ハマス・イスラエル紛争の背景と予想
This is my site Written by admin on 2023年10月15日 – 15:00
ウクライナ戦争は、6月からのウクライナの反転攻撃に、めぼしい成
果がなく、膠着状態ですが事実上は明らかなロシアの勝利です。日本
を含む西側のメディアの報道が、戦争プロパガンダだったことが分か
ったでしょう。1年前ころから、ウクライナ軍の主力は破れていたの
です。メディアは「悪」のプーチンを撃つウクライナ軍の勇敢と健闘
を讃えていました。どういう風に、申し開きするでしょうか。

世論による、米欧の支援停止の動きから、ウクライナ軍の戦闘能力は
なくなってきました。ところが今度は、突然、パレスチナのガザ地区
の軍閥、ハマスのイスラエル攻撃(10月7日)からの、中東戦争に移行
したのです。

コロナから複雑な動きをする世界について、日本政府は外交の定めと
見通しがない。戦後の80年、アメリカを通じてしか、世界を見て来な
かったからです。岸田政権は歴代でもっとも強く米国民主党の属国で
す。自民党とともに共和党とは距離をとっています。

【イスラエルの建国】
ユダヤ人国家のイスラエルは、第2次世界大戦のあと、1948年5月に、
パレスチナを実効支配していた英国によって建国されました。
1)アラブには旧オスマン帝国(トルコ)にアラブ人国家の建設を約
束。
2)ユダヤ人に対しては、パレスチナにイスラエル建国を認める。
3)フランス・ロシアには、旧オスマン帝国を3国で分割することを約
束しました。
英国が得意な、三枚舌外交と言われます。

この英国の外交が、戦後の、終わりなき中東紛争の原因です。
ウクライナ戦争でも、英国は怪しい動きをしてきました。

古来、英国人には、国内はべつにして、外交での倫理と正義は欠落し
ています。長期見通しがない、短期の英国功利主義です。それが
1990年代からの英国グローバリズムでもあります。偽善のジェントル
マンが英国の正体です。BBCも、偽善の報道。NHKにもある偽善よりひ
どい。英国インテリジェンス(諜報:MI6)の伝統でしょう。

米国・英国・フランスはイスラエルを支持し、イスラムの中東はイス
ラエルを不倶戴天の敵としてパレスチナ側です。イスラエルとアラブ
の和解は、イスラエルのパレスチナ占拠を正当化することであり、原
理的にあり得ないとイスラムは考えています。

米国は、世界の反米の軍を国権の根拠がないテロ組織(犯罪組織)と
します。米国がテロ組織と決めれば、犯罪者になるのでいつ攻撃して
もいい。これが、2001年の9.11以降の、米軍のペンタゴンの公開方針
です。国家の場合は、北朝鮮やイランのようにテロ国家とします。

以下の話は、中東の地図を見て読むと、少しは分かりやすくなります。
日本人にとって、中東は謎の火薬庫でしょう。
(中東からアジアまでの地球儀)
https://www.google.com/maps/place/%E4%B8%AD%E6%9D%B1/@27.0820999,44.0154278,4z/data=!3m1!4b1!4m6!3m5!1s0x157ec4658142ffb7:0xa5b8320215ea72c!8m2!3d29.2985278!4d42.5509603!16zL20vMDR3c3o?entry=ttu

【中東の紛争】
イスラエル建国のあと、第1次中東戦争から4次まで、大きな戦争が4
回起こりました。2000年以降はレバノン侵攻(06年)、ガザ侵攻(06
年)、ガザ紛争(08年から09年)、ガザ侵攻(14年)と、絶え間ない
紛争が続いています。

中東地域の紛争は、世界インフレを起こす2度の石油危機になってき
ました(1973年、1980年)。

紛争の核は、直接・間接に、ユダヤ教のイスラエル対イスラム教国で
した。今回の、いずれは明らかになる本質は、ハマスの裏にいるイラ
ン(シーア派)へのイスラエルの攻撃でしょう。

バイデン政権がアイマイな態度をとっている、イランの核兵器製造を
許せばイスラエルはなくなるという恐怖を、根本のところで抱いてい
るからです。イランが核兵器を作れば、サウジのサルマン皇太子も核
武装すると表明しています。中東がイスラエル、イラン、サウジの核
保有国になる。

