年初の株価変調と、講演CDの宣伝・案内
This is my site Written by admin on 2014年1月27日 – 12:00
こんにちは、吉田繁治です。本稿は、2014年の年初から、米国FRB
による、量的緩和の部分縮小と、米国からの新興国投資の引き揚げ
の動きの中で、変調している日本の株価と、講演CDの案内・宣伝で
す。

【項目は以下です】

1.株価の変調
2.2014年1月:FRBの量的緩和の一部縮小
3.日本株は、ガイジンが売り超に転じた
4.講演CDの購入 案内

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

■1.株価の変調

経済の好不調をあらわす、シンボル的な指標と見ていい日経平均株
価(225種平均)の、リアルタイム・価格チャートを、時々、見て
います。

刻々と変化するグラフの動を、次の1時間後には、上がっているか、
下がっているか、心の中であらかじめ決めて、見ているとおもしろ
のです。
http://sisannka.com/chart.html

確認すると、金曜日の下落で注目されていた週明けの1月27日
(月)で385円(2.6%)の下げです。

1日で2.6%の値動きは大きい。年間換算では、√256倍=16倍。2.6
%×16=VIXが42%。VIX=ボラティリティ・インデックス。42%は
危険な幅です。

このVIXが40%を超えたときは暴落のサインです。たたし今日1日だ
けでは、確定的には言えません。20日間のVIXでみなければならな
い。上げるにせよ、下げるにせよ、今度も1日に250円(1.7%)か
ら400円(2.6%)も動く相場が続くと、とても危険です。今週、来
週は、強く、日経平均をウォッチする必要があります。

2014年の年初から、世界の株式市場は、米国FRBの、量的緩和の一
部縮小の発表(2013年12月18日)を受けて、変調をきたしています。

株価の上昇は、時価総額の上昇であり、これは資産額の増加により、
経済に対してマネーが増発されるのと同じ効果をもちます。下落は
マネー額の縮小と同じです。14年1月27日で東証一部の時価総額が4
51兆円です(PERは16.4倍)。(二部は5.8兆円、ジャスダックが10.
2兆円)。

日経平均の5%の騰落で[465兆円×5%=23兆円]、10%の騰落で4
6兆円、20%では90兆円規模の、マネー量の増加/縮小です。株式
市場でも、資産ではありますが、株価の上昇は日銀のマネー供給と
同じ経済効果をもっています。

国内では、株の、個人取引口座は延べで、4596万人分です(2012年
末)が、これは同じ人の名寄せ前で、休眠や超少額取引も含まれま
す。

わが国では、株式投資家と言える人は、その6.5分の1の700万人と
されます。現在も変わっていないでしょう。この個人投資家の700
万人が、株式市場での資産額で20%くらいを占めています。年間取
引で300兆円、ネットからの売買がすでに84%です。

10年以上前から、売買額でもっとも大きいのは、海外(ほとんどが
租税回避地)から売買しているヘッジ・ファンド、および投資銀行、
年金や国家ファンドです。

米国の株式売買額は、日本(東証)の10倍です。日本の株式市場は、
ドイツに似て、GDPの割には小さい。株は圧倒的に英米資本主義で
す。

日本市場の売買額(2兆円から4兆円/日)の60~70%は、外人投資
家です。(注)日本の金融機関のオフショア・マネーが、オフショ
アから投資される場合も、海外投資家の分類になります。

オフショアは、ケイマン島やバージン諸島、香港、シンガポール、
スイス、米国デラウァエア州など、世界で主要60ヵ所です。世界の
政府の、規制と税が及ばない特別法令区です。

2013年現在で、世界の銀行資産(推計6000兆円)の、50%はオフシ
ョアにあると推計されています。大きな金融は、闇の世界です。ア
マゾンもアップルも、その金融資産は、オフショアであることは知
られています。

●2013年の株価上昇(ほぼ1万円→1万6000円:日経平均)は、この
外人投資家が、1ヶ月平均で1.2兆円、年間で15兆円買い越したこと
によります。(注)ほぼ100%が、オフショアからの売買です。

