緊急増刊:2022年2月、新冷戦が始まった
This is my site Written by admin on 2022年2月26日 – 16:00
ロシア軍の侵攻によるウクライナ危機をめぐって、膨大な情報が、世
界に流れています。日本の情報は英米メディアからのものでしかない。

片方の情報では、(1)ウクライナ侵攻の意味、(2)ロシアサイドが
勝つことが確定している停戦協議のあとの世界を描くことは、できな
い。

【戦端】
今回の戦闘で、(米軍と米国の兵器が一部混じっていても)ウクライ
ナ軍が勝つことはない。待機していた19万のロシア軍によるベラルー
シから、
(1)チェルノブイリと、首都のキエフ周辺と空港、
(2)クリミアと東部からの、ルガンスク、ドネツク(2つのウクライ
ナ内の共和国)への侵攻は、2月24日に始まったばかりです。

しかし、戦端ではなく、ロシアと中国が、北京冬季五輪のとき協定し
た「ユーラシア」での協定までを考慮にいれないと、ロシアのウクラ
イナ侵略の意味は、分からない。なぜ、北京冬季五輪中に、プーチン
は、ウクライナの国境にロシア軍を、19万人を配備したのか?

【広大なユーラシア】
中国、東南アジア、インド、中東、東欧、西欧に至るユーラシアは人
口35億人、世界最大の大陸です。経済面のGDPでは、世界の約65%で
す。20%の米国の3.2倍、5%の日本の13倍です。商品の生産では、日
本経済が13個分もある大陸です。

金融(マネー)では、ユーラシアの内部金融が30%、西欧と日本を含
むとドル圏が70%でしょう。19か国が協定した地域通貨のユーロも大
きくいえばドル圏です。円はもちろん、ドル圏の、ドルを買い支えて
きた地域通貨です。

【西側のNATO】
NATO(西側30カ国の軍事同盟)は、裏からは別にして、公式には、ウ
クライナに関与ができない。NATO軍の80%は、米軍と見ていい。

親欧米のゼレンスキー大統領のウクライナ軍には、NATOが一部、紛れ
込んで、米軍が持ち込んだ高度武器の指導をしています。

米国の最終兵器は金融であり、ロシアのSWIFT(国際銀行送金システ
ム)からの締め出しです。

【プーチンの狙い】
近々、開かれる可能性が高いベラルーシの首都ミンスクでの停戦交渉
では、
・親欧米のゼレンスキー大統領は辞任し、
・親ロシアの傀儡政権が作られ、
・ウクライナは、「準ロシア」になります。

プーチンは、昨日、ウクライナ軍に向かい「クーデタを起こせ」とけ
しかけています。日本軍が、中国に作った満州国と同じです。

【イスカンデル・ミサイルを使った】
ロシア軍は、今回、新しい「イスカンデル・ミサイル」を使い、ブリ
ピャシチ河畔の「チェルノブイリ原発(ウクライナ最北部)」を制圧
し、ウクライナの首都キエフに侵攻して、空港も占領しています。

空港を制圧するのは、制空権を得るためです。ウクライナは、戦闘機
と戦闘機からのミサイルを飛ばせなくなる。制空権がない地上戦は
「戦車と刀(銃器)」の対戦になります。対空ミサイルをもたない戦
いで勝つのは、戦車(ロシア軍)に決まっています。

イスカンデルは、軍用車や戦闘機から発射する短距離弾道ミサイルで
す。戦闘機または衛星から電波でコントロールされ、不規則な軌道を
飛び、迎撃ができない(射程は450km~800km)。戦術核とも言わ
れる小型核兵器も搭載できます。日本の防衛省は、以下の、貧弱なパ
ンフレットを作って、公開しています。
https://www.mod.go.jp/j/approach/defense/bmd/pdf/20200729_05.pdf

標的の画像を受信し、AIを使い、地上近くを飛び、音速の8倍から10
倍で、ピンポイントの標的に向かって降下します。米軍のミサイル防
衛システムは、(ほぼ)無効です。海のイージス艦や、陸のイージ
ス・アショアも無力です。

音速の8倍から10倍で、地上近くを、非規則な軌道で飛ぶミサイルは
迎撃できない。2005年からロシア軍に配備されています。最近では、
北朝鮮が(中ロの援助で)コピーを作ったと話題になっています。

イスカンデルの存在が、ロシアがウクライナ軍を、短時間で撃破でき
る理由です。ウクライナ軍には「ヒロシマ」のあとの核兵器に無条件
降伏した日本のように、イスカンデルへの降伏しかない(1945年)。

(注)日本への攻撃は、日本海側の9基の原発と使用済み核燃料の水
冷の貯蔵庫を狙い、戦艦から、超音速のイスカンデル・ミサイルを発
射すればいい。準備が必要な地上軍は要らず、容易です。結果は、3.
11のような原発の自爆で、数10個の核爆弾を落としたあとのようにな
ります。この議論が、政府で行われているでしょうか。

