FRBの0.25%利上げの、経済理論的な意味
This is my site Written by admin on 2023年2月6日 – 09:00
2月1日のFOMC(連邦公開委員会)で、利上げ幅は0.25%でした(短期
金利のFF金利は4.25%~4.5%:日本はまだ0%~0.1%)。

(注)増刊号は、有料版・無料版に共通とします。有料版の正刊は、
水曜日に送っています。

■(1)若干ややこしい、FRBの金融理論(物価と金利)を解説します

米国の消費者物価上昇率には、2種があります。
1)一つは、全品目の総合(23年1月:6.5%)、
2)二つ目は、FRBが利上げのとき参照する、季節変動が大きなエネル
ギーと食品を除く、コアPCEです(22年12月:4.4%)。

米国のコアPCEは、22年9月の5.2%から、現在4.4%に下がっています。
このため、米国の物価上昇率はピークアウトしたとされているのです。
https://fx.minkabu.jp/indicators/US-PCE

(注)日本では逆に、生鮮を除くコア物価が4.3%に上がっています
(23年1月東京都区部)。日本の物価は、米国とは、約6か月から8か
月の遅延ラグがあります。賃金の上昇が、春闘(3月)まで遅れてい
るからです。

◎FRBは、コアPCE4.4%参照し、短期金利(FF金利)4.25%~4.50%
と決めました。「実質金利=短期金利4.5%─コアPCE4.25%=プラ
ス」としました。インフレを生む、実質金利のマイナスから、0%~
0.25%のプラスに転じたのです。実質金利のプラスは、経済を不況化
させるデッドクロスとも言います。
(注)日本の実質金利は、マイナスが大きく3.7%です。

[短期金利と、長期金利のイールドカーブは長期金利が低い逆イール
ドになっている]
株価や金価格に関係が深い「10年債の長期金利」は長期国債の売買で
決まります。現在、4.5%の短期金利より3.4%の長期金利が低い「逆
イールド」です。これは一般に、「2023年から24年の不況」を示すと
されています。(米国債のイールドカーブ)
https://irbank.net/usa/yieldcurve

景気が上昇に向かうときは、投資用の長期マネーの需要(借り入れ)
が増え、「長期金利>短期金利」になるからです(金融市場の経験
則)。2022年から続く逆イールドが、起こるのはマレです。

日銀は、YCC(イールドカーブコントロール)を行っていて、10年債
金利0.5%目標としています。短期金利0~0.1%、長期金利0.5%とし
て、長期債の金利にも、日銀が関与しています。
(注)中央銀行は、長期債の金利は、民間の国債市場に委ねるのが普
通です。しかしGDP比の国債残が230%とダントツに大きな日本は、日
銀が長期債もコントロールしているのです。

◎本稿で、米国のコアPCEを持ち出した理由は、コアPCE4.4%でFF金
利が4.25%~4.50%に上がって、2021年からインフレになって初めて
両者が均衡したからです(実質金利はほぼ0%)。

[物価を上げるマイナスの実質金利]
実質金利の効果を、住宅価格の事例をとって、述べます。

物価の期待上昇率が8%、借入金利が3%のとき、「支払う名目金利3
%-物価の期待上昇率8%=実質金利は-5%」です。 実質金利がマ
イナスのときは、低い金利で借り、上がる価格のものを買う投資また
は商品需要が増えます。住宅の購入では、実質金利のマイナス分の、
住宅価格の値上がり益が出るからです。

◎実質金利のマイナスは、GDPの成長がある米国経済では、需要の超
過(潜在成長力(約2.5%)<需要)を引き起こします。物価は一層
上がっていきます。住宅価格は、その典型であり価格が上がります。
2022年3月までの住宅価格は20%も上がっていました。

【潜在成長力について】
日本の潜在成長力は、米国より2ポイント低い0.5%付近です。総労働
時間の減少傾向が主因です。(総労働時間=雇用者総数×1人平均労
働時間)
日本は、1人当たり生産性の上昇は1%ですが、総労働時間が年0.5%
減っています。なお潜在成長力は、経済がフル稼働したときの、GDP
の実質成長率です。
(米国の潜在成長力)
https://www.dir.co.jp/report/column/20220905_010927.html
(日本の潜在成長力)
https://www.dir.co.jp/report/column/20220905_010927.html

