2024年の金融・経済(1)前編
This is my site Written by admin on 2024年1月7日 – 16:00
新年も、はや7日、3連休を経て「社会」が動きはじめます。個人は、個
人の自由意志で動きますが、個人のコミュニケーションによる集合で
ある「社会」は、個人の行動とは次元が違う集合的な動きをします。

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<Vol.1397号:新年の増刊:2024年の金融・経済(1)前編>
     2024年1月7日:有料版・無料版共通

【目次】
■1.「社会」という、個人を超える存在
■2.ファイナンス(=金融)の理論
■3.規則性のない価格の予想の、唯一の方法は確率である
■4・ボリンジャーバンドと推計の統計学
■5.価格変動幅のボラティリティが示すこと
■6.金利の本質
■7.リーマン危機は、2000年以降、金融工学(デリバティブが増えた
    金融)の危機だった
■8.付論:政府の、新NISAの旗振りの愚かさ
【後記】

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■1.「社会」という、個人を超える存在

例えば、株や通貨では、個人の売買が価格変動のもとですが、投資の
集合での結果作られる株価や通貨のレートは、個人の意思と関わりが
ない。そういった意味での「社会」です。個人の政権支持と異なる結果
を示す、世論調査の支持率も、「社会」のものです。

社会は、自分と他人の集合です。他人は、私の意思では動かない。つ
まり、日本の社会全体は、1.2億分の1である自由意志をもつ個人とは
かかわりなく、動きます。頻繁な株式投資家は日本では約700万人と
されますが、700万人の集合意志が、株価を決めています。

社会である経済に対してもっとも大きな影響を与えるのは、日本では
株価と通貨のレートです。日本の株価は、東証の70%を占めるガイジ
ンの主にオフショア(タックス・ヘイブン)からの売買によって決ま
っています。方法では、その70%がコンピュータアルゴリズムによる
売買です。アルゴリズム(算式)とは、コンピュータプログラムのロ
ジックです。

株価や通貨のレートの形成は、古典的な「場立ち」による個人の売買を
超えて「マネー投資の社会」が決めています。東証では、個人の売買ボ
リュームは30%くらいでしょう。

〔結論〕マネー投資の社会は「金融市場」と言われます。投資家集合で
ある金融市場が、個人とは次元の違う意思(集合知とも言う)をもっ
ているかのように動いて、株価や通貨レートが決まっているのです。

■2.ファイナンス(=金融)の理論

昨年末から『ファイナンス全史(田淵直也著)』を読んでいます。
280ページの分量なので浅い概論です。しかし本質をとらえたまとま
りのいい内容です。会計は、過去のマネーの制度的な記録方式ですが、
ファイナンス(金融)は、未来のマネー価値を取り扱います。

銀行の融資も、未来の返済と利払いを受けるための投資です。返済と
利払いの予想リスクが、金利より小さいとき実行されるのが融資です。
各国で金利の標準になっているものは国債の利回りです。国債金利が
下がると、一般に株の売買と銀行の融資が増えるのは、国債の金利が、
マネー投資の基準になっているからです。

株への投資は、「リスクフリーとされている国債の金利より、期待の
利回り(配当+株価上昇)が高いことを期待して、行われます。国債
のリスクフリーの前提は、G7では国家の財政の破産はないとされてい
ることです。

通貨が大きく下がっているトルコとアルゼンチンでは、国債の金利
(トルコ40%、アルゼンチンは126%)は、リスクフリーではありま
せん。国債の金利が126%(!)とは、どういったことか・・・。物
価が160%上がっているため、通貨ペソの価値(商品と資産の購買
力)が、1年に160%mも下がるからです。

円に例えれば、今は1万円の価値、しかし1年後は、物価が2.6倍にな
ることが予想されて3800円の価値に下がる。これがハイパーインフレ
です。金融の現象であるハイパーインフレは、利上げと、過去のペソ
を1/10に下げるようなマネー量の引き締めを行うと収まります。

最近の歴史では、2000年には、ロシアのプーチンが過去の、ロシア国
債をデフォルトさせ、1000ルーブルを1ルーブルに減価して、1000倍
のインフレを収め、現在に至ってます。

