再送:11月8日の講演会の案内
This is my site Written by admin on 2013年10月17日 – 09:00

こんにちは、吉田繁治です。11月8日の夕刻(午後5時から8時)、
東京のホテル・ニューオータニ(紀尾井町)で、講演会を開催しま
す。前回の案内で申し込まれた方も多いでしょう。お礼申し上げま
す。

【残席】
定員は120名ですが、20名様分くらいの残席が見込めるだろうと主
催のビジネス社から連絡を受けました。再び、ご案内を致します。
講演日まで3週間です。関心のない方は、本メールを廃棄していた
だいてOKです。ただし、前半部に数ページ、記事を書いています。

講演の項目は、以下のようなものにしようと考えています。
以下は、項目の案です。ご希望等で、変更があります。

■『金融と経済:景気回復はどうなるのか、これからの5年』

1.「異次元緩和」は、何を目的に、何をどうするのか?
2. GDPで原理的なこと
3.インフレ目標2%の達成は、可能か
4.「流動性の罠(わな)」とは何か
5.ゼロ金利制約からの離脱の条件
6.インフレに転じたとき
7.出口政策はどう想定できるのか
8.国債金利の上昇は、大丈夫か
9.インフレで株価はどうなるか
10.不動産価格はどうなるか
11.金価格はどうなるか・・・など

申し込みの方法は、後半部に載せます。

                           *

2012年12月の政権交代からでした。解散・総選挙で、自民党が政権
につくことは、民主党の悲惨な支持率から確実でした。

安倍自民党総裁は、首相になる前から、「インフレ目標を2%とし、
脱デフレのため、円の増発を行う。国債の直接引き受けを禁じる日
銀法の改正も辞さない。」と発言していました。

これは、リフレ派の経済学者たちの提案を、容(い)れてのもので
した。1998年からクルーグマンが言っていた『流動性の罠(わな)
論』が下敷きになったものです。

【まず円安】
円の増刷を予想し、解散の決定の前後から、わが国財務省と、米系
ヘッジ・ファンドによる円売り(ドル国債買い)がはじまっていま
した。通貨の増発はマネー量を増やすことです。つまり、その国の
通貨の価値を下げることです。このため、増発していないときに比
べ、円安になります。

08年9月のリーマン危機のあと、12年9月までに、FRBが$2.5兆(25
0兆円)近くのドルを増発したのに対し、円の増発は、08年9月以降
の4年間で、50兆円と1/5でしかなかった。

これが主因で、1995年の79円を超える史上最高の円高(76円:2011
年末~12年年初)でした。

2012年11月からの、日本の財務省による円売りが起点になって、1
ドルは80円(2012年11月)から2013年6月の103円にまで、7ヶ月で2
3円(29%)もの「円安(ドル高)」になったのです。

推計ですが、2012年11月からの、わが国財務省による、円安を誘導
したドル国債買い(=円売り=米国へのマネーの拠出)は、30兆円
にのぼるでしょう。

財務省(余剰資金はもたない)がドル債を買うときは、国庫短期証
券を日銀に売って、円を調達し、それで買うので、日銀の国庫短期
証券の保有を見ると分かります。

2013年9月末での、日銀の国庫短期証券(債券としては短期国債と
同じ)の所有額は41兆円と、普通より25兆円くらい多い。国庫短期
証券は、財務省が手許に資金がないとき、短期の資金手当として日
銀に向かって発行するものです。

これが41兆円もあるのは、異常です。日銀は、引きうけた国庫短期
証券を銀行に売ることもあります。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/acmai/release/2013/ac130930.htm/

【次に株価】
20%の円安、つまり円の価値の下落になると、日本の輸出企業の、
円で計算する利益は、50%~70%増加します。1ドルが80円だった
売上が、95円(+20%)や100円(+25%)に増えたようになるから
です。

株の価値は、現代ファイナンス理論では、「将来の予想純益を、期
待金利とリスク率で割り引いた現在価値」と見られています。以下
でこれを見ます。

【株の理論価値】
株の理論価値={1年目予想純益÷(1+金利+リスク率)}+{2年
目予想純益÷(1+金利+リスク率)の2乗}+{3年目予想純益÷
(1+金利+リスク率)の3乗}+4年目+5年目・・・です。

