しているのか?

ラディンをかくまうアフガンも、空漠されるだろう。イラクも、イ
ランも、巻きこまれる可能性が高い。ブッシュは、NATOと安保
を使って、ちょうど10年前の、湾岸戦争の西側連合軍の体制を取
るはずです。

テロの首謀者は、サウジアラビア出身の富豪で、過激なイスラム原
理主義者、アフガンに潜伏するオサマ・ビン・ラディンとされてい
る。
ラディンは、これで、果たして、イスラム内部での威信をあげたの
か?

【核兵器拡散の恐れ】
イラクの、フセインの加担も言われている。事実は闇です。
フセインは、生物兵器をもち、更に核ミサイルも持つといわれる。

ソ連崩壊後の核兵器は、管理が杜撰(ずさん)で、技術者ともども
どこに流れたか、不明のままです。

以前から、ラディンは言っていた。<われわれはアラーの使者であ
る。・・・悪の帝国、米国の終焉を予告する> 
テロは、予測されていた。
テロを警戒せよとの、米国主要機関での事前リリースはあった。

世界の唯一の超大国、米国の経済、金融、政治のシンボルとなる設
備が狙われた。どこへ向かうか。シナリオはあるか。
これから、シナリオを作るのか。

ブッシュは言う。
「善と悪の戦いだ、米国は犯人と、犯人をかくまう国も両方とも絶
対に許さない」 アラブと油に介入する、「正義」ができた。

事件後もマンハッタンの北部は、意外な平静な日常だという。

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■2.人類史に刻まれる2001年9月11日午前8:45

【伊丹から条件付離陸】

9月11日(火曜日)の朝、徹夜で書き上げた<ビジネス知識源プ
レミアム:創刊第2号>を配信登録。
朝8:20のJALで札幌へ。台風で千歳空港に着陸できないとき
は、伊丹に戻るという条件付き離陸。しかし、さほどの揺れもない
飛行でした。

【e-MP】
札幌で、(ロスアンジェルス時間)11月7日(水曜日)~10日
(土曜日)の米国先端流通業視察セミナーのJTBとの打ち合わせ
を済まし、その後は、e-Market Placeの、これから必要になるVM
I(Vendor Managed Inventory:メーカーが店舗へ在庫を売り渡
さず在庫をコンロトールするシステム)検討です。

【VMI】
VMIは、手形取引崩壊の後の、有効システムになる。メーカーは
、小売りの信用状態に危惧を抱き、手形取引の拡大ができない。

【商業手形の交換高の急減】
1997年  1585兆円(この年秋から第一次金融危機が始まる)

2000年  1053兆円(データは『日本国勢図会2001年』)

減少額は、532兆円です。手形商取引の、急減がある。
誰も取りあげませんが、企業間信用の34%の縮小を示すものです

【異変】
11日夕刻から、新札幌にあるシェラトン・ホテル。28階にある
和食の<兜(かぶと)>で会食。高層ホテルから、眼下の、闇に浮
かぶ街の景色を眺め経済論。

異変はその後。電話があり「世界貿易センタービルの倒壊、ペンタ
ゴン(米国防総省)への旅客機の自爆テロ」

<あぁ、ついに、2001年9月、現実は、あちら側に行ってしま
った> 

▼その日の朝、送っていた<ビジネス知識源プレミアム>

翌日の12日、午後10時に帰宅。メールを開くと、150通。
多くが、米国同時多発テロ関連。NYの友人は、自宅アパートの窓
から、<世界貿易センタービルの信じられない崩壊を見た>と言う

マンハッタンの、エンパイアステート・ビルのそばに住む親族から
もメールがあった。「無事です」 水道水が汚染される可能性があ
るので、水を確保していると言う。民間機は、すべて飛んでいない

電話が殺到し、通じなかった。O型の血液が足りず、献血に行くと
言う。街を歩く時は、暴動や略奪を警戒して、と伝えた。NYには
、街に軍隊が出動している。ジュリアーニの危機管理が、全幅で動
いている。NYにはアラブ系が多い。

9月11日の有料版の、「時事情勢解析」の部分の1節を載せます

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

▼米国発のニュースが一色になったとき、疑いに値する

米国経済からは、悪いニュースのオンパレードです。警戒しなけれ
ばならない状態にあるのは事実。しかし、もう1歩考えを進めなけ
ればならない。本来は、多色であるべきニュースが一色になるとき
米国では操作が加わっていることが多い。
(常に、ではないのですが)

経済では、売りがあれば、同じ量の買いがあるのです。
背後での「戦略的準備」の前兆を感じます・・・
(変動相場制の金融か、エネルギーか、資源か:9月11日早朝)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