〔結論〕
株への投資は、「リスクフリーとされている国債の金利より、期待の
利回り(配当+株価上昇)が高いことを期待して、行われます。

■3.規則性のない価格の予想の、唯一の方法は確率である

規則性のないランダムウォークをする株価(相場のある金融商品の代
表)の、ぴったりした予想は不可能であるというのが、ファイナンス
理論の大前提です。

予想が、原理的に不可能である未来予想には、確率(=統計学)とい
う方法しかない。例えば、次にサイコロの目の、何が出るか、誰も予
想はできない。

しかし、100回くらい振れば、6が出る確率は、1/6に近づいていく。
つまり、狙いの目が出る確率は、1/10や1/3ではなく1/6であるという
蓋然的(がいせんてき)な予想ができる。

◎これが人間の科学的な方法です。医薬の効能も、たぶん効くだろう
という蓋然的なものです。個人によって、効能と副作用の違いがあり
ます。mRNAのコロナワクチンも同じです。

原理的には予想できない株価の予想は、ボラティリティ(変動幅の確
率)で価格変動の幅を想定するしか、人間にとっての方法はない。予
想できない株価も、価格のボラティリティ(変動の幅)の傾向はある
からです。

金融商品の価格のボラティリティとは、市場の開場日の、直近20日間
の、価格変化の「標準偏差」の2倍をとって、12か月に延長するために
平方根の12(≒3.5)を掛けたものです。

(注)ここに書くのはロジックを知るための、簡易計算です。√12を掛
けるのは、「標準偏差(分散の平方根)の加法の定理」からです。

(加法の定理の数学的な説明:数式はわからなくてもそのイメージを
つかめばいい)
https://toukeigaku-jouhou.info/2017/02/28/additivity-of-variance/

具体的に言います。1月4日の、株式市場で決まった日経平均は、3万
3288円です。この日経平均のVI(ボラティリティ)の指数は、1月5日
現在18.46です。四捨五入して、18%としましょう。18%というVIの
意味は何か?

〔数理的な結論1〕
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
直近20日の、日経平均の価格の、標準偏の2倍(95%の確率)は、18
÷√12(=3.5)≒5%だった。過去20日間の、日経平均の変動は、
95%の確率で、「3万3288円±5%=3万3288円±1664円=3万1624円~
3万4952円」だったというのは、過去の事実である。
↓
この20日間の株価の事実を、分散の加法の定理から√12(≒3.5)を
かけて1年に延長し、VIを18とする(確率の統計学)。1年後の株価は、
「3万1624円(5%下落)~3万4952円(5%上昇)の範囲にある確率が、
95%であろう。
↓
ここから、1年後の株価は3万1600円あたりから3万5000円あたりのに
収まるのが予想する。これが、市場の変化に対してニュートラルな予
想です。この方法は、株価グラフの、ボリンジャーバンド
(2σ≒標準偏差の2倍の変動幅)に示されています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

■4・ボリンジャーバンドと推計の統計学

(このサイトで、ボリンジャーバンドを表示できます)
https://kabutan.jp/stock/chart?code=0000

ちょっと見にくいですが、青線のグラフが2σのボリンジャーバンド
です。

この戦の株価は、実現確率95%からはずれる、ベルカーブの両端の、
実現確率2.5%の、株価を示すものです。

2.5%未満の確率では、3万3400円を超える予想だった。
2.5%未満の確率で、3万2500円をした回るものだった。
1月の4日の日経平均3万3400円は、その高値と安値の中点です(グラ
フの形は正規分布=ベルカーブ)。

1月4日では、
・日経平均が3万3400円(秒単位の時間で変動)、
・発生確率2.5%の上値が3万3800円、
・2.5%の下値が3万2500円くらいです。
 実現した3万3400円は、その真ん中あたりです。

◎過去の変動幅(確率)を、変化する未来に適用する「推計の統計学」
は、間違っているのではないかと考えるのが、普通です。しかし、例
えば、サイコロの目の確率が1/6なら、未来も1/6です。

新薬の少数の治験(投与実験)で、80%の人に効能があったとすれば、
同じ症状の人間集団が服用した場合80%の人に効能があるということ
で、医薬は承認されています。