将来になるものほど、利益の実現リスクが大きくなるため、大きく
割り引かれます。企業が利益(未来のもの)を求めて活動すること
から生じる株の価値の特徴は、過去の留保利益に加え、未来の留保
利益を、上記ように、期待金利と予想リスク率で割り引いて、現在
価値(NPV)とする点です。

なお、純益は税引き後の利益で、企業に残るものです。
この利益の蓄積(留保利益)が、株の価値の元になるものです。

上の式は、無限等比級数です。このため、次のように置き換えるこ
とができます。感激するくらい単純になるのです。

●株の理論価値=1年目の予想純益÷株式益回り
=1年目予想純益÷(1/PER)

PERは、株価/収益率(P/Eレシオ)とも言われます。予想PERが15倍
というときは、企業の、1株当たりの次期予想純益の15倍が株価と
いう意味です。発行済の全株式で言えば、この株価が時価総額にな
ります。

(以下、案内文が、思わず、長くなってごめんなさい。キチンとし
た論拠を書くと、途中でやめることができない。株価は、不動産と
並び、経済の中心に位置する資産です。)

次期予想純益が100億円なら、PER15倍のときは、その会社の時価総
額(会社価値ともいう)は、100×15=150億円です。1000万株発行
していれば、1株は1000万分の1の、1500円になります。

日銀が円を増発するということは、「円の価値を下げる」ことです。
安倍政権による、2013年での「円の大増発=円の価値下落」を予想
した外為市場は、$1=100円に向かって、「円売り・ドル買い」を
しました。

2012年11月から先鞭をつけたのは、日本の財務省とヘッジ・ファン
ドによる「円売り・ドル買い」でした。自民党政策の意を受けての
投資行動でした。

【東証一部上場企業の、次期予想利益の増加】
この円安によって、売上の50%以上を輸出する製造業大手が多い東
証一部企業(1759社)の、合計での次期予想純益(2014年3月期)
は、27兆円へと、2011年比で70%以上、2012年比で25%くらい増え
たのです。理由は、20%の円安です。

このため、株価も、日経平均8500円(12年10月)が、ピークでは
1万5942円(2013年5月22日)へと88%も上がりました。

13年の5月23日は、米国FRBのバーナンキによる「量的緩和第三弾の、
縮小のほのめかし」から、世界の株価とともに暴落しましたが、10
月4日現在は1万4024円です。昨年同月の8500円に対し65%(5500
円)高い水準です。

東証一部(1759社)の時価総額
=次期予想純益(27兆円)×PER15倍≒400兆円付近

【株価上昇】
株価が65%上がっているのは、式の中の「次期予想純益」が、20%
の円安によって、27兆円(1759社:1社平均154億円)へと、2011年
3月期に比べて65%も上がったからです。株価にも、利益という根
拠があります。

【5月23日】
また、米国FRBのバーナンキが、量的緩和第三弾(1ヶ月に8.5兆円
のドルの増発)を9月から順次縮小(1ヶ月-1兆円)すると言った途
端に、日本の株価が大きく下落した理由は、日本の株を買って上げ
てきたのは、海外投資家(米系ヘッジ・ファンド)だったからです。

海外投資家は、2012年末から13年の5月までの6ヶ月間、11兆円を買
い越しています。売り越したのは、国内の金融機関と個人です。

この海外投資家(ヘッジ・ファンド)の、株買いのマネーの元が、
FRBによる量的緩和第三弾のお金です。このため、FRBが量的緩和第
三弾を縮小するとほのめかした途端に、投資マネーが減る米系ヘッ
ジ・ファンドからの大量売り(先物売りです)が出て、5月23日か
らの下落(1500円:-10%)になりました。

(注)今後の日本の株価は、以上のガイジンではなく、国内の金融
機関、機関投資家(年金基金や生保)、日銀、投資信託、及び個人
が、日本株を、「どんな理由で、買い越すか」にかかっています。

【PERと株式益回り】
PERの15倍は、2013年現在、ヘッジ・ファンドも基準としていて、
各国の株価を国際比較で見たとき、妥当な株価収益率です。

PER15倍は、株式益回りでは〔1÷15=6.67%〕に相当します。

この株式益回りは、〔期待金利率+次期利益の実現のリスク率〕で
す。

期待金利を1.5%とすると、次期利益の実現のリスク率が、「6.67
%-1.5%=5.17%≒5%」と見られていることがわかります。1年に
5%のリスク率を見ています。