以下は、テロ事件の直後の時刻の、読者の方のメールです。

吉田さんの文書を読んでいて、ぞっとしました。

記事のあとに、事件が起こったので・・・
アメリカは無理やり戦争を起こそうとしているのか?
確かに怪しい点がいくつか鼻につく。
ビルに突っ込む前にハイジャックのニュースが流れるのではないか

しかも同時に11台(あとで4機とわかる)も・・・ありえない。
それにアメリカの株式が開く前の事件・・・

皆様、どう考えますか?考えすぎでしょうか?
吉田さん、どうでしょう?何かとても鼻につくのですが・・・
                   (原文のまま)

cool-knowledge読者フォーラム↓にも投稿されています。
http://cgi.members.interq.or.jp/venus/yoshida/BBS/light.cgi

▼語られない背景を・・・

先程2時間眠りました。3日間、睡眠不足の頭で、書きます。
冷たい水で顔を洗い、アイス・カフェ・オレで覚醒させ、書いた後
また眠ります。横で、CNNが報じている。

私は「陰謀説」を言うのではない。事実は、わからない。
米国に世界の資本と金融の奥の院が、あるのは事実ですが。
最終的に、誰が利益を得るか・・・

進行形の時は、事実の奥は不明で、報じられるニュースから「尖っ
た事実」を拾い、あとは推理と思索。

事件は、偶発ではなく、意図的なものです。
しかし歴史の事件の意図は、語られることがない。

9月11日の<ビジネス知識源プレミアム>には、時事情勢解析と
して以下のようにも、書いています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【最終事態】
放置すれば、国際マネーも投資家マネーも引きあげる。
マネーの動きの象徴が、株価の下落です。
最後は、庶民の預金すら引きあげる。(起これば規模は巨大)
庶民預金の引きあげ起これば、打つ手がない。

終点は、日銀マネーを銀行に無条件・無制限に出すことを迫られ、
次は、それを旧円とし、「新円」を発行する。

自然の理では、向かう方向は、いずれ「新円」です。
こうならないために、対策が必要なのです。

【米国という国家の基本】
日本は、発想が中小企業国家です。米国は大資本家の国です。
(これを忘れないこと)
大資本家は、大衆が読むマスコミ・ニュースでは動かない。米国政
府も、大資本家も、マスコミを世論操作に使う。ここが、日本と違
います。

大資本家は、シンクタンクの戦略リポートで動く。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

<2001年4月4日緊急号:米軍偵察機と中国軍戦闘機の衝突>も参考
にしてください。
↓5ヶ月後の今から思うと、かなりの確度の予測を、しています。

http://www.cool-knowledge.com/0404kinkyugo-bushuseiken.html

この中に、以下のようにも書いている。

【方法:目的で見ること】
政策や人を見るとき、一番確かなことは、その政策または人が目指
すものを見ることです。そうすれば、一見では複雑な紐の絡まりが
、単純に解けますね。人間が意識的にやることには、目的があるの
です。
国際政治は、目的と戦略の塊ですね。

――――――――――――――――――――――――――――――

■3.資本主義とイスラム原理主義の戦争へ

米国ブッシュ政権と共和党の、国民に対するミッションが何である
か、を見るために、「煙や湯気が立っている歴史」を振りかえりま
す。

【レーガンと父ブッシュ】
米国は、レーガン大統領の80年代、軍拡競争で共産国ソ連を崩壊
させた。後を継いだブッシュ(父)は、イラクを敵国とする91年
の湾岸戦争で、最大の原油埋蔵量をもつサウジアラビアへの軍事駐
留を図った。

【クリントン】
クリントン大統領とグリーンスパンFRB議長は、ITで世界のマ
ネーを米国に集め、95年からの米国の一極繁栄を生んだ。

【しかし2000年から】
ITハード需要の、「伸び率の低下」を起点にした2000年以降
のナスダック株崩落は、世界同時不況をもたらすまでになった。

【ブッシュのバックグラウンド】
ブッシュは、米国石油産業の中心であるテキサス州。ブッシュの背
景には、IT産業ではなく、エネルギーと素材産業がある。

【90年代の平和の配当】
米国は、$3000億(36兆円)の軍事予算から軍事費を縮小し
た。
日本の防衛予算の7倍を使うのが、米軍でした。国民負担は3.5
倍。
NASA、ペンタゴンの予算は小さくなり、軍需産業リストラが行
われた。これが米国の、冷戦後の、経済構造改革だった。

