随想:いい音(成果)への情熱
This is my site Written by admin on 2012年1月9日 – 18:30
新年も、瞬く間に9日です。本稿は、番外です。昨年の夏、恐る恐
るスピーカー工作のことを書いたら、反響が意外に多かったので、
続編です。以前の分は、8センチの超小型SP(スピーカー)ユニッ
トで作ったものでした。これは成功でした。

その後、この方法を20センチクラスの中型ユニットで、試行しまし
た。構想から完成まで、ほぼ4ヶ月を要しました。

書くことを躊躇(ためら)っていたのですが、メールマガジンを書
く度(たび)に、表現したくて仕方がないと感じ悶々(もんもん)
としていました。お許しを請(こ)いつつ書きます。周囲の人に話
しても、誰も、興味をもってくれません。

【結論】
今まで作った中で、最高の音に仕上がりました。原稿を書きながら、
ホロヴィッツのピアノ演奏を聴いています。巨匠とされる演奏家が
意図した表現が、細密画のように「見える」。音が、スピーカーを
離れて、「見える」のです。

芸術が何か分かりませんが、表現の技術と工芸の最高を言うと解す
るなら、それが見える。いままで、マスクされていた音の成分が、
聞こえるからでしょう。

音響の中で、スピーカーはもっとも進歩していないものです。電気
信号を、機械的な、コーン紙の前後運動に翻訳するからです。かね
てから、いろんな「迷論」があるように感じています。

評価の問題は、音は本人にしか分からず、その印象は、他の人には
コトバでしか伝えることができないことから生じます。「これ、こ
れです。この音です。求めたのは。」と、同時に聞きながら言って
も、「そうですかぁ・・・」としかならない。

小林秀雄は、芸術家と評価された人たちの「モノや人の見方」を、
執拗に、繰り返し書いています。

結論は、「われわれには、同じバラを見ても、ルノワールが区分し
た色(数百種以上)が、見えてはいないんです。しかし、膨大な数
の画を見て、見方を訓練すれば、次第に、見えるようになるんで
す。」バラの赤を、数百に区分できる目です。

人気の高いゴッホは、アルルに行って自殺するまでの2年間で、後
で傑作とされる膨大な点数の画を描いています。精神病院に入院し
ていたのがそのうち1年間ですから、実際に描いたのは、わずか1年
間だけです。

われわれにとって、富士山を1時間もじっと眺めるのは、難しい。
ところが1ヶ月も、飽きず、眺め続けるのが、小林が旅館に同行し
た梅原龍三郎だったという。目に焼き付けるためでしょうか。そし
て、その印象を、絵の具というメディアを使い表現する。小説での、
人間の観察も同じでしょう。

夏目漱石は、言っています。世の中は「事物」だ。モノ(人間を含
む物)は空間を占める。そのモノが、変化し、時間軸ではコト
(事)になる。

この人を含む事物の、観察した結果を、主人公を作って表現したも
のが小説です。不思議に思うのですが、小説も映画も、主人公を作
る。寄り添う共感を得るためでしょう。世間には、主人公はいませ
ん。

■1.スピーカー・ユニットの選択

スピーカー・ユニットは、スピーカーの本体です。
長年、FOSTEXのものしか使ったことがなかった。

スピーカーシステム(ユニットと、エンクロージャーつまり箱)の
メーカー製(完成品)としては、FOSTEXのGX100(メーカー価格で
4.9万円:市価は4万円:1台あたり)を使っています。オーディオ
評論家やマニア間では、評価が高いものです。
http://www.fostex.jp/products/GX100

このGX100の音への不満から、昨年の自作が始めました。なんだか、
「もこもこ、もごもごする」 一般には、これがいい音とされてい
ます。

音楽を聴いても、楽しくない。すぐ、やめたくなる。その理由を突
きつめることができなかったのです。(注)周波数を、高音と低音
にわけるネットワーク・デバイダも音を汚しています。はずしてみ
て、わかったのです。

原因は、箱鳴りではないかと疑って、聴診器を買いました。箱鳴り
を聞くためです。数万円はするかと思っていたのですが、アマゾン
で聴診器と入れて検索すると、簡単なものは500円~1000円で買え
ます。使ってみると、安価なものでも、良く聞こえます。

町医者になった気分で、聴診器をSP(スピーカー)の箱のいろんな
場所にあて、耳を澄まして聞くと、濁った嫌な音がします。

あぁ、これが、本来の音に混じり、歪みの成分で箱鳴りし、SP本来
の音と混合で聞こえていたのかと思いました。聴診器がなくても、
箱に耳をぴったりつければ、すこしは聞こえます。

(1)箱鳴りと(これは大きい)、
(2)SPユニットそのものの、フレーム(振動するコーン紙と背面
の磁石を支える枠)が出す、余計な逆相の音を、どうやって最小化
するかということが、今回のSP工作の出発点でした。

フレームの逆相音を最小化する方法は、「タイム・ドメイン」の、
筒型スピーカー(1本で約30万円)で、磁石の後ろに、金属棒の重
り(太いボルト)をぶら下げる方法で、実現されています。

タイム・ドメイン理論とも言う。読者の方の紹介で買った「タイム
ドメイン・ミニ」をもっていますが、音はクリアで綺麗です。いか
んせん小さく、オーケストラに不満があったのです。それに、つい
ているアンプの、ボリュームからガリ音が出るようになって片方は
聞こえず、今は押し入れに入っています。
http://www.timedomain.co.jp/