2012年11月以降、ガイジン勢の買いが、売りより先行して注文をつ
けたので、日本の株価は2013年で60%上がり、「アベノミスクへの
期待で、経済は好転した」とされてきました。

他方で、国内の個人、事業法人、金融機関は、リーマン危機後の株
価崩落の損をとり戻すことが目的であるかのように、合計で15兆円
売り越しています。

700万人の個人投資家が全員、悲観的で、海外投資家に対し売り越
したというのではない。60%が年間ベースで20兆円くらい売り越し
て(420万人:1人平均で500万円)、40%が10兆円くらい買い越し
た(280万人:1人平均350万円)ということでしょう。

売り越した420万人は、過去の損失の回復が目的であり、買い越し
た280万人は、日経平均は1万6000円を超えても上がると期待してい
るでしょう。(ここは、当然に、推計です)

【日経平均株価のマクロの動き】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2007年7月                1万8560円の高値
・・・2007年から2008年で1万円下落・・・

2008年9月                7054円の底値(62%下落)

08年9月~12年10月       8000円~1万1000円
・・・2013年はほぼ60%の上昇・・・

2013年12月末           1万6291円(ほぼ60%上昇)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

■2. 2014年1月:FRBの量的緩和の一部縮小

2014年1月には、米国FRBが、2012年9月から、1ヶ月に国債$450億
(4.5兆円)、住宅ローン担保証券のMBSを$400億(4兆円)買い続
けていた量的緩和第三弾(QE3)を、$100億(1兆円)縮小しまし
た。

量的緩和を停止するということではない。2014年中は続けますが、
「米国経済の、株価、GDP、失業率の様子を見ながら調整」という
あいまいな発表です。

2012年8月の米国FRBの総信用は、$2.8兆(280兆円)でした。2014
年1月23日には$4.0兆(400兆円)にふくらんでいます。

この間、米国FRBは、$1.2兆の国債とMBSを買い増しして、$1.2兆
(120兆円)を、米国の金融機関がもつ預金口座(FRB当座預金)に、
ドルの現金として振り込んでいます。この$1.2兆(120兆円)が、
量的緩和第三弾(QE3)による米ドルの増発額です。

http://www.federalreserve.gov/releases/h41/Current/

こうした、中央銀行の増発マネーが、100年に1度の信用恐慌と言わ
れた(前々FRB議長グリーンスパン)リーマン危機以降の、金融恐
慌を救い、世界の株価を、大きく上げてきました。2013年は、バブ
ル的な上昇だったと思えます。

▼【重要】合計1000兆円の、中央銀行によるマネーの増刷があった

2008年9月以降の、米ドル(米国FRB:+320兆円)、ユーロ(欧州EC
B:300兆円)、元(人民銀行:+300兆円)、円(日銀:+100兆円)
の、同時マネー増発額は、驚愕すべき1020兆円余です。

(注)中国人民銀行の元の発行額(=中国人民銀行の信用額)は、
一般に知られていませんが、GDP(820兆円)の70%の、560兆円で
す(13年10月)。リーマン危機以降の元の増発は300兆円と推計し
ます。

08年9月以降の、世界的な信用恐慌に対して、未曾有な金額1000兆
円余(世界のGDP 6000兆円の17%)の通貨を増発して、金融機関に
与え、1000兆円マネーによって、08年以降の、金融・経済・株価が
底上げされてきたと言えます。

この延長で言えば、米国FRBが「量的緩和を縮小する出口政策に向
かう」という方向は、大きな転換です。量的緩和を拡大することは
なくなったと見なされるからです。

ただし、米国FRBの量的緩和縮小の方向を、大きく補うのが日銀に
よる、月間8兆円($800億に相当)の、異次元緩和という円の増発
です。この円の増発は、国内金融機関が所有する預金の増加です。

この金融機関で増加した円は、米国の金利が上がると、ドル買い
(円売り)に向かうマネーです。あたかも、FRBから、日銀がマ
ネー増発のバトンタッチを受けたように、思えます。