「住宅ローンの固定金利-住宅の期待上昇率=住宅ローンマイナス実
質金利」のときは、ローンが増えて住宅価格は、上がる傾向が強くな
ります。

日本と欧州では、人口の高齢化を主因にして、GDPの潜在成長力が1%
以下と低い。マイナスの実質金利でも、需要超過によるインフレは起
こりにくい。

他方、米国では、移民の増加と所得上昇が5%で名目成長が高い成長
経済ですから、マイナスの実質金利で借り入れが増えると、インフレ
率が高くなります。逆に米国では実質金利がプラスになると、金利が
高いことになり、インフレはタイムラグを置いて収まっていく傾向が
強い。

FRBは、インフレを抑えるためコアPCEと金利が均衡するように、短期
金利の利上げをしたのです(12月0.5%、2月1日0.25%。

◎金利が4.25%~4.5%になると(23年2月1日~)、米国の実質金利
は、ほぼゼロ%になります。実質金利のマイナスが、物価を押し上げ
る要素ではなくなったのです。

■(2)米国のターミナル・レートが見えた

◎今後の2023年3月、4月、5月に、コアPCEが、現在の4.4%以上に上
がらないとすれば、米国のFF金利では、4.5%~4.75%(次回利上げ
0.25%)が、到達点と見ることができます。

これが、「ターミナル・レート(金利上昇の終わり)」とされる米国
金利です。

◎[1月の株価上昇の原因]
このターナル・レートが、2月1日のFOMCでの、パウエル発言の解釈か
ら、金融市場と投資家に見えてきたため、株価が上がったのです。

2021年1月の米国ナスダックは、11%上昇しました。1か月での11%は、
年率換算では、√12倍=11×√12=11×3.46倍≒35%という、普通は
ない高い上昇率です。

FRBの利上げ目標になるのはコ、アPCEです。今後、コアPCEが4.4%以
上に上がらないと、FRBの利上げはほぼない。2月、3月のコアPCEが上
がると、あと0.25%の利上げがあって打ち止めになるでしょう。コア
PCEが4.4%以上に上がる可能性は低いからです。

金利のピークが見えたため、投資家の次の期待は、以下になりました。

■(3)2023年中に、FRBは利下げをするかどうか

投資利益を望む、世界の金融市場と投資家の期待は、「2023年中の利
下げ」です。

一方でFRBは、
1)インフレ率(コアPCE:現在は4.4%)が2%台に向かって下げるか、
2)下げる気配がないと、利下げはしないと繰り替えして言っていま
す。

◎FRBが、2023年の利下げないとほのめかす理由は、「株価の再びの
バブル的上昇」への投資家心理を抑えるためです。

【米国債の20%下落】
◎現在の短期金利4%台で、株価バブルが起こるとどうなるか。

2022年3月からの利上げ(4.25%)で、残高31兆ドル(4000兆円)の
ドル債価格は約、20%下がっています。その後のハードランディング
(金融危機)の可能性が高まります。

【一般には、国債市場と、国債価格は知られていない】
国債市場は、中央銀行、銀行、機関投資家、ヘッジファンド、インで
クックファンドが売買する市場です。個人投資家は、株と通貨です。

◎世界金融の底に、ドル国債価格の20%下落があることを認識してい
ない(推計含み損800兆円)。

8兆ドル(1040兆円)のドル国債とMBSをもつ米国FRBでは、200兆円規
模の含み損が生じていて、日銀より先に大きな債務超過です。

【国債の格付けの低下と、その意味】
仮に基軸通貨国でないなら、国債価格が20%(800兆円)も下がれば、
ドル国債の信用格付けは、BBB級以下に下がり、中央銀行と世界の民
間銀行で、ドル国債とドルの取引を停止しなければならない。

(注)国債価格下落の要因での、米国債の信用格付け低下は、格付機
関がまだ行っていません。行うのか、政治的に行わないか、不明です。
格付けには政治的で恣意的な面もあります。

格付けを下げなくても、今売った時のドル国債の時価は、2021年の買
い入れ価格より、平均20%も下がっているのです。

現在の格付けがAA+の、満期前のドル国債は、金融市場では時価評価
しなくてもいいとされています。しかしBBB級に下がると、時価評価
して、世界の中央銀行を含む金融機関の合計で、800兆円の含み損を
計上しなければならない。

[日本の官民がもつドル国債]日本では、官民でドル国債を2兆ドル
くらいは持っているでしょう。現在の含み損は4000億ドル(52兆円)
付近でしょう。米国債の4000億ドル(52兆円)が不良化しているので
す。