少数の被験者と、多数の人間の集団は病歴と体質は、微妙に違うはず
です。しかしそれは、どう違うか、わからない。従って、無作為に選
んだ統計的なサンプルと「同じ」とするのです(ここが仮説)。

医薬の投与は、未来実験です。医薬を投与した人の未来には、科学的
にも治験の結果(効能80%)を適用するしか、方法がない。未来は、
「分からない」。

だから過去の確率を、未来に適用する推計の統計学の方法に依拠する
しかない。これが個人の限界のある知性の方法です(仮説が学説で
す)。

〔結論〕過去と現在しかない人間の未来予想の方法では、過去の確率
を将来に延長する推計の統計学(確率)しかない。

■5.価格変動幅のボラティリティが示すこと

しかし、未来は変化します。その変化は、VIそのものの変化(ボラテ
リティ・インデックスの変化)が示していることです。
(日経平均のボラティリティ・インデックス)
https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/index/profile?cid=5&idx=nk225vi#section-gist

過去1年(1y)でみても、
・VIは高いとき(=価格変動幅が大きなとき)は24%(価格の標準偏
差は12%)、
・小さなときは16%(標準偏差は8%)です。

2020年3月のコロナ危機のときのVIは、50%と高かった(日経平均は
1か月で約30%下落)。

10年での、日経平均のVIの平均は20%あたりです。日経平均株価は、
95%の確率で、年初の価格から20%の変動幅だったということです。
(期間10yを指定)
https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/index/profile?cid=7&idx=nk225vi#section-gist

金価格のボラティリティ(価格変動率)は、一般に、株価より低い
13%平均くらいが多い。売買のリスク率は株よりは小さいということ
です。

統計的には、価格の上昇と下落は等分にリスクと見ます。金融商品の
リスクは、持てば危険ということではなく、価格の上昇と下落の、変
化の幅のことです。
・売りにとっては価格の上昇が、
・買いにとっては価格の下落がリスクだからです。

以上が、『ファイナンス全史』の前段に、文字で書かれたことの、数
字と数式での説明です。


◎中身は金融リスクの交換であるデリバティブと、先物のオプション
は、金利とボラティリティの数値的原理(推計の統計学)で作られた
います。

■6.通貨の下落リスクをカバーする金利の本質

金利は、金融原理からは、インフレでの、マネーの価値低下のリスク
を補うものです。このため、インフレ率3%の経済では、金利は3%付
近を中点として変動しています。

【米国の期待インフレ率は=インフレ連動国債の金利】
日々変動している米国の期待インフレ率(市場の1年後~2年後のイン
フレ予想)は、インフレ連動国債の金利(期待インフレ率を0にする
BEI)は2023年11月の2.5%付近から2.2%に下がっています。

(米国のBEIの金利)
https://www.oanda.jp/lab-education/oanda_lab/oanda_rab/breakeven_inflation_rate/

日本にも、物価連動国債はありますが、発行金額が小さいので、米国
ほどは、参考になりません。現在、日本の物価連動10年債の金利は1.
15%です。2020年の0%から大きく上がっています。
(日本の物価連動債の金利)
https://www.mof.go.jp/jgbs/topics/bond/10year_inflation-indexed/bei.pdf


米国の金融市場(=金融機関)の、社会的な集合知では、米国の1年
後の期待インフレを、2.2%付近と見ていることになります。

【直近の物価上昇率、未来の期待インフレ率】
米国の物価のCPIは現在3.3%上昇です。金融市場は1年後のインフレ
を、1.1ポイント下がった2.2%と見ているということです(2024年は
米国にはデフレ化の期待がある)。

これが、物価連動国債の金利の意味です。受取金利は通貨下落のリス
ク(=物価上昇リスク)を補うものです。

金利は、期待インフレ率で示されるマネーの、未来の下落リスク率で
す。ボラティリティは、金融商品の価格変動のリスク率です。

【金融商品のリスクは、金利+ボラティリティ】
ここから、金融商品(株価、債券価格、金価格)のリスクは、
「金利(例えば3%)+ボラティリティ(例えば15%)=18%」が買っ
た場合のリスク率になります。
↓
ここから、以下のことが言えます(24年1月時点)。
1)株価が年間20%以上上がると予想している投資家・金融機関・フ
ァンドは、株を貸い越す傾向がある。
2)株価が年間10%以下しか上がらないと予想している投資家・金融
機関・ファンドは、株を売り越す傾向がある。