そう想いながら、インターネットで、SPユニットを探すと、香港に
あるFidelitatem(フィデリタテム)という変わった名前の、ベン
チャー企業が見つかりました。

WEBの説明文を読むと、見事に、当方も考えていたことをつかんだ
設計であることが分かりました。余分な歪の音を出さないような、
精密で繊細な設計と工作に、意を用いているからです。

「箱と、SPユニットの固定法に手を加えれば、きっと、とんでもな
く、いい音を出す」と確信できたのです。このあたりの感度は、経
験から来るものです。
http://www.fidelitatem-sound.com/Alpair12.html

一番大型のAlpair12(口径は18センチ)を、コイズミ無線のインタ
-ネット直販で買いました。小型のAlpair6(8センチ口径)も買っ
ていますが、箱の工作はまだです。Fidelitatem(フィデリタテ
ム)は、ごく少数の世界のマニアに、有名らしいと分かりました。

振動板は紙ではなく、アルミとマグネシウムの合金を、0.11ミリ
メートルの、機械的な強度の限界の薄さにまで、精密加工したもの
です。

社長のマーク氏は、英国の有名なSPメーカー(ジョーダン・ワッ
ツ)の技術者だったという。ジョーダンワッツは、アルミニウムの
コーンの小型SPユニットで、世界的に有名でした。1970年代にも、
確かユニット一台で2万円でした。円が、$1=250円と安かったか
らです。

「理想を求めた脱出組み」が、マニア向けのオーディオには多い。
理由は、大手メーカーでは、「性能、価格、量産」の3要素の間で、
妥協(トレードオフ)をしなければならないからです。

「自分は、こうすればもっと音が良くなる」と思っていても、「生
産ラインでは製造不能。売れる価格にもならない。」とされる経験
は、メーカーの優秀な技術者なら、多くの人がもっているはずです。

設計部、製造部、販売部の縦割りの組織の、弊害です。製品別に、
プロジェクト型での組織にし「経営管理=営業利益責任体制」をと
れば、縦割りの組織の弊害を打破できます。

映画のような、プロデューサー(利益=成果に総責任を負う人)と、
ディレクター(現場指揮権をもつ人)の組織に変えればいいのです。
プロダクト別の利益責任制とも言っていい。出版業も同じです。

わが国の組織は、縦割りの組織の弊害から、赤字を出さない安全に
傾きすぎています。

これが、アップルのような企業成長を阻害しているのです。アップ
ルは、ジョブスが率いた製品プロダクト型の組織です。

オーディオ先進国である北欧には、プロダクト型組織で、素敵に現
代的なデザインの、バング&オルフセン(デンマーク)のような、
妥協しないメーカーも数多くあります。

今、中国が熱いのです。

中国製に属するAlpair12のユニットの価格は2万1000円。2本で4万
2000円ですから、高級品のカテゴリーに属しても、高くはない。

つまり、顧客にとっての商品価値が高い。商品価値=機能・効用・
品質÷価格です。届いた箱を開けると、細部が、精密に、妥協なく、
作られています。

いわゆる中国製の、一般イメージではない。1970年代の日本のオー
ディオメーカーの、精密で丁寧だった、極上の仕事の印象があるの
です。製品イメージはここで分かります。
http://www.fidelitatem-sound.com/Alpair12.html

「Alpair12」が、どんな音を出すか、どんな箱を作ってくれと言っ
ているか、相当な時間、「つらつら眺め、対話」します。

毎日、原稿の合間に、手にとって触る。いや本当は、「Alpair12」
を触る時間を作るために、原稿を仕上げていると言ったほうが正し
いかも知れません。ワクワクする、楽しい時間です。

以前、老境の松下幸之助が、自社の新商品(テープレコーダー)を
見せられたとき、顔を寄せ、長い時間、いとおしそうに、さすって
いたことを思い出します。

生まれた子供を、何時間も飽きずに見る父親でした(リーダシップ
の精神)。これがモノ作りの精神だったのでしょう。

幹部は直立して緊張し、見ていました。本田宗一郎が、排気量
50CCの『カブ』を作ったときも、同じでした。モノに精神を込めた
のです。その想いは、周囲を感動させています。

精神をこめたというのは、比喩(ひゆ)です。たとえば、オートバ
イの微細なネジ一本が、1ミリ余分に出ていても、本田は、生産ラ
インのそのムダな妥協を許さなかったのです。発見すると烈火のご
とく怒り、作り直しを命じていました。

【日本のメーカーを危惧する】
日本の最近のメーカーは、Fidelitatem(フィデリタテム)のマー
ク氏のような、情熱とビジョン(理想像)をもった仕事を、忘れて
いる感じがします。ユニットの価格は高くない。いい仕事です。

日本の、全部とは言いませんが、たぶん90%のメーカーに、言える
ことです。現在の方向では、中国製造にやられます。

Fidelitatem(フィデリタテム)を知って、比較し、世界最大のSP
ユニットメーカーFOSTEX(本籍は日本)の、「工芸的な進歩」の停
滞を感じたのです。

愛好だったFOSTEXが、急に、色あせました。1990年代からの、日本
経済の低成長の、主因がこの、「工芸的な進歩」の停滞と退化かも
知れない。iPodによって、日本の音響がダメになったように・・・