水冷が破壊された原発の爆発と貯蔵庫から出る放射性物質は、偏西風
に乗って全域に降って、生き延びても、居住は不可能になる。発電が
休止中、稼働中に水冷が必要なことは、同じです。核燃料は冷やし続
けないと自分で温度を上げ、水素爆発を引き起こし、放射性物質をば
らまきます。日本中の工場、店舗、ホテル、ビル、政府、銀行、企業、
住宅が無人になります。5000兆円の総資産が一瞬でなくなります。政
府はこうならないように、イスカンデル以上の性能のミサイルを、早
期に、開発装備することが防衛でしょう。喫緊の課題です。

【正義論】
「どちらが正義か」というメディアの言論ではない。卑怯な手段を使
って勝った国が、歴史では正義です。広島と長崎で、国際法違反の、
約30万人の非戦闘員を虐殺した核兵器を使った米国の、軍国日本に対
する正義がこれです。戦後80年の、歴史の正義です。歴史は、戦争で
勝った国が作るものです。

ルールのない武力を使うこと、侵略をすることは、人道では卑怯です。
戦争は人道のルールがあるゲームではない。侵略という強盗をする側
にとっては、倫理に反する殺傷、破壊、略奪が正義です(これが軍隊
です)。岸田首相のように、言論(=外交)で、「西側社会の正義」
をお経を読むように唱える念仏では、無力です。

【政府の義務】
敵側の高度ミサイル、イスカンデルを、戦略的に相手を上回る高度兵
器(光学+AI)を装備しておくことです。自民党が言う軍事費全体の
拡大ではない。これは、米国の旧式の兵器を買う予算にしかならない
ものです。SNSの時代に、旧型の、スタンドアローン型のIBMメインフ
レームを買うことと同じです。

逆に、旧来の軍事費(5兆円)は、1兆円(20%)減らして、1年1兆円
の予算で、人が運転に関与しないAIを使う先端的な、固定燃料の高度
兵器の開発を行い続けることです。ロシアと中国は、AIの高度兵器を
開発し続けています。AIの兵器は、安全性は低度でいいので、自動運
転の車より開発しやすいはずです。

これが、国民の税を使う政府の義務の、第一項である国民の命と資産
の防衛です。ロシアによるウクライナ制圧で、ウクライナの西側の資
産は、無効になりました。生命も守れない。

ウクライナ国民では、まだ一部ですが、5万人の、子供をつれた家族
が、西側になったポーランドに向かって逃げています。難民は、どん
どん増えるでしょう。ウクライナの人口は、約4413万人と多い
(2020年)。首都圏(3000万人)と大阪圏1000万人を足した人口です。

無料版+有料版の、3万人の読者には、「地球を見るとき地政学な高い
視点」をもっていただきたいために、書きます。パスカルがいった1
本の葦は、20億光年先の宇宙より広い観念をもつこともできます。

【人間の思考の根底にあるイマジネーション】
これが、現実(現象)背後に、人間のイマジネーションと論理で思考
をする頭脳です。想像力は創造力です。戦略(目標に至る手段)の構
想力です。17世紀のフランス哲学者、パスカルは、1本の葦として、
人がもつ想像力(観念)を指摘していたのです(『パンセ=考えたこ
と』)。加算計算機の発明家でもありましたが、30代で夭折しました。

21世紀も「20世紀の戦争の世紀」は続いています。

【新冷戦の始まり】
ロシア軍によるウクライナの武力侵略により、1991年以来の「冷戦終
結の30年(米国覇権)」が、終わりました。1991年だったソ連崩壊の、
逆の世紀的な事件の始まりです。

◎中国+ロシアによるユーラシアの支配と、米国の軍事・経済・金融
的な覇権の終焉の始まりです。ウクライナに利権をもつバイデンには、
米国の凋落がふさわしく見えます。

以上が、習近平と個人的な北京五輪協約を結んだプーチンが描いた
「ビッグピクチャー」でしょう。こうした、肝心なこと(コア)いう
西側メディアはありません。

米軍とNATOの、ミサイル防衛網を無効にするイスカンデル・ミサイル
についても報じない。なぜでしょうか? 裏で、ロシアと結びついて
いるのかとも思えるくらいの、些末な報道しかない。

イスカンデル・ミサイルで、すでに負けたウクライナと西側は、ロシ
アの弱点であるプーチン1人を失脚させる方法を探すべきです。中国
に対しては、習近平国家主席です。

【立場】
当方は、反ロシア、反中国ではない。反プーチン体制、反習近平体制
です。二人が約10年かけて作った体制は、21世紀の「全体主義」です。
全体主義は、体制のために国民を抑圧することを正義とするものです。

・1.4億人のロシア国民とプーチン、
・14億人の中国国民と習近平、
・2600万人の北朝鮮の国民と金正恩は、第二次世界大戦のときの軍部
と日本国民のように分離して考えるべきです。

これを提案することが言論の使命でしょう。
3人は、30年の冷戦後が生んだ、人命をいとわないヒトラー的な人物
です。

CIAは、2022年は、ブーチン、習近平、金正恩を失脚させる策動を行
うべきです。バイデンのCIAがそれ行わないなら、プーチン、習近平、
金正恩とどこかから陰でつながりがある二重スパイとされても文句は
言えない。こうした思考もできるトランプを待たねばならないか、と
も思えます(過大評価でしょうか)。