軍需のマネーと技術がクリントン時代になると、転じて「平和の配
当」になった。

【繁栄の5項】
(1)NASAの技術者は、金融とIT部門に流れた。
(2)金融では、高等数学を使うデリバティブを発達させ、主とし
て日本の機関投資家から、米国へマネーを奪還した。
(3)ITでは、軍事ネットワークであったTCP/IPのインターネッ
トを開放し、ネットワーク産業を生んだ。
(4)産業はネットワークを使い、トヨタ式ジャスト・イン・タイ

をシステム化したSCM(サプライチェーン・マネジメント)を生
んだ。WMS(倉庫管理システム)とロジスティクスの担当者は、
多くが軍出身だった。
(5)QCに替わる改善手法、21世紀型経営のCRM(カスタマ
ー・リレーションシップ・マネジメント)も生まれた。

【イデオロギー】
90年代後期のニュー・エコノミーのイデオロギーは、経済の最大
の問題である「ビジネスサイクル(景気循環)」を消滅させると説
いた。これは嘘であることが、2000年に明かになっている。

▼米国の国家戦略

米国は、共産ソ連の崩壊で、イデオロギー的な敵を失った。
その後は、米国の仮装敵は、以下の3つになった。

(1)経済面:輸出力の強い日本の経済構造。

日本に対しては、90年から「日米構造協議」で、失業を輸出する
日本の輸出体質の変更を迫った。内需のために10年で450兆円
の公共投資を約束させた。官僚と政治家は、これにとびついた。
会計の、グローバル標準への変更も迫った。

90年以降の日本は、公共投資を使いながら、構造調整の引き延ば
しと、構造改革議論に入った。構造改革の骨子は、橋本内閣がまと
め、結果としては小泉首相が引き継いだ。

(2)軍事面:核を持つロシア、中国。

ロシアでは自由化・市場経済化がおこり、大統領の選挙制度が作ら
れた。これで、共産党独裁による共産革命のイデオロギーは消えた

中国は1国2制度で、共産党独裁を続けつつ、経済は市場化へ向か
っている。中国では軍が民営企業を作った。米国は中国をWTO(
世界貿易機構)へ組みこみ、「平和の祭典」オリンピックを誘致さ
せ、自由世界の経済メンバーに加えようとしている。

(3)最後の敵:イスラム原理主義

世界の一極化を果たしつつある米国にとって、最後の敵は、イスラ
ム原理主義になった。本拠地は、イラン、イラク、アフガン、パレ
スチナである。サウジは、湾岸戦争後の米国軍駐留とサウジ王家の
提携で押さえている。

イスラエルのタカ派シャロンと、パレスチナのアラファトは、中東
和平協定を破り、戦争を続けている。

イスラム原理主義のテロリストの首魁、オマサ・ビン・ラディンは
、悪の帝国(米国)の、アラーの神による殲滅(せんめつ)を宣言
する。ラディンが首謀者であるか、そうでないかは、大きな問題で
はない。
ラディンは、タリバン政権のアフガンが、かくまっている。

大規模テロは、これ以上はない劇的なものとして、2001年9月
11日午前8時48分、通勤に急ぐニュヨーク市民の目の前で起こ
った。

――――――――――――――――――――――――――――――

■4.米国経済の繁栄を脅(おびやか)すものが敵

米国の繁栄と安全を脅かすものを取り除くのが、市民を守る軍のミ
ッション。米国経済の繁栄を脅かすものは、以下の3項。

▼1.石油の産出量と埋蔵量:米国の可採年数はたった10年

         産油(00年)   埋蔵量   可採年数
         kリットル     kリットル
―――――――――――――――――――――――――――――
サウジアラビア   4.7億    412億   88年
ロシア       3.7億     77億   21年
米国        3.4億     34億   10年
イラン       2.1億    142億   68年
中国        1.9億     38億   20年
・・・・
世界合計      39億    1635億   42年
うち中東分     13億    1087億   87年
―――――――――――――――――――――――――――――
    (データ:オイル・アンド・ガスジャーナル1999年)

米国の経済と生活は石油が支える。石油消費量は日本の4倍、人口
1人あたり2倍。

米国内の油田の可採年数は、10年でゼロになる。米国は10年後
に原油の面で、100%輸入の日本のような弱体国家になる。

▼世界の原油消費量:1997年

         消費量    人口当たり  自給率
――――――――――――――――――――――――――――
米国      7.5億トン  2.7トン  42.2%
日本      2.2億トン  1.8トン   0.2%
ロシア     1.8億トン  1.2トン 166.2%
中国      1.7億トン  0.1トン  91.9%
・・・・・
世界      33.2億トン 0.6トン 100%
――――――――――――――――――――――――――――
          (エネルギー統計年報:1997年)