本質は、縦割り組織の問題です。

■2.箱鳴りを極小化し、極小化した箱鳴りも澄んだ音にする

スピーカーメーカーは箱鳴りを利用し、「箱もスピーカーも楽器」
と言いながら宣伝することが多い。これは、箱鳴りを抑えることが
困難なための、言い訳にすぎません。

箱に聴診器をあててて聞くと、安価な合板とMDF(木粉くずを樹脂
で固めたもの)の、盛大な箱鳴りが、どんなに汚ない音か誰でもわ
かります。楽器であるはずもない。箱と楽器の音は、原理的に、ま
るで無縁です。

ゴー、モゴモゴ、ジー、ゴロン、バスンという混在音です。楽器の
共鳴板とも違います。

あからさまに嘘を言っても、政府と東電の原発のように許される
(あるいは、顧客に知られていない)のはどうか・・・原発と政治
については、発言する気を失いました。電力会社と政府には、御用
学者と言われる一派を含め、産業の精神の、深いところで堕落があ
ります。

歪みだらけの箱鳴りの音が「本来の音(電気信号の強弱に変換)」
に混じって聞こえていて、その上で、いい音や、そうではないと言
っているのです。合成された音が聞こえる音ですが、たぶん30~
40%以上の歪み成分が混じっています。

音(モノの高速振動)のエネルギーは、巨大です。分厚い板を、軽
く叩いても、カンカンという振動音がします。石や地面も、叩けば
小さく振動します。音が出るのは、振動があるからです。

比重が重い鉛、金、タングステンやウランが、もっとも振動が少な
い。振動をとめるのは、重金属の比重です。でも鉛板や金のインゴ
ットで鳴きを止めながら、箱をつくるのは、やはり、現実には無理
です。

鉛は、放射線(原子の間を通る、光のような振動=波)も防ぎます
が・・・

■3.箱の木材の選択

箱の木材は、
(1)比重が高い木材、
(2)振動しても濁りのない澄んだ音を出すこと、という二条件で
の選択です。

家具(タンス等)の大産地、府中家具の「銘木販売」で、いいもの
が見つかりました。
http://wood.shop-pro.jp/

いろいろ考え、単板ではなく(単板は鳴りやすい)、野球のバット
にも使う固くて重いタモ材の、3センチ厚の集成材を選びました。
3センチがもっとも厚い板でした

集成材は、樹脂の接着剤が使ってあるので、振動を抑えるのにいい
と考えたからです。

今は、例えば、ぐんと高いウォルナットの単板がよかったかと、若
干後悔しています。妥協は後悔を残します。美しい木材のウォルナ
ットの単板を、ボンドで2枚貼り合わせ、6センチ厚にしてもよかっ
たと反省しています。聴診器を使って、わかったことです。

タモ材の板厚は、最大の30ミリです。箱の寸法から指定し、カット
して送ってもらいました。2本分(10枚)で、価格は2万円くらいで
した。届いた段ボールの重かったこと。仕事場の二階に運ぶのに、
階段で苦労しました。

バッフル板は、もともと持っていた5センチ厚の「なら材(2万円く
くらい)」です。これに、直径約20センチの丸い穴を開けるのが一
苦労です。電動のジグソー(いわば、電動糸鋸です。これも買いま
した:約1万円)で行います。ガーン、ブーンという振動と、激し
い騒音で、工作の途中で、めげそうになります。手がマッサージ器
を使ったように震えるのです。

家庭用の電動工具の騒音を、小さく抑えることはできるはずですが、
精密に作ると、価格が高くなるのでしょう。ここにも妥協がある。

価格と品質のトレード・オフです。あらゆる騒音は、機械部品の精
度(許容誤差)が正確でないことから出る、エネルギーのムダです。
人体は部品が柔らかくて精密ですから、騒音を発しません。工業で
は、いろいろやるべき事が、残されています。

その度(たび)に言い聞かせるのは、「工作を急ぐな、完全に行え。
丁寧に、時間をかけろ」です。手での工作は、急いで行うと不完全
になって、後の修整作業に、何倍もの時間がかかることは、何度も
経験しています。却って、修整のコストを上げる不完全作業になる
のです。

手で工作の精度を出すには、丁寧に、時間をかけることです。それ
でも、完全な円には、ほど遠い仕上がりで歪んでいます。妥協でき
る程度にはなりました。

1200番の目のこまかいサンドパーパー(水ペーパー)で良く研いだ
ノミ(鑿)で、円形に近くなるよう整形しました。「名人はにぶき
刃を使うという」とは徒然草ですが、われわれは、鋭き刃を使うほ
うがいい。鈍いのを使うと、狂いが生じます。円形の紫檀製の、細
工用のかんな(鉋)も買いました(2千円)

隣の奥さんに「ご主人は音楽が好きなんですね」と、家人が婉曲に
言われ、赤っ恥です。出したのは、音楽ではない。電動工具の騒音
です。事前に、菓子折が必要でした。

5センチ厚の、硬い、ナラ(楢)材の加工は、手では大変です。最
終仕上げは、電動サンダー(電動の紙ヤスリ:ボッシュ製)ですが、
これもガー、ゴー、ブーと凄まじい音。電動工具は安いのですが、
家庭での使用を、前提にしていません。