■7.リーマン危機は、2000年以降、金融工学(デリバティブが増えた
金融)の危機だった

2008年9月のリーンマン危機は、ファイナンス理論と株価理論の危機
でもありました。確率的には、数万年、数十万年に一回しか起こらい
ことが起こったからです。

効能が80%とされていた医薬が、突然何かの理由で、40%や30%しか
効かなくなったことと同じでした。

「ブラックスワンの存在」とも言われたこの事態に、金融市場はなすす
べを知らなかった。
↓
このため、最後の銀行であるFRBがドルを4兆ドル増発し、金利は0%
に下げて、負債が資産を超過していた銀行(債務超=自己資本のマイ
ナス)を救済し危機を収めたのです(ベイル・アウトという)。

◎黒い白鳥は、生物科学では、ごくマレな突然変異からしか生まれな
い。しかし人間の判断と心理が絡む金融では、黒い白鳥(株価の恐慌
的な暴落)は、推計の統計学より、はるかに高い頻度で現れる。おお
ざっぱにいって、5倍くらか? 人間の心理、変化の閾値(しきい
ち)はあっても数値化ができないから。

債券の回収を保証する保険であるリスク移転のデリバティブ(CDSと
CDO)高騰により、保証すべき金融システム(金融機関の連鎖した構
造)の危機が大きすぎたからです。

住宅ローンに集合債券のCDSでは、1%の、デフォルトリスクの確率と
してきたことが、実際は、その5倍から8倍くらいの大きさだったので
す

マネー量を増やして、金融(貸し付けと債券の購入)の6年間の安定
をもたらしてきたデリバティブ作りの金融工学が、発生確率は1%以
下のリスク領域にはいってしまい、金融工学が逆転したからです。

◎リーマン危機は、リスク移転のファイナンス理論が作った金融工学
の、壊滅の危機でした。

【ファイナンス理論の修正が、行動経済学】
◎2009年からのファイナンス理論は、他の学問領域だった非合理な判
断と行動を分析する「行動経済学」から、修正を受けます。その展開は、
水曜日の正刊で書いて、2024年の金融・経済の予想にはいります。

〔具体的に言えば〕投資を判断する人間は、当たり前のことですが、
数理ロボットではない。

◎投資では、人間は「損と利益」への、統計学から見れば非合理に大き
く見る心理をもつ。こうした定性的な心理を、金融商品の売買に適用
したのが、行動経済学です。

〔まとめ〕
端的に言えば、
1)金融商品の暴落のリスクは2.5%以下と、推計統計学(=デリバテ
ィブの債券)が言っても、
2)投資家の心理では、そのリスクは2.5%ではなく、5%やときには
10%へと大きくなるということです。

デリバティブでは2.5%以下(50年から100年に1度)とされた金融危
機は、実際は、
・支払金利が約2倍になるほぼ12年から15年のサイクルで起こってき
たので、
・心理的な確率は12年(=8.3%)、15年(6.7%)でしょう。
これが、定性的な人間の心理です。

リーマン危機は、数量的な確率では、非合理な金融危機でした。
しかしある臨界点を超えると逆転する、定性的な人間心理では合理的
だったのです。

行動経済学の名著は『ファスト&スロー(ダニエル・カーネマン)』
です。
・経験的な判断は直感ですから一瞬で行えるファストな印象判断です
が、
・数理的な判断は。統計学的な計算ですからスローな判断です。
これを、実験例を示し、描いています。

以降は次号の正刊で述べます。可能な限り、ギリギリに短縮して述べ
ていますが、理論的なことの合理的な説明には、多くの文字・数字が
必要です。

◎「理論」のいい点は(その説明は難しいのですが)、自分が経験した
ことのない領域まで、知識をひろげてくれることです。

病理学を正当に学んでいる人は、未経験の傷病の治療が施せます。フ
ァイナンス理論を知れば、投資の判断が的確になるでしょう。

■8.付論:政府の、新NISAの旗振りの愚かさ

政府がいう「金融リテラシー」とは、ファイナンス理論のこと以外には
ない。しかし、NISA(投資利益の非課税枠)を作った政府は、要は
「ドル株買い」としかしていない。どこまでも情けない政府です。

