番外:いよいよ米国の金融危機の本命が登場した;「リテイルITストラテジー・セミナー」のお知らせ
This is my site Written by admin on 2008年7月15日 – 08:00

昨日は、久しぶりの無料版をお届けしました。若干長文ですが、お読
みいただけたでしょうか。ビジネス知識源(無料版)、同プレミアム
(有料版:週刊)では、マネジメントや経営戦略と経済問題への考察
をお届けしています。

【方法】
変化することが本質である経済や金融について書くときの姿勢は、

(1)過去から現在までの中で、鍵になっていることを分析する。
(2)その中から、重要と思える原理を、抽出する。
   働く原理は、時々で、異なる様相を見せます。
(3)未来に向かう中で、確定的なことを、挙げる。
(4)以上を経て、未来予測をする。

【現在の理解】
未来予測ができるかどうか、ここで、自分自身が「現在」についての
理解ができているかどうかが分かります。肝心なことは、「過去」に
ついての原因の分析、変化の要因の分析が、当を得ているかどうかで
す。メディアの意味づけは、しばしば、誤っていることが多いと感じ
ます。理由は、意図のある政府広報を、載せるからです。

【延長と転換】
経済で与えられるものは、過去です。過去のトレンドが、ほぼそのま
ま延長できるものもあれば、質的な転換をするものもある。
この見極めが、予測だと思っています。
以下は、予測の事例です。

【いよいよ米国金融危機の、本命が登場:意味付けの項】
今日の新聞では、住宅証券の保証会社であるファニーメイとフレディ
マックの、ローン延滞の増加による「債務超過」と「米政府の支援」
が報じられています。

これは、今回の金融危機の本命です。
金融機関の損の、全部を合わせたものに匹敵します。

【520兆円のローン債務の保証をする機関:事実の項】
両社が保証するローンは、フレディマック$3兆(300兆円)、ファニ
ーメイ$2.2兆(220兆円)で、合計$5.2兆(520兆円)という巨額で
す。

比較すれば、市場で売られている米国の国債が、$5兆(500兆円)く
らいですから、それに匹敵します。つまり、両社の破綻は、そのまま、
米国政府つまり米ドルの信用の下落を意味します。

米国の住宅ローンは、$12兆(1200兆円)という巨額です。そのうち、
$5.2兆(43%)の回収と利払いを、両社が保証しています。

「保証」とは、ローンが払えない世帯が出た時、代わりに払うことで
す。それが資金不足からできなくなって、破産です。

両社の株価は、2008年3月(住宅ローン危機の終わりが言われた時期)
の、10分の1に下落しています。ジャンク債以下です。

注)金融機関の、都合の悪い損失は、例によって「飛ばされています」
  公開された会計から、飛ばし額を読むのが、株価です。

Aさん(米国政府)は、Bさん(両社)保証人になっている。Bさん
が破産し、ローン回収の保証ができない。住宅ローンの、保証人の保
証人である米国政府が、保証しなければならない。

これは、500兆円の米国債が、08年7月14日に突然520兆円の住宅ローン
債務を加え、1020兆円という世界最大の債務規模になったことと同じ
です。

両社は政府系であるという認識から、格付けは、米国の政府信並みの
AAA(最上級)とされていました。AAAは、資金不足からの倒産
確率がゼロという意味です。

欧米の証券化金融を膨張(前号で1京3000兆円と示しました)させた格
付けが、いかにいい加減なものであるか、分かる。

米国の金融危機、言い換えれば証券の下落危機は、格付けのいい加減
さを、内外の買い手(金融機関と機関投資家)が信用し、買ったこと
に求めることができます。日本の財務省と金融機関も、この住宅ロー
ン証券を買っています。

【今後の住宅価格:予測】
予測すべきは、08年7月以降の、米国住宅の価格の動きです。今後の住
宅価格の一層の下落があれば、今回予想される8兆円を、政府がつぎ込
んでも、毎月、足りなくなります。米国の住宅は、今後も下げます。
これは、確定的です。