接着は、木工用のボンドです。固まるまでの固定は、ダンベルの重
しと、体操用のゴムチューブ(100円ショップ:ダイソー)でぐる
ぐる巻きにします。

切れる極限まで伸ばしたゴムチューブが、手が滑ってはじけると、
バラバラになって、とても痛いです。ともかく、持続力と筋力が要
ります。

敢えて木ネジを使わない芋付け(このほうが音にいいと考えまし
た)ですから、白い水性ボンドが潤滑油になって、滑るのです。そ
れを、固まらない前に修整する。2時間くらい、ずっと見つめてい
なければならない。目を離すと、いつのまにか、1ミリくらいずれ
ます。

できあがった箱(幅290×高さ460×奥行き390ミリ)は、重い。
20kgはあるでしょう。

次は、箱の内部の反響音(これが、大きな、汚い、盛大なこもり
音)を吸収するための吸音材です。

■4.悩んだ吸音材で、行き着いたのは「備長炭」だった

吸音材は、普通、グラスウール(ガラス繊維)や、羊毛の繊維を用
いています。羽毛布団の羽を使う人もいます。しかし、これらの柔
らかい吸音材が、フトンの中のように音をこもらせ、濁らせる原因
にもなっていることは、過去から、経験済みです。

狭い箱の中の音圧は反響し、われわれが聞く音楽の音より、はるか
に大きい。必要悪としての吸音材です。多く入れれば入れるほど、
吸音はしますが、出る音に、生気(みずみずしさ)がなくなる。

ここでも、トレード・オフ(妥協)があります。工学の本質は、こ
のトレード・オフですね。原発も同じで、工学的なトレード・オフ
の巨大な塊です。トレード・オフは、いいことが、両方、同時には
成立しないことです。

ボヨーン、ボコンとした音になります。ドラムの音が、バスン、ド
コンという感じで、雨に遭(あ)ったように濡れてしまいます。太
鼓やドラムの、乾いた皮、擦(こす)れるバチが見える音が、出な
い。

ピアノの音も、水をかぶったあとのものです。つまりはリアルでは
ない。せっかくの、音の細部の、われわれには分からないくらいの
精緻を凝らす演奏家が可哀想になるのです。

理想は、無限大バッフルで遮断した吸音材のなさですが、これは実
現できない。さて・・・どうすべきか。インターネットで調べると、
木炭の嚢(ふくろ)が吸音に思いの他、効果があると出ていました。

木炭1グラム(小指の先の大きさ)で、植物細胞の表面積が、200~
500平方メートルもあります。これを利用し、空気清浄器等で、空
気が含む臭いの吸引に使われます。水も浄化します。木炭は、表面
積が無限大に近いくらい、大きい。

目には見えない微細な穴が、音(空気の振動)を、熱エネルギーに
変換するのので、高い吸音効果があると、考えたのです。マンショ
ンの床の響きの吸音にも、木炭が使われることがあって、効果的と
いうことでした。不要な音を「浄化する」のでしょう。吸音の方法
で、家の設計と吸音理論までを調べました。

「この備長炭を使おう!」と決めました。近くのコーナンに行き、
安いバーベキュー用のものを買ってきました。容易にノコギリで切
れると思ったのですが、間違っていました。初めて行うことでの見
込み違いは、至る所で起こります。

ノコギリの歯がすぐになまって、切れなくなる。純粋な炭素ででき
た炭は、金属のように堅い。なるほど炭素を、高熱と高圧で圧縮す
れば、ダイアモンドにもなると納得しました。

炭を切ると、微細な粉塵が大量に舞います。手も真っ黒になって、
鼻毛や顔、そして服が、黒く汚れます。つまり、漫画の炭焼きおじ
さんの顔のようになる。お風呂で洗えば、きれいにとれますが、結
構、大変です。部屋中が汚れます。

掃除機で吸うことにしました。炭の粉を掃除機で吸わせ、掃除機の
空気の噴出口から出る空気の匂いを、顔を近づけてかぐと、澄んだ
匂いしかしません。炭塵による、匂いの吸収効果は絶大です。

炭を自分切るのは大変なので、あきらめました。手段はインターネ
ットです。あらかじめ、数センチに切った炭はないか?  ありまし
た。インターネットは、まさに、「ロングテール効果」。商圏内で
はごく少量しか売れないものでも、世界では10億人が商圏です。

センニンというメーカーの「ころころ備長炭(商品名)」です。5
センチの長さに、ダイアモンド刃のノコギリでカットし、きれいに
並べて、段ボールに入れたものです。センニンは、山奥の、炭焼き
小屋でしょうか。炭焼きや陶芸には、昔から憧れています。

ウバメカシを使った、高級備長炭の価格は、1キログラムで1200円
付近と高い。炭に焼くと、太さ20センチの丸太が、炭素以外のもの
や水分が消え、7センチくらいに縮むと言います。炭は、彫密です。

ホームセンターの、ぼこぼこした柔かいものではなく(これは安
い)、紀州の、ウバメカシの純正を使うことにしました(金属のよ
うに固い)。

ここは、心意気です。柔らかい、安い木炭でいいのかどうか、不明
です。そのうち試します。固いものを使ったのは、よりクリアな音
を求めたからです。これも、調べて数時間考え、検討した上でのこ
とです。