米国は、約1500兆円の、ゼロ金利の預金がある日本を「ATM」と考えて
います。(世帯の預金111兆円、企業の預金343兆円)

平均で2000万円の、ゼロ金利の預金をもつ高齢者が多く集まって、
NISAの説明講演を聞いています。NISAの本も売れています。証券会社
は、国内と海外の株買いしか奨めない。老後には3000万円必要だ。預
金2000万円のうち1000万円を株投資に回す。1000万円の株価上昇の利
益があると、70歳以降に必要な3000万円になるというものです。

これは、海外からの株買いが欲しい米国金融の、差し金です。その証
拠に、世界最大のファンド、ブラック・ロックのCEOが日本に営業に
来て、岸田首相は、迎賓館でもてなしています。23年3月には、ウ
ォーレン・バフェットも来日し、要は「日本人よ株を買え」と言って帰
りました。なぜ、NISA の時期に?

2008年からの「郵政の民営化」は、300兆円の運用資金をもつ郵貯に円
国債を売って、米国債を買わせることでした。NISAは、日本の高齢者
のゼロ金利預金に、米国株を買わせることが目的でしょう。

日経新聞には「長期でもつ株の有利さと、海外の株買い、あるいは、
金利5%のドル預金」を説く記事が、2023年の後半から急増しました。
乗るか、乗らないかは、あなたの判断です。

【現在の米国株に対する評価】
現在の米国株価は、メガテックのGAAMと、画像処理のCPUを作るエヌ
ビデアへの過剰期待で支えられています。アップル2.8兆ドル、マイ
クロソフト2.7兆ドル、アマゾン1.5兆ドル、エヌビデア1.2兆ドル、
アルファベァット(Google)7900億ドル。5社合計の時価総額は9兆ド
ルであり、1ドル145円換算では1305兆円にもなります(日本の約
3000社の、時価総額830兆円の1.6倍)。

この過剰な期待は、コロナ対策の5兆ドル(725兆円)の財政マネー
(FRBのドル増発)を資金源とし、ゼロ金利の日本からのドル買いが
重なって、上がったものです。

もっとも株価時価総額が大きなアップルの、次期予想純益に対する株
価は29.6倍です。PRE15倍が、妥当な評価でしょう。2倍高いのです。

将来30年利益を増やすという過剰期待が、アップルの時価総額2.8兆
ドル(406兆円)の正体です。これは100%、実現できない。

現在は、コロナ後の米国史上最大のドル増発が生んだ、金融バブル以
外ではない。現在のIT企業の株価は、2000年のインターネットへの過
剰期待が生んだ、ドットコム・バブルと類似します。

ITベンチャーが多い米ナスダックの株価は、
・1990年の2000ドルから2000年には5000ドルまで2.5倍に上がり、
・2001年の9.11には2000ドルに下がって、2003年まで1500ドルだった
のです。

2024年1月のナスダックは1万4500ドル、2003年の9.7倍の高値圏です。
2024年も、さらに、20%上がるでしょうか? 20%は上がらないとい
う見方が増えると、ボラティリティのリスク15%付近から、GAAMと、
エヌビデアをふくむ米ナスダックの売りが増えていきます。

ここから見ると、米国株の日本の、NISA1による高齢者の預金頼みの
深刻さも分かるのです。

<Vol.1397号:新年の増刊:2024年の金融・経済(1)前編>はここ
までにします。中編・後編は、水曜日に送る有料版の正刊とします。

【後記】
これから2026年までの、世界のマネーの問題を歴史的、未来予測的に
書いた書籍(『金利と通貨の大転換』:352ページ)は、アマゾンに
リンクしています。

紹介した『ファイナンス大全』と合わせて読むと、金融が動く原理の
深いところまで、分かっていくでしょう。
https://www.cool-knowledge.com/

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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1.内容は、興味がもてますか?
2.理解は、進みましたか?
3.疑問な点は、ありますか?
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確に書くための、参考になります。

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でいます。質問やご要望には、可能なかぎり回答をするか、あとの記
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