今回の紛争が長引いて、本質であるイスラエル対イランに拡大し、パ
レスチナの北、レバノンのヒズボラまで参戦する事態になると、第4
次石油危機でしょう。

ハマス側の、最初の攻撃でのロケット弾5000発(イスラエル側は
3000発と発表)は、紛争にしては大きすぎるものです。

パレスチナのガザ地区(ヨルダン側西岸)の武装したハマスは、アラ
ブでは、悪のテロ集団ではない。アラブ諸国にとって、パレスチナを、
1948年から占拠し、建国したイスラエルは外交的な妥協のできない悪
です。(注)外交は、利害の妥協です。片方が妥協しないとき戦争にな
る。

この戦争が拡大し長期化すれば。97%の石油を中東から輸入している
日本にとっては、深刻な事態を生みます。直感的には、瞬間では原油
1バーレル150ドルかもしれない:現在、84ドルです。エネルギー・資
源・穀物の代表である原油価格が、インフレを決めます)。
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/market/data/clc1.html

武装したガザ地区のハマスは、兵士が4万人です。パレスチナ人220万
人が、ベルリンの壁に見える塀に囲まれた福岡市の広さのガザ地区に
住んでいます。人口密度は、福岡市の約2倍です。ガザ地区は、高層
ビルのない香港がイスラエルの入植で居住を奪われて難民が溢れる姿
をイメージすればいいでしょう。

ガサ地区を支配するのは、パレスチナの政府軍と対立している、イス
ラム原理主義の軍閥、ハマスです。原理主義は悪ではない。イスエラ
ムの教えに忠実な人たちということです。コーランが聖書です。

【ネタニアフ政権】
22年12月に極右のネタニアフが連立してイスラエルの政権について以
降、イスラエルからのガザ地区への、「入植」と称する暴力的侵攻が
絶えなかった。

イスラエルの裁判所で、別の国家であるパレスチナのガザ地区へのイ
スラエル人の入植を決めるという奇っ怪な決定が行われているのです。

根本的なことを言えば、イスラエルはパレスチナを国家と認めていな
い。パレスチナの正当な国家は、イスラエルとしています。

武器をもたない、ガザ地区のパレスチナ人は投石で対抗していました。
家に籠もった抵抗者は、銃をもったイスラエルの兵士に惨殺されてい
ました。イスラエルのガサへの入植とは、パレスチナ人の放逐、占拠、
強奪です。「入植」という言葉がもつ木や小麦を植えるようなことで
はない。

以上が、ガザ地区を支配する軍閥ハマス(パレスチナ人側)からの、
10月7日のロケット彈5000発という、イスラエルの都市攻撃の背景で
した。メディアは背景を言わず、不当な悪のテロとしています。テロ
組織と決めれば、マフィアのように犯罪の集団になるからです。

【パレスチナ内部の対立】
なおパレスチナの内部では、ハマスから政権をとった政府軍(ファタ
ハ司令官)が、ガザ地区のハマスと2006年以来、対立していますから、
複雑です。自衛隊が2つに分裂したような事態です。

パレスチナは、1)ハマスが支配するガザ地区と、2)米国・欧州・日
本が正統とするヨルダン河の西岸に分裂しています。
パレスチナの人口は450万人、難民が520万人、合計では970万人です。

一方、イスラエルの人口は836万人です。ガザ地区への入植者数は、
40万人という。パレスチナから、土地を奪って建てた郊外の住宅は、
カリフォルニアのように立派です。食糧にも事欠くパレスチナ人に対
し豊かなユダヤ人(40万人)という構図が、福岡市の広さの、人口
220万人のガザにあります。

【シオニズム】
国土のない民族だったユダヤ人が、ヨルダン川の流域に、エルサレム
を首都として国家を作ることは、「シオニズム」と呼ばれてきました。
シオン(ユダヤ教の聖地とするエルサレム)に国家を作る運動です。
(注)キリスト教と、イスラム教も聖地もエルサレムです。

大学で、へブライ語の初級の教室を覗いたとき、教師は、アラブでは
言語の強く露骨な表現が日常でありびっくりすることはないといって
いました。「はんなり」の京文化の対極です。日本語は情緒的な言語
です。