2つの箱の、内部の全面に貼るには、15キログラム(ころころが
200個くらい)が必要です。

「炭に1万8000円もかけるのか? 失敗なら、近所の、少し馴染みの
焼き肉屋(炭を使う但馬屋)に寄付しよう」と考え、エイヤッとク
リック。後で分かるのですが、炭の「音を殺さない吸音」の効果は、
抜群でした。このため、1万8000円は安い。

送ってきた「ころころ備長炭」を、一個ずつ、ボンドをたっぷりつ
け、箱の内部に、貼って行きます。これも、予想外に大変です。工
作では、簡単に思えたことでも、新しい知識と技術が必要なことが
多い。

最初は、ボンドを、少量使ったのですが、すぐに剥がれます。
すこし固めになるよう水分を蒸発させたボンドが垂れるくらい、多
く使わねばならない。炭は、接着剤が効きにくいと発見しました。

上と左右に貼った「ころころ備長炭」は、自重で剥落します。1面
を貼って、ボンドがほぼ固まる2時間を、待たねばならない。ドラ
イヤーで温め、電熱器を当てました。合計で10面に貼るのに、20時
間です。

貼る前に、最初は、1個ずつ水と歯ブラシで洗ってドライヤーで乾
かしたのですが、200個には、大変な時間がかかります。洗うのは
やめ、掃除機で表面の炭塵を吸い取ることにしました。こうしたこ
とは、「ゆっくり、丁寧に、時間をかけて・・・」です。

試聴するまで、結果は分からない。ボンドで固まった炭の、工作の
やり直しは効かない。あらじめ調べて音を想像し、効果を信じる。

結果は、あたかも匂いが吸収され浄化された空気であるかのように、
「余計な歪みのない、澄んだ音」になりました。コツは、板面に隙
間なく貼ることです。成功でした。

備長炭を、箱の全面に、ほぼ隙間なく貼った効果が「絶大」でした。
ナラ(6センチ)とタモ(3センチ)の重い厚板と、「備長炭」の効
果です。鉛板でも、箱鳴りが100%消えることは、絶対にない。鉛
ですら、音圧で鳴くのです。

(1)ナラとタモの厚板と、(2)ころころ備長炭の合成効果は、箱
鳴りの音を、相当に減らし、かすかに聞こえるものでも、澄んだ、
快適なものにします。聴診器で確かめたので、確信をもって言えま
す。

【簡単な改造のすすめ】
ご自分の、メーカー製のスピーカを開け、内部の吸音材を100%取
り去り、箱材はそのままでも、数千円かけて、ころころ備長炭を貼
り詰めれば、それだけでも、音が激変することを保証できます。

箱が開かないときは、背面の板を、ノコギリで丁寧に切断すればい
い。貼り付けは簡単です。後で音を調整するために、ウレタンのパ
ッキンを噛ませて、木ネジ止め(12本くらいが必要)にしてもいい。

同時に、箱材の補強に、箱の外部から(内部ではない、外からで
す)、きれいに仕上げたタモ、ナラ、ウォールナット、マホガニー
等の単板(3センチ厚)を、ボンドで貼ってもいいでしょう。

大きく、重くなります・・・合板やMDFでは、ダメです。音が濁り
ます。外部から貼る板は、厚みと比重がないと、効果はありません。

それと、木材は工作の仕上です。順に細かいサンドペーパーで、鏡
面のように、つるつるになるまで、ゆっくり時間をかけ、数時間磨
くと、銘木の単板なら、塗装をしなくても綺麗になります。

工作を急ぎ、結果の見かけがよくないと、作ったものがだんだんゴ
ミに見えてきて、数ヶ月後には捨てたくなります。何度も、経験し
たことです。細部で、妥協しないことです。

■5.最後に肝心なこと:スピーカー・ユニットを背面から固定

スピーカーユニットを背面から固定することは、フレームに伝わっ
た音の振動(タチの悪い、濁った逆相)を、箱に伝えないために、
肝心なことです。

コーン紙(振動板)の動きと逆に磁石とフレームは動いていて、そ
っれが盛大に、余計な歪の音を出しているのです。運動の「作用-
反作用」の原理です。

フレームや磁石に聴診器をあてて聞くと、この汚い音が分かります。
普通は、振動しているフレームをネジでバッフル板(前面の板)に
とめます。このため逆相の歪み音が、バッフル板で拡大されて、箱
を鳴らしています。

フレームと磁石の逆相振動を抑える固定のために必要な重さは、
コーン紙の重量の1000倍とされます(タイムドメイン理論の借用)。

今回使ったApair12の振動板の重さは、15グラムくらいです。
1000倍ですから、15kg以上の重さが必要になります。

これもインターネットで、インゴットを30Kg分(12本)買って使い
ました。価格は1Kgで1500円くらいです。約2万円です。加工はちょ
っと大変です。金属鋸を使い、必要な長さに切りそろえます。

ここでも「成果(結果)を焦らず、ゆっくり、丁寧に切る」ことで
す。柔らかい鉛でも金属を切るのは、時間がかかってくたびれます。
飽きるので、「飽きるのは禁止」言い聞かせ、ニュースや音楽を聞
きながら行います。