リスク率が2.5%に下がって、期待金利1.5%を含む株式益回りが4
%くらいになると、PERは〔1÷4%=25倍〕です。10倍分高いバブ
ル株価と評価できます。

【異次元緩和】
2013年4月に、自ら「異次元緩和」と言って開始した日銀は、現在、
総資産(総負債)を208兆円へと、信用膨張させています。

4月から9月までの6ヶ月間で、125兆円だった国債保有を、167兆円
へと42兆円増やしています。1ヶ月7兆円の国債買いの純増です。

これが、日銀が国債を売った金融機関から預かる「日銀当座預金」
の39兆円の増加になっています。つまり、日銀は、4月からの6ヶ月
で39兆円の円を増発しました。これによって、本来は5兆円でいい
日銀当座預金が、97兆円に増えています。

日銀は、2015年まで少なくとも2年は、この異次元緩和を続けて、
マネー発行量(マネタリー・ベースと言う)を、昨年の2倍の270
円(=現金83兆円+日銀当座預金187兆円)に増やすことを確言し
ています。

この、史上最大級の円の増発は、今後、日本経済にどんな変化をも
たらし、何を生むのか?

高い国債価格(低い金利)は、どうなるのか?  株価は、どうな
るか。不動産価格は、上がるのか。下がってきた金価格は、どうな
るか。

脱デフレで、インフレになるのか。経済は成長するのか。減ってき
た世帯所得は、増える方向に転じることができるのか。財政は破産
に向かうのか。消費税で再建されるのか・・・以上のようなことに
ついて、数値を根拠に、見通しをつけたいと思っています。

日頃、メールでしか接触していない方々に、一堂でお会いできるの
を、楽しみにしています。

新著、『マネーと経済:こらからの5年』をご覧いただいておけば、
理解も深まると思います。アマゾンのサイトを、挙げておきます
(↓)。

『マネーと経済:こらからの5年』

■開催要領

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
日時:2013年11月8日(金曜日):午後5時 開始~午後8時 終演

会場:ホテル 『ニューオータニ東京の、シリウスの間』
      広い庭が見える、ガーデンコート宴会場の階にあります。
      当日の受付は、午後4:30からです。 
      住所:東京都千代田区紀尾井町4-1:代表電話03-3265-1111
会費:8000円

主催:ビジネス社
講師:吉田繁治 
演題:『マネーと経済:景気回復はどうなるのか、これからの5
年』
定員:120名(定員になり次第、締め切りになります)

3時間の講演ですから、途中で休憩をとって、ドリンク・サービス
があります。質問への応答の時間もとります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【(1)ビジネス社による講演会の案内】
http://www.business-sha.co.jp/2013/11/%e3%80%90%e3%83%9e%e3%83%8d%e3%83%bc%e3%81%a8%e7%b5%8c%e6%b8%88%e3%80%80%e3%81%93%e3%82%8c%e3%81%8b%e3%82%89%e3%81%ae5%e5%b9%b4%e3%80%91%e5%be%a1%e7%a4%bc%ef%bc%81%e5%88%8a%e8%a1%8c%e8%a8%98%e5%bf%b5/

【(2)申し込み登録サイト】
http://www.business-sha.co.jp/event/yoshida_form/

【(3)振り込み先:会費8000円】
三井住友銀行  三田通支店  普通 7326466   カ)ビジネスシャ

出席される方は、上記の申し込み登録サイトで、ご氏名、連絡先な
どの必要事項の記入をして、その後、会費を振り込んで下さい。入
金の確認をもって席の確定になります。定員(120名)に達し次第、
締め切りになります。

入金の確認がされると、ビジネス社から、受講票と領収証が指定さ
れた住所に、発送されます。

以上で案内を終わります。         

                               2013年10月17日 吉田繁治

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【ビジネス知識源アンケート:感想は自由な内容で。
                              以下は、項目の目処です】

1.内容は、興味がもてますか?
2.理解は進みましたか?
3.疑問点、ご意見はありますか?
4.その他、感想、希望テーマ等
5.差し支えない範囲であなたの横顔情報があると、今後のテーマ
と記述の際、より的確に書くための参考になります。

気軽に送信してください。感想やご意見は、励みと参考にもなり、
うれしく読んでいます。時間の関係で、質問への返事や回答ができ
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