神である太陽がギラギラ輝くだけで、植物のない過酷な自然の砂漠に
立つと、「確かにここでは、日本語の表現では生きてはいけない」と
感じました。

障害物がない砂漠の強風が運ぶ砂粒が顔に当たると針で刺されるよう
に痛い。小林秀雄は、砂漠に立ったとき、「ここではあらゆる形が無
になる」と感想で述べています。実際、イスラムの絵には具象がない
のです。神の絵の偶像は禁止され、モスクにはアラベスクの文様があ
る。スペインのアルハンブラ宮殿で見ることができます。

日本人は、風を避け、四季のある温順な自然が穏やかで、微生物が豊
富な地は生命の恵みを生む、里山の住民でしょう。日本には資源はな
くても、自然に恵まれています。深い山で生活ができる。TVの「ポツ
ンと一軒家」はおもしろい。

三枚舌外交の英国は、ユダヤ人のロスチャイルドのマネーを引き出す
ため、オスマントルコから奪って支配していたパレスチナへのユダヤ
人国家の建設を宣言していたのです(バルフォア宣言:1917年)。建
国は、第二次世界戦のあとの1948年です。

イスラエルと西側諸国は、パレスチナの西岸地区の自治政府を承認し
ています。一方イラン、シリア、スーダンは、ガザ地区のハマスを承
認しています。ロシア、中国も、ハマス側です。パレスチナそのもの
が、ガザ地区のハマスの支配で分離された分断国家です。

日本はイスラエル寄りです。アイマイに、中立的な立場をとっていま
す。アラブからの、原油の輸入のためです。

【ハマスの武器は、多くがイランから来た】
ハマスへの武器・弾薬の多くが、米国、イスラエルと対立しているイ
ランから来ていることは、知られています。

ハマスには、海外からの資金援助もあり、ウクライナの武器の、闇
ルートでの横流し分を買っていたという。ガザ地区には兵器の工場は
ない。

軍事基地は、地下に作られています。イランからは、何らかの手段で
持ち込まれたはずです。壁に囲まれたガザ地区に、どんなルートで大
量の兵器を持ち込んだのか、分からない。

パレスチナの制空権はイスラエルがもつので、飛行機では運べない。
壁に囲まれていて、鉄道や陸路はない。イランからの地下トンネルが
あるのかもしない。戦争は、武器と兵士のロジスティクス(輸送物
流)が勝敗を決めます。

【地下の軍事基地】
イスラム原理主義のハマス(4万人の兵士)と武器は地下都市にあり、
イスラエルが得意な、ピンポイントの空爆ができない。このため、約
200万人の民間人を含み犠牲者が増える地上戦になります。イスラエ
ル軍は10万人、予備兵が30万人という。すでに、死者は双方で3000人
以上という。今も増えているはずです。

以上が、ハマスが撃った4000発や5000発というロケット弾の背景です。

◎イスラエルのネタニアフは、ハマスの攻撃の計画を事前の知ってい
て、ガザ地区入植と惨殺で挑発していたという説もあります。本人が
言わないかぎり、明らかにはならない。

【モサドはしらなかったという】
イスラエルの開戦は、苦渋の表情ではなく、待ち構えていたような顔
でした。ネタニアフの、イスラエルの世論の支持は低く、政権維持の
困難に直面していたからです。裁判所を政府の直轄にして不正の罪を
逃れようとしています。

世界最強とも言われるイスラエルのモサド(秘密警察)が、ハマスの
攻撃計画のかけらも知らなかったというのは不自然です。4万人の軍
の動きが分からないはずはない。ネタニアフが知っていたとすれば、
奇襲のテロをしたハマスを悪者にし、パレスチナへの正義の攻撃とい
う理由作りのためでしょう。

国際的な常識として、ハマスには、イスラエルのモサドからパレスチ
ナ人のスパイがはいっているはずです。イスラエルにとって、ハマス
の動きは、国防の最重要事項だからです。

ハマスは、真珠湾に攻撃をした山本五十六のように、ネタニアフの計
略に乗せられたのかも知れない。今回の奇襲は、同時多発テロとされ
た9.11や、陰謀の真珠湾に似ているのです。

事実、ネタニアフは「ハマスの真珠湾攻撃」と言っています。ルーズ
ベルトが、日本の暗号を解読して真珠湾の奇襲を知っていて、ドック
に停留していた米国艦隊に知らせず、「卑怯な日本が奇襲し、兵士
2400人を殺した」として、対日参戦への世論を喚起したことは歴史の
事実です(1941年)。嵌(は)められのは、艦隊を率いる山本五十六
でした。