FRBの$供給縮小と、日銀の円の大増発の、それにしても見事な時
期の符合です。FRBのQE3が1ヶ月$850億(8.5兆円)、日銀のマ
ネー増発が月8兆円と、金額までほぼ同じです。

■3.日本株は、ガイジンが売り超に転じた

2013年は年間で15兆円、月間で1.2兆円、週平均では3000億円も買
い越していた外人投資家が、2014年の新年明けから、以下のように
売りに転じています。

【東証主体別売買:-は売り超】
                        1/6~1/10     1/14~1/17       
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
外人投資家            -1452億円       -412億円              
        
個人投資家             2823億円       1122億円
事業法人               -313億円       -187億円
金融機関                159億円       -389億円
証券会社自己売買       -967億円       -600億円
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
日経平均株価   1万6147→1万5880     1万5657→1万5734

(注)2014年1月27日は、日経平均1万5034円(午後2時時点)

注目すべきは、上記の第1週と、2週の、外人投資家の売りです(14
52億円+412億円)。外人投資家は2013年に15兆円買い越して、15兆
円分、持ち高を増やしています。これは、下げの局面に向かうと、
大きな売り圧力になります。

世界に、グローバルな投資をしている英米系のヘッジ・ファンドと
ファンドは、米国FRBの量的緩和の一部縮小を受けて、新興国への
投資を引き揚げ、通貨米ドル(ドル預金)、および金利が3%付近
の米国債に転じています。

この投資引き揚げにより、アルゼンチン通貨(ペソ)、メキシコ・
ペソ、トルコ・リラ、南ア・ランドなどが、大きな下落を見せてい
ます。日本株からも、まだ少額ですが、引き揚げの兆候が見えてい
ます。

買い越していた主体が、売りに転じた場合、その売りによる下落の
圧力は、2倍は強いものになります。

ただし、日本では年金基金(GPIF:124兆円:13年9月)による日本
株の買いと、日銀による株ETF(上場投信)の買いは、2012年2月、
3月、4月と予定されていると見ていいでしょう。消費税増税の影響
による株価の下落、景気の低下を緩和するのが、政府の予定だから
です。

(注)GPIFの、現在の国内株での運用額は20兆円(構成比は16%)
です。10兆円分くらい増やすことが可能になると、外人売り(大き
なときは月1兆円の売り超を予想)を補えます。

日本の株価が下落傾向を示すと見られたときは、GPIFと日銀にを使
う「PKO=価格維持戦略=Price Keeping Operation」が想定できま
す。

■4.講演CDの購入 案内

思わず、長くなりました。日本の株価の転換を示す、[外人売りへ
の転換]の兆候かも知れないため、背景事情を、示しました。

拙著『これからの5年』に関連して昨年末に行った、東京講演のCD
とレジュメが、その本を出したビジネス社から発売されています。
講演時間は3時間、使ったレジュメは54枚です。このレジュメは、P
DFで、CD1枚に全部を収録し、講演の音声CD(2枚)とともに、ゆう
パックで送られます。価格は1万円です(↓)。ご覧あれ。

吉田繁治 マネーと経済 景気回復はこの先どうなるのか(ビジネス社)

講演のよさは、難しい用語や概念を、日常用語で解説しながら話せ
ることです。

『これからの5年』の書籍は(↓)以下のHPからリンクを張ってい
ます。
http://www.cool-knowledge.com/

▼53ページの、レジュメの項目:アウトライン

§1異次元緩和は成功するのか

(1)異次元緩和の内容
(2)マネタリー・ベースとは何か?
(3)マネー・ストックとは何か? どうなって来たのか?
(4)中央銀行による金融緩和 政策の2つ
(5)マネタリズムの考え
(6)流動性の罠、ゼロ金利限界とは何か
(7)実質金利とは
(8)異次元緩和が、効果を生む条件
(9)戦後英国の国債残GDP比275%は、なぜ、20年でGDP比50%に減
ったのか?