特殊な接着剤(アルミ溶接とほぼ同じ強度というMG8300)を使いま
した。http://www.blenny.co.jp/flagship_genus8300.htm
確か、1万円くらいでした。

MG8300を使って、スピーカーユニットの磁石に、直接、接着します。
接着面はサンド・パーパーで磨き、ドラッグストアで売っている無
水アルコールで拭いて、油分、不純物、微細なゴミを、完全に取ら
ねばなりません。両方の、平面を、ヤスリとサンドパーパーで出し
ます。

精密に作られたスピーカー・ユニットを壊さないように、慎重な工
作と移動が必要です。重くなると、手許が狂います。巨大で重い原
子炉は、一体どうやって作るのかなどと、あらぬことまで考えます。

刃物で手と指の怪我もし、工作日は、バンドエイドだらけになる。
カンナや鑿の刃物は、カミソリのように、鋭利に研がねば精度が出
ません。爪も、サンドパーパーの粉で黒くなる。でも肉体作業と、
モノとの格闘は、なんだか、心地がいいのです。

【成果へのビジョンと情熱】
比較は大げさですが、20歳のミケランジェロも、鑿と金槌をつかい、
大理石で、バチカン宮殿の、見事に滑らかな聖母マリアとキリスト
を彫っています。

あきらめそうになること、つまり、細部をいいかげんな工作で済ま
そうという気分が、疲労のため、常に起こります。このとき、われ
われが足下にも及ばない芸術家の執念、ビジョン(想い)の実現へ
の情熱を思い出すといい。ものづくりに、共通することでしょう。

三井工作所で、精密金型を、微妙に手とヤスリで仕上げるあの工作
です(新入社員の訓練)。(注)当方の仕上がりは、まるで素人工
作で、無骨で、精密ではなく、見せるのは恥ずかしい。

ドラッカーが言っています(『マネジメント』)。
有名なくだりです。

ある石切工に訊ねた。あなたは、何をやっているのですか? 「ご
覧のように、石を切っている。」 別の石切工にも聞いた。「自分
は寺院を建てている」、これです。ドラッカーはこの石切工を、成
果(寺院)を作る(マネジメントする)経営管理者と言います。

「いい音への情熱」が、鉛を金鋸で切る工程でも、こう切ればどん
な振動になるか?と想像されねばならない。接着も、同じです。

今の工場ではどうなっているのか? ブレーキを磨く工程が、ブ
レーキではなく、「お客さまのために、いい車を作る」ことを目的
に作業していているのかどうかです。

原材料のの仕入(バイイング:バイヤー)から、工場でお菓子を作
る全工程、お弁当を作る工程と、店舗に運んで、棚に並べる物流の
全工程で、「他よりおいしいものを提供したい」という、顧客に向
かった目標が、情熱化された、工程の単位作業でつながったいるか
どうか。

最終成果への目標(ビジョンとも言う)を持てば、各工程で、優れ
た作業が、自己統制されます。これがあると、苦役の労働が、喜び
になるのです(チクセントミハイ:『完全なる経営』のフロー理
論)

重い鉛を、ノコで時間をかけて切り(疲れる苦役)、接着する工程
でイメージしていたこと(世界にないい音への喜び:若干大げさな
表現)でした。

MG8300を使う接着だけでも、二液を、正確に10:1の割合で、5分内
に素早く完全に混合せねばならないような、数々の、こつがありま
す。今回、覚えたのです。

インターネットで調べ、MG8300の作業工程を頭でシミュレーション
し、暗記し、実行する。

それでも、あぁやってしまった、と思う失敗が、数々、生まれます。

■6.鉛を接着した後は、「スピーカーユニット+鉛」の固定法

これも頭を絞り、何回も図面を描いて、シミュレーションです。新
幹線の中で、2時間半、続けて考えたこともあり、寝るときも、夢
で想像していました。考案(アイデア)には、時間が必要です。

タイムドメイン・ミニは、固定法での妥協があります。一方、タイ
ムドメインの筒型(Yoshii9)は、スピーカーを上向きにし、背面に
ねじ込んだ長い鉄棒をぶら下げる方法です。当方のスピーカーは、
上ではなく正面を向くので、Yoshii9の方法は採れません。そこ
で・・考える。

細長い、きれいな土管を立てたように見えるYoshii 9も、口径8セ
ンチの小型ユニットです。口径20センチでは、重くなり過ぎて、工
作、精度の確保、運搬、設置が困難(倒れれば危険)なためでしょ
う。

このためだからこそ、当方18センチユニットを使い、とんでもなく
重いものに挑戦したのです。しかも、重りをブラ下ればいい異形の
土管型ではなく、普通の、ブックシェルフ型です。18センチでは不
可能な工作とされているようです。

個体と液体の両方の性質をもつ「耐震ゲル(30×30cm)」を、10ミ
リくらいの幅に、良く研いだハサミで切る。その、ぐにゃぐにゃの、
名古屋名産の「きしめん」状になった透明の帯を、プロ用の瞬間接
着剤(なんでもくっつくという)で、スピーカーユニットのフレー
ムに接着します。

なお、セメダイン社は、接着が困難とされるポリエチレンも接着す
るものを出しています。これも買いました。

ゲルを貼る目的は、スピーカーのフレームが、5センチ厚のナラ材
のバッフル板に、直接に触れないようにするためです。つまり、ス
ピーカーユニットの、フレームの逆振動を遮断する。100%ではあ
りません。たぶん、80%くらいの遮断でしょう。聴診器で確かめま
す。