【米国の覇権の後退】
・2003年のイラク戦争後の米国は、
・シリア撤収(2019年10月)、
・イラク撤収(21年7月)、
・アフガン撤収(2021年8月)、
・今回のウクライナと敗戦を続けています。

その後、米軍の撤収地に勢力を伸ばしたのは、ロシアと中国です。
人口が8400万人の、大国イランに対しては、金融制裁(SWIFTからの
締め出し)を敷いて追いやり、中国への原油輸出の関係を深めさせて
います(中国は、金と人民元でのイランの原油輸入)。

【新冷戦】
これらはいずれも、冷戦後30年の、米国の一極覇権の終わりをシンボ
ライズする現象でしょう。初期の戦闘には勝っていた米軍と米国の最
終成果はない。いずれも、最後は撤収です。毎回、裏にはロシアか中
国がいました。

【ユーラシア】
全部がGDP経済のレベルは低くても、ユーラシアの中核になる資源地
帯です。ユーラシアのエネルギー資源が、今回も、戦略地域だったの
です。20世紀の石油の世紀は、天然ガスを含んで、続いています。
2022年以降、サウジはどちらにつくのか。

【原油】
原油価格の100ドル付近への高騰の裏には、トランプが推進した米国
シェールガスの水砕法による発掘を、「水質汚染、脱二酸化炭素」の
リベラリズムの観点から抑圧した、民主党バイデン政権の失策があり
ます。

シェールガスの採掘コストは、原油1バーレル(159リットル)のエネ
ルギー換算で、45ドルだったのです。水砕法の油井は、枯渇までが短
い。次々に新しい土地が必要です。バイデン政権は、新しい土地での
シェールガス開発を禁じたのです。このため、トランプによって原油
の輸出国になっていた米国は、輸入国になりました。

米国が輸入国に転じても、産油国は増産をしなかったため、2021年か
ら40ドル台だった原油価格が、95ドルに上がったのです。

米国のCPIインフレ(6.5%)は、第二次石油危機(1980年)以来の高
さです。ウクライナ後は150ドル、200ドルすら言われています。

【バイデンフレーション】
コロナ後の世界インフレの原因は、バイデンが作ったものです。
米国では「バイデンフレーション」といわれ、バイデン政権の支持率
は、35%台に下がっています。逆に、中間選挙(2022年11月)にトラ
ンプと共和党の支持率は上がっています。

中間選挙(上院の1/3:下院の全員の改選)での、民主党の敗北と、
バイデン政権が政策を実行できなくなることが、「ウクライナ敗戦後
のインフレ」により、相当な確度で決定したようです。
上下両院で少数派になると、大統領令を出しても、議会が反対すれば
実行はできない。レーム・ダックよりひどい状況です。

【北京冬季五輪協約】
ロシアは、経済封鎖として西欧が輸入しなくなった原油と天然ガスを、
世界1の資源・エネルギーの消費国の中国に回すことを、北京冬季五
輪の習近平との会談で、決定しています(貿易通貨は人民元)。ロシ
アは、原油・天然ガスの高騰で、豊かになります。

逆に、貧困化する西欧は、原油+天然ガスエネルギーの約40%を、ロ
シアに依存しています。1バーレルが100ドル以上に高くなったエネル
ギーは、米国から買うようですが輸出に回す余剰の原油・天然ガスは
ないはずです。

米国の覇権が衰えているので、米国の要請でサウジも増産するとは思
えません。ウクライナ危機のあとは、完全な第三次石油危機が起こる
でしょう。内閣が言う備蓄(流通在庫)は、6か月から8か月で枯渇し
ます(日本)。

【国際コモディティ】
6000本のヘッジファンドの中で、「予想力」のあるファンドマネジ
ャーのものは、2021年12月からは約20%下げた株を売って、コモディ
ティ指数を買い、大きな利益を上げています。年初来の2.5か月で、
1250から1450まで、200ポイント(16%)上がっています(年率換算
では+76.8%)。金融経済は、

CFD(差金決済)の方法で、5倍のレバレッジをかけ、2000万ドルの証
拠金で1億ドルを買えば、約2か月で1600万ドル(18億400万円)の利
益です(80%)。金は、原油とコモディティに少し遅れて上がるでし
ょう。
(注)コモディティ指数=エネルギー・資源。穀物を総合した先物価
格の指数。
https://www.bloomberg.co.jp/markets/commodities
             *

「Gold Money」というサイトがあります。ほぼ毎週、知的な水準の高
い論が送ってきます。

以降の論は、最も新しい「ウクライナをめぐる地政学的ジグソー・パ
ズル」からヒント得て、コメントを加えながら書くものです。

あらかじめ読んでおくのもいいでしょう。論文は英語ですが、AIの
Google翻訳をかけると、稚拙ですが、日本語にはなります。
https://www.goldmoney.com/research/goldmoney-insights/how-ukraine-fits-into-the-global-jigsaw

ここから先は、3月2日(水曜日)発行の、有料版に書きます。

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