米国では、議会の承認がないと大統領は開戦できない。ネタニアフは、
真珠湾攻撃を知っているはずです。その上で、真珠湾だと言ったので
すから、その意味は分かるでしょう。

◎ネタニアフ支持の回復策と、非常事態宣言下での独裁(準備したか
のように挙国一致内閣を作っています)が、今回のハマスの真珠湾攻
撃を促した目的でしょう。

イスラエルの駐日大使(ギラット・コーヘン)は、TVで、ハマスに武
器・弾薬を送ったして、イランを激しい言葉で非難していました。イ
スラエル政権の内部では、早々と、「イラン、及び中東のイスラム過
激派との戦い」とされている印象を受けるものでした。
確かにハマスは、イランの代理軍です

【米国の、イスラエル支援の軍事予算】
米国は、イスラエルを支援します。ウクライナ戦争の支援費に下院が
反対し、10月から新年度の2024年度政府予算をまだ成立させていない
米国共和党も、イスラエルの支援予算には反対ができない。イスラエ
ル寄りの議員が、民主党より多いのが共和党です。

米国のメディア、金融はアメリカ・ユダヤ人委員会が抑えています。
イスラエルは、ユダヤ人の国家です。

米国が支援すれば、戦争は長期化し、イランにも至り、ネオコンの目
的である大きな軍事予算が組まれるでしょう。

米国には、650万人のユダヤ人の団体があり、議会に対して強いロ
ビー活動をしています(アメリカ・ユダヤ人委員会:AJC:支部が2
2)。ユダヤ人委員会のAJCは、
・2010年から、イランの核兵器開発に反対し、
・EUには、レバノンのヒズボラをテロ組織として認定させる活動をし
てきました。テロ組織とすれば、いつでも攻撃が正当化されます。

イスラエルのギラット・コーヘン駐日大使は、他に選択肢はない。戦
うしかないと、TVで激しく述べていました。

イスラエルでは「タコの頭を撃て」と流布されています。イランは悪
のタコの頭であり、反イスラエルのハマスや、イスラム過激派をタコ
の触手とするものです。タコは脚を切っても頭を撃たないと死なない。
イランを撃つことが必要だ、というものです。

レバノンの、イスラム原理主義のヒズボラ(シーア派:戦闘員4万
5000人)とイラン(シーア派:兵力は12万500人)までてくれば、中
東戦争です。

【第四次石油危機】
いったんは5%上がった原油は、中国の不動産不況(原油輸入の低
下)で下がり、米国の長期金利も0.2ポイント下がっています(4.6
%)。

ハマス・イスラエル戦争の長期化し、イスラエル対アラブの戦争にな
れば、第4次石油危機でしょう。原油・資源・金利は上がりインフレ
が再来。1973年が第一次、1979-80年が第二次、2022のウクライナ戦
争が第三次でした。いずれも、世界インフレになっています。

◎第4次石油危機への鍵はイラン派であるイエメンのテロ集団、イス
ラム原理主義の「フーシ派」が握っています。

4年前の2019年、フーシはドローンを飛ばし、サウジの油田を破壊し、
日量450万バーレルの原油生産を止めました(短期的な生産障害でし
た)。このとき原油価格は、50ドルから75ドルへと50%上がったので
す。

ハマスによるイスラエル攻撃と同時に、サウジの南で、フーシ派の活
動が活発になっています。

バイデンとブリンケン米国務長官は、トランプが行っていたフーシの
制裁を止めたからです。テロ組織との指定から、フーシ派を外しまし
た。フーシ派は、イランの支持で動く別働隊です。

イエメンは、石油がなければ、ラクダと羊しかいないサハラ砂漠と同
じであるサウジの南の、アデン湾に面する国です。面積は、日本の1.
5倍、人口は2900万人の大国。イエメンの軍閥のフーシは、親イラン
の武装組織です。ドバイに行くとイエメンは近い。

イエメン料理を食べましたが、鶏肉とコメを煮込んで強い香辛料をか
けたパエリア風のものでした。食の許容範囲がせまい当方には、なか
なか苦手なものでした。食は、国の文化であり、精神も示します。和
食は、ひいき目に見ずとも、世界の最高ランクでしょう。