以上の工程は、比較的に簡単です。この後が問題です。

【工夫した固定法】
スピーカーの磁石に接着した15kgの重さの鉛インゴット(太い鉛
棒)を、箱の背面に固定せねばならない。手にもつだけで、やっと
という感じの重さです。これを、何かに、ぶつけてはならない。

鉛棒に、電気ドリルで、ネジを切ります。そしてそのネジ(という
よりボルト)を通じて、箱の背面に固定します。

しかし、箱の裏板に直接ではない。ここにも、振動を遮断するため
の、耐震ゲルを切って、かませます。

その上で、太いネジ(ボルト)で固定する。若干、動くくらいがい
い。固く締めすぎれば、その力でSPユニットを破壊しますし、耐震
ゲルの効果も無くなります。ネジの締め方(圧力)で、音が、微妙
に変化します。

ネジを固定するところには、4cm厚の鉛板(10×10cm)に、ネジ
(ボルト)が通る穴を開けて噛ませる。振動を制御するためです。

以上で、SPユニットの振動は、箱にほとんど(推計80%)伝わらな
くなります。

【完成 ! 】
完成したスピーカーボックス(システム)は、1台で50kgはあるで
しょう。重く、馬鹿馬鹿しい。手を滑らし、落とせば、一巻の終わ
りです。15kgの鉛が、落ちた衝撃で、スピーカー・ユニットを壊す
からです。抱えると、頭がしばらくぼーっするくらいの力が必要で
す。

ほぼ、4ヶ月の工程でした。
出てきた音は「最高」です。

聞いたことがない音です。不思議なのは、音を静寂に感じることで
す。音量を上げても、うるさくならない。(注)隣室では当然にウ
ルサイ。音の通りがいいのです。

マスクされていたごく細部の音が全部、出ます。1960年代の古い
SPレコード時代(巨匠の演奏家の時代)のものが、新鮮に、みずみ
ずしく聞こえます。

18センチの、フルレンジユニットの1発ですが、1万ヘルツ以上の高
音と、50ヘルツの低音不足はまるで感じません。後ろの面の下を、
調整できるバスレフ・ポートにしています。現在の最低共振周波数
は穏やかに、振動板の負担を軽くするため50ヘルツくらいにしてい
ますが、理論上は、35ヘルツくらいにまで伸ばせます。(この計算
法もインターネットにあります)
http://kanon5d.web.fc2.com/audio/kouza12.html

分かったことは、多くの人が再生音域(高音と低音)に不満を感じ
るのは、盛大な箱鳴りのため、再生音が濁っているからだったとい
うことです。

1000倍の重量での背面固定型では、高音と低音の再生域が、どこま
でも伸びている感じで、楽器音(特に再生が難しいピアノ)がリア
ルに響きます。このため、18センチの中型フルレンジ・ユニットだ
けで、2万~50ヘルツの再生帯域に不足を感じないのです。箱鳴り
の歪み音でマスクされていた、微細なホール音も聞こえます。

普通の工作では不可能な、箱鳴りの害を言うのは、オーディオメー
カーではタブーになっているのか。

CD作成のとき、スタジオ編集で音を作っているものは、不自然です。
メーカー製の小型スピーカー用(歪みが絶大)に作られたものを、
皆、いい音と勘違いしているのかも知れません。

何と名付けるか、考えています。つつましく『音場型スピーカー:
SR 2012』でしょうか。

ピアノと、ボーカル(人の声)が実にいい。人の声の再生をすれば、
スピーカーシステムの欠陥が、もろに出ます。人は、人間の声に、
もっとも敏感で、本当の音を、生まれたときから知っているからで
す。

絵画や彫刻でも、顔を作るのが一番難しいでしょう。顔は人が、微
妙な違いも区分できるからです。

テレビ番組や映画の音をこれで聞くと、びっくりするくらい、いい
音だったことが分かります。でも、ホラー映画はだめです。CSで深
夜に、偶然見ると、本当に怖くなります。

原材料の価格は、1本あたりで、
・SPユニットAlpair12   2万1000円
・箱の木材              約2万円
・ころころ備長炭        約8000円
・鉛インゴット          約2万円
・接着剤やゲル等        約5000円
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
                       7万4000円

メーカーで作れば、加工の付加価値を原材料費の約3倍として、20
万円の出荷原価でしょうか。店頭の流通価格は、1本35万円くらい
になるでしょう。2本で、70万円です。

SPユニットの市価の、16倍です。このため、メーカーは、こうした
スピーカーシステムを作らないのでしょう。量産は可能ですが、ユ
ニット以外の、原材料費(木炭、鉛、板材)が高い。

SPユニットは21000円、箱を入れれば35万円では、バランスを失し
ています。どなたか、試作してみませんか?若干の経験のある方な
ら、本稿を参考に作ることができるでしょう。家具メーカーなら、
大型工具も揃っていますから、お手の物でしょう。金属の加工も、
手作業では大変ですが機械があれば、簡単です。