【確定している近未来】
世界の1、2のGDP大国が、両国とも100%輸入になればどう
なるか?米国は今でも$4000億もある貿易赤字を、更に拡大さ
せ、支えきれるわけはない。

石油文明の、原油大量消費国:米国は実は「風前のともしび」。
これは、エネルギー関係者は、知っているであろう。

【30億人の石油消費量の増加】
(1)13億人の中国の経済発展、(2)10億人のインドの経済
発展、(3)ロシアを含む30億人の旧共産圏の経済の自由化は、
世界の原油消費量をふやす。

現在1バーレル(1本のドラム缶の量)$30の原油は暴騰する。

【イスラム原理主義が金融と主要産業を握る】
そうなれば、世界のマネーを集めるアラブが、世界の資本家になる

世界の主要産業と金融を資本力で支配する。シティバンク、GE、
IBM、マイクロソフト、トヨタ、ソニー、日本の銀行、証券・・

イスラムの石油資本で、利益を収奪されることになる。
このままでは、そうなることが、確定していると言える。

ブッシュ大統領は、最初の4年の任期で、米国の繁栄の根底である
自動車と電力文明を支える原油枯渇予想に直面する。
これは、就任の時から確定していた。

リアル・ポリティクス音痴の日本人が、ナイーブな平和観をもって
いるだけである。

【猶予期間は2~3年】
あと2~3年も経てば、その後8年で米国石油が枯渇することが騒
がれ、第三次オイル・ショックが起こることは必然である。

【中東が生命線】
埋蔵量が多いのは、可能採掘年数87年の中東。
中東を押さえ、石油市場を支配することは、米国の繁栄の生命線に
なってきている。

【国家安全保証が米国大統領のミッション】
米国は、国家経済の安全保証に、中東支配を必然的な戦略とする。

できなければ、米国は、中東・イスラム原理主義の価格操作のうえ
で踊らされる国家になることが決まる。米国はそれを許容するか?

イラン、イラク、フセイン、ラディンも、ブッシュ共和党もそれを
知っている。この視点が、9月11日の、事件の背景になっている
のは、間違いないであろう。

【世界の世論】
ブッシュ共和党と米軍は、世界貿易センターの崩壊、ペンタゴンへ
の自爆機の特攻で、イスラム原理主義を叩きつぶす政治的な名目と
、国際世論、国内世論を手に入れたことになる。結果論かもしれな
いが。

ルーズベルトは、日本軍による真珠湾奇襲の時、国際・国内世論操
作を行った。悪の国は、アジア支配を狙う新興国日本だった。

あまりに「シナリオができすぎている」と思うひとも多いだろう。

こうしたことは、計算して、できるものなのか。
予測は不能で、起こった結果を利用するのが、戦略になるのか。

【ロックフェラー財団】
1973年に建った世界貿易センタービルは、保険がかかっている

ハイテクビルとしては、新しくはない。
数千億円が、米国、所有者のロックフェラー財団に入る。
建物は戻るが、6千人以上の、恋人、友人、家族をもつ人命は消え
た。

▼2.世界からのドル買いの流入

史上最大の貿易赤字国である米国の繁栄は、日本、西欧、中国から
のドル買いが支えてきたといえる。輸入で支払ったドルが、国債、
社債、債権、株で還流する資金循環があった。

ドル債権が売られ安くなれば、米国人は生活水準を切り下げなけれ
ばならない。サラ金生活での繁栄に類似しているのです。

今は金利が低いのが救いです。米国の経済安全保障では、この借金
を無効にし、米国がマネーの面で自立すること。

方法はあるか。一旦はドルを大増刷し、ペーパーマネーのドルを下
げる。そして、その後に、金と兌換できる新ドルを発行する方法が
ある。

それによって発行済みの不換紙幣のドルの価値は下がる。借金国に
とっては、借金が数分の1になることを意味する。
米国債権と不換紙幣のドルの価値が下がる。
(実行するかどうかは、別です。しかし、ブッシュと米国FRBは
実行はできる)

1971年、貿易赤字になった米国は、金とドルの交換を停止した
。ちょうど30年前、金本位制は、突然終わった。ニクソン・ショ
ックといわれる。それから、第一次オイルショックが起こり、世界
は、ペーパーマネーの、変動相場制に移行した。

その後30年。30年は1世代の経済体制が変わる期間ですね。

――――――――――――――――――――――――――――――

■5.20年間もゴールドを集めた米国

スイス、イギリスを筆頭に、西欧の中央銀行は、手持ちのゴールド
を売ってきた。だれが、安く買ったのか?