【総住宅在庫は11ヶ月分(=新築+中古+抵当流れ):根拠】
抵当流れ(08年3月で200万戸)の、格安でしか売れない在庫が、7月、
8月、9月と更に増え、ローン審査は厳しくなっていて、優良な世帯に
も、ローンが降りなくなっているからです。

ローン審査が急に厳しくなった理由は、(住宅価格の下落局面では)
住宅ローン関連証券が市場で売れず、ローン会社には、貸す資金がな
くなっているからです。

【米ドルそのものの信用:事実と予測】
海外に流出している住宅ローン証券、国債、社債を含む米ドル建て証
券(推計で2000兆円以上でしょう:わが国だけでも620兆円を持ちます)
が放出される時期が、刻一刻と近づいている感じです。

(注)これは米国の、対外債権を引いた純債務とは違います。純債務
は、07年12月で303兆円です。米国のが海外にもつ債権を引いた後の数
字です。(財務省集計)
http://www.mof.go.jp/houkoku/19_g3.pdf

巨額赤字の米政府の金庫に余剰マネーはない。海外が、米国の証券を
買わないとすれば、残るのはFRBが、巨額マネーを投入するしか方
法がない。そうすると、米ドルの信用はどうなるか? 言わずもがな、
です。

この伝で言えば日本の97年からの金融危機はかわいいものでした。個
人金融資産が1500兆円あり、国債は国内で消化していて、円の対外信
用は高かったからです。これが、円の信用の根源です。

他方、米国は、国、企業、個人の債務を国内では消化できず、証券の
格付けの信用と高さ(AAA)で、海外に売ってきたのです。

【金融危機の付加要素】
スティグリッツが計算した、イラクの総戦費(10年で300兆円)も、
ドル信用の下落の、50%くらいを占める要素です。この戦費は、
一般会計の防衛費(年50兆円)には計上されず、特別経費として、
いろんな勘定科目に分散され、わからないようになっています。
『世界を不幸にするアメリカの戦争経済』

これは、米国を凋落させたベトナム戦争の戦費より大きく、第二次
世界大戦の現在価値で第二次世界大戦の60%になるという。

これで、インフレ的に資源価格が上がるのも、うなづけます。
要は過剰な財政負担による、米ドルの価値下落です。

(注)わが国の防衛費は約5兆円です。世界の防衛費は、大きな抜け
がありますが公式には100兆円とされています。防衛費は言うまでもな
く軍事費です。

歴史を見れば、軍事費の累増と、軍隊が目的を失ったモラールの低下
及び産軍政の複合体が、通貨価値を下げ政府を滅ぼしたことがわかり
ます。

わが国の、一般会計とは違う特別会計と同じような二重構造がある。

●本号は、番外のお知らせです。商業界の専門誌『販売革新』に、7年
続け、経営・商品構成・在庫管理のテーマで連載しています。時折、
特集記事も寄せます。

発売中の08年7月号には、『連載:在庫管理の原理と方法(12)』と、
『特集:製配販の新しい構造作りとIT活用:取り残されてきたシス
テム化と情報化を再考する』を書いています。

宣伝は得意ではありませんが、小売業の物流センターや店舗の在庫管
理を原理からまともに書いた本はないということに、日米のアマゾン
で調べて気がつきました。わが国小売業は、90年代以降のシステム化
・情報化に重要な取り残しがあります。

『販売革新』の編集長は、有料版の読者でもある宮崎文隆氏です。彼
が中心になって、リテイルのIT戦略をテーマに、セミナーが企画さ
れています。8日後の、08年7月23日(水曜日)です。商業界の創業60
周年記念と販売革新の発刊45周年記念だそうです。