参照用のフォテックスGX100とは、音が、比較になりません。以上、
細部ははしょって、概略を書いています。

アンプとCDの再生法は、また別稿で、いつか書きます。CDプレー
ヤーにも、音落ちの事後修整という本質的な欠陥が隠れているから
です。

このため、iTuneでCDを丸ごと録音し、iPodで聴いています。iPod
は、コンピュータのハードディスクであるため、音落ちの事後修整
がないからです。一度消えた音は、どんな補正回路で修整しても、
元には戻りません。昆布ダシがない吸い物に、あれこれ化学調味料
を入れるようなことが修整です。

圧縮形式は、CDと同じWaveで、圧縮度の高いMP3は使いません。
いい再生装置で聞きくらべれば、誰でも違いは分かるはずです。

【後記】
<新刊書『国家破産』:これから世界で起こること、日本がただち
にしなければならないこと>はアマゾンでは、補充の直後に、在庫
欠品を繰り返しています。新刊で1995円のものを、中古品を、
2600円や3100円で買えと言うのは、とても失礼です。お詫びします。

楽天書店も、他のところも品切れです。
紀伊国屋WEBだけには、まだ在庫があるようです。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/search.cgi


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【ビジネス知識源アンケート:感想は自由な内容で。以下は、項目
の目処です。】

1.内容は、興味がもてますか?
2.理解は進みましたか?
3.疑問点、ご意見はありますか?
4.その他、感想、希望テーマ等
5.差し支えない範囲であなたの横顔情報があると、今後のテーマ
と記述の際、より的確に書くための参考になります。

コピーして、メールに貼りつけ記入の上、気軽に送信してください。
感想やご意見は、励みと参考になり、うれしく読んでいます。時間
の関係で、返事や回答ができないときも全部を読みます。時には繰
り返し読みます。

【著者へのひとことメール、及び読者アンケートの送信先】
yoshida@cool-knowledge.com

■最近の有料版のテーマと目次

<567号:紙幣を発行する中央銀行の敵は、
                           ゴールドだった(1)>
                   2011年12月07日号

【目次】

1.紙幣は負債性の通貨
2.金、貨幣、中央銀行の根源を論じれば「陰謀論」とされる
3.金の在庫と需要
4.ゴールド価格の短期変動は、ヘッジ・ファンドの売買が原因。
しかし、2004年からの長期の上げは、ヘッジ・ファンドの売買では
説明できない
5.金準備銀行だった中央銀行
6.通貨の覇権争いが戦争だった
7.ユーロの結成
8.ユーロの金融・財政の危機対策:危機のユーロに見るペー
パー・マネーの性格
9.変動相場の中では実効レートが、真の金利
10.金匠の「預かり証」が貨幣になった
11.銀行の発展
12.戦後のブレトン・ウッズ体制(以下次号)

<568号:紙幣を発行する中央銀行の敵は、
                ゴールド価格だった(2)>
           2011年12月14日号

【目次】

1.中央銀行は、なぜ作られたか?
2.民間銀行の、自己資本の乗数での信用増加(レバレッジと同
じ)が、マネーストックを増やす
3.1971年から1999年までの中央銀行とゴールド
4.1980年 金価格は、産油国の買いで850ドルへ
5.金価格が低迷した1990年代

<569号:紙幣を発行する中央銀行の敵は、
                           ゴールド価格だった(3)>
                  2011年12月21日号

【目次】

1.金融危機の収束には、約5年かかる
2.中央銀行の紙幣が、マネー・ストックを増やす仕組み
3.銀行が抱えた不良債券は、
              銀行システムによる信用創造力を急落させる
4.欧州中央銀行(ECB)が4兆ユーロを刷れば・・・
5.「ある世界像」か?
6.世界の銀行への、新BIS規制の不思議さ
7.BISは、国債をリスク資産にする意図ももつ


■1.無料のお試しセット(最初1ヵ月分):

有料版では、いつ申し込んでも申し込み月の既発行分は、全部を読
むことができます。最初の1ヶ月間分は、無料お試しセットです。
その後の解除は自由です。継続した場合に、2ヶ月目の分から、課
金されます。

(1)『会員登録』で支払い方法とパスワードを決めた後、
(2)登録方法を案内する『受付メール』が送ってきて、
(3)その後、『購読マガジンの登録』という3段階の手順です。

【↓会員登録と解除の、方法の説明】
http://www.mag2.com/howtouse.html#regist
【登録または解除は、ご自分でお願いします】
(有料版↓)
http://www.mag2.com/m/P0000018.html
(無料版↓)
http://www.mag2.com/m/0000048497.html
購読に関する問い合わせは、ここにメール
  →  reader_yuryo@mag2.com

■2.解約していないのに、月初からメールマガジンが来なくなった
とき(このメールが当方によく来ます)

クレジットカードの有効期限が切れ、新しいカードになっていない
か調べてください。ほとんどの原因は、クレジットカードの期限切
れです。お手間をかけますが、「新しい有効期限とカード番号」を
再登録してください。届かなかった月初の分の再送を含み、届くよ
うになります。
https://mypage.mag2.com/Welcome.do
↑
この「マイページ・ログイン」から、メールアドレスとパスワード
でログインし、新しい期限と番号を再登録します。
(以上)

◎ビジネス知識源:経営の成功原理と実践原則
  のバックナンバー・配信停止はこちら
⇒ http://archive.mag2.com/0000048497/index.html


Comments are closed.