売られたものは、主要部分を、米国の年金資金が買っている。
知られていない事実であるが、米国は、国としては1オンスの金も
手放していない。

これは、何を意味するのか? どんな戦略か?
約20年、米国はなぜ、下がった金を黙って買いつづけたのか?
20年という長期間の戦略は、実際にありえるのか?

世界のゴールドの現物は、今は米国の手元、NY連銀の地下に集ま
っていることは事実です。事実が戦略を物語る。

▼グリーンスパンの狙い

FRB(米国連邦準備制度)議長アラン・グリーンスパンは、99
年5月20日の下院銀行委員会で以下のように答えています。

議員の質問:
<アメリカも、イギリスが保有金売却を決めたように金売却をすべ
きか?>

グリーンスパンは答えた。
<アメリカは保有する金を売りに出すよりも、むしろ、その金準備
に固執すべきである。なぜなら、金は依然として世界において究極
の支払い手段であるからだ。例えば戦時下の1944年にドイツは
金があったので初めて軍事物資を購入することができた。金はいつ
でも受け入れられるのだ>(『金復活』高橋靖夫:2001年3月
 P317)

ここに理由が、あった。グリーンスパンは、明確に答えている。

政府のペーパーマネーが信用を失う時、言い換えれば、ドルからの
逃避が起こるとき、頼りになるのは、原油(黒いマネー)と、輝く
ゴールド。グリーンスパンは、そう認識している。

▼ペーパー・マネー時代の終焉(しゅうえん)か?

グローバル経済のシンボル、世界貿易センタービルの崩壊を見てい
て、30年間のペーパーマネー経済の終焉を予感したのです。

「ついに清算の時が来た」と思った。

今後1ヶ月も2ヶ月も、テレビは、ペーパーマネー経済の象徴の世
界貿易センタービルの崩壊の映像を、繰り返し流す。
これに早晩、アフガン、パレスチナ、アラブとのの戦争の映像が加
わるだろう。人々に、ある時代が終わったことが、焼きつけられる

米国は勝利できるのか。1991年1月の湾岸戦争で、負けたと言
われるフセインが、敗戦後も国の英雄でありイスラム世界の英雄で
あり続けられているのはなぜか?

紙幣はみんながその価値を信用することによってのみ、通貨として
の価値をもつ。
それ以外に通貨の成立根拠はない。
30年もドルを機軸通貨とするペーパーマネーの時代が続いた。

米国の国家的威信、軍事力、米国経済がその裏づけだった。世界の
ペーパーマネーの総量の増殖は、まず日本でバブルを生み、そして
10年後の米国で戻りバブルを生んだ。、

オイルと、ゴールドの、実物の価値の裏付けが必要になってきたの
ではないか?

米国は、明確な世界戦略をもって動く国です。
わが国の、国家戦略のなさで連想することはできないのです。

もうすこし、観察すればはっきり見えてくる。
もう少しとは、いつか?

NYSE(ニュヨーク証券取引所)と米国ナスダック、CME(シ
カゴ商品取り引き所)が再開され、事件後の世界のマネーの動きが
見える時です。

――――――――――――――――――――――――――――――

■6.軍需産業の奇妙さと残酷さ

軍需産業は、武器を使わずとも、世界に危機状態がないと存続でき
ない。

時々、在庫一掃の時期が来る。湾岸戦争は10年前だった。10年
で米国の軍の兵器の在庫、世界の軍の兵器在庫は、溜まっている。

世界で、もっとも巨大な軍需産業の国が米国です。

2001年8月15日、第二次世界大戦が日本の無条件降伏の玉音
放送で終わった記念日に、ペンタゴンは次期主力戦闘機F22の初
期生産を承認している。(日経新聞 01.0815)
8月15日は、発表するのに選んだような象徴的な日です。

295機で5兆400億円($450億)の総額。54万人の雇用
創出に相当する。老朽化が指摘されるF15の後継機で、レーダー
に探知されにくいステルス型戦闘機です。わずか一機で171億円

米国ブッシュ政権内でも、高度な軍需の無用論も強い。
そうした時、軍需産業はしばしば、特定の経路を使い、危機の演出
をすることは、知られています。

確証はありません。漏らせば、生命すら危ない。トップシークレッ
トであり、軍需産業内部でも誰も知らないことが多い。

そうした背景があるかどうか、だれにもわからない。
現実は、まさに、ハイパー・リアリティになった。
TVを見ながら、新聞を読み、ソファですこし眠ります。

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