講演者は10名。当方は最後の時間(16:40〜17:30)に『次の10年で
何を考え、達成したいのかを決めよう』というテーマで、総括提言を
します。

会場は東京新宿の「ハイアット・リージェンシー東京」、受講料は1万
円です。盛りだくさんな中身です。定員は350名。

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リテイル・ITストラテジー(概要:08年7月23日)
【午前の部】
9:00     開会のあいさつ
9:05〜9:55  基調講演:あなたの仕事を変える思考プロセス
       『これからの小売業界人に必要な経営の設計学』
       東大工学系研究科システム創成学:宮田秀明教授
10:00〜10:25『先進ITソリューション活用』マイクロソフト
10:25〜10:50『海外リテーラー活用事例』日本オラクル
10:55〜11:20『次世代EDI活用』プラネット 玉生弘昌氏
11:25〜12:05『IT活用が上手な経営者、組織はここが違う』
                 公認会計士 安本隆晴氏
【午後の部】
 12:35〜13:50 記念パネルディスカッション
  『次世代リーダーが語るITとの付き合い方、活かし方』
  「国分」専務取締役 国分晃氏:「エスビー食品」常務執行役 
   山崎明裕氏:「バリラジャパン」代表取締役 豊田安男氏:
   「ユアーズ」代表取締役 根石典雄氏
13:55〜14:35 『ドラッグストア:医療モール作りと需要開発』
        「サンキュードラッグ」代表取締役 平野健二氏
14:35〜15:15『スーパーマーケット:標準化と業態、地域特性の考
     え方』「ユニバース」代表取締役三浦紘一氏
15:20〜15:45 『事例研究:地方SM再生への活用』
        「魚栄商店」 代表取締役 岩本勝幸氏
15:45〜16:10 『事例研究:RFIDの先端活用事例』
         チェックポイントシステムジャパン
16:00〜16:35 『小売向け統合ソリューションサービスの活用』
         セゾン情報システムズ
16:40〜17:30 『総括提言:次の10年で何を考え、達成したいのか
         を決めよう』 吉田繁治

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宣伝の「最高峰の知性と実務家が集結」は言い過ぎでしょうが、ヒン
トや価値はあると思います。選んで聴いてもいいでしょう。

以下のサイトを開くと、内容の詳細紹介があり、申込みができます。
http://www.shogyokai.co.jp/seminar/08/it/it_index.html

会場費と内容からすると、会費1万円はギリギリの採算点でしょうか。
過日、宮崎氏にメールマガジンに書くと約束しましたので、期日が迫
っているのですが、特別にお知らせし、ご参加を募ります。

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     【ビジネス知識源 読者アンケート 】

読者の方からの意見や感想を、書く内容に反映させることを目的とす
るアンケートです。いただく感想は参考になります。

1.テーマと内容は興味がもてますか?
2.理解は進みましたか?
3.疑問点は?
4.その他、感想、希望テーマ等、ご自由に
5.差し支えない範囲で読者の横顔情報があると助かります。

コピーしてメールにはりつけ、記入の上、気軽に送信してください。
質問のひとつひとつに返信することはできないかも知れませんが、共
通テーマはメールマガジンでとりあげます。

↓著者へのメールのあて先
yoshida@cool-knowledge.com

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姉妹紙の『ビジネス知識源プレミアム:有料版』は、「1ヶ月ビジネ
ス書5冊を超える情報価値をe-Mailでお届けする」ことを趣旨に、ビ
ジネスの成功原則、関連事項、経済を原理からまとめ、明快に解いて
お届けしています。以下は、08年7月9日号の目次です。

無料での試読が、最初の一ヶ月間できます。

<385号:経済随想(3)&(4)>
  2008年7月9日分(増刊+正刊)

【目次】

1.米国における金融経済の膨張
2.信用膨張は、金融工学と乗数金融の発達でもたらされた
3.利益も損も、倍数化する乗数金融
4.約30倍の、巨額レバレッジ
5.中央銀行のマネー注入分が、上がっていた商品相場に流れる
6.今日の、米国FRB(08年7月9日)は?
7.金融機関がレバレッジを増やすことができた原因はCDS
8.300兆円ものイラク戦費が、インフレの原因になる

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