・23年10月11日:フーシが米国を標的にすると宣言
「米国が、パレスチナに介入してきたら、われわれも介入するだろう。
米国が、この紛争に公然と介入してきた場合には、われわれは米国の
全ての標的を、合法的なものとみなすだろう」。親イランのイエメン
の政治家、ハディ・アル・アミリ(パレスチナ派)。
https://jp.reuters.com/world/mideast/X7JOQYINIFI3VF6AZZQQ3JDUM4-2023-10-10/

サウジとイランが会談し、ガザ地区へのイスラエルの犯罪を指摘して、
イランはイスラエルへの対抗を表明しました(10月12日)。

イスラエルの大国シリアにも、参戦の動きがあります。カルロス・
ゴーンの国、レバノンのヒズボラも参戦するでしょう。

イランは、イスラエルの包囲網を作りました。イスラエルは中東では、
孤立しています。米国は空母2隻を派遣し、イスラエルを支援しまし
た。

インフレが再開し、ウクライナ戦争終結を予想して下がってきた原油
(2023年9月95ドル→85ドル)と、金価格(23年5月2000ドル→現在
1900ドル付近)は高騰するかも知れない。

2023年の末からの原油は、1バーレル150ドルを超えるかも知れない。
原油が上がると金利も上がり、株価は下げるでしょう。

◎2週間くらい経つと、この戦争が、
1)短期・小規模で終わるか、
2)アラブの全域に拡大するか、
3)ウクライナ戦争のように1、2年続くか、分かるでしょう。

イスラムにとって、イスラエルと戦うことは「自己犠牲の聖戦(ジ
ハード)」です。被害が拡大するだけでは終わらない。兵士は、天国
に行けると信じています。自爆テロすら行う。

1)イスラエル駐日大使の言葉、
2)アメリカ・ユダヤ人委員内のロビー活動、
3)バイデン・ブリンケンの発言からは、イスラエルへの支援費を増
やすための戦争に見えるのです。

【またマッチ・ポンプか】
戦争がビジネス(お金儲け)である米国の軍産複合体は、政府予算獲
得のために、危機をねつ造します。認知戦とマッチ・ポンプの計略は、
第二次世界大戦から使ってきた得意技です。スパイの正当な仕事がこ
れです。

CIAは、認知戦を行うエージェントのスパイを、世界に送り込んでい
ます。これが、米国の前方展開です。

米国は、頁岩層であるため、次々に移動しなければならず、開発費が
高くなるシェールガスの生産でエネルギーを自給し、若干は、輸出し
ていますからエネルギー・資源価格の高騰で利益を受けます。

エルギー自給国では、価格の上がった分が、消費者負担になりますが、
国内のエネルギー産業の売上増加にもなるからです。原油が73.3ドル
を割ると、財政が赤字になるサウジと産油国にとっても、利益です。

他方で、石油・天然ガスを輸入する西欧・日本・中国にとっては、国
内の所得の、海外流出とインフレになって世帯と企業は不利益を被り
ます。

ウクライナ戦争の結果は、日本にとっては、1)インフレと、2)軍事
費の倍増でした(5年で43兆円:年間平均8.6兆円:56%増加)。

1年に3.6兆円(GDPの0.7%)増える日本の防衛費の使途は、米国から
の中古の兵器(イラク戦争で使ったトマホーク;巡航ミサイル400
発)の輸入です。米国の軍産複合体の売上です。防衛費の倍増は、日
本人の税が、米国の軍産複合体の売上になることです。

言い値のお金を、米国債を買うかのように、米国に先渡しして(米国
政府が販売)、トマホークが来るのは、3年後、2026年、27年です(本
当に来るのか?)。こうした片務契約を、岸田政権は、国民に報告せ
ずに行っています。

米政府のマージンは、40%や50%か。兵器には市場がなく価格の交渉
はない。売る側の言い値を、買う側が払う。米国から輸入した高度兵
器のミサイルは、米軍による暗号の解除がないと、自衛隊では使えな
い。(注)兵器の全般は、国産でなければ有効ではないのです。製造し
て売った側は、弱点と破壊すれば無効になる急所を知ってます。戦場
で、兵器を放置して逃げるときは、敵の武器にしないため急所を破壊
して動かなくします。

トマホークは、マッハ5の超音速ミサイルを中国とロシアがもつ時代
には、骨董品です(迎撃が無効)。肝心な情報は、日本では議会の議
論にならない。国会は、国民の代表としての機能を果たしていません。
国会は、根底からの改革が必要です。

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