◎ところが、金融市場と投資家は、米国金利のピークが見えたことで、
「2023年の世界金融危機」は、考えることすら、していません。

[金利と国債価格の関係]
金利が1%上がると価格が約10%は下がる世界の国債を認識したとき、
どう判断が変わるでしょう。現在は、株買いの「行け、行け」のムー
ドの投資家が8割でしょう。

■(4)世界金融危機の本命は、米国住宅価格

金融危機を惹起する本命は、米国の住宅価格です。金利とは6か月く
らいのタイムラグがある米国の住宅価格は、2022年6月までの前年比
20%上昇(異常値)から、22年11月には、6.77%の上昇に急落してい
ます。23年6月ころには、前年比マイナス(下落)になる可能性が高
い。
https://fx.minkabu.jp/indicators/US-CSHP

■(5)住宅ローンの金利と、ローン支払額

2021年の住宅ローンは、金利が3%台と米国にしては低かった。低い
ローン金利が、2022年の6月までの住宅価格を、前年比20%も上げて
いたのです。

現在、米国のローン固定金利は6.19%です(23年1月)。米国の住宅
価格は、日本の約2倍なので、1億円のローンとします。

なお、米国では、消費者ローンの金利も、かつての3.5%から7.5%に
上がっています。世帯の債務残高は14兆ドル(1800兆円)と史上最高
額です(2019年)。2022年は、絶好調だった米国の個人消費に、暗雲
がきざしています。
 2021年には、コロナ危機で20%増えていた、通販のアマゾンの売上
は、9%台に下がって、営業利益は48%も減っています(2022年1月-
12月)。アマゾンの株価が約40%下がった原因がこれです。

・3%の金利の時の、ローン支払総額(期間30年固定:米国)
  1億5200万円・・・毎月平均 42万1600円
・6.19%の金利の時の、ローン支払総額(期間30年固定:米国)
  2億2000万円・・・毎月平均 61万1820円
(ローン;シミュレーション計算)
https://loan.mamoris.jp/repayment.asp#result

ローン金利が6.19%に上がると、同じ1億円に対して、30年間では、
2億2000万円払わねばならない。3%のときの1億5200万円に対し1.44
倍です。

◎住宅価格は、理論的には、2021年比で「1÷1.44=69%」に下がり
ます。31%の下落です。1億円で買ったものが7900万円。米国では住
宅ローン債権(合計1500兆円)を集めて、MBSになって、内外の金融
機関に売却されています。このMBSのローン担保価値も約30%下がっ
て銀行の損失になっていくのです(リーマン危機と同じ)。

たぶん2023年6月ころから、リーマン危機のときの住宅バブル崩壊に
類似する、米国住宅価格の下落が控えています。

約2倍になった住宅ローン金利(=住宅価格の下落)という要素を入
れても、金融は楽観できるでしょうか? 

23年中は、6%台のローン金利が下がることを想定できない。FRBが利
下げしない限り6.19%に上がったローン金利も下がりません。2022年
2月に、金利上昇打ち止めが見え株価が上がっても、ローン金利は下
がらない。

住宅価格、株、国債では、その日の売買が実行された少数の価格で、
全体が評価されます。これが、市場価格の特徴です。

GDPが米国に次ぐ中国でも、数字が明らかではない住宅価格の下落と、
売れ行きの悪化による住宅ローンの危機が、中国の金融危機になると
IMFが警告を開始しました(23年1月末)。中国ではGDPの30%は1200
万戸(日本の15倍)の住宅建設だからです。
https://jp.tradingeconomics.com/china/new-home-sales

日本では約80万戸の新築で約21兆円/年(平均価格2625万円)、GDPの
4%でしかない。中国経済では、住宅建設の比重が、日本の7倍大きい。
住宅価格の下落による金融危機も、大きくなります。この危機は、ホ
ンモノでしょう。中国の銀行からのドル国債売りにつながっていきま
す。

■(6)住宅価格、国際価格、株価の時価総額

2022年6月まで、バブル的に高騰した米国住宅の全米の総価格は、い
くらでしょうか。1軒平均を低めの6000万円として「6000万円×1億
戸=6000兆円」です。この価格が30%も下がると1800兆円の評価損が
発生します。今後も増えると思っていた資産が、2023年秋ころから、
幻のようになくなっていくのです。