§2  インフレは、通貨増加によるマネー価値の低下
(1)消費者物価と、住宅価格・・・長期推移
(2)地価は物価の10倍の割合で騰落する傾向がある
(3)量的緩和への期待、特に円安20%で上がってきた株価
(4)期待純益で上がり、期待で下がる株価
(5)10年間5倍に上げ、
     2013年4月から金ETFの売りで下がった金価格
(6)重要データ;金の用途別需要量(WGC)
(7)金は、基軸通貨である米ドルの反通貨(金価格上昇は$下
     落)
(8)有限量の金と、無限量になり得る通貨
(9)1オンス$1200(1g3800円)という下限価格の想定
     産金コストが1オンス(31.1g)で$1200である。
(10)00年代の米国と日本の消費差者物価、コモディティ価格
(11)リーマン危機後、世界の中央銀行は1000兆円のマネー増刷
(12)マネー増発とインフレの可能性
     金価格、資源・コモディティ、物価、住宅の長期価格予想

§3政府・日銀は異次元緩和によって期待インフレ率を高めること
ができるのか

(1)期待インフレ率を2~3%に高めることができるか
(2)マネー・ストックの増加とインフレ率の関係
(3)期待インフレ率を混乱させる、円安の要因
(4)期待インフレ率が高まらない可能性
(5)期待インフレ率はどうなるのか?

§3 経済学が漏らしているオフショア金融(2500~3000兆円)とデ
リバティブ(純額=2500兆円)

(1)21世紀に巨大化したオフショア金融とデリバティブ
   世界のマネー・ストックは5491兆円
   脱漏:オフショア金融2500兆円、デリバティブ2500兆円
(2)日銀が依拠している、古典的なMV=PTは、21世紀では通用し
     ない
(3)日銀の異次元緩和マネーの行き先
(4)01年から06年の量的緩和は何を生んだか?
(5)設備投資が増えるジュグラー・サイクルの可能性
(6)2014年から2015年までの物価、株価、地価

§4 2015年末のソブリンリスク(国債リスク)の可能性

(1)名目金利が上昇し、国債リスクが起こる可能性
(2)日銀は、マネー量を減らして金利を上げる出口政策がとれる
     のか
(3)名目金利が上昇したときの、日銀の予想さえる対応
(4)2015年:インフレと名目金利、出口政策へ
(5)2015年から2016年に想定できる可能性
(6)異次元緩和のディレンマに陥らせてはならないが・・・

【後記】
明日の早朝から、冬の「パリ~リヨン」です。紀行を送ります。パ
リは2年ぶりだったか。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【ビジネス知識源アンケート:感想は自由な内容で。
                              以下は、項目の目処です】

1。内容は、興味がもてますか?
2。理解は進みましたか?
3。疑問点、ご意見はありますか?
4。その他、感想、希望テーマ等
5。差し支えない範囲であなたの横顔情報があると、今後のテーマ
と記述の際、より的確に書くための参考になります。

気軽に送信してください。感想やご意見は、励みと参考にもなり、
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ないときも全部を読み、共通のものは、記事に反映させるよう努め
ています。

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【有料版の目次案内】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<686号:ユニクロのファイン・ライン品揃え>
          2013年12月11日号

【目次】

1.ファイン・ラインの発見
2.アイエンガーの実験
3.選択における、「認知の不協和」ということ
4.プライス・ラインと商品ライン
5. 25%幅の商品ライン
6.高齢者の顧客が、大きく増えたユニクロ
7.ユニクロの、ファイン・ライン品揃え

<687号:ファイン・ライン品揃えから在庫管理まで>
        2013年12月28日号
【目次】

1.顧客の立場から、品揃えの豊かさへの考えを、深める
2.『しまむら』と『ユニクロ』
3.『しまむら』の方法との比較
4.顧客層を決める価格帯
5. 店舗の在庫管理
6.店舗の棚の在庫はプレゼンテーション
7.プレゼンテーションでは3個という下限在庫:高額品は除く
8.プラノグラム作りでの在庫数の決定は、売れ数比例陳列法

【後記】

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