住宅資産は、31兆ドル(4030兆円)の国債の1.5倍、株価の時価総額
5000兆円の1.2倍もあります。

・発行額4030兆円の国債、
・時価総額5000兆円の株価、
・6000兆円の住宅価格は、全部、コロナ後バブルでしょう。

ところが金融市場と投資家には、バブルだとの認識は薄い。
2月1日のFRBの利上げと株価上昇を解説したアナリストやエコノミス
トのyoutube動画の主要なものを見た上での感想がこれです。

◎2023年末から2024年の、「米国バブル崩壊説」は、1/30くらいの少
数派です。

米国の株価の上昇には、自社株買いが貢献しています。最大手の
GAFAM社は、売り上げ減、利益減、雇用カットのなかで、自社株買を
してきたのです。自社株買いは、市場での流通株を減らすので、1株
当たりの利益(ROE)の見かけを高めて、幻想的に株価を上げます。

日本でも、米国の要請で、大手企業の自社株買いが増えました。
ミンスキーモーメントでいう「至福の中の自社株買い」ではない。イ
ンフレ、金利上昇、景気後退という逆風の中の買いでしょう。

S&P500 のVIX(株価変動率)は、年間予想で18.5%に下がっています
(米ナスダックは25%と高い)。米国株の長期間の平均では、VIXは
15%です。VIX15%は、長期上昇を示すことが多かった。3か月内の短
期売買なら買いかもしれない。しかし長期保有の買い増しは危険でし
ょう。

■(7)バブルのただなかでは、バブルと認識されない

「バブルの中では、バブルと認識するのは難しい。2008年9月に崩壊
して、バブルだったと分かった」(元FRB議長 グリーンスパン)。
わずかか・・・あるいは遠い昔か、15年前です。

バブル崩壊の前は「今回は違う」という論が登場するのが常です。

投資家、証券会社、銀行にとって金融緩和(低金利+マネー増刷)が
もたらしたバブルは崩壊してはならないからです。

Must(・・・ねばならない)の論で、現実は分析できません。
長期の基幹データの示すところを、当為なく分析しなければならない。
医師は、「この人には病気はない」という姿勢で診断はできないので
す。

◎バブルの根本の原因は、中央銀行の金融緩和とマイナスの実質金利
です。バブル崩壊の原因は、資産価格の高いインフレのあとの、中央
銀行よる利上げと引き締めです。

1990年からの、日本の資産バブル崩壊のときも、財務省(当時は大蔵
省)は1994年まで、4年間の日本の地価は上がると言い続けていまし
た。大方のエコノミストも財務省と同じでした。

しかし現実では、1997年が金融危機になり、その年から、日銀が銀行
の救済のために、ほぼゼロ金利を続けたのです。

■(8)時価資産の隠れた金融危機と、銀行のPBR

都銀21行の経営が破綻し、政府がマネーを入れて、3つのメガバンク
に統合されたのですからすさまじかった。当方の知人でも破産した人
が出ました。

大蔵省ですら、金融庁を分離して組織を改編したのです。歳入省と財
務省への分離案は、官僚の激しい抵抗で潰れました。大蔵省の再編も、
不良債権の増加による銀行の危機が原因でした。

銀行の統合は、実質的な破産銀行(自己資本4%以下かマイナス)を、
破産していない銀行が、政府マネーを受けて、引き受けることです。

【銀行の統合】
現在は、約20年間のゼロ金利と、2022年の円国債・米国債の金利上昇
による下落で損をした地銀で、早めに危機になり、統合の動きがあり
ます。地銀の株価の、純資産倍率(PBR)は、解散したときの価値の
20%から50%です。これは、株式市場が、地銀のB/Sに、簿外の含み
損を見ているということです。

資産が正常な銀行が統合されることはない。債券と債権の時価評価と、
株主の評価による株価が正常なら、決定権をもつ株主が統合を許さな
いからです。

【地銀の株価PBRが0.2倍から0.5倍ということの意味】
銀行の株価は、バランスシートの簿外の、債券と債権(貸付金)の含
み損を反映します。全国に90行ある地銀の、株価PBR(株価/純資産)は、
解散価値を激しく下回るところが多い(0.2~0.5倍)。
自己資本が、ほとんど消えているということです。

現在は、日銀による、円の大量供給(当座預金)で資金繰りがついて、
生きています。ところが、大元(おおもと)の日銀も保有する583兆
円の国債(平均満期は8年)の価格を、0.5%の金利で時価評価すれば、
20兆円くらいの含み損から債務超過です。

【3大メガバンクのPBR(株価/純資産倍率)も0.6倍台で、地銀と大差
がない】
3大メガバンクの筆頭である三菱UFJのPBRは、0.69倍、みずほ0.57倍、
三井住友0.62倍です(23年1月末)。このPBRは、3大メガバンクすら
保有債券と資産を全部売却し、貸付金を回収したとき、株価時価総額
の約1/2になるということを示します。

◎株主が、邦銀大手のバランスシートも、隠れた含み損を見ているこ
とを証明しているのが、1倍以下のPBRです。

米銀大手(JPモルガン、ゴールドマン、BOA)もPBRは2倍くらいであ
り、高いとは言えない。デリバティブ資産がもっとも大きなドイツ銀
行のPBRも、邦銀と同じレベルの、0.5倍付近です。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO78867610Y1A221C2EE9000/

金利が今より下がらない限り、国債と債券の価格は上がらず、時価総
資産の上昇はない。

2023年は米国、日本、欧州ともに、金利は下がらないでしょう。日本
と欧州は、米国とは逆に物価と同じように、金利も6か月くらい遅れ
た上昇傾向です。

物価が9.2%(22年12月)上がっているECBは、0.5%の利上げをして
2.5%になりました。

日本では、23年1月の東京都区部の生鮮とエネルギーを除くコア物価
(米国のCPEに相当する)は3%上昇ですが(生鮮だけを除くと前年比
4.3%上昇)、短期金利は0%~0.1%、10年債は0.5%に止めおかれて
います。

2023年の日本の物価は、5%の賃上げも見込まれるので、22年10月に
ピークアウトした米国とは逆に、エネルギー価格が下がっても、上が
ります(3月末春闘)

【日本の金利】
22年1月のコア物価3%との関係からは、日本の金利は、すくなくとも
2%程度でなければならない。

日銀は、放置すれば上がる市場の金利を、10年債を0.5%金利の指し
値で必死に買って、ムリヤリ、上昇を抑えています(1月12日と13日
の2日間で10兆円という異常な金額です)。いつまで、この無理な買
いができるのでしょう。
(東京都区部のCPI)
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/kubu.pdf

◎日銀が、コア物価を追って金利を上げることができないのは、
1200兆円の日銀、金融機関、外銀が持つ1200兆円の円国債が、金利1
%上がるごとに約8%(96兆円)価格が下がるからです。

◎MMT(現代貨幣理論)では、2%以上のインフレなれば、金利を上げ
ればいいとされていました。ところが、日本では2022年までの平均が
0.25%の国債の値下がりが、1%の利上げにつき約7%下がるので、イ
ンフレになっても、適切な利上げが実行できない。

1200兆円の平均残存期間は8年です。2%に金利が上がると、国債の価
格は、「(1+0.0025)の8乗÷(1+0.02)の8乗=1.02÷1.17=87
%・・・13%(156兆円)」下がります。

日本の金利が2%に上がると、合計で156兆円の含み損が、
・50%をもつ日銀、
・24%をもつ日本の金融機関とGPIF(年金基金)や郵貯、
・16%をもつ海外の金融機関に出るのです。

【後記】
投資家集合の中では、当方の見解は、1/30の少数派でしょう。
この見解を採用するかどうかは、あなたの判断によります。

ヘッジファンドは、一般に、株価のパッシブ(受動的)な指数(ダウ、
S&P,日経平均)より高い利益目標を掲げて、富裕な個人投資家と機関
投資家から投資預託金を集めています(預託金総額推計500兆円)。

【ヘッジファンドの年間利益は、0%付近】
ヘッジファンドのポートフォリオ(各種債券、通貨、コモデティへの
分散投資)による運用成績は、最近12か月で、マイナス10%付近から
~10%程度と低い(平均は約0%)。株価が2倍に上がっていた過去3
年間でも、年平均4%から6%の運用益しかない。

これが、技術を駆使した大口投資の、過去からの実態です。どう考え
ますか? 30%以上の大きな損をしなかったことがいいのか、下落リ
スクスクをヘッジ(保険をかけること)した投資利益率の低さ(3年
間;5%付近/年)が悪いのか。

(HFR;世界のヘッジファンドの運用実績;先頭のHFRI 500)
https://www.hfr.com/family-indices/hfri-500-hedge-fund-indices#

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